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【人】 pasticciona アリーチェ余談だが、この時もう一つ、 女は心底自分の行いを悔いていた。 "こんな日に限って"呑気にお菓子を焼き上げてきてしまったのだ。 「これ、どうしよう……」 まさかこの場で。こんな状況で。平然と。 「今日、苺のクロスタータを焼いてきたんですよ。よかったら食べて下さいね!」 とは言え女が今日持ってきた鞄は普段の物より明らかに大きいもので、時折菓子を署に持ってくる時はいつも同じものを使っていたから、今日が"その日"なのは周囲もすぐに察しがつくだろう。 #警察署 (5) 2023/09/14(Thu) 21:56:10 |
【人】 pasticciona アリーチェ>>8 テオ 「もう。私が主催者だったら、 間違いなく一か月は開催を先伸ばしにしていたわ」 意地が悪く響く声色も幼馴染となれば怖くないのか、そう軽く拗ねたように肩を竦めて。 「この法を使ってくれるのがテオだけならそうも前向きに考えられるかもしれないけど…… それまでに冤罪の血の海で溢れないかが一番心配ね」 #警察署 (11) 2023/09/14(Thu) 22:37:31 |
【人】 pasticciona アリーチェ>>9 エルヴィーノ 「そっ、そう、ね……一体何が入ってるのか…… こ、こんな時に、場違いにもお菓子を……お菓子……」 失言した。さすがに女も即座に気づいた。 貴方の推測通り、出すにも出せず困っている。と言う所なのも事実。 さて次に述べられた言葉を聞けば、きらりと目が光って背筋がしゃっきりと伸びる。 「ほ、本当に? その、本当に丁度今、クロスタータを焼いてきていて……だから……」 「朝!そう!朝は食べた方がいいわよ、エルヴィーノ!」 白々しさを見事に理解しないで貴方が本気で独り言ちたのだと捉えた女は、ようやく取り出せると少し浮かれたように、仕方ないなと世話を焼けて嬉しそうに、鞄を開けて一切れの扇形になるよう複数切り込みの入ったお菓子を差し出した。 #警察署 (15) 2023/09/14(Thu) 22:53:45 |
【人】 pasticciona アリーチェ>>10 イレネオ 「そ、そうなの……よりによって 苺のクロスタータ、焼いてきてしまって……」 チラリ、電気鍋の方も見つめる。 明らかに自分の挙動不審な行動のせいで気遣って貰ったのは理解できたのか、さらに小さく縮こまって。 でも、しっかり鞄からお菓子は取り出して貴方が取りやすいようにそっと差し出す。 「……"こんな日"に、って、お、怒りません? その、一切れ食べてからこう、怒られると わたしとしてはとても助かりはするんですが……」 貴方が普段通りに受け止めていてくれている事を全く理解していないから、怒られる覚悟をすでに決めている決死の表情だ。 自分より年下だけど、自分よりも上司に当たる。 だから少しだけ改まった口調になっているけれど、何処かぎこちない上に発言もどこかズレていた。 #警察署 (16) 2023/09/14(Thu) 23:01:38 |
【人】 pasticciona アリーチェ>>18 テオドロ 「……犠牲を出した上に得るものがあるとしても、 犠牲にされた側には到底納得できないものなのにね」 「……言うならお外と家で、って事?」 これは、話題と名前両方に向けた言葉。 「ごめんね」と言って、次の呼びかけはテオドロに直しはするもののの、数日も日が空くといつもの呼び名に一戻りが普段の流れだ。 貴方がエルヴィーノのに向けた乾いた笑いの真意を知る事もなく、良かった。の言葉にうんうんと相槌をただ打つ。 >>19 エルヴィーノ 「よかった!やっぱりクロスタータは 朝食に食べるのが一番だから、丁度良かったかなって」 非常に残念ながら、そこに気づく女ならあなたの白々しさにも既に気づいていたというところであって、つまりは貴方の苦々しさに全くと言っていいほど気づいてはいない。 元々クロスタータはこの国では朝食に食べられることが多い。だからあなたが朝食を食べていなかったのも、これまでの面倒臭がりな不摂生としか思っていないのだ。 #警察署 (20) 2023/09/14(Thu) 23:28:47 |
【人】 pasticciona アリーチェ>>22 テオドロ エルヴィーノ 「ふふ」 あらゆる事に鈍い女だけれど、その一言に嬉しさが増したのか、頬を僅かに赤く染めながら微笑みを浮かべた。 幼馴染がこの調子なのはいつもの事で。 投げやりだとしても伝えられる素直な言葉が心に沁みる。 「よかった。これで家に帰って一切れも減ってない クロスタータを見て途方に暮れる事もなくなったわ。 結構お腹膨れちゃうだろうから、無理しないでね」 「二人とも、いつも助けてくれてありがとう」 勿論何枚も食べて貰えれば助かるけれど、ここは優しい人が多いだろうから自分が持って帰る量を考えて気を使われることもないとは限らない。 だからつい、先手で無理をしないでと伝えてしまう。 (23) 2023/09/15(Fri) 0:26:43 |
