褐炭 レヴァティは、メモを貼った。 (a88) 2021/06/01(Tue) 15:19:51 |
褐炭 レヴァティは、メモを貼った。 (a89) 2021/06/01(Tue) 15:30:43 |
ラサルハグは、説明をした後、少し嫌そうな顔で煙草を捨てた。煙草は教育に悪い。大嫌い。 (t12) 2021/06/01(Tue) 15:44:35 |
【人】 徒然 シトゥラ>>+55 ルヘナ 「昼間は寝ていたから体力はあるか? お腹は空いているけど、明日まで大丈夫だし。 ルヘナは何を気にしているんだ……」 わからない、なんの言葉を続けていいのか。 ルヘナの求めている言葉は何だろう? 『味』に関しては、やらかしたと内心思った。 嘘をついたほうがよっぽどルヘナは見逃してくれたのかもしれない 「死なないよ、誰かは内緒、その子の為に喧嘩をする、別にボクが満たされるためじゃない ――――……いや、セキレイ がしてあげたいことだ」いい子のボクがそうしたいらしい、 それが誰かにとっては悲しいことで間違いだとしても。 「ボクなんかを殺して殺人犯になったら可哀想だろう、 魔術師ならセキレイに怒りたかった人がいるのもわかるはずだ。 その一人に会いに行く。 ちょっと殴られるつもりなだけだから心配しないでくれ」 黒が少し頬を汚して、擽ったそうに笑う。 「あの絵、結構うまくかけてるだろ。 先生にも内緒にしていたんだ、みんながいる所を今度は描きたい」 外から教師の足音はしばらくなかった、 きっとあの騒音は見逃されてくれたのだろう。 離して良いかと身体をよじりあなたから抜け出し立ち上がろうとした (50) 2021/06/01(Tue) 16:30:04 |
【置】 褐炭 レヴァティ>>a16 朝食後 「ああ、大人がいなくなったんですか」 放送の指示書を読みながら、 目の前の大人にこともなげに言った。 「え? 俺がそんなことできると思いよります?」 悟られるつもりがなかった大人は逆切れをして来た。 が、レヴァティは至って普段調子だ。 「できませんよ、よくご存じでしょう? 放送終わったら、大人に心当たりを言うんが こわそうな子たちに聞いてはみますね」 生意気な態度を理由に数度殴られ、最後には蹴り捨てられる。 まぁ、これも日常の範囲内。この後が授業でよかった。 (L14) 2021/06/01(Tue) 16:44:15 公開: 2021/06/01(Tue) 16:45:00 |
レヴァティは、指示書に書いていないことも放送しました。だから、後で怒られます。 (a90) 2021/06/01(Tue) 16:53:28 |
【見】 鏡の前の ポルクス>>+57 「あ、ああ。こんにちは。イクリール。こないだはごめんね」 カストルの姿をした少年が気まずそうに出てきた。 「ほら、これはね、 お花 (@9) 2021/06/01(Tue) 17:31:47 |
【人】 徒然 シトゥラ>>+56 ルヘナ 「………、………?」 あなたからの特別な望み。 果たして伝えられていただろうか、 といくつもの記憶をさかのぼって。 「……??」 どれを思いあたっても、 それが望みだとは思えなくて 「………え?」 随分味を持った困惑の言葉は僅かに図書室に響き渡り、 ゆっくりと視線をそらすシトゥラの周りで霧散していった もしかして。 随分と長く素っ頓狂な返答を 彼にし続けていたような気がする。 「いつ……、それは―――」 すべてのみこんで、今は道化でも。 大人に褒められるいい子は そろそろ卒業しようとしていたところだ。 引かれた裾を掴む手を包み込むように手を重ね 口元だけ愉快そうに笑いかければ、その耳にそっと囁いた (51) 2021/06/01(Tue) 17:41:27 |
