【人】 一匹狼 “楓”[人の声のような音、人影にも思えるような朧げなシルエット。 そういった不気味さを感じてもおかしくないものが、この山中には複数あった。 だが、それらが彼の恐怖心を煽ることはなかった。 ここはそういう場所であり、危険はない。 彼は自然とそう認識している] (30) 2023/02/28(Tue) 23:30:01 |
【人】 一匹狼 “楓”[彼の懐には鍵があった。 おそらくはこの山中にいくつか建ち並ぶコテージのものであろう、と彼は推測していたが…… どこでどうやって手に入れたか、彼の記憶は不明瞭であった。 ともあれ、彼には休みたいという感覚があった。 旅の疲れ? それとも別の何か? その理由さえ不確かなのだが……。 彼は立ち上がり、湖のほとりを歩き出す。 鍵に対応するコテージへとまっすぐに向かうだろう、よほど目を引くものが無ければ。 ──例えば、他の人影と違ってはっきり視認できる誰かの姿、だとか]** (31) 2023/02/28(Tue) 23:30:36 |
一匹狼 “楓”は、メモを貼った。 (a6) 2023/02/28(Tue) 23:31:42 |
【人】 一匹狼 “楓”[彼はここへ何故、何をしにやって来たか? 彼はいつも通り“旅”に出た。 そして旅先で情報を集め、山中へと入ったのだが……。 目的の地とはここだったろうか。 別のどこかでなかっただろうか。 そもそも、“主目的”は果たす前か、後か? ……朧げなのである。何もかも。 だから彼は、ここで人に逢う可能性すら考えていなかった] (68) 2023/03/01(Wed) 7:11:23 |
【人】 一匹狼 “楓”[湖のほとりを歩いていく彼は、遠くに手を振る人影があるのに気づく。>>61 視線を向けた先には、白いマントに身を包み、遠目には銀髪にも思えるような長い髪の女性がいた。 他の亡霊のような人影と違い、はっきりと目に留まる姿に意識を惹かれ、彼の歩みは止まった。 駆け寄ってくる足音とともに、彼女の姿が近づいてくる。 彼女のことは、深く被った頭巾で顔を隠した姿しか見たことがなかった。 素顔を見るのも、それどころか髪の色を知るのも今が初めてだったのだが── 彼の脳裏には瞬時に浮かんだ名があった。 そして彼女の呼びかけで確信を得る] 椿。 [彼を『楓様』などと呼ぶのは、椿と名乗った白頭巾の女性ただひとり。 彼女同様、『楓』もまた本名ではない。彼女の名乗りを受けて咄嗟に浮かんだ単語……それが『楓』だった。 それを仮の名として名乗っただけのこと] (69) 2023/03/01(Wed) 7:12:49 |
【人】 一匹狼 “楓”[差し出された手に応じるように、彼も右手を出し、彼女の手に触れようと試みる。 握手を求められたかと思ったのだ。 久しぶりに会った“仲間”なら妥当な挨拶ではなかろうか] 久しぶりだな。あれからどうしてた? [握手ができたか、それとも違うと言われたか、それはさておき。 懐かしさを感じて、彼は安らいだ微笑みを浮かべていた。 彼女とともに過ごした日々の中で、そんな表情をした瞬間は無かった。微笑むことこそあれ、どこかに緊張が宿っていたはずだ。 彼女以外の前でなら、決着の後にそういう表情を浮かべたことはあったのだが]** (70) 2023/03/01(Wed) 7:14:14 |
一匹狼 “楓”は、メモを貼った。 (a10) 2023/03/01(Wed) 8:42:45 |
【人】 一匹狼 “楓”[手を握り返す彼女は驚いていた。 その末に両手で包み込んでくる、その仕草はまるで慈しむかのよう>>84] どうかしたか……? [彼は思わず問い返していた。 ただの握手にしては随分と感慨深げに思えたのだ。 そうして先の問いに答える彼女の反応を見て、もうひとつ、違和感を覚える。 今、彼女は疑問を覚えた風ではなかったか。 息災という言葉は定かか。 彼が思ったのはそのことだった。 手が握れるほどに近づいてみれば、彼女の髪が銀ではないことにも気付く。>>61 黒と白が混じったその髪だけなら老婆のそれにも見えようものが、顔立ちは幼女にも思えるほど。 それでいて彼女の体躯を、少なくとも彼は大人の女性と思っていた。判断材料は背丈ぐらいしかないのだが。かつての日々でも、彼女のことをずっと大人の女性と思って接していた] (100) 2023/03/01(Wed) 12:51:43 |
【人】 一匹狼 “楓”[逢いたかった。>>84 その実に嬉しそうな言葉に>>86、彼は思い返す。少し前の彼女の言葉を。 『きっと、お会いできると思っていましたの。』>>61 辺りの人影どころか記憶さえも朧げなこの場所で、彼女は何を信じていたというのか。 ……何か、知っているのだろうか] そうなら会いに来てくれりゃいいじゃねェか。 あいつに渡せば、あんたも見るかと思ってたぜ? [心がざわめくのを感じながら、彼は軽口で気を紛らす。 彼が言うのは、かつて彼女に出会ったときに別れ際に手渡したカードのことだ。彼の勤め先の名前と住所が記された、個人のものではないにしろ名刺のような代物。 それを彼が渡した相手は彼女本人ではなかったが──渡した相手は彼女と共に在る人なのではないか、となんとなく思ってのことだった] (101) 2023/03/01(Wed) 12:51:59 |
