人狼物語 三日月国


45 【R18】雲を泳ぐラッコ

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視点:


 人魚を気遣う人は、
 街の中には、いなかったけどさ。
 ユウ君はかわいそうって言ってあげたよね。
 たぶん、この本を読んだ他の人たちも。
 
 
人魚は自分からああなりにいったんじゃない?
 悲劇のヒロインぶりたいっていうか。
 ひどい扱いを受けて、私平気ですっていい子ぶるのって、
 ある意味、楽だもんね。
絶対に悪者にならずにすむし、


 だから、人魚は報われてるんじゃないかな。

[なんだか棘を含んでしまった言葉は、数分眺めて、消した。
 ユウ君の言葉から感じた「もんにょり」も、数日後に名前を知った。

 私きっと、この人魚に嫉妬したんだ。]


[逢ったこともないくせに、
 彼女の一部を共有させてもらっているだけのくせに、
 俺は彼女と手を繋いだり、キスしたり、
 もしかするとせっ…までしたかもしれない男に
 ほんの少し、勝ったつもりでいる。

 それに気付いた瞬間、恥ずかしくて、惨めで
 またこの世界から消えたくなった。]

[アキナは、小柄な女の子。
 トップは何度も持ち上げてもらうから、小柄な方が、有利だ。
 体は引き締まっているけど、背が低くて、体はしなやかで。
 男子にも、トップが一番モテていた。

 色んな感情がごちゃまぜになって、私はアキナの名前を借りた。

 ユウ君に隠し事をしてしまうのは、卑屈、じゃなくて、臆病。]**