174 完全RP村【crush apple〜誰の林檎が砕けたの?】
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[────言い訳させてもらえれば。
あのままキスしてたらあらぬ声が出そうだったし、地味に悔しいことに、足までなんだか震えてくるし。
けど、やめてとか言いたくないし押し退けるなんてする気もなかった。
ようやく唇が離れたところで、膝がかくりと落ちそうになって、何ていうか、いたたまれなくなって。
今更"椅子に座ってお話しよう"でもないし、この部屋での他の場所なんてベッドぐらいしか存在しない。]
[────で、思い至ったのが、"とりあえずベッドに避難"的な、間抜けな選択肢だったという次第。
ベッドに移動して抱きしめあうとかだったら、さっきのキスほど心臓止まるような事にはならないんじゃないかと思った私は、ベッド上の行為はまだまだまだまだ"先"があるのだということを、完全に失念していたのだった。
でも、ほら、ここ、病院だし。
そんな、色々は、しないし、できないよね、と…………思って。
というか、そも私は、その"色々"というのを、そんなには御存知なかったわけだけれども。]
………………。
私にも、わからない、よ……。
["可能な範囲がわからん" 言われて、私も枕に顔押しつけたまま、もごもごと返事をする。
"ダメだったら"と言われても、困ったことに、ダメじゃないから、困ってる。
武藤がすることにダメなんて存在しないんだから、ストップなんてかけようもない。
顔、"見えづらい"んじゃなくて、見えづらくしてるんだよ。
枕が最後の砦とばかりにしがみつこうとしていたのに、ちらりと見やった隙に額に口付けられて、距離の近さに驚いているうちにその砦まで奪われた。]
…………ぅー……。
[色気ゼロの小さな唸り声になっても仕方ないと、思ってください。
手のひらを相手に向けるように、手の甲で顔を隠しがちになるのは、多分、自分でも気付いていない、私の癖。]
な、んで、武藤は、動けるの……。
私……恥ずかしくて、死にそう、なんだが。
[羞恥の極みかつ悔しまぎれで、思わず口調を武藤のそれになぞらえてしまう。
臆病が似ている武藤だから、キスまではしても、それ以上は"続きはまた今度ね"ってなる気もしてた。……いや、そうなると思ってた、かな。
けど、間近で見た武藤の瞳が常になく精悍で。
瞳の奥に揺れる欲も見えてしまって、それが、少し嬉しくもあって。
だから、"まあいいや"って、またもや思ってしまった。
ねえ、でも、私の身体触っても、楽しくもないし、心地良くはないと、思う、んだが。*]
[今までの話を聞いた限りというか、告白した時とかキスした時の反応から見ても多分そういうこと想定してないのだろうなと思ってはいたものの、
なんか謎の信頼を置かれていたことは知らない話だ。
困っているような声を出しているのはわかっても、ストップとは言われてないしと自己解釈しながら枕をどけた先の顔に視線を向けたらやっぱり顔は見えなくて。
手の甲で顔を隠す仕草は告白した時にも見た記憶がある。]
いや、だから顔が見えづらい…見えないんだが
[恥ずかしくて死にそうと、もごもご手の下で言ってる口調が自分の癖と被ったので、すごい照れてるということはわかった。
横を向いてる半身の下側の手で頭を引き寄せると、もう肩手は其方へ伸ばしていて塞がってる(別に塞がってはいない)ので、顔を塞いでいる手に幾度か唇を落とす。]
なんでと言われても…、
オレも健全な男子なので…、
[とは前にも言った気がする。
大丈夫だ、そんなにコトを急ぐつもりもないし病院なのは忘れてないので。
オレだって恥ずかしくないわけはないけど、目の前でそれだけ恥ずかしがられると少しくらいは落ちつけると思うし、多分。
もっと近くで触れたくて胸元に置いていた手を少し下にずらして背中と腰の間に回す。
引き寄せるついで、上着の裾から手を入れると直に触れた背の肌を撫でた。]
……、熱い、
[抱き合った時に触れた温かさより幾分高い温度に小さく息が漏れる。
指先が触れた肌じゃない感触は面積が広くて一般的に色気のある下着ではないのだろうけど、自分には必要ないそれに改めて性別の違いを意識してしまって。]
けど、いや、熱いから?