【人】 一匹狼 “楓”どこか行く宛あるのか? 椿。 [手を引かれるままに歩み始めながら、楽しげな彼女の後ろ姿へと声をかける。 行く宛なく散策というのも楽しかろうが、懐かしい人との再会を経ても、彼の内にはまだ『休みたい』という感覚は残っていた>>31] 行く宛無いなら、鍵がある。 あちこち建ってる小屋の鍵じゃねェか? ……どうやって手に入れたか覚えてねーけど。 [空いた片手で懐の鍵を取り出し、彼女に見せる。鍵には大きなキーホルダーがついて、そこに番号が刻印されている。 道行く先には番号の書いた背の高い立て札がいくつもあった。鍵の番号と立て札の番号を合わせれば、その先の小屋で鍵が使える可能性は高いだろう。 手に入れた過程を覚えていない鍵というのは実に怪しげなものではあるが、彼はなんとなく感じているのだ。ここに危険はないと。>>30 夢の中では奇妙な出来事に遭遇しても疑問を抱かないもの。彼のこの感覚は、そういったものに似ていると言えるだろう。これが本当に夢の中なのかは、また別の話であるが]** (102) 2023/03/01(Wed) 12:53:07 |
【人】 一匹狼 “楓”[落ち着いた足取りで階段を上がり、入口の扉に鍵を差し込む。 鍵は無事回り、解錠できた。扉を開けると中に照明を見つけ、ひとつひとつ灯して歩きながら内部を見て回る。 一階はリビングとキッチン、二階は寝室で、二階の片隅には屋根裏への梯子があった。 ……そして] あ……。 [呟きとともに、彼は(3)1d3つあるベッドの脇に歩み寄った。 そこには彼が“いつもの旅”で持ち歩く簡素な手荷物があったのだ。 記憶こそ朧げだが、一度ここへ来て荷物を置いたようだ。ならばこの小屋を借りる契約をしてから来たのだろう。彼はそのように判断した]* (121) 2023/03/01(Wed) 16:55:53 |
【人】 一匹狼 “楓”[不意打ちで声をかけられて、彼は暫し硬直していた] ……いきなり驚かせんなよ。 使っていいんだと思うぜ。 リクエストは……、…… [リクエスト。そう言われて浮かぶ料理の種類はひとつしかなかったのだが、何となく言いづらくて一瞬視線を逸らす。] ……肉料理。 何か手伝うよ、黙って待ってるのも暇だし。 [結局正直に告げたが、幅広すぎるリクエストである。細かいところは彼女に任せるつもりなのだろう。 手伝いを申し出て彼女へと歩み寄る。拒まれでもしなければ共にキッチンへ向かい、約束通りに手伝うだろう。巧拙はともかくそれなりに手慣れてはいるはずだ、彼も日頃は自炊だから]** (143) 2023/03/01(Wed) 19:43:40 |
一匹狼 “楓”は、メモを貼った。 (a22) 2023/03/02(Thu) 6:53:25 |
【人】 一匹狼 “楓”[彼女の内心など知りえないものの、螺旋階段を降りる姿が彼にはどことなく上の空のように思われた。>>188 だから心配していたのだが、特に何事も起こらず1階へと辿り着く。 階段を降りた後は、軽く辺りを見回し、リビングに彼女のマントがあるのを目に留めた>>141。少しばかりじっと見つめた後、彼は椿の後を追ってシステムキッチンへ向かった。 男の子と呼びかけられ、肩をすくめる] どちらでも、お好きなように。 [些細なからかいにまでいちいち腹を立てるほど子どもではない、と彼は自認していた。心に余裕がある時に限られる話だろうけれど] (213) 2023/03/02(Thu) 8:31:28 |
【人】 一匹狼 “楓”[彼は頼まれた通りに人参の輪切りを作る。求められる厚みを確認した上で。>>206 彼女の容姿のアンバランスさ>>61と言動の不安定さは、楓に幾許かの不安感を呼び起こした。先刻から続くいくつかの印象と混ざり合って、彼の気分は言うなれば吊り橋の上。緊張感が抜けぬままだった。 肉の焼ける音が聞こえ始め、彼女の呟きが落ちると、彼は調理台よりも彼女の横顔に紙片を向けた] 自分が人間じゃないようなこと言うんだな。 [見当がつく『あの人』よりも>>101、彼が問うことを選んだのはそちらだった。 落ち着いているかのようでいて緊張を孕んだ低い声音は、彼女が最もよく聞いた“楓の声”に相違無いだろう──記憶に残っていれば、の話だが]** (214) 2023/03/02(Thu) 8:32:09 |
【人】 一匹狼 “楓”[食器を洗い終える頃、彼女は戻ってきていただろうか。 戻っていたならその後どうするかは彼女次第になるかもしれない。 もし戻らなかったなら、彼はコテージ内探索がてらに彼女の姿を探すだろう]** (361) 2023/03/03(Fri) 17:10:30 |
【人】 一匹狼 “楓”[彼の入浴はいつも烏の行水。 今夜もそうするつもりだったけれど、用を済ませて出ようとしたとき、湯気で曇った鏡に目が留まった。 濡れた手で拭ってみると、映り込む姿は当然のように水滴で歪んでいる。 鏡の中の自分の輪郭を、震える指先で静かになぞった] (390) 2023/03/03(Fri) 22:51:07 |
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