人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

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  『你好!』

 

【人】 軍医 ルーク

[ 知識、というのは時に難儀なもので、
 その時点で、現状の技術力で、
 “可能性がどれくらいあるか”ということが
 分かってしまうこともある。

 このぺんぎんの場合、少なくともこの基地の設備と、
 現状の端末の構造の理解度、修復可能な範囲を鑑みて、
 治療は不可能だ。
 下手をすると、残っているかもしれない一縷の可能性を
 摘むことになる。

 ――あるいは、ぺんぎんを最初に“作った者”ならば。
 その知識や技術をもってすれば、修復も可能だろうか。
 時間をかければ、あるいは新たな技術が発掘されたなら。

 無駄なものは無駄だ、と医務室で自由にさせておきながら、
 上に上ったときなどには落ちないようにと見張る。
 夜の解析と昼の勤務の合間の時間に、
 自室で本を読むときは、医学書と技術書に手は伸びる。
 そしていつも、自分より腕の良い技術者や医者に任せた方が
 まだ可能性はあるだろう、という結論になる。
 廃棄処分されたことになっているぺんぎんに対して、
 それが出来る手段は、今のところない。
 かくして議論は振り出しに戻る、だ。]
(87) 2020/05/18(Mon) 23:43:47

【人】 軍医 ルーク

[ 欠けていること。
 他のぺんぎんと違っていること。
 それを自分と重ねて見ることは、していたかどうか――…

 正直、分からない。
 恐らくは違うだろう。
 ぺんぎんの欠けている部分に対しては、
 どうしても、『患者』を見る目線になる。
 治せるならば治したい。
 治せないならば、いつか治したい。
 自分に対しては、別にそうは思わない。

 だから、恐らくは違うものだった。]
(89) 2020/05/18(Mon) 23:46:18

【人】 軍医 ルーク

[ さて、そのぺんぎんは、
 現在医務室の机の上を大騒ぎで走り回っている。
 包帯とか消毒薬とか、そういうものを
 不自由な羽に抱えててんやわんやの大騒ぎ。]


  ……転ぶよ?


[ 言うだけは言ったが、遅かった。
 包帯を足に絡ませて机の上にべしゃんとスライディング。
 ぴえ…と泣きそうな顔になりながら、ふんすと立ち上がる。
 意外と根性がある。

 そうこうしていると、ノックの音が聞こえた。
 足音自体はもう少し前から聞こえていたのだけれど――
 そうか、そういう時間だったか。]


   入って。


[ ドアの外から聞こえてきた声に、
 ぺんぎんが目を輝かせる。>>86
 飴の話を覚えていた、というよりも、
 あのうさぎが訪ねてくるのが嬉しいのだろう。]
(90) 2020/05/18(Mon) 23:48:00

【人】 軍医 ルーク

[ 今日の検査は、それほど大掛かりなものではない。
 医師が並んで取り囲み――ということにはならない。
 いくらか問診をして、それに基づいて薬を継続するかを決め、
 脳波を測定して終わり、というところだろうか。
 医務室には他の医師の姿もなく、
 従って、ぺんぎんも堂々と歩き回っている。

 もし第一攻撃部隊部隊長殿が入って来たなら、
 まあ、机の上の惨状に気付くだろう。
 ぺんぎんはもはや、セルフでぐるぐる巻きだ。

 そして、部屋の明かりに照らされて、
 医務室の主のフードの下の青白い顔が、
 半分が青黒く変色しているのも、見えるに違いない。
 誰かに殴られた痕だというくらいは、分かるだろう。
 そういう状態の相手に検査を任せるのは
 御免だと立ち去るなら、それはそれで問題ない。
 此方で適当に理屈を整えておけば、良いのだから。

 ――尤も、そう何度も延期が効くような状態では
 なさそうだった。
 上層部からは、結果をせっつかれている。
 多少の無理をしてでも記憶を戻せ、と。
 そのたびに、さーいえっさー、と棒読みを返しながら、
 少しでも無理がかからないようにと、
 出来る範囲で出来るだけの工夫をしているのが現状だった。]
(93) 2020/05/18(Mon) 23:50:46

【人】 軍医 ルーク

 

    [ ――… 
    結局、変わらない。
         にしていたことと、何も ]
(95) 2020/05/18(Mon) 23:51:16

【人】 軍医 ルーク


  座って。
  ――その後、体調の方は?


