人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

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部隊長 シュゼットは、メモを貼った。
(a9) 2020/05/22(Fri) 0:05:19

【人】 部隊長 シュゼット

>>1:380見張り台から帰る時、
最小限まで明かりの落とされた基地内。
部屋へと戻る廊下の途中に、誰かの影が見える。

その人は、僕が近づいてくるのに気が付くと、
持っていたタブレットの操作を止めて、
僕へひらりと手を振った。]

  『やぁ。部隊長殿。待っていたよ。
   見張りのお役目、ご苦労様。』

  総司令……?
  あ、…!お待たせしてしまい、申し訳ありません。
  ですが、その。ご用事があるのでしたら、
  ご都合の良い時間を指示いただければ
  僕の方から、伺いましたのに。

[僕はびっくりして、背筋がしゅっと伸びる。
まさか、こんな時間にこんなところで司令に会うなんて。
『気楽にしていいよ』なんて声をかけられたけど
前線基地の一番偉い人に、気楽になんてできやしない。

最初の襲撃で記憶を無くした状態で会った時ならともかく
あれから僕も、色んなことを学んできた。
今でも敬語に自信があるわけではないけれど。
あの時のような無礼な話し方は、もうしていなかった。

いつもの、一見穏やかな笑みを浮かべたまま
僕の様子を見て、敬礼の手は下げるよう指示される。]
(58) 2020/05/22(Fri) 2:55:15

【人】 部隊長 シュゼット

  『それほど硬くならなくてもいい。
   今日、私がここで兎君を待っていたのは
   一つだけ、聞きたいことがあっただけなんだ。』
  
  僕に、聞きたいことでしょうか……?
  はい、何、を――――――!

[普段、総司令は滅多に僕に会うことは無かった。
僕の記憶を戻すためにあらゆる手を尽くせと、
そう指示をしているのは司令だと聞いていた。
全ての結果は、司令に伝わるのだと。
……僕はそうも、聞かされていた。

総司令は笑顔でも、僕を見る目はいつも通り冷たい。
僕は、いつも思っていた。
彼が、他の兵士や研究員や軍医を見る目と、
僕に対して向ける目は、全く異なるものだ。

その目が、僕を射抜いた。]
(59) 2020/05/22(Fri) 2:56:23

【人】 部隊長 シュゼット

  『兎君。隠し事はするな。
   "思い出した"ことがあるなら、ここで話せ。』
(60) 2020/05/22(Fri) 2:56:37

【人】 部隊長 シュゼット

[―――背中を、汗がつぅと伝っていった。
僕は指令と対峙する位置で、暫く動けずに
何を話そうかと悩み、戸惑う視線は揺れる。

どうする。……どうする。
まだ、僕自身に関わることかわかったわけじゃない。
 『夢』のことを話すのは、きっと、良くない。
ただ、何も話さないのは、一番駄目だ。
この人は、『検査』の結果を全て聞いている。
脳波は記憶の回復の兆しを見せているらしいから。
何もないわけがないと、そう思っている。

それに、実際………最近は、]

  指令に隠し事、なんて。僕は……何も、

[ふと、気づいて。帽子の上から頭を撫でる。
『奇妙な夢』を見るようになったのと同時期に
以前の僕と比べて変わったことが、一つだけ、あった。]
(61) 2020/05/22(Fri) 2:57:43

【人】 部隊長 シュゼット

  ……そういえば最近、ですが。
  頭痛がするように……なりました。
  
  薬の副作用よりも、遥かに弱いもの、です。
  でも、……それよりも。遥かに、耐え難いものです。

[指令は僕の言葉を聞いて、僅かに目を見開いたようだった。
僕の返事は、指令の問いの答えになってない。
だから、怒られるかとも思った]

  『……頻度は、どのぐらいだろう』

  え……?
  ……最初は、すぐ収まりましたが。
  日が経つにつれて、多くなってきてるようで……

["思い出した"ことなんて何も話していないのに
指令は、僕のこの答えで満足したようだった。
ただの頭痛だろう……そう思い込もうとしていた僕は
指令の反応で、一気に深い穴底に突き落とされた気分で。
降ろしていた掌を震わせ、握りこんでいた。]
(62) 2020/05/22(Fri) 2:59:58

