203 三月うさぎの不思議なテーブル
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うわ、うま、……え、なにこの味
[ 作り方を聞いたところで、同じように
作ることは出来ないだろうが、何が入っている
だとか聞いただろうし、にんにくチューブが
入っていると聞けば、 ]
にんにく、好きだったのかも俺。
この味好き。
つまみにも良さそうだよね
[ 店で言うことと、あまり変わらないような
事も言ったかな。気取らない分、 ]
レンジ……?レンジって
料理できるものなの
すご。……そして旨い。
や、プロの料理だから当たり前
なのかもしれないけど
[ いつも以上に素直すぎる感想を漏らした事も。
シリコンスチーマーを発掘したと聞けば
家主の方が、どこにそんな物あったんだ
と首を傾げる始末だった。
キャベツとしらす干し、それにチーズ。
レンジで調理したと聞けば驚いたし、
思わず皿の中を見つめたりもした。 ]
ん、っふふ……ごめん
ご飯が美味しくてさ、
しかも、そのご飯、恋人が作ってくれてさ
自分の家に、恋人いてさ、
幸せだなって、思ったら笑っちゃった。
[ メインのスープ丼も半分ほどは消えた頃
食事を続けていたであろう君を見ていたら
急に溢れ出てきてしまって、笑い声を上げて
しまったので、言い訳するように、言って。 ]
帰したくなくなりそうで、困るくらい。
[ 最後にそう言ったのは本音だけれど、
冗談のように思われるくらいの、言い方
だったと思うよ。* ]
―― 店内にて ――
[ くすくすと笑う。
こういう顔、最近増えてる気がする。 ]
うん、鴨南蛮食べたい。
[ 二人だけの空間の中でも、
店内でも。
――その横顔に恋してしまうようなそんな表情。
かと言って、口には出せない。
狭量だと思われたくはない、微妙な男心。 ]
うわぁ、いい匂い
いただきます。
[ はちょっとあまりにも格好がつかないので
君にも悟られたくはないな、と思う。
やがて、こんがりと焼かれるネギと、鴨の
匂いが漂って来たと思えば、
今度はつゆの方からも、甘い匂いが
漂って。
完成したときにはすっかり、
待ってました、って顔してただろうな。 ]
[ 油の爆ぜる音を聞きながら、
そばを啜る。
絡むつゆもまた絶品だが、
そば本来の味もしっかりと感じられて
あとから、神田くんが口添えしたと聞けば
神田くんに親指立てて、見せたかもしれないな。 ]
前評判からやな予感しかしなかった
怪獣倒した後どうするか、みたいなのとか
ホラー・サスペンスの巨匠の最新作とか
あと、昔の仲間がメガホン取ったのとか。
[ 今度は映画を、だとかは自宅で
会っているときにも、きっと口にしていたと思う。
ので、この話が二度目だったら、
余程、そうしたいと思われていても
仕方ないとおもう。忙しい合間を縫って、
生まれた隙間には片っ端から、君と会う日
敷き詰めて行きたかったから。 ]
……言ったらあいつ、那岐くんにも
いらんお節介焼いたり、構ってきそうで
それはちょっと。
[ 面白くないと言いたげな顔を浮かべる帰り道。
いいですよと言われても、
ちょっと渋い顔を見せた。
のだけどね。
夜道、人気の少なさを知った上で
伸ばされた指が絡めば、ふっ、と笑ってしまうの
だから、敵わないな。 ]
そりゃ、恋人だって言うし、
俺の大事な人だよっても言うよ?
[ 問いかけるように語尾をあげる。
伺うように、隣を見る。
言葉にすると、嬉しそうにするとこ
見るの、好きだから。
少し照れくさくも、あるんだけどさ。* ]
|
花びらで? へえ 菜の花とか、スミレとかバラとか
[想像したのがエディブルフラワーだったので、どうしても食べる気。 今度調べてみよう。 最近SNSで検索する機会も増えて使いこなせてきている。そういえば一時期見なかった優雅な独身男性のひと、元気そうだった。既婚にはならなかったよう]
(99) 2023/03/11(Sat) 23:18:15 |
[降参とばかりに恨めしそうな視線を向ける彼に声をあげて笑い。
礼を言われながら幸せだと微笑まれれば
此方もひどく照れくさいような、むず痒いような気持ちになって。
話題は好きな場所の話へ。]
旅行、そりゃ、瑛斗がいいなら行きたいけど。
せっかく行くなら一泊二日くらいでさ。
ホント???やった。じゃあ楽しみにしてよ〜。
[一つめの背伸び目標はそれに決めたらしい。
未来の約束に喜びつつ、誕生日を問われ。]
誕生日?6月7日だよ。
瑛斗は?