[ 記憶の検査の続きだと分かっていながら、
 先ずはその質問が出た。
 義手の力を解放したこと、戦場での負傷。
 その後、後遺症の兆しはないか。
 そうして、それからお決まりの質問を続けた。]


  前回の検査から、今回の検査まで、
  何か変化はあったかい?
  些細なことでも構わない。
  記憶に限らず、体調面、精神面の変化、
  何か気にかかること、そのようなものでも。


[ ぺんぎんはどうにかこうにか包帯から抜け出して、
 (もしかしたら、見かねた目の前のうさぎが
 手助けすることがあったなら、
 このぺんぎんは有難く受け取っただろうけれど――)
 診察の間は、少し離れたあたりでじっと見守っている。
 “両方”を、どこか心配げに。]
(100) 2020/05/18(Mon) 23:58:05

【人】 軍医 ルーク

[ 返事を待ちながら、ふと。
 検査の後の予定を聞いてみようかと思った。
 “探し物”に人出がいる。
 このうさぎなら、適任だろう。
 もし空振りでも、あちこち言いふらすたちには見えない。

 一つのことに集中しながらも、あちこち思考が走る。
 自分の癖のようなものだった。
 怪物の襲撃のことに思考が向いていたせいもあるだろう。

 しかし、今は検査だ。
 思考を切り替え、カルテにペンを落とす。]*
(101) 2020/05/18(Mon) 23:59:24
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a13) 2020/05/19(Tue) 0:06:39

【人】 軍医 ルーク

   ―― 
医務室
 ――

[ 扉が開き、現れたうさぎは、
 此方を見てほっとした顔をした。>>119
 一瞬、怪訝な顔をしてしまった。
 医務室に“葬儀屋”がいてほっとした顔をするだとか、
 何処か頭でも打ったんじゃなかろうか。
 あれから戦闘はなかったはずだけれど、日々の訓練とか。

 けれど、直ぐにその理由を察し、ああ――と納得する。
 カルテを捲れば、昨日どのような処置が施されたかは
 記録が残されていた。
 そう、治療というよりは“処置”。
 また、気づかないうちに表情が険しくなる。]


  ぺんぎんを診察?
  まさか、どちらかというと、
  此奴の方が医学に目覚めようとしているところ。
  ……君、何か失敬な事を考えている?
  そういう顔をしている。


[ 包帯ぐるぐる巻きのぺんぎんを眺めるのが趣味か――なんて、
 そんなことを考えているとはさすがに分からないけれど。
 何んとなく、そんな風に感じて言い返してやる。
 もし口にされていたら、
 そうだなあ、ぺんぎんよりはもっと大物の方が
 見ごたえがありそうだね、とわるいかおをして、
 戸口の兎にじーっと視線を向けてやったに違いない。]
(138) 2020/05/19(Tue) 13:05:19

【人】 軍医 ルーク

[ 悪戦苦闘するぺんぎんは、
 首に包帯がかからない限りは一先ずそのままにして、
 診察用の椅子にかけるうさぎに向き直る。
 戦闘の傷、義手の力を使ったこと。
 其方の経過の方は、特に問題がないようだ。
 返される答えをさらさらとカルテに記していく。
 ほぼ完治とみてよいだろう。]


  副作用は最悪……
  具体的には? 
  症状が出た個所、程度、収まるまでの時間。
  毎日飲んでいる方は――…、
  そう。
  

[ 効果がないものなら、取りやめを考えることも出来る。
 けれど、脳波の測定結果は、回復の兆候を示している。>>86
 それなら、薬の投与を中断する合理的な理由もないし、
 結果を焦る上層部の指示で、
 目に見える効果を求めて薬を追加した他の連中の判断は、
 理解は出来る。
 出来る、のだが。
 膝の上で握ったり開いたりする手の動きを見ながら、
 手のしびれか、と見当付けた。
 もし本人の返答があったなら、それも書きこんで。]
(139) 2020/05/19(Tue) 13:06:30

【人】 軍医 ルーク


  
  副作用が強いなら、数を減らそう。
  TTS-731、RIV1603――
  他の連中は阿呆か、新薬をいっぺんに試すって、>>119
  それでどれが効いたか分かるのか。
  効いたら、それを全部続ける心算か?
 