【人】 部隊長 シュゼット

  『どうやら、もう少しのようだね。』

[そんな僕を見て、ジャイルズ総司令は笑みを深め。
僕の肩を軽く叩いた。
びくりと肩が震え、心拍が上がっていって、
青ざめた顔で俯いた僕は、上手く呼吸も出来なくなり、
時折、しゃくりあげるように息を吸う。]

  『兎君。私はまだ、君への判断を下していないんだ。
   君が一体何者で、なんのためにあそこにいたのか。
   それを知ることは、確実に、我々の強みとなる。
   
   君も、自分のことは早く知りたいだろう?
   ―――これからも『検査』は真面目に受けるんだよ。』
   
[そう言って、指令が立ち去った後も
僕は暫く、その場に立ちすくんで動けなくなってしまって。
……その後どうやって部屋まで帰ったのか、よく覚えていない。

この頃からは、夢を見て起きた直後にも、
例の妙な頭痛がするようになった。
最初こそ弱い頭痛に感じていただけのそれは、
段々と、頭の中を捏ね回されるような不快感になり。
気を抜くと、僕が違う何かになってしまいそうな
そんなあり得ないイメージがついて回るようになっていった。]
(63) 2020/05/22(Fri) 3:01:44

【人】 部隊長 シュゼット

[この次の日、総司令から『検査』担当の軍医達に向けて、
こんな指示があったことだろう。

『おそらく、副作用ではない兎の頭痛は、兆候だ。
 特にその前後の様子は、よく見ておくように。
 何か記憶の手掛かりを落とすかもしれないからね。』と。]
(64) 2020/05/22(Fri) 3:02:19

【人】 部隊長 シュゼット

― 数日後の医務室 ―

[通信機をルークと回収してから、一週間ほどが経った。
通信機の解析については僕も気になっていたから
戦闘演習の帰りなど空いた時間に、
>>1:402解析を任せた技術班の人達の様子を見に行った。

研究棟には、義手の解析で行くことがあったぐらいだが
毎回、ここの人達のテンションにはあっけにとられてしまう。

>>1:403技術班は個性的な人たちが多くて
突然、仕事を増やされたっていうのに、
皆して宴でも始まったかのようなハイテンション。
そして皆、自分たちの研究成果を話すのが大好きみたいで
一度話始めると、ちょっとやそっとじゃ止まらない。]
(65) 2020/05/22(Fri) 3:03:27

【人】 部隊長 シュゼット

[彼らは、興味の対象物以外について覚える気はないようで、
ルークの名前も何度僕が隣で教え直しても
最後まで間違えたままだったし、
僕の名前についても、ゼット、だの、ゼットン、だの。
シュークリームだの、シータだの。
最後まで、ほぼ不正解の名前で呼び続けた。
帰るときには僕ももうどうでもよくなって、
なんて呼ばれようが返事を返すようになっていた。

研究や解析の結果を聞く分には、
彼らは前のめりに色々と話してくれる。
少し前に見に行った時は>>11解析結果を教えてくれたけど
途中から、内部の通信に使われている暗号についての話になり
暗号解読に苦労していると長時間に渡って話された挙句、
午後の演習に遅刻しかけるというミスをしてしまった。]
(66) 2020/05/22(Fri) 3:03:37

【人】 部隊長 シュゼット

[『検査』は数日おきに一日休みが入るぐらいで、
今も継続して続けられていた。

軍医達に囲まれて行われる投薬実験での僕の扱いは
相変わらずモルモットのようだったし。
最近、軍医達が口をそろえて、
 「妙な頭痛がしたらすぐ教えるように」
と、作り笑顔を張り付けて言ってくるのには
流石の僕でも、辟易してきていた。

いくら、記憶を取り戻させたいからと言って。
痛みを期待するのが、医師のすることなのだろうか。
僕はただ、皆を守りたいと思っているだけなのに。
思い出した後の僕の処遇は、保証されているのだろうか。]
(67) 2020/05/22(Fri) 3:04:01

【人】 部隊長 シュゼット

  ―――まだ僕への判断を下していない、か。
  判断、……ね。
  
[総司令の言葉の意味を考えると、怖くなる。
もし記憶を思い出した結果、僕が僕で無くなって、
……機獣を倒すのに有用な存在では無くなってしまったら。
悪い判断が下されてしまうのかもしれない。

