| [ はぁ、と息を吐いて、天井を見上げた。 もう指一本動かせない、と思った。 そしたら最後の音が消えたその瞬間に、 上の方からデカい拍手が聞こえて。 ] …ぶっ。 ( 須藤のやつ。) [ ゆっくり、椅子から立ち上がる。 今更ガクガクしやがる膝をなんとか抑えこんで、 客席から送られる拍手にぺこりと礼をした。 二階を見上げて、もう一度、 頭を下げる。 舞台から降りようとして歩き出せば、 先輩、と呼び掛ける声。 >>284。 ] …だから、声がでけぇんだよ。 [ と呟いて、笑う。 ありがとな、と叫び返したかった。 ]* (287) 2020/06/19(Fri) 23:54:30 |