75 【身内】星仰ぎのギムナジウム【R18G】
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[|<] [<<] [<] [1] [2] [3] [>] [>>] [>|]
[メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
シトゥラ
「そりゃあ落ち込むに決まってるだろ。友人の好意をふいにして
その上泣かせてもいるんだ、気分はあまりよくない。
明日になったら各所に謝罪に駆け回るべきだろうか」
結構本気ではあるが、そもそも自分の内情を打ち明けても
特段自分を責めもしなかったお人好したちのことだ、
しれっと許されてしまうんだろうなとも思う。
「……喧嘩で派手な傷を負う前提なんだな、
なるほど、なるほど。
いいよ別に、それをお前の望んだことなら俺は止めない。
怒りはするし不安になりもするけど許す。
ただし死んだら本当に許さないからな。本当に
」
しっかりと念押しするくらいは自分にも許されていいだろう。
あなたの全てを許すことと比べたらきっと、小さいことだから。
「それと、あー、と。これ絶対伝わってないなお前」
他人に興味をあまり持たなかった同士、仕方ないかもしれない。
自分からもあなたの頬に両手を添えてぐいと顔を近づける。
「俺の言いたい好きはそういう方向じゃなくて。
愛してるのほうの意味で、言ってる」
| (t11) 2021/06/01(Tue) 14:39:59 |
シトゥラ
「……シトゥラ、お前、今の返事『味』がしなかった
」
『味』がしないと思った最初はレヴァティの言葉だったか。
それがあったからこそ彼に興味を持ち、
あなたに相談を持ち掛けたのが始まりだった。
ここで、ただ二文字だけの言葉で、『味』がしない理由は。
「
それでお前は満たされるのか?
……それでお前はいいのか」
あなたが歪んでいることなどとうに理解している。
けれど、あの時のあなたは、自分を欲しがったあなたは、
少なからず『人間らしい人間』であるところが見えたのに。
満足いくまで『食った』ら離れてしまう自分が、
散々互いに『食事』をしておいてなお留まり続けたいと思えた
……それがルヘナにとってのシトゥラだったはずなのに。
「これから『喧嘩』するならこんなところで体力を使うな。
そもそもお前ってどれくらい動けるんだ……?
……お前のこと、まだまだ『食い』足りてないな俺」
先程、絵に触れて指についた黒い粉末は
あなたの頬を汚してくれていただろうか。
シトゥラ
「俺が気にするのはお前のことだよ馬鹿。本当馬鹿。馬鹿」
誰かに興味を持ってもらうために、誰かを引き留めるために、
そんな目的で言葉を探したことなんて全然なくて、
だから何を伝えたらいいのかが分からなくて、揺れる。
伝えたいものは、ただ愛であったはずなのに。
……そうしてあなたが告げる言葉を聞いていれば、
思い当たる人物の顔だってすぐに浮かんだ。
『お前に殺されるのは痛そうだ』とあいつに話したな。
ならきっと、とてもとても痛いのだろうな。
感じる『味』がどれも不味い。
クソ、クソ。
「お前からは俺がああ見えていたのか、と勉強になったよ。
……お前から見える皆はどういう姿なんだろう……
描き終えたら俺に見せてくれ、ずっと待ってるから」
静寂の中、立ち上がろうとしたあなたを引き留めるのは
力のない指先が引っ掛けたあなたの服の袖だった。
「お前に伝えた"特別な望み"、
いつ、叶えてくれるんだ」
「カストル、ポルクス、それにメレフ……
どこにいるの…?」
携えた想いは、あと二つ。
届くべき先も、あと二つ。
或いは、屋上?
或いは、園芸同好会の花壇?