[ また気付かないうちに、表情と声に険が宿る。
 ペンを握る手の力が、強くなる。
 さて、どれを削るべきか。
 理由は、抑々の軍務に支障が生じるレベルの副作用には
 問題がある、ということで差し支えあるまい。

 当の本人は、ぺんぎんのことが余程気になっていたのか、
 包帯に捕獲されてもがいていたそいつを助けて、
 ほどいてやっている。]
(140) 2020/05/19(Tue) 13:08:03

【人】 軍医 ルーク

[ 何故、これほどまでに上層部は結果を急ぐ?
 最初の襲撃の生存者だから。
 その記憶が重要だから。
 その理由は、確かに分かる。
 けれど、あの怪物の情報という点では、
 後続の襲撃後に残される残骸の解析から、
 少しずつ分かり始めたこともあるのに。

 最初の襲撃は特別だった?
 いや、それとも――
 特別なのは、もしかしたら、このうさぎ自身が?

 他の者は扱えない義手を扱えること、
 記憶、身体能力、痛覚の障害。
 自身の安全さえ考えないならば、
 ひどく戦闘に特化したかのような……
 だからこそ一人生き残ったのだろうと、
 そう考えることも出来るけれど。

 最初の襲撃があったあのとき、何があったのだろう。 
 それとも……

 それは好奇心でもなければ不審でもない、純粋な思考だ。
 しいて言うなら、上層部への不審ではあるけれど。

 ――ふと、何か思いつきそうになったことが
 あったような気がした。]
(141) 2020/05/19(Tue) 13:09:42

【人】 軍医 ルーク

[ けれどもそれは、嬉しそうにきゅー、と鳴いたぺんぎん声に
 中断される。
 包帯からようやく抜け出し、やったあ、と羽ばたきをして、
 差し出された飴にきらきらと目を輝かせる。
 ぺたぺたと小走りに机を離れ、さっそく口に放り込もうとして、
 けれどもやめた。
 そのままうさぎの方を見上げたところを見ると、
 ちゃんと診察を見届けてから、と考えているようだ。
 そんな風に考え事をしていたものだから、
 うさぎの驚いた様子に、きょとんとしてしまう。]


  ――顔?
  悪いが、生まれつきこういう顔だよ。
  何か気にくわないところがあったら済まないが、
  診察が終わるくらいまでは目を瞑って……
  あー。


[ 途中で、何を言わんとしているかに気付く。
 転んだといったところで、相手は兵士だ。
 胡麻化せるはずもないだろう。]
(142) 2020/05/19(Tue) 13:11:49

【人】 軍医 ルーク


  どう…と言われても、
  しいて言うなら、
  痕が残る殴り方をするのは阿呆だな、とは思った。
  その点、腹をお勧めしたかったんだけど、
  生憎そこまで話す余裕がなかったんだ。
  まあ、この程度で済むと思うなとは言っていたから、
  上手くすれば、君は近いうち苦い薬とはおさらばだ。
  彼の検討を祈っておいてくれ。


[ 痛みは人並みに感じる。
 頬はそろそろじんじんと熱を持って脈打ち、
 これは随分腫れることだろう。
 でも検査の続きには差し支えないよ、と言おうとしたのに、
 うさぎはぺんぎんを伴って、冷蔵庫を開けに行く。
 止めはせずに、不思議そうにその様子を見遣る。
 後ろを向くと尻尾が見えるなあ、なんて、
 そんなことを考えていた。
 冷蔵庫には、冷暗所で保管する必要がある薬品が入っている。
 ぺんぎんがここ、と背伸びして氷を指し示した。]
(143) 2020/05/19(Tue) 13:12:58

【人】 軍医 ルーク


   ん、手伝ってくれるのかい?
   それは有難いな、
   丁度頼みたいと思っていたことがあったんだ。
   じゃあ、検査が終わったら。


[ もし氷を差し出されたなら、
 何をしろと言われているかくらいは理解は出来る。
 まあ、視界が効かないくらい腫れあがったら
 明日の仕事に差し支えはするだろう。
 ぺたりと袋を頬に当て、少しの間冷やす。
 とはいえ、手がふさがっていては脳波の測定が出来ない。]


