人狼物語 三日月国


77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】

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【人】 子天狗 茅

[そうして村に現れた二人に、はじめ村の人たちは唖然とした。>>19
天狗が礼を言いに来た、なんて。
そんな言葉を信じるものなど、この村にはいない。

それから騒然と。
茅がまさか、生きているなど思っていなかったものだから。
そうして何故か、まるで天狗のような恰好をしているものだから。

そうして最終的に彼らが抱いたのは、畏れではない。

                      
敵意
だった。]
(39) 2021/07/01(Thu) 0:06:56
 ありがとぉ、

[茅が笑う。

天狗さまが、好きにしろと言うから。

天狗さまの腕から降りた子天狗の、
高下駄の歯が触れた大地に、
波紋が広がった。]

【人】 子天狗 茅

[次の瞬間、“お嬢さん”が、新郎を匕首で刺した。
さっきまで無かったはずのその刃物は、茅が一度天狗さまに向けたものと、そっくり同じ形をしていた。
新郎はただの人間だから、不意打ちに成すすべもない。
そして刃が刺されば、ヒトは傷つく。
傷の場所が悪ければ、ヒトは死ぬ。
“花嫁”の刃は、“花婿”の喉を、正確に切り裂いた。

紅い血潮が夜空に舞う。

しん、と辺りが静まり返る。
どさ、と“新郎だった骸”が大地に倒れた。]
(40) 2021/07/01(Thu) 0:07:03

【人】 子天狗 茅

 
    あーぁ。
      
しちゃった。

 
(41) 2021/07/01(Thu) 0:07:05

【人】 子天狗 茅

[子天狗が呟くと、ざわ、とヒトに波が立った。
驚く声、叫ぶ声、問いただす声。
あぁ、ぐちゃぐちゃだ。
ぐちゃぐちゃ。

『だってこの人、私のこと馬鹿にしたんだもの』


うつろな表情で、“花嫁”が言う。
同時に別の所で、誰かが誰かを殴り倒す音がした。
それを機に、あちらこちらでヒトとヒトの争う声がし始める。]
(42) 2021/07/01(Thu) 0:07:08

【人】 子天狗 茅

 
 あーぁ。
 いつだって、ヒトを
ぼすのは、ヒトだよねぇ。
 
(43) 2021/07/01(Thu) 0:07:10

【人】 子天狗 茅

[子天狗はただ、そのきっかけを与えただけだ。
子天狗の妖力では、ヒトに特別な力を分け与えることはできないししないけれど、代わりに幻聴を聞かせることはできた。
ただ、ほんの些細な悪口を、隣の誰かが囁いたように、聞かせただけ。
それからちょっと試しに、“花嫁”の手に、刃を握らせただけ。

聞こえた声に何を思ったかは勿論、どんな行動に出たかなんて、そんなのは子天狗の預かり知るところではない。
ヒトとヒトが争うのを眺めつつ、と、と、と天狗さまに近寄って、寄り添う。]
(44) 2021/07/01(Thu) 0:07:13
 
      あは。

            こわぁい。
 

【人】 子天狗 茅

[気づけば紅く濡れて倒れている身体は一つや二つではない。
村長の家の屋根に、火が付いた。

悪意の声が聞こえた所で、普段の行いが良かったならば、それが幻聴であることになど容易に気づけたことだろう。
何せ、長く共に暮らした隣人だ。
けれど、悪意の声を疑いなく信じてしまった時点で……彼らは元々、そういった疑いを互いに抱いていたということだ。
何て哀しいことだろう!]

 案外、幻聴でもなかったのかなぁ。

[くすくすと、子天狗が笑う。
笑う。

……嗤う。]
(45) 2021/07/01(Thu) 0:07:18

【人】 子天狗 茅

[どれだけの時間が経ったろう。
決して小さな村というわけでもなかったと思うが、その割に終わりは割合あっさりしていたかもしれない。

子天狗が、と、と、と大地に波紋を残す。
じゃり、と砂を踏むような音がして、幻覚が霧散した。

後に残ったのは、死屍累々。
そしてその真ん中に座り込む、『お嬢さん』の姿。
真っ白だったはずの着物に、誰かの赤を浴びて、がたがたと震えていた。
その眼前に子天狗がしゃがみ込む。]

 どうしたの?
 “お嬢さん”?

[はじかれたように顔を上げ、『お嬢さん』は怯えたように、後ずさった。
子天狗は、まるで心外だとでも言いたげな顔をする。
ついと近寄って、その冷たくなった両手を握ってにっこり笑ってあげた。]
(46) 2021/07/01(Thu) 0:07:20

【人】 子天狗 茅

 泣かないで?
 綺麗なお顔が、台無しだよ?

[にっこりと、優し気に。
なのに“どういうわけか”、『お嬢さん』は震えたまま、涙を流し続けている。
可哀想だなぁ、と思った。]

 しょうがないなぁ。
 じゃぁ、
『夢』
を見せてあげようか!

