人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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視点:


ルチアーノは、店を出る前にフィオナは、と呟いて。『無事か』とだけ連絡を入れた。
(a1) 2023/09/17(Sun) 23:15:33

ルチアーノは、/*フィオレですね。>>a1
(a2) 2023/09/17(Sun) 23:16:41

牢の中にいる。

寝ている。

嵌められた手錠を見下ろした。

頬を打つ雨が冷たい。

────。

【人】 口に金貨を ルチアーノ

>>2:94 リヴィオ

貴方の言い分は最もだ。
どれほど多忙でも食事や身なりには気を使っている男は、一度でもそのルーティーンを崩すと生活水準が崩壊する。全てに対して。
ここ5年はその様子を見せていないのでなんとか保ちたい。つまりは格好つけたままで生きていたい。

「お気遣い心染み入るね。
 ……はあ、……最高に美味いな……」

ストレスが来ていたか、貴方の顔が眩しいからかその味はここ数年で最高の味に感じる。
多分気の所為だが、気の持ちようというものを少しは信じていいかと思い始めた。占いとやらにもはまれそうだ。

「怪我、それ以上酷くなっていたらちゃんと医者に行けよお。
 子猫を舐めてると足元をすくわれるからな」

そうして完食したカップを見やればタイムリミット迫っていた。
この先の用も大事なのだ、別れを憂う気持ちはないが時間が無限に欲しくなる。

「さて、すまんが先に失礼する。
 帰り道は車の音を頼りにするのが一番だ。
 またな、リヴィオ」

されど一言をかけるのは忘れずに、貴方いわく猫のエキスパートは裏路地から去っていくだろう。
来たときとは違う道を随分と慣れた足取りで大通りへと向かっていった。

#路地裏
(12) 2023/09/18(Mon) 20:04:09
──取調室にて、マフィアとの関わりを詰められた男は否定も肯定もしなかった。
どころか事情聴取の間、殆ど口を開かずに黙秘を続けるばかり。
何も語ろうとはしない態度に怒声を浴びせられても、その視線は己の手を拘束する手錠に向けるだけ。

室内にいる警官が異常に気付いたのは、そんな時間がしばらく過ぎた後のことだ。

ただ座っているだけの男の呼吸は常と比べれば荒く、頬は赤らんでいる。
雨が降る夜、濡れ鼠のままに連れてこられたその身体は随分と冷え切っていて。
些細なことで高熱を発症する奇病のトリガーとしては十分だった。

結果、この状態でまともに話を続けるのは不可能と判断され取調べは一時中断。
男は一度、檻の奥へと戻された。

#取調室

毛布一枚を渡されて冷たい床に頬を押し付けていると、なんだか懐かしい。
羽織るものがあるだけ、雨風を凌ぐ屋根があるだけ、あの頃より随分とマシだ。
蘇る記憶に苦しさは混じれど、暖かなものだって十分に思い出せる。
"
ねえさん
"と唇が動いてしまったのは、不調が呼ぶ甘えのせいだろうか。

誰を恨むつもりもない。
誰を憎むつもりもない。
馬鹿で愚かだって言われてもいい。
考えることも、迷うことも、信じることも、やめたくはない。

掠れた声で呟いた『だいじょうぶ』は、まるでおまじないみたいだった。

#牢獄

ルチアーノは、命の危機を感じている。
(a6) 2023/09/18(Mon) 21:42:03

牢の中にいる。しかし、自分のいるべきはここではない。

これは男が逮捕されてすぐの話。
取調室で男は散々吼え立てた。そんな事実はないと声を荒げた。

自分はやっていない。
自分がするわけない。
皆が証言するはずだ。
そんなはずはないと。
イレネオ・デ・マリアが、
あの男が、
マフィアと手を組むなんて!


その必死さはまるで主に捨てられそうになった犬のようだった。
酷く叱られ遠くに置き去りにされようとする犬の姿に似ていた。
低く唸り、呻き、哀願することさえして見せた。
けれど当然、聞き入れられるはずなどなかった。
結局、男にかけられた嫌疑が晴れることはない。

牢獄に戻された男は、酷く憔悴していたという。

#取調室

さらに、これは男が逮捕されて暫くの話。

男は、牢から姿を消した。
男が収容された牢はもぬけの殻になった。
けれど、誰もそれを大事にはしなかった。
巡回の刑事も、問題なかったと報告した。
そこにはただ、しんとした牢だけがある。

#牢獄

さらに、さらに、その後の話。

十数分の空白の後、男は自ら牢に戻ってきた。
素直に牢に入り、鍵が閉まれば腰を下ろした。
その足取りは確かだった。瞳は前を見ていた。

イレネオ・デ・マリアの牢は、酷く静かだ。

#牢獄

喋らない。

例え血が流れようと、爪が剥がれようとも、喋らなかった。

ルチアーノは、本気で辞世の句をしたためておくことにした。
(a11) 2023/09/19(Tue) 6:49:22

グラスを差し出した。いつも通りに。

いつも通りにカウンターの向こう側にいる。

それのことばかり考えている。

プランがあった。

雨の日だって
#バー:アマラント
はいつも通り。
日中は程々に過ごしやすくとも、
夜になるとやっぱり少し冷えるもので。

──マスター、何か体があったまるようなもの頼めるかい?
 ああ、すぐに出せる」

マスターの得意料理らしいシチューは具沢山。
なんだかちょっぴりお得な気分になれるかも。
ライ麦香る食事パンと一緒にどうぞ。彼女が好きな取り合わせ。