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人狼物語 三日月国


203 三月うさぎの不思議なテーブル

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[ 愛車もヘルメットも、ジャケットも
 気づくと選び取る色は黒だった。

 手帳も、スマホも。ついでに言えば
 家具類なんかも。

 そこに一つ増えた紺色を、彼は気に入って
 くれたようで、ほっとした。

 身の回り、実は黒じゃない色を
 選び取ることも、最近は増えていることは、
 まだもう少し、言わないまま。 ]

[ 好きなことをして過ごしていた人生の中、
 欠けていたものの存在に、気づいた。

 これをして、あれをして、あれを買って。
 望まれるままに、していたと思う。

 それなりに相手のことだって、好きだった筈なのに。

 言えないこと、――例えばあの日の気持ちだとか
 見せたくないもの、――例えば火傷の痕残る体とか

 そういうものを求められる度、辟易していた。
 欲しがられる言葉を言うのは簡単だけど
 
 いつだってそこに熱はないし、指先は冷えてた。

 結局俺はほんとうの意味での特別も、
 好きも、恋も知らなかった。 ]

[ 淡い桜色が視界を通り過ぎた頃、
 指差すために動いた腕が再び、腰に回る。

 先程より、少しだけ強く。

 気の所為かもしれない、でも少しくらいなら
 浮かれてもいいのかもしれないな。

 呟きは自分の耳には届かない。

 誰かと何かしたいと思うことも、
 誰かに何かを望むことも、初めてのこと。 ]

 生きててよかったな

[ いつか友人から送られたメッセージに
 応えるような、呟き。

 ――あの事故の現場を通り過ぎたあたりで
 呟いた言葉はこの速度では君には聞こえまい。 ]

 そうだね、風とか匂いとか
 そのまま感じるれるから、好きなんだ。

[ ドライブインに着いて、バイクを降り、
 那岐のヘルメットを預かり、バイクに固定しながら ]

 あったかくしてきて、良かったでしょ

[ 思ったより寒かったと言われれば
 声を上げて笑って、答える。

 食事をしながら、話すのはこのあたりの
 観光地の話とか。

 目的地よりもう少し走ると、温泉宿があり
 いつか行きたいと思っているのだが
 まだ行けていない、とかそんな事も話した。 ]

 急カーブはないけど、
 一応山道だから、さっきまでより
 もっと揺れるかも。

[ そうしてまた、愛車に乗り込み
 車道へ出る。

 こちらに取っては当然なのだが、
 今日、財布出させること、ありませんのでよろしく。
 デートなのでね* ]

メモを貼った。

 

  は、はい……それは、もちろん……?


[ 彼とのお泊り用のパジャマを新調するつもりだったから、
  全く問題はないのだけれども。
  予想外の反応につい語尾に疑問符がついて、
  友達とお泊り会、という言葉に、ふと速崎が思い浮かぶ。
  ……話し合って 仲直りしたら。
  そんな未来もあるだろうか。

  少しの感傷を抱いたまま、見送られては買い物を済ませ
  こんな時間でもそこそこ客で溢れた店内を出る。
 
集中してスキンケアのブランドを吟味したのもあり
神田が買い物をしていたことは全く気付かなかった。
 ]

 

 

[ 手は繋ぎたいし、何でも持って貰うタイプでもないので
  お互い片手を埋めたまま、もう片方を繋ぎ合う。
  咲いた桜を眺めながら
  そういえば、まだ教えていない好きと嫌いがあることを
  ぼんやり思い出していた。

  好きな季節は冬。 一人の寂しさを寒さのせいに出来る。
  嫌いな季節は春。 暖かいのに、ずっと寒いままだった。

  でも貴方のおかげで、四季の美しさを知れたから
  今は春も好きになれそうです、って。 ]


  ……ん。
  なら、良いです。……うれしい。


[ 嘘や誤魔化されるかもなんて不安は最初からないので
  回答へ満足そうに微笑み、「来訪」も初めてと悟れば
  尚更心は浮き立つものだ。 ]

 

 

