125 【身内】実波シークレットパラダイス【R18】
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
君はいい人に出会うというか、いい人ってところから怪しいし。
「なあ今俺はともかくって言った?流しかけたけど
しれっと言ったよな?彰弘ちゃん俺の目を見て同じ事言える?」
まあそれはそれとして、だ。
身勝手な奴には珍しく心底面倒くさそうな溜息の後。
「めんっどくせえなあ人間ってやつは!」
「あのさあ、人から言われた事くらい素直に受け取れないの?
たったそれだけの事もできないわけ?
ああそうだたったそれだけの事が難しいんだろうなあ?
人間ってのはそういうもんなんだもんなあ?」
「無い頭捻ってないで俺がそうしろってんだからそうしろよ。
俺の意思決定に抗うなよ。
神を言い訳にするなよ。
うだうだ屁理屈捏ねて自分に都合良く責任転嫁して
逃げようとしてんじゃねえよ、意気地なし!」
「おっ、宗崎雪だるま作るのか?
俺も転がすぞ!!」
空気を読まない男。
豪快に雪玉を転がし始めた。
「まっかせろ!!
今でっかいのを一つ作ってやるぜー!!」
ごろごろごろごろ。
こっちの雪玉の成長度は
10 。
「そうかも」
「あんまりでかいと雪うさぎが泣いちゃうかもだしな」
優しい王様なのだ、きっと。
これは何処かの時間軸。堂本棗は夢の中に居る。
――それは普段会うことが出来ない人と会える場所。
「……エリーゼ?」
『あぁ、棗。ようやく会えたわね』
「そりゃ……会えるわけないでしょ、同じ身体にいるのに」
『ふふ、それはそうなんだけど』
「どうして泣いてるの」
『……気づかなかった……、でも、悪い涙じゃないわね』
「嬉しいってこと?」
『そうかも』
これは何処かの時間軸。堂本棗は夢の中に居る。
――これは、ある僕らの夢の続き
『棗が私の願いを叶えてくれたから。
私は願って、やっと殿下の魂の傍にたどり着いたんだもの』
「俺は……別に、何もしてない」
『私がやりたいと思っていたことを、やってくれたわ。
……好きな人、いるんでしょ?』
ずっと見てたんだもの、知っているわ。
「いっ……いる、けど。でも!」
『ばっかじゃない?
でももへったくれもないですわ、このおバカ。
いいですこと? 私の時間は前世で終わったの。
でも、あなたの時間はこれからですわ。
魂が受け継がれても、あなたの時間はあなたのもの
』
『迷ってもいいじゃない。その気持を……大切に出来るなら』
君は、そこで、呆れて笑って。じゃーね。の神じゃなかったの?
そうこうしてるうちに別の話題への興味が混ざったので、
その目はもう孤独な魔法少女の方を向いていない。
誰かみたく強引に連れて行く気概もなければ、
あとは長い時間でちょっと頑張ってみるくらいだから。
「写真、そう、俺は撮ってもらいたい」
「携帯もなにも持ってないから、
俺は俺の写真を一枚ももっていなくって」
ひとまずは下げられたスマートフォンを見て。
「これから先、この顔をやめた時、
思い出せなくなったらみんなが困るかなと」
次会った時別人の顔になったら、そらまあ驚かれるだろう。
「──」
「──公にしちゃいけないことは、変わらない。
変わらないけど──」
「──あたし、
ここに来られて、よかったな。
自分が自分のままで居てもいいって
いってくれる人がこんなに居るなんて、
思わなかった」
「あたしも撮りたいな、写真。
いっしょに、撮りたい。
あたしの目がカメラだったらな〜」
なんだか、急速に開き直ってきたようです。
| 偉智 要は、ぼーっと、その光景があったかいなと眺めてる (a51) 2022/02/04(Fri) 18:28:52 |
耐久性を褒められたので、防弾とか防刃とか防爆も搭載しようか悩んでいる。
「えー、何々。
みんな写真撮るの?
俺もみんな撮りたい!」
神というものの前には、人間の予測なんてあてにならない。
これは何処かの時間軸。堂本棗は夢の中に居る。
――これは、ある僕らの夢の終焉。
「でも、俺。
記憶があって嫌だって思ったことはない。
ずっと大事で、大切で、エリーゼを手放そうと思わない」
『それとこれは関係がありませんわ。
私はただの傍観者、だけど消えたりしませんのよ。
ずっと、ずっとあなたの心の奥底にいるの。私より昔の前世の人たちと一緒に。
消えずにずっと、あなたの魂にきっと刻まれてる』
『棗なら、大丈夫。
だって世紀の悪魔と呼ばれた、この私の後世なのよ。自信をもちなさい、バカ、バカ棗』
「さっきからバカって言いすぎじゃん!?」
言われて嫌な、バカじゃないけどさ。
今、俺を見る君は、絶望にくれた顔なんかじゃなくて、幸せそうに笑ってる。
『あなたの時間をしっかりと歩いていくあなたを、私は誇りに思うわ』
だから正直に生きてね。
奏でる。欠けたもの同士で目指す星。『きらきら星変奏曲』のツインを。初めて誰かと一緒に。
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