【置】 小さな心臓の サルガス【吊り懇願ロール】 子供たちが夕食を終え、一人は自主学習に勤しみ、一人は消灯までの時間を友人と楽しむ。 ひそやかな変化を肌の外に感じながらも、おおむねの子供たちはいつもどおりの生活を送っている。 多大な変化があったとしても、己の身に降りかかるものがなければ、みなそれと気づくことはないのだ。 ひとりふたり、消えたとて。それが自分の友人でなければ、想人でなければ。 見ないふりをして、本当に見ずに済んでしまうのさえ、たやすいことであるのだから。 だから、加えて少しの異変があっても、それを疑う者はなかった。大人が関わるならば尚更。 よけいなことを考えないほうが幸せになれると、みな、知っている。 一人の教員が一人の生徒の部屋までわざわざ訪れ、迎えに来ても。余計な詮索は、なかった。 少年は教員に連れられて歩く。背中の傷を庇うように、動きはかすかに鈍い。 顔色は未だ青白さがありながらも、おもては惑いもなく状況を受け入れているように見えた。 少年も、教員も。なるべく人気の少ない廊下を渡り、棟を渡っていく間、一言も喋らなかった。 教員のほうは抵抗に備え多少の緊張が見られたが、警戒に引っかかることなど何ひとつなかった。 少年の目はまっすぐに前を向き、不要に周りを見ることもなく、然るべき場所へと歩み入った。 後ろでかすかな喧騒が聞こえる。風がざわめくようなそれは、こどもたちの声だ。 悩み、苦しみ、痛みを負った子供たちは数多くいた。そしてその多くは、反目を示さなかった。 いなくなった子供のことを探さない。いなくなる子供のことを顧みない。 もはや見えなくなってしまったことの者など、意識の内側にはなくなってしまっている。 今日も、ギムナジウムはささやかな幸せと無邪気に彩られていた。 これより"治療"される少年の姿を、大人の領域は格納する。 (L16) 2021/06/01(Tue) 17:55:03 公開: 2021/06/01(Tue) 18:00:00 |
【置】 小さな心臓の サルガス ――…… ひどく、ひどく憔悴した様子のまま、少年は部屋へと戻された。 深夜のことだった。もはや誰もが寝静まり、或いは素知らぬ出来事として聞かぬままを決め込んだ。 本当ならば歩くのもやっとなのだろうか? けれど、異常を抱えた体は神経を鋭敏に尖らせ、 ふしぎなほどに少年の体を突き動かし、からくり人形のように歩ませてみせた。 解放された少年が何を受けたのか、或いは何を見たのか。如何程の懲罰を下されたかはまだわからない。 「は、は、はは。ははは、はは」 けれど、少年は笑っていた。想像の埓外のものを見て、或いは受けて。 このギムナジウムがどのような施設であるかを、理解してしまった。故に、受け止めきれなかった。 小さな体は誰にも届かない空笑いを水滴のように廊下に落としていきながら、 幽鬼さながらにまっすぐに、歩いていた。手には、外から拾い上げた襤褸と輪縄を持って。 見るものが見れば怪談としてひそやかに噂しただろうか、でも、見たものはいない。 柔らかな足音はいびつにかすかな旋律を響かせながら、まっすぐにひとつを目指している。 「ああ、ああ。ぼくは、なんて。おろかで、残酷だったのだろう。 これほどまでなんて。このばしょが、こんなところだったなんて。なのに、なにも、知らずに。 ぼくは、なんて無責任に、おもみのないことばを、みんなにかけてしまえたのだろう」 笑っていた。笑っていた。あらゆる望みを絶たれ、体と心は支えを失った。 冷え切った涙がまるい頬をそろそろと伝って襟首を濡らす。 言い表しようのない感情の荒波が、少年の心を襲った。ゆえに、壊れかけてしまったのだ。 ついには足取りは一つの部屋へたどり着き、誰もいない室内へと歩み出す。 食堂は、まだ朝の用意もせずに静まり返っていた。 この場所が動き始めるのは生徒たちが起き出すよりも少しばかり早いだろう。 働くものさえいない暗い大部屋は、普段の陽気を忘れたようにしんと冷たくなっている。 (L17) 2021/06/01(Tue) 17:55:19 公開: 2021/06/01(Tue) 18:20:00 |