最近見た夢は頭痛と共にもやもやと頭の中を渦巻いて。
僕はとぼとぼと歩きながら、重い息を吐いた。

夢について思い出すときには、頭痛も一緒についてくるけれど
タブレットに書き残した夢日記に返される返事……
あの暖かくて優しい誰かからの返事を読んだ時の記憶も
一緒に思い出すことができるのが、
今の僕には、他に替えられないほどの救いだった。]
(68) 2020/05/22(Fri) 3:05:03

【人】 部隊長 シュゼット

[前回、薬を減らして貰ったのが悪かったのかもしれないが
『検査』の担当がルークだけのことはなくなってしまった。
何の楽しみもなく、以前より増して苦痛のみがある。
…………ここ数日の『検査』は、憂鬱そのものだ。

僕もなかなか時間がとれなかったから
昼間に、医務室に行くこともあまりできなかった。
行くことが出来た時だってルークだけが居ることはなく
近くまで言って兎の耳をすませ、
聞こえてきた中の様子にしょんぼりと耳を揺らして
仕事に戻る。……最近は、そんな日々だった。]
(69) 2020/05/22(Fri) 3:05:42

【人】 部隊長 シュゼット

[さて。今日の訓練は全て終わり。
『検査』も数日に一度の休みの日だ。
いつもなら、食堂で部下達と皆で夕飯を食べるのだけど、
突然あの嫌な頭痛が襲って来たら平気な顔でいられない。
部下達を心配させるわけにはいかないと、
僕は夕飯のパンやスープを容器に入れてもらって。
一人で部屋で食べるため、持ち帰るところだった。

夕飯を食べ終わったら、医務室に行ってみよう。
『検査』もないのに夜の時間に行って、
そこでルークに会えたら彼は驚いてくれるだろうか。
夕飯が乗ったトレーを持ったまま、くすりと笑う。]

  ……あれ?
   君は……医務室のペンギンじゃないか。

[まっすぐ進めば、隊長クラスの兵達が暮らす兵舎がある。
そちらへと続く渡り廊下へ向かおうとしていたら
ぐいぐいと、足元のあたりを後ろに引っ張られた。

振り向くと、そこにはルークと仲がいいペンギンが居て。
何かとても焦った様子で、きゅーきゅー鳴いている。
ばたばたと身振りで、"こっちきて!はやく!"とか
そんなことを僕に伝えたがっている。
……いや、僕は彼の言葉はわからないんだけど。
ここ最近一緒に居ることが多かったせいか、
前よりは、この子の気持ちがわかるようになったと思う。]
(70) 2020/05/22(Fri) 3:06:36

【人】 部隊長 シュゼット

  こっち……?
  ……なんだ。医務室に、来てほしかったのか?
  
[僕は、この子が懐いている軍医を一人しか知らない。]
  
  医務室…?まさか……!!

[ペンギンの様子と行先に嫌な予感がするのと、
遠くの方へ去っていく足音を耳が捉えたのは、同時だった。

思い出すのは、あの日、頬に痣を作っていたルークの顔。
>>1:143痛々しいまま、自分では何もせずにいた、彼。
もし、ルークが、あれ以上のことをされたとしても
彼は―――死ぬほどの怪我を負わされたとしても、
そのまま、何もしようとしないのでは、ないだろうか。

歩く足は、だんだんと速くなり、駆け足になる。
去っていく足音を追うなんてことより先に
中に居るだろう彼のことが心配で、心配で。]
(71) 2020/05/22(Fri) 3:08:24

【人】 部隊長 シュゼット

[医務室に入った直後。
目に入った、倒れた器具と、そのそばに倒れた姿に
僕は、血の気が一気に引いていくのを感じた。

どうしよう。どうすればいい。
狼狽えたのは一瞬。
落ち着け。僕は兵士だ。
まずは状況を、怪我の場所を確認して、
動かせそうなら安静にできる体制に…!

僕はすぐ近くにあった机の上に
持っていた夕飯のトレーを乱暴に置いて。
(その辺に投げ出さなかっただけでも偉いと思う)]

  ルーク!!!

[床に倒れているルークの側にしゃがみ込んで、
かがみこみ、極めて近い距離で顔を覗きこむ。]
(72) 2020/05/22(Fri) 3:09:24

【人】 部隊長 シュゼット

[頬のあたりと、首筋を薄く切られているのを見れば、
彼がこんな目にあってしまったのが、辛くて。
胸を締め付けられる気持ちで、唇を噛みしめる。

そして、ペンギンの方を振り返って、叫んだ。]

  君も、ルークを治したいだろう!
  消毒液と、ガーゼを…!!

