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【人】 転校生 矢川 誠壱[ 客席を見た。さっき歓声をとめた 女の子たちと目があった。 この子たちにとって、おれはきっと個人で。 それは、怖いこと、なんだけど。 ふ、と柔く微笑んでみる。 ひとりの女の子の顔が綻んだ。 自分を守るために個人であることを 拒絶するのは、それを見てくれている 人たちのことも、否定することに なるのかもしれないな、と思った。 顔を上げる。 照明の向こう側は、光が強くて見えない。 ただ、きっとそこにいるんだろう。 否定して、ごめん。 ほんとは、おれが一番逃げてるのかも しれないのにさ、偉そうに言ってごめん。] (274) 2020/06/19(Fri) 23:14:03 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ ───記憶に、残りたいよ。 もう誤魔化さないでさ。] っ ─── [ ボーカルのがなりが響く。 勢いだけで切り開いていく。 コーラスを、重ねる。] (279) 2020/06/19(Fri) 23:20:48 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ ああ 気づくのが遅いんだよな。 だってもう、終わってしまうじゃないか。 まだ もうすこしここにいたい。 まだ、おわってほしくない。 おれは まだ、] WMy Name isW [ 息遣いが、無音に響く。] (280) 2020/06/19(Fri) 23:21:11 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ そして、静寂を挟んで、沸いた。 満面の笑みのボーカルがこちらを向く。] 「やっぱメンバーだけ紹介しとく! ギターの裕也!ドラムの智! ベースのイチ!んで、祐樹でした! Two winsはまだ終わらねーからな! ありがとうございました!!」 [ 半ば雑な紹介を最後に持ってきて、 そうして、WTwo winsWの 文化祭のステージは幕を閉じた。 袖に引っ込んで。瞬間、深いため息が そして、目頭が熱くなった。] (281) 2020/06/19(Fri) 23:21:34 |
【人】 転校生 矢川 誠壱「ごめん、やっぱさ、紹介してえよ だって新しいメンバー入ったのにさ なんも言わないままなんて寂しいよ」 [ と、祐樹が眉尻を下げた。] ──────大丈夫、 …ありがと、みんな [ そう小さくお礼を言って。 一度顔を洗おうと袖を出ようと。 そのとき、ステージを挟んで向こう側。 これから出番となる人が立つはずのそこに、 見知った顔があるものだから。]] (282) 2020/06/19(Fri) 23:21:53 |
【人】 転校生 矢川 誠壱え、 [ 小さく溢れる。 そのまま、ステージ近くまで足を進め。 暗い。暗いけれど、見える。 なにか、言ったのはわかったが、 その言葉までは分からなくて。 ただ、その左手が上がって、 こちらに示すのは、希望だから。 ───淡い期待。 深く頷いて、こちらもサムズアップした。 ───届いたのだろうか。彼に。 もしそうならいいのに、と淡い期待を抱いて。]* (283) 2020/06/19(Fri) 23:22:12 |
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