【置】 一人の少女 ブラキウム*スピカへ* 君の善意を利用してすっかり頼ってしまった。 もう『保険』は要らなくなったんだ。 色々気を揉ませたみたいで悪いね。 今回も返信不要だからよろしく。 *ブラキウム* (L18) 2021/06/01(Tue) 17:55:25 公開: 2021/06/01(Tue) 18:00:00 |
【置】 小さな心臓の サルガス「いないものにされた、あなたがたを。ぼくはどれだけ理解できていただろうか。 ごめんなさい。きっとそのなかには、無神経なことばさえもあっただろう。 ありがとう。おろかで、正しくあなたがたのことを守れないぼくを、見守ってくれて」 懺悔の言葉は、誰にも向けてはしまえない。言ってしまったところで、何になる? 自己満足にすぎない韜晦を明けっ広げにしたところで、かれらの苦痛は取り去れない。 「けれど――……ああ、それならば。ぼくが、見ないひとにも、わかってもらえるよう。 この場所がけっしていいものではなくて、身を守るものがそこにはないということを。 みんなに、わかってもらうから。あなたがたを、ひとりきりにはしないから。 あなたがたを守れなかったぼくの、これがさいごの献身です。 おとなが触れられたがらないものを、ぼくが、みなにおもいださせます」 少年は知らない。決死の覚悟が、"回収"の終了により無為になることは。 少年のしたこと、それを見るものの記憶は、ほとんどが少年そのものの記憶と共に消失するだろう。 布石にはなりえないのかもしれない、それでも、何か一つでも。 "大人"へ対抗するきっかけになればと、その身は魂の使命感で動かされていた。 それは絶望の熱が突き動かす妄念だったかもしれない。冷静で正当な決起ではなかったかもしれない。 それでも、少年は。祈っていた。 食堂の梁に縄が通され、人間ひとりぶんの体重を支えるに十分なしかけが作られる。 いつも座って談笑し、食事をしていたあの椅子は。今は靴の下にある。 ぴんと引っ張って確かめ、用ごとを果たすに支障ないことを確かめると、縄に両手をかけた。 「どうか、ぼくで。ぼくで、さいごでありますように。 だれも、見ないふりなどさせず、しないように済みますように」 (L19) 2021/06/01(Tue) 17:55:38 公開: 2021/06/01(Tue) 18:40:00 |
【置】 小さな心臓の サルガス 椅子に登り、自分の首に縄をかける。重みで滑ってしまわないようにしっかりと首の下に通し、 食堂の真ん中で少年の体は宙に浮かされるようになった。 涙が縄をしとどに濡らし、皮肉にも皮膚にしっかりと食い込むようになった。 人間の脳は活動を停止する前に、幸福を呼び起こす物質を出して苦痛や不安を取り除くのだという。 まるで酒に心地よく飲まれているような幸福感を覚え、愛するものらが想像の中に現れ、 走馬灯のようにしあわせな光景を映し出す。それが現実に非ずとも。 間際に彼は何を思うだろうか。きっと、自分の友だちと、その友だちのことだろうか。 想像の中の風景には大人はおらず、身の回りに居たひとびととそれらが大切に思うひとびとを、 若木と青草の匂いでいっぱいに囲まれた、青空の下で笑い合っているのだ。 そこには苦痛もなく、不運もなく、かれらをくるしめるものは何一つ無い。 こどもたちの楽園ばかりを少年はただ願い、そっと、微笑んだ。 "みなさまがたの御手を借りての拍手の御力で、なにとぞこの私めの呪縛をお解き下さい。 みなさまがたのご好意の息で私の船の帆を一杯にふくらませて頂かねば、 みなさまがたをおもてなそうとした私の企てはすべて失敗です。 今や命令すべき精霊もなく、魔法を行う術もなく、 みなさまのお祈りによって救われるのでなくば、 私の終末は絶望あるのみでございます。 そのお祈りは上天に達し、 慈悲のお耳にあらしとなって吹き荒れて、 すべての罪のお許しを。 みなみなさまがよろず罪からの許しを願われるように、ご寛容のほど願います、" 少年は、足元の椅子を蹴った。 "どうぞ私めにもこれにて自由を。" (L20) 2021/06/01(Tue) 17:55:59 公開: 2021/06/01(Tue) 19:00:00 |
