T『魔術師』 シンは、メモを貼った。 (a55) 2022/12/12(Mon) 18:32:34 |
【人】 T『魔術師』 シン―― 回想・"親友"について ―― [ フォル兄さん――フォルスと出会ったのは、 ぼくがほんとにまだ幼い頃の話だ。 同じ証持ち、というのは、 その時にはもうヴェル兄さんだけで、 初めて会ったその子も証持ちだと言われれば、 わあ、と目を輝かせたことだろう。 ヴェル兄さんについて回って、 その手を繋いでもらっていることが多かった。 それをヴェル兄さんにねだっていた、けど、 ヴェル兄さんの手を離して、彼の前へと行った。] はじめまして! あえてうれしい! [ 大きくて、小さな世界。 知らない大人ばかりに囲まれたその場所で。 歳の近い、自分と同じもの。 その仲間が増えることは、とても嬉しかったんだよ。] (364) 2022/12/12(Mon) 21:48:58 |
【人】 T『魔術師』 シン[ ぼくが話せることはきっと多くなかった。 だけど、洋館の案内として、 こんなものがあるんだよ!とか、 本で読んだ遊び、 ふたりじゃできないけどさんにんなら!とか、 フォルの手を取って、ぐいぐい引いて。 フォルも色々なこと、話してくれてたかな、 笑ってくれてたかな? きみの初めての滞在は、ぼくにとっても新鮮で、 珍しくて、楽しいものだったよ。] (365) 2022/12/12(Mon) 21:49:55 |
【人】 T『魔術師』 シン[ だけどね、フォルはここに住まないんだって、 おうちに帰るんだって。 同じ証持ちなのに、なんでなんだろう? 幼かったぼくには分からなくて、 最初と同じようにヴェル兄さんの手を握って、 フォルのことを見送って、 ……その夜は、ヴェル兄さんのベッドに潜り込んで ぐすぐす泣いていた。 それだけ楽しくて、寂しかった。] (366) 2022/12/12(Mon) 21:50:50 |
【人】 T『魔術師』 シン[ だけど、またフォルが来たら、 ぼくは笑顔で迎えただろうね。 帰るとき、行かないで、とはずーっと言えなくて、 一番最初のおわかれ、帰ると言われて呆けたままの表情は、 いつしか、笑顔で見送ることも、上手くなってしまったね。 フォルには帰るおうちがある>>320。 洋館に住まないのはそういうこと。 知ったのはいつのことだったかな。 でもその時のぼくもまだ、 それは一握りの証持ちしか許されていないことだって、 気付いてなかったから。 フォルの境遇に対して、何を思うこともなかった。 ぼくにだって、父さんと母さんはいたからね。 ずっと一緒、ってことはなかったけど、 一緒に過ごすことはできていた。] (367) 2022/12/12(Mon) 21:51:30 |
【人】 T『魔術師』 シン[ フォルの方が年上だったから、 フォル兄さん、って呼ぶこともあったし、 ぼくにとってのフォル兄さんは、最初は兄だった。 ぼくは"ともだち"を知らなかったから。 ともだち、を教えてもらったのは、 フォル兄さんにだったかな。 それとも、ヴェル兄さんだったかも。 彼を"ともだち"だと認識してしまえば、 証持ちの仲間意識とも違う、初めての感覚に、 とても嬉しくなった。 だからぼくにとっても、初めての友達はフォルだったよ。 シンに『親しい』って意味があるのを知ったのは ]いつだったかな。 ぼくにとってもフォルは『親友』だよ! だってシンのトモダチだからね! (368) 2022/12/12(Mon) 21:52:21 |
【人】 T『魔術師』 シン[ 昔から色々考える子供だった。 それは『魔術師』である故、だったのかもしれない。 口に出したらヴェル兄さんは楽しそうにしてくれる。 そこにフォルも加わってアイデアは膨らんで、 時にすてきに形になった>>322。 先のアリスちゃんの誕生日パーティーの提案。 大人になったフォル兄さんが、 少し昔のフォルに戻ったような気がして、 すこし目を瞬いた>>323。] でしょー! 協力よろしくねーフォル兄さん! [ 乗り気なフォル兄さんを巻き込んで。船に乗せる。 泥舟ー? いやいや、 フォル兄さんがいたらそうはならないでしょー? ぼくが何でも口に出すのは、 フォルが昔から乗ってくれたから、っていうのも あるんだろうな。] (369) 2022/12/12(Mon) 21:53:02 |
【人】 T『魔術師』 シン[ フォルも、7年前、洋館に住むことになった。 商人を夢見る姿は、たぶん知ってたと思うけど、 ここに来た理由を、聞くことはあったかな。 聞いてなかったとしても、 子どもの頃とどこか変わってしまったフォルに、 何かが起こったとは察することは出来るはず。 フォルが家族になったのは、嬉しかったけど。 フォルには、笑っててほしかった、のに。] ばい、てーん? [ ヴェル兄さんとの会話は知らない。 だけどフォルがやりたいっていうなら、 ぼくは全力で協力しただろうね! 外の世界はよく知らない。 でも街に出たことがあるから、お店というものは分かる。 それがここに必要なのかは……分からないけど。 だけどフォルがやるっていうなら、 それはいいこと、なんだろう。] (370) 2022/12/12(Mon) 21:53:59 |