[きゅ、と冷たい指先を握りしめると同時、『お嬢さん』が眼を見開いた。
いやぁぁ!と叫んで、白眼を剥いてしまう。

おかしいな。どうしたのかな。
“家族”や“旦那様”との、
甘い夢
を見せてあげてるはずなのにな。

子天狗は首をかしげる。
そっと手を放すと、
自らの手で死んだはずの彼らに追い回され続ける夢に堕ちた
『お嬢さん』は、ぱったりとその場に倒れてしまった。

なるほどきっと、“歓喜の”叫びなんだろう。
俺にはわからないけれど。]

 よかったねぇ。
 “皆”にまた
えて。

[一度だけ、『お嬢さん』の頭を撫でて、子天狗は立ち上がった。
振り返った先、天狗さまの姿を見つければ、また嬉しそうに笑う。
そうして子天狗は、天狗さまの元へと駆け寄った。**]
(47) 2021/07/01(Thu) 0:07:23

【人】 鬼 紅鉄坊

── 来たる冬 ──


では、行ってくる

見つければ村近くまで届けねばならないのでな、
遅くなるだろうが、心配しなくていい

[ 戸口に立った千を見下ろし、頬を撫でる。
 人よりずっと強く逞しくある鬼の身体とはいえ、
 凍える空気の中その命の温かさが愛おしい。

 少しばかりの名残惜しさを覚えながら、背を向け山の奥へ歩き出す。

 その日、独り寺を出たのは陽が昇りきった刻
 薬屋の店主が訪ねて来た後だった。 ]
(48) 2021/07/01(Thu) 1:56:16

【人】 鬼 紅鉄坊


[ 奪い合った時間、抱いていた温かさはもう名残も無い。>>37
 その分過ぎた日々で、幾度も触れてきた。

 すっかり梔子の実が橙に染まり、収穫を終えたのは数日前のこと。

 辺りは白に包まれ、すっかり姿を変えている。
 この百数十年山で過ごし、数える程しか見たことのない雪。
 やはりこのところの気象が影響しているのだろう。

 店主曰く、その中で一人の子供が朝から山に遊びに行ってしまい
 昼を過ぎても帰ってこず、村人が立ち入れる範囲では見つからない。

 先日実を引き渡した際、寺を気にしている様は気に掛かったが
 村の者など皆、どうせ千を嫌っている。早く喰われろと思っている。
 引き合わせたわけでもないなら、そこまで気にすることもない。

 千について口に出して何かを言うでもなかった男の願い、
 小さな子供の命が掛かっているとあれば、引き受けぬ理由は無い。 ]
(49) 2021/07/01(Thu) 1:56:32

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 独特の感触を踏みしめ、音を吸い込む世界を征く。

 吐いた息が白く煙のように立ち上り、消える。
 ──どんなに寒い思いをしているだろうか、可哀想に。

 鬼が探しに来ても、きっと迷子は怖がるだろう。
 共に帰るどころか逃げてしまうかもしれない。

 それでも、鬼の歩みは途絶えない。
 恐ろしがるからこそ、在るべき場所に戻さなければならないから。
 誰かに見つけてもらうのは>>34
 とても救われることだと、知っているから。 ]
(50) 2021/07/01(Thu) 1:56:54

【人】 鬼 紅鉄坊

[ だが─── ]
(51) 2021/07/01(Thu) 1:57:06

【人】 鬼 紅鉄坊



……一体、何処に行ったんだ

[ 山は何処までも静まり返っている。
 どれ程歩いても、痕跡は見つけられなかった。

 同胞が騒いでいないのなら、つまり襲ってはいない。
 雪はとうに降り止んでいる、
 途中からでも隠されていない足跡がある筈だ。

 陽の傾き始めた空を木々の合間から確認し、ふと気づく。
 ああ、
そういえば性別も名前も聞いていなかった。
 ]*
(52) 2021/07/01(Thu) 1:57:19

【人】 鬼の花嫁 千


  ─ 必然の冬 ─


 寺の中を暖めながら待ってるさ
 精々あんたに怯えた迷子の捕まえ方でも考えとけよ、ひひ

[口角を歪めた笑みで可愛げのない事を言い、千は鬼を見送った。
自分など気にせず、子供を見つけることに集中出来るように。

その目立つ姿が白に消えるまで、中に戻ることなく見つめていた。

こんな寒い日に迷惑な子供だと思う。だが、雪が物珍しい気持ちは、分からなくもない。
村人が門前まで訪ねて来るまでは、千と鬼も外の景色を寄り添って眺めていた。]
(53) 2021/07/01(Thu) 1:57:45

【人】 鬼の花嫁 千



[朽ちた穴を板で塞いでいるような廃寺の中はとても寒い。
座敷牢は、陽が入らないがしっかりとした家の中だった。

それでも、千にとってはこの場所のほうが好ましい。

いつも共に食事を摂る、かつて像が置かれ経を唱える為に使われていた広い部屋の中。
長らくしまいこんでいたあの白い着物を纏った上に、更に外套を羽織り
燃えた石炭を、灰が入った火鉢の中へと火箸で移していく。