   こっちも、検査が終わったら。


[ そういうことに、しようと思った。]
(144) 2020/05/19(Tue) 13:16:00

【人】 軍医 ルーク

   ―― 
外壁の外
 ――

[ その後、医務室で検査の続きややり取りがあったとして、
 それが終わったなら、『頼み事』を切り出した。
 もし頷いてくれたなら、外壁の『外』へと出る。
 夜の時間帯、ぽつり、ぽつりと天に輝く光を、
 ふっと見上げて、目で追う。
 ――… 糸でつなぐように、目を細めた。
 けれど、直ぐに前を向き、説明を続けながら歩き出す。]


  わたしが探しに行きたいのは、
  前回の襲撃で怪物が、
  何かを残していないか、ということ。
  具体的には――通信機。
  個人的な予断だから、勝手に探しに行こうと思って。
  順を追って話すね。
  最初の襲撃から現在まで、幾度も降下があったけれど。
  残骸はより専門的な設備がある街に運び込まれて
  解析が続いてる。
  わたしも、それに立ち会ったことがある。


[ ゆっくりと歩きながら、天の大穴を見上げる。
 足元には、ぺんぎん。
 少し距離を歩くから置いていこうかとも思ったけれど、
 うさぎと離れるのが名残惜しいのか、頑として頷かない。
 好きにするといいよ、と、此方が折れることにした。
 歩き疲れたなら、自分が持てばいい。]
(145) 2020/05/19(Tue) 13:19:03

【人】 軍医 ルーク


  君も聞いたことがあるかもしれないけれど、
  テオドール第二研究所で爆発事故があった。
  あれは、そんな残骸が引き起こしたもの。
  可能性はいくつもある。
  作業員が間違った操作をした、
  一定時間が経つとそうなる仕組みだった。
  けれど、もしかしたら……
  “あれを送り込んでくる勢力が、
  情報の漏洩を防ぐために爆破した”
  その可能性もあると、わたしは考えてる。
  ……機密レベルの関係で、言えないけれど、
  根拠もなくはない。
  そして、もしそうだとしたら、
  此処にある機獣――
  ああ、研究所ではあれをそう呼んでいたんだけれど――
  あれの状態を把握する術を、
  彼らを送り込んでくる勢力は、
  何かしら持っているんじゃないだろうか。


[ 研究所、爆破事故。
 その単語を口にしたとき、ずきり、と無い足が痛む。
 幻肢痛、ないはずのものをあると感じて、脳が錯覚を起こす。

  ――… かつてはあったものの、記憶。
  自分にとっては、痛みは、そういうもの。


 顔を顰め、立ち止まる。
 そうして、また歩き出す。]
(146) 2020/05/19(Tue) 13:20:16

【人】 軍医 ルーク


  ああ、わたしは歩くのが遅いから、
  まどろっこしいなら、
  先に行って探してくれても構わないよ。

  回収した部品でそれらしいものは
  見当たらなかったのだけれど。
  形状も、わたしが前に見た物と同じとは限らないし、
  あるかないかも分からない。
  もしかしたら、戦闘で壊れてしまったかも。
 
  ただ、そういった類の部品は、
  機体が破損しても残りやすいように、
  設計、配置されてる可能性が高い。
  しかも性質上、機体を離れても、
  そう簡単には見つからない場所に、隠されているかも。

  
[ このうさぎに声をかけたのは、戦闘の際にその場にいたから。
 敵の動きや、何処にいたかを把握しているだろう。
 それに、明日になればまた勤務が始まる。
 夜のこの時間しか空いていない。
 夜目が効く者でなければ頼めない。
 いや、そもそも自分に頼まれて頷きそうな者なんて、
 この基地には他にはいない。
 ひとりで来ようと思っていたのだけれど、
 折良く丁度良いものが現れたから巻き込んでしまったのだ、
 ぐるっと。]**
(147) 2020/05/19(Tue) 13:23:19
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a17) 2020/05/19(Tue) 13:29:40