ブラキウムは、また人伝に手紙を贈った。 (a91) 2021/06/01(Tue) 17:56:15 |
【置】 一人の少女 ブラキウム*イクリールへ* 君の言う通り、ギムナジウムは良いところなのかもしれないね。 みんなのことを好きで居てくれる君が居てくれて良かった。 できるだけ君のお願いも守ろうと思ったんだけど……悪いね。いろいろあったから。 でもみんなのために、好きなもののためだから許してくれないかな。 ちゃんと言ってなかったからこれで。 *ブラキウム* (L21) 2021/06/01(Tue) 17:56:57 公開: 2021/06/01(Tue) 18:00:00 |
ブラキウムは、今度は『おともだち』にを伝って。 (a92) 2021/06/01(Tue) 17:59:42 |
【置】 徒然 シトゥラ この日、シトゥラは朝食以外姿を見せなかった。 シェルタンと言葉を交わし アルレシャ先生に会いに行き レヴァティに頼み事をして放送室を観察した うたた寝をしそうになり昼間の放送を聞きながら 午前と同じ理由で授業をサボって秘密の部屋で眠っていた いい子の自分は連れて行かれた彼らへの 干渉をするつもりがない。 だけど、連れて行かれた子との約束は、 いつまでも胸の中に残っている。 卒業をしても会いに行く、些細な明日を永遠に望んでいる。 だから、もし自分の部屋を訪れる人がいたら 彼らに手紙が届くようにほんの少しだけ手回しをした。 自分はいい子でいつづけなければいけない。 そう思いながら書いたのに。 いつまでたっても文面は 未練しかない会いたいの気持ちであふれていた。 変わってしまった子が怖い、直接話すことなんてできない 犯人≠ニわかったときに幻滅をされたくない。 全部最初から自分のためで ようやく自分がいい子じゃ無いことに気づいた。 に気づかされてしまった、皮肉にも。 (L22) 2021/06/01(Tue) 18:22:57 公開: 2021/06/01(Tue) 18:25:00 |
【人】 恋と、愛と シェルタン>>『メレフ』 「……メレフ」 恐る恐る近づいて。手に触れようとする。 迷うから手を引く、なんて、月並みな表現だけど。 あんなことがあって、嫌がられないか、 拒絶されても仕方ないかな、とは思いながら。 「オレは、自分以外にまで、 何かを信じることを強いたりなんてできないよ。 でも、どう生きればいいか分かんないんなら、 ひとつだけ、できることがある」 すう、と深呼吸を挟んで。 「 オレの側で、生きててほしい。 それだけでいい。オレがきっとなんとかしてやる。 勿論何だってはできないだろうな。みんなが、誰かが傷つくのを見たくないように、メレフもオレが傷つくのは嫌だろうから。 ギムナジウムのことは嫌いでいい。オレも、許せない。 だけど……アンタにも、笑っていてほしいから。 怖さや、嫌な気持ちを、出来る限り無くしてやりたい。……これが……シトゥラの言う、 本当の愛 か、メレフの言った恋 か、分かんないけど。オレにとっても大事なことなんだ、これは」 (52) 2021/06/01(Tue) 18:37:48 |
ポルクスは、シトゥラに微笑んだ。 (t13) 2021/06/01(Tue) 18:40:26 |
ポルクスは、イクリールから貰った手紙を、そっと懐にしまった。 (t14) 2021/06/01(Tue) 18:41:41 |