鉄瓶で湯を沸かすのは、鬼が帰ってきてからだ。
時折灰をならし新しく炭を運びながら、火鉢の前で手を擦りその時を待っていた。]
(54) 2021/07/01(Thu) 1:57:59

【人】 鬼の花嫁 千



[──待てども待てども、その時は来ない。
陽は既に暮れようとしていた。

まさか自分のように子供が襲われてしまったのだろうか。
見つかっていないなんてことは、まさか無いだろう。

いくら送って行くとしても、怯えられたとしても遅すぎる。
鬼にとっては庭に等しい筈の山、理由の分からない不安。

今更飛び出すことも出来ず、もどかしさが胸に渦巻くばかり。]
(55) 2021/07/01(Thu) 1:58:12

【人】 鬼の花嫁 千



[そんな時に戸口が開く音がすれば、何の思考もなく喜んでしまう。

立ち上がり、直ぐに迎えに行ってしまう。


最初から迷子などいなかったなど、鬼すら知る由もないことだ。]
(56) 2021/07/01(Thu) 1:58:23

【人】 鬼の花嫁 千



 紅鉄様……!随分遅く……

[その時の千は、鬼子であった男は

まるでらしくなく、ただの人間みたいに笑みを浮かべていたのだろう。]
(57) 2021/07/01(Thu) 1:58:36

【人】 鬼 紅鉄坊

「帰れ、今すぐに!」
(58) 2021/07/01(Thu) 2:02:10

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 人の善意を信じる鬼は、何の情報もなく未だ彷徨い続けようとしていた

 何処からか怒号のように響き渡る、
 育ての父たる男の声がその歩みを漸く止める。

 直ぐに同胞が狼狽え囁き合うような気配を、あちこちから感じた。 ]

まさか……

[ 鬼は漸く気づく。
 山に棲まう妖らにとっても想定外の、非常事態が起きている。

 迷子など、何処にもいない。 ]
(59) 2021/07/01(Thu) 2:02:28

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 輿入れの季から時は過ぎ、
 鬼の知る彼らしい振る舞いをしていた薬屋の店主。

 その傷は決して癒えないものだとしても、
 裏で何を考えていたのか、思いもしなかった。

 体躯に似合わぬ速さの走りが、鬼の焦りをありありと表す。
 己を傷付けることなど無い枝や草など押し退け、
 道無き道を駆け、最悪の想像を払う為に寺を目指す。 ]
(60) 2021/07/01(Thu) 2:02:43

【人】 水分神

 
[妾はずぅっと嫌だったのじゃ。

 人の子を気に入ってしもうた

 その先に

 必ずきたる別れのことが。

 最初から近づかなければ良い。
 そう自らに思い聞かせてきたと言うに。]
 
(61) 2021/07/01(Thu) 2:32:25

【人】 水分神

 
[どうしようもなかった。

 その男は、料理がンマかった。
 掃除が完璧じゃった。

 我儘な妾に懲りず呆れず
 笑顔でついてきおった。

 優しかった。

 単なるご機嫌取りじゃと思うて
 抑えようとしても抑えられぬほど
 まいにちが嬉しさで満たされてしまったのだから。]
 
(62) 2021/07/01(Thu) 2:32:29

【人】 水分神

 
[頼み事を投げ出し
 村に逃げ帰ってくれていたらと
 考えていた一方で

 いいや逃げ出してしまう様な
 お主ではないと確信する妾もいた。

 故にこそ
 行かせてはならんかったのじゃ。]
 
(63) 2021/07/01(Thu) 2:32:49

【人】 水分神

 
[後悔の念が喉を震わせる。]


   
ひっぐ、うっぐ……いや、いやなのじゃぁ……



[自分の声がうるさすぎて
 話しはじめは聞き漏らしてしもうた。>>7
 
(64) 2021/07/01(Thu) 2:32:56

【人】 水分神

 

    ……う?


[遅れて気づけば、拘束を少し緩めた。>>8
 腕の中で彼の向きが変わる。>>9


    お主……っ、あぁ……!


[顔色は……悪くない。
 命を繋ぎ止めることが叶ったのじゃろうか。

 ────いつのまに妾にそんな力が?

 そもそも死にかけておらぬとか知らぬので。]
 
(65) 2021/07/01(Thu) 2:33:33

【人】 水分神

 
[妾を置いて行かなかったこと。
 存分に褒めたい気分じゃが
 彼は妾に感謝を伝えてくる。]


    そうかそうか、役に立ったか……

              はっっ


[懐剣を差し出されれば今の体勢────、
 抱き着いていることを思い出す。
 慌てて身体を離して、両手で受け取った。>>9

 妾は、なんちぅことをしていたのじゃ……!]
 
(66) 2021/07/01(Thu) 2:34:10