[と、問い返そうか。]
[そんな他愛ないやり取りをしながら
ベンチに腰かけて、本日のメインの一つ。
お手製弁当を広げるのを見つめる。]
わー、待ってました〜!!
へえ、じゃあこれは瑛斗のオリジナルハンバーグなわけだ。
なんかそれ食べさせてもらえるのも光栄だな。
[決して彩り鮮やかとは言い難い、
白と黄色のお弁当。
素朴な色合いは本当に彼が普段馴染んでいる
ありのままの弁当なのだろうことが窺えた。
いただきまーす!と手を合わせ。
割り箸を手に、まずは目玉の豆腐ハンバーグを頬張る。
もぐもぐと咀嚼して。]
うん、美味しい!美味しいよ!!
[どこがどう、とかは分からないものの
確かにうさぎで食べたものとは少し違う感じはするけど。
しっかり焼かれたふわふわのハンバーグは
何だか手作りの温かい味がする。
満足そうに目を細め、卵焼きにも箸を伸ばしながら。]
ね。
そういえば瑛斗のご家族ってどんな感じ?
兄弟とかいたりするの?
[お金がないお金がないと
何かとエピソードを口にするけれど
その実家族のことを語る彼はいつもどこか楽しそうで
きっと仲の良い家庭で育ったのではないか、と思うから。
もしよかったら聞かせてほしいな。なんて。**]
― そんな一騒動を終え ―
[ 車には全く詳しくないうえ、免許も持たない大咲は
タクシー以外で誰かの車に乗るのは初めてだった。
彼氏の車で朝帰り。
響きだけならとても怪しい雰囲気がするけれど、
というか言葉にすると自分でも流石に察しますが
「待て」をしたのもまた自分。
申し訳なさも若干はありつつ、爽やかなアクアの匂いに
ふ と息を緩めて。 ]
車酔いは…今平気なので、多分大丈夫です。
ドライブ良いですね。したいな。
運転、任せっきりになっちゃいますけど……
……いちご。
[ 他愛ないデート計画に出て来た「いちご」という単語へ
すこし、すこしだけ、大咲の目は輝いた。
何を隠そう実を言えば好物なのだ。好きです、いちご ]
[ 連休の調整は、しっかりした新人も入ることだし
元々大咲本人が人が足りている日にも出たりしていたから
迷惑を掛けない範囲でなら、出来るはず。
どうして連休にしたのかは、まあ、
お察しください。とてもじゃないけど言えません。
単日での休みなら勿論あるので。
貰えたらどころか、寧ろ貰って欲しいところだ。 ]
……あのね。
ケーキ、きっともう、大丈夫です
過去のことを引きずって、思い出を増やせなくなるの
私が嫌なので。
作りたいです、ケーキボトル。一緒に。
[ 温泉も良いですね。二人でゆっくりしたいです。
後、ちょっと憧れてた、
恋人同士の遊園地デートとかもしてみたいな。
交わした未来の話は、果たされる約束になるだろう。
随分懐かしい歌が流れてくれば
声って案外変わらないものですよねぇ、と笑ったり ]
[ 紡がれた言葉に、笑顔で頷いた。
最初に二人で決めた約束事。無理はしないこと。
声音へ滲む寂寞が、彼の無念を表しているのは伝わるけど
自分の為に無理をして欲しくはない。 ]
大丈夫です。
もし終電無くなったら、タクシーで帰りますから。
お仕事、頑張って来てください。
[ 守れない約束はしない主義。
そう言っていた彼の誠実さが好ましい。
代わりに自分も、歩いて帰るなんてことはせず
彼が安心出来る手段を選ぶことを約束しよう。
もう少し、あとすこしだけ一緒に、と願っても
時計は全世界へ平等に進んでいくばかり。
ゆるやかな手つきで、「慣れなくてもたつくフリ」をして
シートベルトを外した あと。 ]
────…はい、?