或いは…………
たとえやみくもでも足は止めない。
声を上げる事を、手を伸ばす事を諦めはしない。
大人に何度窘められようと、
傍から見れば気味が悪い程に優しく宥め賺され、諭されようとも。
その度に、我儘を言って屁理屈を捏ねた。
イクリールは大人にとって『都合の良い子』だったけれど
だからといって別に、良い子でなんかなかったのかもしれない。
初めから。
カストルとポルクス、そしてメレフの姿を探している。届けるべきものの為に。
| >>+57 「あ、ああ。こんにちは。イクリール。こないだはごめんね」 カストルの姿をした少年が気まずそうに出てきた。 「ほら、これはね、 。そう言って彼女に渡そうとする少年の眼差しから、狂気はあまり含まれていない。 (@9) 2021/06/01(Tue) 17:31:47 |
『カストルとポルクス』
「──ああ、よかった、ここにいたのね…
……この間?」
二人に謝られるような事をされただろうか。
記憶を手繰り寄せても思い当たる節は無くて、
それでも謝りたいという気持ちは受け入れたくて。
差し出された花を、素直に受け取った。
「……ありがとう、カストル。それからポルクスも…
わたしも、あなたたちに渡したいものがあるの」
それから一歩、イクリールは歩み寄って
その小さな手に持っていたものを、『二人』に差し出した。
シトゥラ
「――――――――…………」
たっぷりの沈黙の後に最初に吐き出したのは
力のない吐息だけだった。
こっちばかりがずっと勘違いして、届いていなくて、
馬鹿みたいに苦しんで、泣いて、ああ、けれど。
やっぱりそう、なのだ。
愛の宿った瞳も、未来を望んでくれることも、
真実ではあってもそれだけだ。
『知りたいと思う情は飢えているものを満たす』
そう教えてくれたのもあなただったな、とどこか遠くで思う。
包まれた手の感触も、囁く声音も、全てが痛い。
「……ああ、わかった。
それじゃあまた、次に会った時にでも『食わせて』もらうよ。
引き留めて悪かったな」
あなたに包まれた手に一度だけ、一度だけ強く力を入れて。
それからそっと力を緩めた。
| (t13) 2021/06/01(Tue) 18:40:26 |
| ポルクスは、イクリールから貰った手紙を、そっと懐にしまった。 (t14) 2021/06/01(Tue) 18:41:41 |
全ての手紙を届け終えて、そして受け取った。それから、まったくもう、とだけ呟いた。
「――あ……」
彼を見送った後、改めて思い出だらけの部屋を見た顔からは
自然と彼の余裕が、見得が、強がりが、剥がれ落ちて行く。
若草色の瞳が滲む。『これから』を認識することを恐れた。
両の手が震える。抑えようにも指先の感覚がない。
呼吸が乱れる。息をすることはこんなに難しかったっけ?
歯の根が合わない。おかしいな、まだ冬は来ていないのに。
いやだ、みたくない、わかりたくない、うけいれたくない、
だっておれは、おまえは、おまえの、
そう思いながらも思考を巡らせることはやめられない。
よく慣れた行いで、簡単に心が追い詰められていく。
「――シトゥラ。シトゥラ……」
呼ばれたらすぐ駆けつけると言ったのはお前だろ。
それなのに、こんなに呼んでいるのに、お前は来てくれない。
お前の手で大人のもとに連れて行かれた夜に、
大人のもとに連れて行かれる前に、お前のものになった時に。
俺のことをちゃんと見ててって伝えたし。
愛してる
って、お前に応えた、はずなのに。
「……でも、いいよ」
己のやるべきことは変わらない。
『知識』を求め、大人を利用するために近づこうとした少年は
己のことを"魔術師"と呼んだ。
大人に従う意味、大人に従う事情、与えられるモノの真実、
知る度に湧き上がる更なる興味と感情に振り回されながら、
より多くの『知識』を求めて他者と関わり『情』を得て、
――――そうして、『いなくなった』。
己が不和の種である事実は少年を苛み、
苦痛から逃れるために情を捨てようとするもそれは叶わず、
他者から差し出された手を結局は受け入れて未来を望んだ。
自分の望む未来など訪れない。
自分の心など変えようがない。
そうしてたったひとつに追い縋り、
だからこそこの先にある『地獄』をはき違えて。
ああ、けれど、そこで交わした約束を、
少年は決して破りはしない。それも誠意と、愛のため。
「俺は全部許すから」
『情』を知り、『愛』を知り、動けなくなった愚者のはなし。
[|<] [<<] [<] [1] [2] [3] [>] [>>] [>|]
[メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
トップページに戻る