[  前置きには「急にお願いしたのは私なので」と答え、
  けれど言葉のように物が多いわけではない室内を見渡す。
  取り立てて目に入るのは本棚に隙間なく詰まった、
  雑誌と──アルバム? だろうか。
  彼の職業を思い出し、なるほど、と一人納得して。

  いかにも性能が良さそうなPCと一枚ではないモニター。
  凄い。絶対大咲には使いこなせない。
  二枚以上のモニターなんてドラマ以外で初めて見た。 ]


  あ、はい!
  ありがとうございます。


[ 無造作に椅子へ投げられたリュックと、
  ジャケットを背もたれへ掛ける動作があまりにも自然で
  今更ながら、ここが彼の家だと実感を覚えては
  意識しすぎないよう、邪魔にならない場所へ荷物を。 ]

 

 

[ それから広げられた腕と、掛けられた甘やかしの言葉へ
  一も二もなく抱き着いた。 ]


  ぎゅって、してほしいです
  ……その。色々ちょっと、考えて、疲れちゃって……


[ ぶわ、と桜が散る時のように
  大咲の頭を悩ませ続けている速崎との記憶が蘇る。

  抱いていた一度目のクッキーの否定理由は
  ただ、大咲が「私が知っているけいちゃんなら」という
  思い込みに過ぎない。
  大咲の知っていた速崎。あの時確かに聞こえた失言。

  傷付く権利があるのは当事者二人でしかないのに。
  恋の実が落ちて、それでも最後まで逃げなかった、
  彼女の姿もちゃんと見たのに。 ]

 

 

  私なりに解決出来たら、全部、ちゃんと言います
  ──ううん。聞いて欲しいです。

  突き詰めれば多分 私の自業自得なところもあるんです。
  だから今日お店に来てくれた時、ほっとしました
  ──自分で自分を責めて、嫌いになっちゃったら
  それこそ全部終わりだって気付いたから。

  その、……神田さんの、顔を見たときに。


[ 全部自分が悪い、なんてことはないし
  全部向こうが悪い、なんてことも、きっとない。
  少なくとも この二人の間なら。

  大咲はそれ以上、これに関しては語らなかった。
  話した内容も相談というよりは独白めいて、
  少しずつ、彼を寄る辺に、心を整理していくような。 ]

 

 

  [ 全部自分が悪いと思う癖があった。

    遠藤には「残されたご飯」を怒って良いと言ったのに
    自分は最後まで、母へ怒る権利もないと思っていた。
    だって、大咲から見れば、母もある種の被害者だ。

    お金を渡すだけの、関心もない存在。
    母の日のケーキを捨てるくらい嫌いな存在。
    そんな子供を高校まで行かせて、お金を渡し続けて。

    でも、心のどこかで怒りたかった。
    怒ることも一種の甘えなのだと知らなくて
    壊したくないから、自罰で流し続けて。 ]

 

 

[ 料理を謙遜しないのは、
  美味しいと食べてくれる人を否定することになるから。
  自分自身となるとどうにも難しいその考えは
  けれど、貴方のおかげで、一歩ずつ変わっている。

  甘えたいと示せるようになっただけ、大きな変化。
  貴方が好きでいてくれる私自身を
  私も、自分なりに、大事にしていきたいから。 ]


  …………ん。よし、リセットできました。
  あの、後一個、今のうちにお願いして良いですか?


[ とはいえまだまだ遠慮も線引きも探してしまうので、
  一緒に手を繋いで、付き合ってくださいね。
  面倒な性格の自覚はあるけど、それさえ受け入れてくれた
  貴方じゃなきゃ駄目になってしまったみたいです。 ]

 

 

  今日、一緒に……んと、くっついて、寝たいです
  ──夜綿さん。

  …………だめ ですか?