[ 振り返る。
何事かを問う前に、ヘッドレストへ彼の腕が伸びた。
すっかり固まった自分に、車内なのに影が差す。 ]
…………… ッ
[ 少しでも身じろげば、睫毛同士さえ触れ合いそうな。
一気に早まる心拍数がうるさくて、
まるで悪戯を終えた後のように笑う貴方の顔を
少しの間、何も言えずに見ていたけれど。 ]
……そ、んな人、いませんよ……夜綿さんのばか……。
[ いてもちゃんと躱せます、と拗ねてみせるけれど
独占欲めいたそれを堪らなく嬉しく思ってしまっているのも
やっぱり、すぐにバレてしまいそうだ。 ]
…………ねえ、夜綿さん
今日他のお店で美味しいご飯を食べても
……"つまみ食い"の味、忘れないでくださいね
[ うさぎの穴は良いのだ。皆の料理が美味しいのも
スタッフが店を愛していることも含め、
大咲はうさぎの穴を味わう彼が好きだから。
他のお店に行かないで、なんて言うつもりは無いし
お仕事や趣味の邪魔をしたくはない。
代わりに、"味見"を盾に、少しの独占欲。 ]
送ってくれて、ありがとうございました
また連絡しますね。
……好きです。
[ 貴方の職業を知っても、記事を調べていない理由。
うさぎの穴以外のお店や料理に嫉妬してるんです、って
そんな嫉妬心もありますが。
努力で貴方の胃も心も掴んで離さないつもりだから
どうか、末永くよろしくお願いします。
……うさぎは寂しいと、死んでしまうので。* ]
― ところで白うさぎの赤ペン先生編 ―
[ ええ、色々なことがありましたとも。
友達兼同僚と気まずくなったり、初恋が実ったり、
同僚はお肉大好き栗栖くんが好きだったことを
どう回避しようとしても知ってしまったり。
据え膳へ乗っかった挙句気付かないまま
彼氏の理性をひたすら壊していた(らしい)大咲は
栗栖くんの答案用紙を受け取ったら。 ]
『 栗栖くんの鈍感野郎。馬に蹴られろ。
ジャスト二十字、花丸です。
でも私も栗栖くんを揶揄えないくらいには
自分絡みの恋に関しては鈍感でした。
先生役、クビです 』
[ そんな風に、宿題にはお返事をすることになるだろう。
いや本当、鈍感天然って揶揄えるくらい察せた筈なのに
私はどうしてあそこまで気付かなかったんでしょう…* ]
[旅行は一泊二日になるらしい。
それじゃお金も貯めなきゃね。
お誕生日が6月7日なら……]
あと3か月かぁ……
そこまでにはお金貯めたいね?
[笑いかけて。]
俺はね。7月1日。結構近いね。
どーしても7日に間に合わなかったら。
2人のお誕生日の間をとって、給料日の後にしてください。
旅行の計画。
[そんな事を言って。
『いつか』で終わらせる気は無かったから。
お金たーめよって心の中で思ってた。
不思議なことにさ……
もったいないとか、白けるような気持ちは。
一片も湧いてこなかった。ただ。楽しみで。
喜ぶ顔や、旅先の普段と違う顔が見たいなって。それだけ。]
[玲羅は俺の料理にも喜んでくれる。]
オリジナルって言ったら大袈裟だけど……
[苦笑しながら。でもね。
うさぎの穴は、俺がただいまって帰る場所で。
俺の第二の家庭の味だから。
俺を構成する2つの大切な場所の味。]
まあ。家庭の味?????
ははっ。オリジナルとは到底言えないから。
リスペクトってことにしといて。
[母親と遠藤さん。2人に敬意を表して。]
[美味しいって受け入れて貰えて嬉しい。
俺は塩むすびを大口あけて食しながら。]
ん?俺の家族??
兄弟は居ないよ。一人っ子。
親父が超がつくお人好しで。
友達の借金の保証人になって逃げられてね?
でも未だにその人の事友達だと思ってるんだって……
いっつも身体の心配してる。
ちゃんと食べてるだろうか。眠れてるだろうかって。
母親はお肉料理は作ってくれなかったけど。
何時も俺にお腹いっぱい食わせてくれた。
後ね。こないだ真珠の事聞いたよ?