【置】 徒然 シトゥラ 午後は日が暮れるまでずっと眠っていた そして夜になってふと、 忘れ物をとりに図書室に向かったのだ。 ほんの少しの期待と未練をもって。 大好きだった後輩は 協力関係を続ける前に大人に連れて行かれた。 知的好奇心の塊は、きっと大人に染まってしまう 自分のことを見てくれるはずもない、そう思うと 大切にしていた切ない思いがわずかに痛んで壊れそうだった。 誰かを好いているあなた達に妬けてしまう。 誰かに好かれているあなた達に妬けてしまう。 自分が才能があるわけでもないのに、 努力を人何倍やってきたわけでもないのに馬鹿げた話だった だから、……全部すんだらここでまた話そうと約束した。 夜に彼の姿が見えたのは驚いた、 なぜならこのあと喧嘩をしに行くところだったのだから。 そして困惑した。 何故、自分はこんなにも心配をされていて、 命の危険があると思われているのだろう。 死ぬつもりなどない、 できる限りの手段手配をした 。自分の立場だからできることだった。 (L23) 2021/06/01(Tue) 18:59:13 公開: 2021/06/01(Tue) 19:30:00 |
【置】 徒然 シトゥラ「ルヘナ、ボクが死にたいように見えていたかな」 約束は破らないのに 「……どうして悲しい顔をしていた?」 やっぱり顔を合わせない方が良かっただろうか 「大人に、ちゃんと許可をもらわないと。 みんなと話したい、触りたい」 大人に何をされるかわからないけれど、 ご褒美でどうにかならないだろうか 「はやく、会いたい」 ただそれだけを考え続けていた (L24) 2021/06/01(Tue) 19:02:30 公開: 2021/06/01(Tue) 19:30:00 |
一人の少女 ブラキウムは、メモを貼った。 (a93) 2021/06/01(Tue) 19:04:59 |
恋と、愛と シェルタンは、メモを貼った。 (a94) 2021/06/01(Tue) 19:11:31 |
【置】 徒然 シトゥラ 深夜になり、 誘い出したメレフはやっぱり来た。 そして――――躊躇無く自分に対して その 復讐 を振り下ろしてくれた「―――――」 鮮血 が舞った復讐ができたらそれでよかった? ここで死んだら、あなたは救われない。 殴っていたいのは、あなただっただろう いたくなかった こんなもの、 いたくなかった 一番痛んでいるのはあなただから もっとつらいのはみんなだから 自分が痛いはずがなかった。 いたみを味わうのはきっと愛されたときだけだ。 きっとそれは、切なくて、苦しくて、 何物にも代えがたい忘れたくないものになるだろう (L25) 2021/06/01(Tue) 19:15:00 公開: 2021/06/01(Tue) 19:45:00 |
【置】 徒然 シトゥラ 耐えきれずに膝から崩れた 何度も叩かれた 頭上からは放っておけば死んでしまうほどの 血 が流れている。ただでさえ意識を強く持っていなければ、耐え切れそうにない 霞んでる視界にあなたがうつらない。 メレフの声が聞こえない。 ふと、とある夜が頭に浮かんだ。 あの子からもらっていたあれが本物の 愛 だったのならずっと欲しいと願っていたものが手に入っていたとしたら 一日だって我慢はできない。 今すぐ欲しいと手を伸ばして、どこへも行かせなかっただろう。 あれはかりそめだと、思い込んでいた。 勘違いしたらいけない。 苦しい、会いたい、欲しい。欲して欲しい。愛して 見ないふりをしないわるい子をいい子の自分は許さない。 どうすればいい子をせずにすむのだろう? 「(もしここで、死んでしまえば)」 「 セキレイ のシトゥラは死んでしまえるだろうか」「そうしたら、……みんなと会ってもいいのかな」 「これ以上、……みんなに辛い目に遭って欲しくないな」 「手を引きたい、早く大人になりたい――――」 (L26) 2021/06/01(Tue) 19:20:05 公開: 2021/06/01(Tue) 19:45:00 |
【置】 恋と、愛と シェルタン「みんなにとって、 このギムナジウムはどんな場所だったんだ?」 朝。演奏を終えた後、残っていた人たちに向けて。 楽しいところだ。否、窮屈なところだ。 特にどうも思わない、好き、嫌い、様々な感情の詰まった言葉を、音楽でも聴くように耳にして。 「──そっか。 そう思うんだな、みんなは。……みんなも。 この ギムナジウム に、沢山の思い出が、籠もっているんだな。 良いことも。嫌なことも。沢山。 オレも同じだよ。色んな良いこと嫌なことがあった」 (L27) 2021/06/01(Tue) 19:21:39 公開: 2021/06/01(Tue) 19:40:00 |