[本当は僕も手伝いに行きたかったけれど
他に大変な怪我をしてたらと思うと、動けなかった。

他にどこか切られたり殴られたりしてないだろうか。
あぁ、早く確認して。手当をしてやらないといけない。
……そう思った僕は、脱がしていいかと聞くのも忘れて、
彼の纏っているローブの袖と、フードも勢いよく捲ろうと。]**
(73) 2020/05/22(Fri) 3:10:59
部隊長 シュゼットは、メモを貼った。
(a10) 2020/05/22(Fri) 3:15:35

【人】 部隊長 シュゼット

― 見張り台 ―


[―――初めて痛みを、心の底から嫌だと思った。]
(159) 2020/05/23(Sat) 3:23:24

【人】 部隊長 シュゼット

>>16ルークが兵士に襲われるよりも数日前のこと。
今日はまた、見張りの当番の日。
でも、見張り台について交代を申し出ると、
僕の前に見張りをしていた兵士には、
大丈夫かと酷く心配されてしまった。
僕は、平静を装っていたつもりだったけれど。
きっと、顔色も悪く辛そうに見えたのだろう。

「薬のせいで不快な頭痛が起きるようになった」
僕は、軍医達にそう訴えたのだけれど、
皆、僕の言葉を聞いて喜ぶばかりで
僕の体の心配など、一人もしてくれなかった。

頭のあちこちを弄られているような頭痛。
その頭痛は見張りの前の仮眠から起きた後、
ずっとおさまらずに―――今も、続いている。]

  ……、大丈夫、このぐらい。
  大した痛みじゃ、ない………

[まずは周囲に危険が無いか、ちゃんと見ないと。
頭を押さえながら、基地外壁の外の方を見る。
僕は、自分に言い聞かせる。
僕の目も耳も、考える力も、問題はない。
だから、大丈夫。……大丈夫だ。]
(160) 2020/05/23(Sat) 3:25:02

【人】 部隊長 シュゼット

>>63先日の、総司令の笑みが脳裏を過る。]

  ぼく、は……
  別にこのままでもいい、って
  思ってる、のに…………

[頭の奥から、僕の知らない何かが引きずり出される。
その予感は、日に日に強くなってきていて、
そうなった後の僕を考えると恐ろしかった。

―――タブレットを開き、日記の返事を読む。
返事をくれる誰かの言葉の一つ一つが、
僕に染み込んで、気を抜くと何かに持っていかれそうな
僕の存在をここに繋ぎとめてくれる。]
(161) 2020/05/23(Sat) 3:25:36

【人】 部隊長 シュゼット

  人が住めなくなった土地、か。
  そんなひどい場所……どこに、……

[この世界には―――ない。
そう思った瞬間、また、頭が痛んだ。
僕は今はなるべくそのことを考えないようにして
書かれた内容のその先を読み進めた。

相手自身の話があるのに気づいた時は嬉しくなったけど
内容に目を通した時は心臓がどきりと跳ね上がって。
頭を押さえる指先が、頭部を引っ掻いた。

"情緒面と感覚に異常がある" と。
その言葉を読んだ時、一つの顔が浮かんだ。
どう見ても僕に怒ったり、心配したりしてるのに、
>>1:397自分では自分の感情を理解していないような
他の軍医とは全く違う、彼。]

  まさか……いや、そんなわけ。
  ……でも、ルークも…。

[思い当たる節は多かった。
僕は、そんなこと思ったことはないけど
"よく人を不快にさせる"軍医といえば、
どう考えても、ルークのことだった。]
(162) 2020/05/23(Sat) 3:26:04

【人】 部隊長 シュゼット

[……あぁ。でも、本当にそうだとしたら。
猶更、彼には、これを書いているのが誰か。
この夢の登場人物が僕自身だと知られちゃいけない。

僕の予想が合ってしまっているなら。
遺失技術の研究者だった父を"亡くして"いる
(研究者の死亡という話で、基地から大量の犠牲者が出た
 最初の襲撃が原因だと僕は勝手に当たりをつけていた)