【人】 pasticciona アリーチェ>>24 ニーノ 「ニーノ」 「外に行くの?勿論、持って行って。……」 「今日、上手く焼けた自信作だから、可愛い一番弟子に食べて貰いたかったの」 小声でそう言ってウインクをした後に、一切れ。何かに包む?なんてやりとりもした後に貴方に満面の笑みで手渡して。「声をかけてくれてありがとう」と伝えながら、出ていく貴方に手を振って見送った。 「いってらっしゃい。がんばってね」 (25) 2023/09/15(Fri) 0:56:59 |
【人】 pasticciona アリーチェ>>31 イレネオ 「えっ、と」 厳しさに少し怯え、突如ピンと背筋が伸びる。 言い切られると怒っているのではないかと心配してしまう性分はそう簡単にかえられなくて、この日も言い切りの言葉にいちいち表情をコロコロと変えていく。 「本当……?」 恐る恐る貴方の表情を盗み見て、言葉が嘘じゃないのに気付くと途端にはふ、と息を吐いて脱力する。 「えっ、あ、大きいのがよかっ、た? ……それなら、これかしら」 全部均等に切っているのではなく、あえてお腹の好き具合に合うように大きさは少しばらけて切っていたから、1.4枚分くらいの大きな欠片を上から指さしている。 またその言葉で自分のお菓子に興味を持ってもらえたのが嬉しくて纏っていた怯えの空気が一瞬にして霧散した。何ともわかりやすい女だ。 #警察署 (47) 2023/09/15(Fri) 22:43:06 |
【人】 pasticciona アリーチェ「そうかしら。ハードル、低いかな…… でも『一人5枚食べてね!』って言うのは、それが実際助かるとしてもあんまりだと思うの。 多分、業務に支障が出ちゃうし……ううん、今は出た方がいいのかもだけど……」 女は加減と言う物がまた下手であった。 最も、一切れだけでなく二切れ目に手を出してくれた時点で助かる以上に嬉しいと言う感情でめいっぱいで手から零れ落ちそうなくらいだ。 「わ、わかったわ。次こそは、 「今日、苺のクロスタータを焼いてきたんですよ。よかったら食べて下さいね!」 「って言える人間になってみる。この日以上に恐ろしい日なんて、そうないもんね」 幼馴染の言う通り、この日程にやらかしてしまったと言うほど恐るべき間の悪さに出会うことは早々ない。次からは明るく堂々とお菓子が飛び出てくるはずだ。 #警察署 (48) 2023/09/15(Fri) 22:53:39 |
【人】 pasticciona アリーチェ>>49 >>a9 イレネオ 「あ、よかった……皆のお陰で私が持ち帰っても 何とか食べられる量になった気が……え、あ」 「ありがとう……」 素直にお菓子の出来を後輩に褒められれば頬に朱が差し、 両手を合わせてはにかみながら穏やかな笑顔を零した。 「でもテオドロのを奪ってしまうのはまずい、かも…… あと数切れ足りなかったら渡しますので、ね?」 そして心外と思われる方の取り方をする。 心外だと言う顔をされたかもしれない。 しかし、すれ違っていた女は本当に真剣に入れ替えが発生するのを心配していたのであった。 先程の朝礼でのヒリついた空気を一時的に忘れ、 このひと時だけは穏やかに過ごすことができただろう。 #警察署 (52) 2023/09/16(Sat) 1:28:22 |
【人】 pasticciona アリーチェ「……お、思ってない! 思ってないわ……いえ、ですよ?」 まずい。心外と思わせてしまった。 しかしながらその後の反応を見て、思う。 隣の幼馴染も一件誤解されやすい言動を取るが、彼もそのタイプではないのかと気づきを得たようにうんうん唸っていた。 「些事じゃない事をいつもしてしまってるわ……」 と、聞こえてきた会話には思わず震えあがった。 大方、非効率な真似を行うのはこの女であることだろう。 クロスタータ片手の講釈も散々見慣れた幼馴染の顔なので滑稽どころかいつも通りの安心感を得てしまうのだが。 「朝ご飯自体は食べた方がいいと思うから…… エルヴィーノの事が心配な子達で、 交代で軽めの朝食を持ってきた方がいいかもしれないわね」 なお、今朝の法案の件の時点で再びしょんぼりしなおしたが、この渦中の事を思えば些細なことである。 #警察署 (64) 2023/09/16(Sat) 20:42:00 |