【置】 一人の少女 ブラキウム恋は盲目だという言葉がある。 僕はそうは思わない。 僕はずっと盲目だった。 差し込んでくる光が怖くて傷つかないためにカーテンを閉じていた。 最初から見えないものは怖くなかった。 痛みを感じる事もなかった。 ここに来て僕の目を最初に開かせてくれたのはルヴァだった。 なんとなく、上に立つ僕の隣に居てくれそうな気がして。 上に立った時に僕の隣に居て欲しくて。 知るために目を開いた。 少しずつ恐怖も痛みも耐えらるようになった。 こうしてやっと君の顔を見ることが出来た。 世界がはっきり見える。 ギムナジウムの光をその目で受け止めて、 黒々と伸びていく影を知った。 恋は盲目なんかじゃない。 閉じた瞳を開く最後の決め手はきっと、恋だった。 (L28) 2021/06/01(Tue) 19:22:30 公開: 2021/06/01(Tue) 19:50:00 |
【置】 恋と、愛と シェルタン「本当に、 ちょっと前までは最悪の場所だと思ってたんだぜ? 皆に内緒で勝手に外の大人に会いに行って。 で、最近無理矢理連れてかれたかと思えば、 それをみんなにバラされて、無視されまくってさ」 なあ?と問えば、 気まずそうな。或いは訝しげな。それとも、 それを心から恥じているような……さまざまな表情。 「大人も。大人たちも。 良い人、悪い人がいた。 授業を欠席したら心配してくれるような人。 或いは、寄ってたかってオレを虐めるような人。 ここには、良いものも、悪いものもたくさんある」 昔話でもするように瞳を閉じて。 (L29) 2021/06/01(Tue) 19:24:58 公開: 2021/06/01(Tue) 19:45:00 |
【置】 一人の少女 ブラキウム僕は約束を果たしに行くよ。 みんなの事も大切だけれど。 守りたいけれど。 これが僕の一番好きなものだから。 冷静な判断じゃないかもしれない。 間違っているかもしれない。 僕はこんな人間じゃなかったんだけどな。 ……やっぱり恋は盲目なのかも? (L30) 2021/06/01(Tue) 19:26:37 公開: 2021/06/01(Tue) 19:55:00 |
【置】 恋と、愛と シェルタン「……みんな。変わらないんだ。どんなに変わっていっても、みんな、みんな。 “同じところに空の下に生きている”んだ。 だからオレは、それを伝える為に、帰ってきたんだよ」 だから人々は、千差万別である。 憤慨して席を立つもの。困惑げに話を聞くもの。 心の底から、話に聞き入っているもの。 ──皆が、同じ星仰ぐ、ギムナジウムの子らだ。 「なあ。次にここから消えるのは誰だと思う? アンタか。 そこのアンタか。 ──それとも、またオレか。 いや、違う。 もう誰も消えたりなんかしない」 流星の如く。瞳を瞬せて、不敵に微笑む。 「オレたちがしっかりと見つめてあげて。見つけてあげて。 ここから、絶対に消さないようにしよう。 だってみんなみんな、同じ場所に思い出を持ってるから。 嫌いでもないのに、仲間外れにするのはかわいそうだろ」 (L31) 2021/06/01(Tue) 19:31:03 公開: 2021/06/01(Tue) 19:50:00 |
ブラキウムは、澄んだ視界を愛おしそうに見つめた。 (a95) 2021/06/01(Tue) 19:31:32 |
【人】 恋と、愛と シェルタンギムナジウムは直ぐには変わらないかもしれない。 けれど。 『変わっていった』自分たちもまた、 “他のみんなと何一つ変わらない”ものであること。 もう仲間外れができないように。 記憶を綴った。 (53) 2021/06/01(Tue) 19:33:05 |
シェルタンは、希望は、自分だけのものであることを知っている。 (a96) 2021/06/01(Tue) 19:35:51 |