【人】 軍医 ルーク

  ―― 
検査の前日:明け方の見張り台
 ――

[ それは医務室でうさぎの検査をして、
 外壁の外に探し物に行く、前日のこと。
 明け方の見張り台で、今日も『天』の大穴を見ている。
 夜が白み始める。
 『月』の稼働時間が終わり、
 『太陽』の時間に切り替わり始めたということだ。
 そんな移り変わりの中で、天の大穴は、
 ただぽっかりとした巨大な虚ろとして、
 遥か高く頭上にあって、
 この地上を静かに見下ろしていた。

 見張り台を去ろうとする。
 もう一度あのタブレットを開くつもりはなかった。
 誰かが記録をとるために使っているのだから。
 けれど、扉を開けて中へと踏み込もうとした足が、
 ひたりと止まる。]


  ―――…

[ ただ一方的に謝りっぱなしで、それきりにするのは、
 それはそれでどうか。
 向こうが怒っているなら、それは読むべきだ。
 日記の続きがあるなら、読まないように気を付ければいい。
 そんな風に考え、踵を返す。
 もしこれ以上読まれることを厭うなら、
 置き場所かパスワードが変わっているだろう。
 むしろ、そうなっているに違いないと思っていたのに。]
(167) 2020/05/19(Tue) 20:10:58

【人】 軍医 ルーク


  ……あった。


[ 奇妙なことに、タブレットは同じ引き出しにあった。
 一拍の躊躇い。
 指が、あのパスワードをなぞってするりと動く。
 画面が切り替わり、タブレットが開く。
 ああ、もしかしたらあの後まだ使っていなくて、
 此方が読んでしまったことに、気付いていないのかも。
 そう思い、一度は納得したのだけれど、
 画面にはひとつの『変化』がある。画像だった。
 それを開き、目を瞠った。

 指先がひとつ、ふたつ、躊躇うように画面に触れる。
 そうして、思い切ってノートを開いた。
 自分が書いた文章の次に、続きがあった。
 職業柄、速読には慣れている。
 けれど、視線はゆっくりと、一字一句、
 記された文章を読んでいく。]
(168) 2020/05/19(Tue) 20:13:27

【人】 軍医 ルーク

[ 予想外なことに、日記を見てしまったことに対する
 苦情や怒りは、そこには記されていなかった。
 書かれていた内容に、暫し沈黙する。
 苦情や怒り、どころか。]
 

  ……どうやらわたし、
  余程のお人好しの持ち物を、
  見てしまったみたいだ。


[ じーっとこちらを見上げるぺんぎんにそう言って、
 机の横にしゃがみ込む。
 綴られる言葉たちを、幾度も読み返す。
 正体の分からない何かに、自分の中の空洞が、
 ぎしりと音を立てて軋んだ。]
(169) 2020/05/19(Tue) 20:14:24

【人】 軍医 ルーク


   ……書き残していきたいと、思う。


[ そう、此処だ。
 日記としてはごく普通の言い回しかもしれない。
 けれど、その箇所を読むと無性に何かがざわついたのは、
 気のせいだろうか。
 気のせいだと、“思いたい”。
 瞼に浮かび上がる名も知れぬ誰かは、
 後でゆっくり読み返そうとのんびり日記を綴る、
 そんな姿をしてはいなかった。

 姿かたちも知らない、誰か。
 目を離すと、ふっとその姿が揺らいでしまうような気がして。
 どうしてか、息が苦しい。

 書かれている内容は、とても不思議なものだった。 
 無人の見張り台に、朝の光が差し込んで、
 舞い散る埃だけが静かに揺蕩っている。

 ――指が動いた。]*
(170) 2020/05/19(Tue) 20:16:19

【人】 軍医 ルーク

 
 

[ 立ち去り際、見張り台を振り返る。
 常日頃はすることがないような、そんな仕草]*
(171) 2020/05/19(Tue) 20:23:45
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a19) 2020/05/19(Tue) 20:29:46



 『…いいこで、待っててくれよ?』

 



  『私はとても良い子です
   まだ椅子に座って音を聞いています

   ここはたくさんの音があって
   楽しいところと思います


   でも、穂村がいないのは
   ちょっと寂しいくて怖いですので
   なるべく早く帰ってきてください』

 