[ これは大咲の想定では、友人同士のお泊り会のような
  そんなお気楽なお願いだったのだけれども。

  ぽん と咲いた、約束通りの名前呼び。
  お願いと言いつつも「イエス」以外を想像していない顔で
  へにゃりと頬を緩め、小首を傾いだ。** ]


 

[ 緩やかな山道を抜けるまでの間に、
 自然公園へ向かう道と、
 観光牧場に向かう道、
 そして湖に続く道へと、行き先が分かれる。

 ほとんどが前者二つへ向かう道に
 流れるので、自然と前後の車両は減る。

 ここまで来たら、あと十分程。
 申し訳程度のやや整備が雑な駐車場には
 今日は、トラックが一台。
 カーテンを引くように、運転席が隠れて
 いるので、お休み中だろう。

 自販機が二台、公共トイレの設置もあるが
 他にはなにもない。それを気に入っている。
 自分の、とくべつな場所。 ]

 何か飲む?

[ 問いかけて、自分は水を一つ買い、
 ジャケットの前を開いて、湖の方を指差した。 ]

 なんもないでしょ

[ 湖の近くに行っても、なにもないことは
 変わらない。昔はボートのレンタルなんかも
 やってたのかなって思えるような小さな小屋、
 ベンチもたった一つだけ。かなりボロいやつ。 ]

 俺のお気に入りの場所へようこそ

[ あの日、夢想した、
 この景色の中に佇む君、という絵が
 今完成した。ときどき、跳ねる水の音。
 鳴くような虫はまだ居ないだろうけど、
 ひらり、と目の前を名前も知らない蝶が横切った。* ]

メモを貼った。

メモを貼った。

[互いに。
 溶けるような呟きは、風の中に消えていく。

 俺がラジオを聞き始めた頃には、
 既に彼がよくメディアに
 駆り出されていた頃ではなかったから。

 深夜のラジオ。
 パーソナリティとリスナー。
 最初は顔も知らなかった声だけの存在。
 こんなに身近なところで知り合うとは
 思ってもいなかった"別世界の人"。

 ファンという程には深くない。
 彼がトレードカラーは今も根強く残っているけれど、
 『帰ってきた』と言われる理由の原因火傷を語られる頃には、
 彼を知るには遅すぎた。

 今も調べれば出るかもしれない情報を、
 自らの手で調べることがないのは。

 彼本人が、――そのことを語ることをしないから。]



 
[ 彼のトレードカラーの下に隠された
  傷の名残を知らないまま、通り過ぎていく。 ]



 

 

  ああ、身体で感じるから。


[好きな理由を耳にしたなら。
 体験を元にすれば、理解できる気がした。
 時期は選びそうだけれど。

 声を立てて笑う様子に、双眸を緩めて頷く。

 目的だったうどんは、
 オーソドックスにきつねうどんにした。

 厚揚げに染み込む薄い色のつゆは、
 この辺りでは珍しく西寄りのものだろうか。
 つゆを染み込ませるように沈めてから、
 箸でつまんで齧れば、甘い味が口内に広がる。

 麺は細打ち、添えられた青ネギを絡ませて。
 二枚だけ添えられたかまぼこは、桜色。

 この近くに温泉宿があることは知らなかったから、
 行ってみたいですね、なんて相槌を打って。

 自分で払うつもりだった会計を、
 すっと先に伝票を取り上げられたから
 帰りのガソリン代はこちらが払うつもり。]

[宣告通り、ドライブインを抜けた後は、
 少し道が悪くなったのか、揺れるようになった。
 落ちないようにと、また回す腕に力が籠もる。

 道が別れていく度に、
 後ろから追いかけてくる車や、
 前に見えていたトラックが見えなくなっていく。

 溢れ返る程の緑を抜けて、
 少し視界が開けた場所に出たと思えば
 砂利道で出来た駐車場だった。

 申し訳ない程度の、自販機と公共トイレ。
 木々の先には水の気配がする。

 凝り固まった身体を伸ばしたら。
 飲み物のリクエスト。]


  じゃあ、コーヒーを。
  ……これくらいは自分で。


[今度は先手を打たれないように。
 先にICカードを使おうか。]