【人】 T『魔術師』 シンわー、すごーい [ 並べられる見たこともない商品たち。 ここでは望むものは何でも手に入るけど、 存在を知らなければ欲しいもの、の中には入ることはない。 外の世界には知らないものが色々あるんだなあと、 目を輝かせて並ぶのを見ていた。] ところでフォル兄さーん お金はどうするのー? [ ふわふわのお菓子をじーっと眺めながら。 もらえば良いのかなーっていう考えは、 透けてしまっていたかもしれない。 お金を払って商品を買う。 お金は労働の対価である。 それは知識としては知っているけど、 ぼくはそういうシステムの中に 生まれてからずっといたことないし、 これからもいることはないからね。 分からないんだ、そういうの。] (371) 2022/12/12(Mon) 21:54:45 |
【人】 T『魔術師』 シン[ それなりに恵まれているから、 文字を書いたり計算したり、そういうのは分かるけど、 ぼくにはどうしたって得られない感覚はある。 だからぼくに出来ることって、職員さんに何か相談をかける、 って、それぐらいだったと思うけど。 ぼくは、フォル兄さんの売店のお手伝い、出来てたかな? 少なくとも、商品のアイデアはたくさん出したかも! 洋館暮らしにだって驚きは必要だからね!>>323 思ったよりヘンな音がするけど、 それもアイデア形にする時の愛嬌じゃない? 違う? 苦情はフォル兄さんまでよろしくね! (流れるような裏切り!) ] (374) 2022/12/12(Mon) 21:55:28 |
【人】 T『魔術師』 シン[ 昔々、フォルと会って間もない頃。 涙を流す、初めて見る女の子と、抱きしめるフォルを、 見ていた。 証持ち同士の強い感情を見たのは、あの時が初めてだった。 分からない。 ぼくは証持ちと会うと、嬉しく思うけど、 それとは全然違うのかな。 すこしだけ、うらやましかった。 ……でもそれはうらやむものだったのかと、 今はすこしだけ、思う。**] (376) 2022/12/12(Mon) 21:56:07 |
【人】 T『魔術師』 シン―― 回想・迎えたきみと ―― ……アリアちゃん、かー [ 5年前、職員の人に渡された資料。 それから、証持ちを迎えに行って欲しいのだという、 司令じみたもの。 ヴェル兄さんが『正義』のあの子を迎えに行った みたいなことをする、って、 当時はそう認識していた。 どうしてぼくだったのか、は、知らないけど、 ヴェル兄さんが居なくなって、 洋館暮らしが一番長いぼくだから、っていうのは あったのかな。 もしも連絡を入れたその人が名乗っていたのなら、 育ての親という人からの連絡だということは 分かっていただろう。 アリア、という名前は、その人が教えたか、 それとも職員の事前調査の物か。 ……その名前に込められた意味、までは 察することが出来ないけど、] (437) 2022/12/13(Tue) 0:29:48 |
【人】 T『魔術師』 シン独り 、は哀しいね?[ "誰か"がそう呟いた、気がした。 『魔術師』は、『隠者』の何かにはなれなかったのに。 ……それにどこか、薄ら寒さを覚えたんだ。] (439) 2022/12/13(Tue) 0:30:41 |
【人】 T『魔術師』 シン[ きみと初めて会った時、 心の奥、どこかちりちりと、焼けるような心地を覚えた。 だけど気の所為だと、知らない振りを出来るくらいの ものだったんだ。 ……ある時、までは。] (441) 2022/12/13(Tue) 0:32:07 |
【人】 T『魔術師』 シン[ それから、洋館で薬師をし始めたアリアちゃん。 しばらくの間は、彼女の元へ特に用もなく通っていた。 迎えに行った縁もあるし、 彼女にはここで笑って過ごして欲しかったからね。 何かと構いに行ってたのも、あるかな。 困ったことがあったら言ってね!とか、 洋館に慣れた者という目線で、言ったこともあるかな。 兄、あるいは、先輩のような素振りで。 アリアちゃんの反応が薄くても、別に気にしなかった。 『節制』の子を迎えに行ったアリアちゃんが、 彼女を気にするようになったのは、 ……少し複雑、だったかもしれないけど、 それでもアリアちゃんとシトラちゃん、 まとめて構いに行ったこともあったかな。] (442) 2022/12/13(Tue) 0:32:21 |
【人】 T『魔術師』 シン[ でも、ぼくは 思い出して しまった。この心の、ひりつくような違和感の正体を。 ――3年前、『あの子』がやってきて、から。] (443) 2022/12/13(Tue) 0:33:00 |