ルークにとって、僕は―――]
(163) 2020/05/23(Sat) 3:28:54

【人】 部隊長 シュゼット

[きっと、僕の思いすぎで、別の人だろう。
そうは思っても、どうしても気になってしまう。

僕はここまで、ちゃんと正体を隠せているだろうか。
僕は前に何を書いただろう、と思い出す。
確か僕は>>1:380あの時、四角い形をしたものを
"通信機"と書くのを避けたのだった。
戦闘班が戦闘時に使っている通信機は
かなり小型で見た目も全然違う。
他の形をしたものが通信機であるとすぐわかる者は、
この基地には少ないと思ったから。

……だが。
前の夢を思い出しているときに、気づいてしまった。

このあいだルークと回収した、
機獣が残した大型の通信機の見た目は知っているが
何故僕は、こないだのものよりは遥かに小さく、
普段使っている通信機と見た目も違う、
掌大の箱型をしたものを。
ぼんやりとした夢の記憶を思い出した時に、
"通信機"だと……すぐわかったのだろうか?]
(164) 2020/05/23(Sat) 3:31:53

【人】 部隊長 シュゼット

[―――あれは確かに、"通信機"だ。
僕は使い方だって、良く知っている。]

[頭の中を這い回る頭痛が、僕の声で僕へと告げる。
もう止めてほしくて、僕は帽子を取って、
震える両手で、耳の付け根を握りこんだ。]

  なんで、僕が……知っているんだ。
  だってあんな機械、どうみても。
  遺失技術の塊で……基地にだって……
  あの形の物は見たことがない、のに…!!
  まるで、別の世界で作られた物の、ことなんて、

[……書かないといけない。
遺せるうちに。遺しておかないと。
僕は、夢を、思い出した傍から打ち込んでいく。
急ぐあまり、前よりももっと。
ぼろが出てしまっていることには、気づかない。]
(165) 2020/05/23(Sat) 3:34:09

【人】 部隊長 シュゼット

[夢を思い出しながら日記を書いていた時は、
頭痛としての痛みは全然弱いのに、
たまに視界が歪んだり体がふらつきそうになったりして
意識を保つのが精いっぱいだった。

きっと、そういうことなのだろうと。
僕はもう、気づいてしまっていた。
これは"心当たりがある"程度の話じゃない。
確信をもって、そう言える。

―――夢は全部。僕の記憶だ。
 頭痛が収まらなくなって、僕が意識を飛ばした時。
 その後僕がどうなるかはわからない。

そして、僕が夢で過去を見ていることについては
話してないし知られていないが。
この妙な頭痛の果てにあるものは、
察しの良い総司令には勘づかれてしまっている。]
(174) 2020/05/23(Sat) 3:51:01

【人】 部隊長 シュゼット

[できれば、もう、薬は飲みたくない。
でもここに居る限り、そうはいかないだろう。
今後は特に、夢を見た後にくるような頭痛は
戦闘で痛みをやり過ごすとき以上に、
死ぬ気で我慢しないと駄目だ。

頭痛が起こった後、意識は絶対に飛ばしちゃいけない。
そうなったらきっと僕は、おかしくなってしまう。
そうなったら、今まで見たいに基地の皆を守ることも
部下の皆が楽しげにする様子を側で見ることも
こうして、返事を楽しみにタブレットを開くことも。
ルークにお礼を貰いながらまた話をすることも。
 ……全部、できなくなるかもしれない。

……今までは、僕の記憶が皆の役に立てばいいと。
そう思って、『検査』にも協力をしていた。
でもこれからは、それじゃだめだ。
僕が少しでも長く、僕であるために。
僕は自分の意思で、記憶の修復を拒まないと。

前よりも長く続きはしたものの。
見張りが終わるころには、頭痛が収まってくれて、
僕は額に浮かんだ汗を拭い、安堵の息をついたのだ。]*
(175) 2020/05/23(Sat) 3:55:44
部隊長 シュゼットは、メモを貼った。
(a21) 2020/05/23(Sat) 3:58:40

【人】 部隊長 シュゼット

>>144起き上がろうとする彼の腕を押さえて首を振る。
身体に力も入らないようだし、声だってか細くて。
今はとにかく、無理をしてほしくは無かった。

細く開いたその唇が動いて、
また何か、言葉をかたちどろうとしている。
僕は、彼の口元に耳を寄せた。
水が欲しいのだろうか、どこか痛むのだろうか。
何かあるならなんでもするから、
あぁ早く、いつものように。
楽しそうに僕に意地悪なことをしてくるような
そんな彼に戻ってほしい。