【人】 軍医 ルーク

 ―― 
医務室にて
 ――

[ 名を呼ばれ、噤まれた言葉の先を追うことはしなかった。>>215
 何が言いたかったのだろうと、軽く首を傾げただけ。
 薬のことで他の医者を阿呆と呼んだところだったから、
 口が悪いとかそういうところだろうか? などと
 見当付けて置く。
 けれど、それを今このうさぎが口にするようにも思えなくて。
 考えても分からなかったし、
 分からないなりに、話が先に進んでしまう。]


  少しでも早く最初の襲撃の情報を、か。
  わたしも、そういうことだとは
  聞かされているけれど。


[ けれど、自分に与えられている情報は制限されている。
 此処に来る前の研究所で起きた“出来事”を思えば、
 当然のことだ。]
(235) 2020/05/20(Wed) 2:08:27

【人】 軍医 ルーク

[ さて、痣のことに気付かれてからは大変だった。
 検査があったから冷やせなかったというわけでもないし、
 問題がなければ放っておこうと思っていたというか――
 などと、反論する間もなく、
 医務室に響いた大声に、ただ不思議そうに首を傾ける。
 このうさぎも声を荒げることがあったのか……という、
 奇妙な感心だった。
 言っていることを三回ほど繰り返して考えた後、
 不思議そうに口を開く。
 “なぜ心配するのか”とは言わなかった。]


  わたしの勘違いじゃなければ、君、
  その言い方だと、
  わたしがいない方がいいとは思っていないように、
  聞こえてしまうのだけれど。


[ やっぱり聞き違いだよなあ、と眉を顰める。
 返答を聞いてようやく、
 自分が“心配”されているのだと理解した。
 その怒りが、自分を殴った相手に向いているということも。
 たっぷり五秒ほど押し黙り、]


   ええ…?


[ 思わず変な声が出た。]
(236) 2020/05/20(Wed) 2:11:57

【人】 軍医 ルーク

[ なんだこのうさぎ。
 部下の事だとか、ひとのことを気遣ってばかりだと
 思っていたら、
 まさかの相手にまでその対象が向いている。
 恐らく自分は今、驚きを感じているに違いない。]


  驚いた。


[ 礼を言うべきだったのだろうか、と気づいたのは、
 それから随分後になって、検査も終わり、
 タイミングをすっかり逃してからの事だった。]
(237) 2020/05/20(Wed) 2:14:24

【人】 軍医 ルーク

[ 検査を終えて頼みごとをして医務室を出ようというとき、
 応えそびれていた問いがあったことを、思い出す。
 言葉を返そうとしたところで、
 相手が絡まったぺんぎんを見かねて手を出して、
 返事をする機会を失ってしまっていたからだ。>>216]


  そういえば、さっきの話。
  君が忘れている記憶の事だけれど、
  それが最初の襲撃の情報、という意味なら、
  ……知りたいと思っていることは、あるよ。

  けれど、それは、君の記憶だ。
  最初の襲撃の話しだけじゃない、
  すべてをひっくるめて、ね。  
  ひとが何かを忘れることには、理由があるんだ。
  逆さにして振れば
  記憶が降って来るというわけじゃない。
  上の方は、相応の理由があると言うのだろうけれど、
  本人の心身を無視してまで、
  引きずり出そうとしてどうする。
(238) 2020/05/20(Wed) 2:15:52

【人】 軍医 ルーク

[ 例えば、耐えられないと思うほどの衝撃を受けたとき。
 痛みが身体を守るように、忘却が心を守ることがある。

 本人が望むよりも先んじて、無理に暴いてまで
 何かを知りたいかと言われれば、
 戦局をつかさどる上層部は、イエスと答えるのだろう。
 けれど自分はそうではなく、医者だ。
 患者に無理を強いる状況に異を唱えるのは当然のこと。

 その答えで、間違いはないはずなのだ。
 他の誰が患者の立場であったとしても、
 自分は同じことを主張する。

 けれど、いま目の前にいるのは“他の誰か”ではなくて、
 自身がこのような目に遭いながら、
 誰かのために身を投げ出すような、
 あろうことか、目の前の“葬儀屋”にまで
 心配の対象を広げてしまうような、
 とびきり莫迦のうさぎだ。

 『患者』ではなくて、このうさぎの記憶のことを、
 検査のことを考えたとき、
 ペンを握る指先に力が入った理由も、
 自分がそうしたことさえも、知らない。

 ――けれど、]
(239) 2020/05/20(Wed) 2:17:40