[駐車場から少し歩けば、一面に湖が広がって。
 さわさわと風と水が音を立てていた。

 街から余り出ることがないから、
 自然に触れるのは久しぶりなような気がする。
 
 お気に入り、その言葉に振り返って笑って。]


  ……いいですね、空気が新しく感じる。


[目を閉じて、音を聞いたなら。
 深く、鼻から吸い込んで、口から吐き出した。
 
 風に流された蝶が眼の前を泳いでいくのを、
 何気なく、視線で追いかけて。]




  
  連れてきてくれて、ありがとうございます。


[彼だけの特別な場所。
 踏み込むことを許されたなら、まずは感謝を。*]

メモを貼った。

 いいのに。

[ それくらい。とは思うものの、
 先程のドライブインでは、さらっと会計を
 させてもらったし、自分で、と言うなら
 それ以上の問答はしなかった。

 帰りのガソリン代を払うつもりなのは、
 まだ知らないが。

 はた、と、ああそうかこれが当たり前
 ではないのがと思い当たる。

 デートであることと、自分が会計を持つが
 イコールでないのだ。

 一人勝手に思い当たると、ペットボトル片手に、
 湖へ向かう道を進む。 ]

[ 振り返る彼に返したのは、微笑みだけだった。

 言いたいことや、聞きたいこと
 まだいくらもあるけれど、どうにも、

 君のその、笑顔を見ると、
 胸が詰まって、一つも出てこない。

 君は、初めてばっかり、教えてくれる。 ]

 こちらこそ、来てくれてありがとう。

[ いつもの余暇のように、なにもしないを
 するつもりだった。けれど、
 それはどうにも、できそうにない。

 いつの日かになら、これもまた
 普通になるのかもしれないが、

 今はまだ、君がいるだけでこの時間は
 特別で代え難いものだから。 ]

 結構美味しかったでしょ

[ 寄ったドライブインで、自分はいつも
 天ぷらの乗ったうどんを食べる。

 エビと、紫蘇と、茄子の乗っている
 シンプルなもの。

 やっぱり今日も妙に美味しかったし、
 カウンター越しじゃなく、
 向かいの席で食事しながら、した会話もまた、
 楽しかった。

 温泉宿いってみたいと言われた時、
 自然といいでしょ、だとか返しながら、

 少し引っかかるものも、あった。
 良い意味でも、悪い意味でも。 ]

[ 昼食はうどん。

 いつもの食事量を思えば、
 腹ごなしが必要な程ではないから

 座って、君を見ていた。 ] 

 少し、話さない?
 あ、いや、話したい、が正しいな。

 これでも結構緊張しているから、
 わからないことがあったら、聞いて。

 
[ 時折、目を合わせながら。
 また居心地悪そうに視線を反らしながら
 少し長い、ひとり語りが始まる。 ]

 この話をするのは、それを知らないままでは
 言いたいことを、言えないからなんだけれど。

 常連客で、好き嫌いはほとんどなくて、
 趣味はバイクで、よく食べる。

 それ以外のこと、ほとんど知らないよね俺のこと。
 
 名前、検索ボックスに入れると、
 わんさかあることないこと、出てくる人種……

 昔、俳優やってたんだ。
 最近また、そちらの仕事を請け負ったんだけど
 7年ぶりくらいに。

 離れた理由は、怪我で
 今日、通ってきたとこなんだけど。

 下り坂で、スピード殺しきれなかった
 トラックが衝突してきて、運悪くて炎上しちゃって。

 このあたり、から膝のあたりまで
 大きく痕、残ってて。

[ 左脇腹を指差して、笑う ]

 バイク乗ってりゃそんなこともあるし、
 生きてるし、俺自身はあんまり気にしてなかったんだけど
 その瞬間、俳優高野景斗の席はなくなって

 今は細々と、所属してた事務所の
 雑用とか、養成所の研究生に、
 指導とか、してるんだ。

 あとは、ラジオ聞いてるって言ってたから
 言いにくかったんだけど、ラジオ番組を二つ持ってる。

[ 何か聞かれるようなことがあれば、都度
 答えつつ、話はまだもう少し続く。 ]