そんな僕の思いとは裏腹に、
ルークから聞こえてきたのは意外な言葉。
驚いて彼の顔を見た僕の唇は震えて、
暫く何の音も出せなくて―――]
(199) 2020/05/23(Sat) 17:48:12

【人】 部隊長 シュゼット

[やがて。ぽつ、ぽつ、と落とした言葉は
今、痛みで苦しいのはルークのほうだというのに
泣くのを堪えるのがわかるように、震えていた。]

  ……はは。
  やっぱり、ルークはおかしいよ
  軍医なのに。僕を、名前で呼ぶなんてさ。
  それもこんな時に呼ぶなんて。…卑怯だ。

[他の軍医は僕を兎だの被検体だのと呼ぶ。
……いや。そんなのはいいわけだ。
そんな違いなんて、本当はどうでもよかった。
"卑怯だ"なんて言ってしまったけれど
そこに、嫌だとか悪い気持ちは微塵もなかった。

>>147彼が初めて名前を呼んでくれたのは、
何故だか、酷く、僕を泣きそうな気持ちにさせた。
悲しくはないのに胸が苦しいような。そんな心地。]

  ……うん。
  大丈夫だ、ルーク。ここに居るのは、僕だ。

[今ここに居るのは、
さっきまでいた、ルークを傷つけた奴ではないと。
僕は彼にそう伝えたかっただけのはずだった。
でも、ルークへ言い聞かせるように言った僕の言葉は
他でもない僕自身へ強く響く。
―――大丈夫。まだ、僕は、僕のまま。

君が呼んでくれた"僕"は、ここに居る。]
(200) 2020/05/23(Sat) 17:52:51

【人】 部隊長 シュゼット

[数日前に、見張りの前に仮眠を取って以来、
僕はまともに寝ることが出来ていない。
寝ても、数分で起きてしまう。
それ以上寝たらまた、夢を見る。頭痛が起きる。
それを、僕の体は全身で拒否しているみたいだった。

ルークの目に映る僕はきっと、
前に一緒に通信機を探しに出た時と比べて
隈も酷く、疲れが溜まっているように見えるだろう。

聞こえてきた言葉に、唇をかんで。
ルークの状態をよく確認する。
彼の顔は歪み、痛みに苦しんでいるようで。
>>148僕は、彼が腹を押さえている手を上から撫でた。]
(201) 2020/05/23(Sat) 17:53:25

【人】 部隊長 シュゼット

  ……腹、か。

[動かせないほどではなさそうだし、
傷を確認するなら、ここでやるのも良くないだろう。
僕はルークを抱き抱え、近くのベッドへと運ぶ。
軽いかと思っていた体は予想よりは重く。
重さの理由は、運ぶ途中で見えた彼の足が教えてくれた。

"事故に遭った"というタブレットの記述を、思う。
金属の脚を持つ彼に、金属の片腕を持つ自分。
お揃いのようだと思った言葉は、
そのまま口にせず、飲み込んだ。
 
 僕の右腕は、彼の脚とは違う。
 事故に遭ってこうなってしまったとか、
 そういう理由じゃなくて、きっと、
 ……これはこの世界を害する目的で、
  故意に、元々あった生身の腕から
  挿げ替えられたものなのだと、思う。


ベッドに横たえると、ローブを剥がしてやる。
現れたふわふわの耳に、大ぶりの尻尾。
はぎ取った黒布とは真逆の色であるそれらは
夢で見た、見渡す限りの白い世界の色を思い出す。

僕は目を細め、その白色に見惚れてしまいそうになったけど
すぐに、今はそれどころじゃないと小さく首を振った。]
(202) 2020/05/23(Sat) 17:57:04

【人】 部隊長 シュゼット

  ごめん。少し、見せてほしい。
  治療が必要な場所、他にあるといけないから。

[僕は医者ではない、ただの兵士だ。
診る前に相手を安心させる術などよく知らないけれど。
ルークの痛みが和らいでほしい一心で。
身体を守るように巻き付き、震え、強ばる尻尾を
力を抜いてくれるまで、何度も撫でたんだ。

そのまま、彼が嫌がらなければ、
腹部を押さえる腕と一緒に、横へずらす。

外から見たところは大丈夫そうだと思いつつも、
念のため―――、と。シャツを剥いだ時。]
(203) 2020/05/23(Sat) 17:57:36