そしたら。好きになった切欠は確かに俺だけど。
真珠が好きな事は本当だって言ってた。そんでね。
親にお金を使うより、自分のために使って欲しかっただけだって。言葉が足りなかったねって。
……2人とも俺の自慢の両親。
[屈託なく玲羅に笑いかけて。]
玲羅は?
兄弟とか居るの?
ご家族のこと、好き?
[あんまり聞いた事無かったなーって。
もしも『好き?』て質問に躊躇うようなら。
別の話しを聞こう。
でも、この芯の強い人を育てた環境には。
やっぱりとても興味があったから。知りたいって、思った。*]
── これゼミでやったことあるやつだ! ──
[宿題には花丸がもらえました!!
あんまりもらっちゃいけない花丸ですね。]
……先生役がクビなら。
これからは同士としてよろしくお願いします!!
[これもあんまりいかんヤツですね。]
神田さん超頼りになる優しい人だから。
お幸せにね。
俺は嫉妬されないよう時々空気になります!!
流石に色々学びました!!
神田さんには
『俺は玲羅一筋だ』
って言っとくね。
でも……
それでも妬いちゃうのが、おもちみたいだからねぇ〜。
[ここら辺はとっても難しいのです。
栗栖くんでは分からない範囲なのです。
まだ習ってない!!
けれど流石に末っ子佑一との出来事は堪えてるから。
長男にまでそっぽを向かれないように。
大咲さんとも長男神田さんとも。
仲良くしたいなって思ってはいるのでした。**]
── お兄ちゃんにご報告 ──
[そうして俺はしっかりと。
お兄ちゃん(神田さん)に。『恋人が出来ました。』の報告をしましたよ。相手が玲羅だってこともね。]
神田さんが教えてくれた散歩道すごく綺麗だった。
ありがと〜〜〜。
それでね。あのね。えっとね……。
神田さんもおめでとう。
[耳元でこっそりと。
いやだってあのクッキーのくだり、俺の真横でやってたんだぜ?
気が付かないのは無理がある。
全部を全部見ないふりで流した俺は褒められるべき。
誰が褒めなくても自分で自分を褒めます。
そう言って笑った俺は。
『ところでもう登山誘ったの?』とか聞きました。
確か手が繋げるんだっけ???なんてね。**]
| ─ ヒラメのムース・リベンジ ─
[玉ネギ、ポルチーニ茸をソテーして冷ましておく。 ヒラメの身でムースを作るけど、産卵前のホタテも少しあったから、貝柱と卵巣も入れる。 ミキサーでペーストにしていく。 卵白と生クリーム、玉ネギをペーストに混ぜ込んで、ムースのベース。
それに、ポルチーニ茸は別にペーストを作り、生クリームで伸ばしておく。
今日のムースはファルシ。 ヒラメのフィレを2枚広げ、詰め物のムースを載せる。 へこみを作って、中にポルチーニソースを閉じ込めるようにくるんだら、ヒラメで巻いて樽の形に。
イメージはブッラータチーズ。 魚の身で巻かれたふんわりムースを切り分けたら、中からソースがとろり。という。
塩と小麦粉を振って、バターを引いたフライパンで軽く焼き色をつけて、 あとはオーブンで湯煎蒸しに] (107) 2023/03/12(Sun) 0:17:23 |
|
[淡白だけど味で負けはしないから、ハーブはたっぷり使おう。
バジルをジェノベーゼソースに仕立てて。 香りの柔らかなフェンネル、エストラゴンは生のまま。 ケイに出す方にだけ、パクチーも。
楕円の白磁の皿に真円の緑のソース 中央には、芝犬色の焼き色の、中は白いヒラメのムース。 フレッシュハーブと、ラズベリーの果実を崩したものをサラダ仕立てで添えて]
(やっぱり、出来立てで食べたい)
お待たせしました、ヒラメとホタテのムース包みです
(108) 2023/03/12(Sun) 0:17:48 |
―― 隣の席 ――
そうだね普通に、隣から聞こえるし、
鴨南蛮食べるよ。
麺、啜るの恥ずかしいの
[ ボケ殺しもいいとこですが、
知ってて声かけたよね。
結果的には鴨南蛮も食べることになったので
悪魔の囁きげに恐ろしき。 ]
そうだね、ずっとってわけじゃないけど
この時間だと、チャンスがあったりするから。
つい、ね
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