シェルタンは、自分にできることは希望を見せることだけだと知っている。 (a97) 2021/06/01(Tue) 19:36:03 |
【置】 徒然 シトゥラ赤い血 の中に沈んで居ればレヴァティの足音が聞こえた。ねえ、 赤ずきん 。どっちが赤ずきんかわからなくなってしまったね 軽口もたたけない。今度お礼をしないと。 アルレシャの声が聞こえた。 ねえ、 先生 。助けてください。 自分の命を救った大人から聞いたのは本当の真実。 あなた達は似ていた、とても 親切で、とても残酷だった。大人たちは、 『君』の事なんて、さぁ。 『考え』もしなければ、 『愛しい』も思わなければ、 『いい子』とすら、これっぽっちも、考えていない。 大人はすべての価値観を壊していった。 誰よりも先生をしてくれて、 知りたくなかった 知りたかったことを教えてくれた。 赤ずきんもわかっていたんだ。 だからずっと優しくしてくれていた。 すべてがわかって朝日が昇る頃、一人で居るのがとても辛くなった。 会いたい、……ボクを許して欲しい。 まだ声は届くのかな (L32) 2021/06/01(Tue) 19:36:18 公開: 2021/06/01(Tue) 21:50:00 |
シェルタンは、それが“いつも通り”であればいいな、と思った。 (a98) 2021/06/01(Tue) 19:36:29 |
シェルタンは、いつもどおりだ。 (a99) 2021/06/01(Tue) 19:36:36 |
【置】 徒然 シトゥラ 友人に迎えに来てもらって、先生に傷を治してもらって。 親切≠ノ真実を教えてもらって。 これは、よっぽど愛された行為では無かったかと 今は追いつかない感情はその思考をかき消していた。 「……やっぱり、食堂にいけそうにない。」 自分の友人は皆、似たことを言ってくれた。 愛される人間は理由がある。 愛嬌に、特技に、人望に――――自分は足りていない。 絶望した気持ちと同時に湧き上がったのは歓喜だ。 それでも、『見』てくれる人がいるじゃないか。 みんな、『見』てくれるのを待っていてくれていた。 気づくのが遅すぎてしまった、悲しいのに嬉しくて 「こんな泣き顔でいけるわけがない……っ」 見られることもないのに、馬鹿みたいに繕って 大好きな大人と、大好きな子供たちへの気持ちに気づくのに こんなに時間がかかってしまった。 「っ、うぁ……うぁああああああ……」 頭にわずかに赤がにじむ包帯を巻きながら、 図書室の委員だけの秘密の部屋で 朝からシトゥラは泣き続けていた (L33) 2021/06/01(Tue) 19:41:43 公開: 2021/06/01(Tue) 19:55:00 |
【置】 褐炭 レヴァティ (──参考:Wikipedia) 初期の赤ずきんは、赤ずきんが狼に食べられたところで物語が終わり、猟師は登場しない。 版を重ねるごとに話の内容に手を加えられ、赤ずきんとおばあさんが狼のお腹から生きたまま救出されるエピソードは、比較的新しく作られたものである。 (L34) 2021/06/01(Tue) 19:54:16 公開: 2021/06/01(Tue) 19:55:00 |
レヴァティは、何かを思い浮かべながら呟いた。「帰りますけど、帰りたくないなァ」 (a100) 2021/06/01(Tue) 19:54:31 |
ブラキウムは、恋に落ちた。 (a101) 2021/06/01(Tue) 19:57:53 |
ブラキウムは、二人でどこまでも――落ちていく。 (a102) 2021/06/01(Tue) 19:58:16 |
サルガスは、メレフの"手"を放した。もう、彼が触れ合うことに恐れを持たないように。 (a103) 2021/06/01(Tue) 19:59:08 |
レヴァティは、卒業したら幽霊になります。 (a104) 2021/06/01(Tue) 19:59:58 |
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