…、こうしてると気分が良い。
[それでもなけなしの理性をなんとか保つ努力はしているし、こうして触れている肌の感触と体温だけでも、楽しいは違うかもしれないが心地良いと思った。
ので、心配しなくて良い。]*
[松本さんは悲しい顔をしていた。
私の願いは、私の我儘なんだから、そんな顔をする必要なんてないのに、否定してしまえばいいのに。
優しい人はいつも、私を責めない、否定しない。
津崎さんも松本さんもそうだった。
沈黙は優しさ、肯定しないのは誠実さ。
誰かに心の内を分けるのは、とても怖いこと。そう簡単に出来ることじゃない。
ましてや私は臆病者で、すぐに逃げ出そうとしてしまう。
そんな人間に頼れと言われて、頼れるはずがない。それでも。
今は難しくても、一歩ずつ、歩み寄れるような人間になりたい。今は思うだけ、だけど。
いつか少しでも、荷物を分けてもらえるように。
そんな機会がたとえ訪れなくても、そうなれるように努力してみるから。]
[うん。前にも言われた。
"健全な男子"って。
でも、なんだろう、健全な男子だからこそ、私の身体に(なんか……って言うと、いけないのだろうけど、でも)触りたいとか、そういう欲は、あんまり沸かないんじゃないかなあ……などと、私は勝手に思ってしまっていた。
"好き"という感情と、キスとハグまでは繋がっていても、その"先"まで欲しがってくれているということを、今一つ信じられていなかったんだと思う。
"謎の信頼"なるものは、多分。
自分の身体の、女としての魅力の無さの方向に全幅、向けられていた。]
[でも、触れられる事自体は少しも嫌だとは、思わなかった。
困惑しているうちに砦の枕は消えているし、抱き締められているに近い距離にまでなってるし、そして、知らないうちに武藤の手は背の、服の内側にまで入ってきていて。]
……武藤の手だって、すごく熱い、よ。
[昼も夜もスポーツブラ一辺倒だから、多分、武藤の指先が掠ったところで水着に触れているのと大差無いだろうけど。
色気が無いのは、そも、その上に着てるのがユニセックス系の黒ジャージなところからお察しだし、そのへんは、今更だけど。
女らしさの薄い、柔らかくはない身体を始め、どこもかしこも色気のいの字もないことには、ごめんねとしか言いようがない。
けれど、熱を持った指先から、なんとなくだけど武藤の気持ちが伝わってきた気がして、また頬が熱くなった。
そろそろ血液が沸騰していたっておかしくないよ。]
[事を急かずに、優しく触れてくる手指の動きひとつからでも、武藤の"好き"が伝わってくるようで。
顔を隠していた腕を外し、私も両腕を武藤の方に伸ばしてみた。
おずおずと頭を抱えると、さっき気付いた、同じシャンプーの香りがふわりと漂ってきて。]
………………うん。
きもち、いー、ね。
[ああ、武藤、ピアス外してる……、なんて事にも気付いてしまいながら、抱きついてしまえば、もう顔を、見られることもないから恥ずかしさも薄れるし。]
────好きになってくれて、ありがとう。武藤。
[武藤が欲しがってくれるなら、なんでも全部あげたいけど。
でも、やっぱり色々、"健全な男子"には物足りないかもしれなくて、胸の端がつきりと痛む。
ごめんね、とは、言っちゃいけないと思ったから、言わないけど。*]
[松本さんが、私の手を取る。
そして、伝えられる言葉
松本さんの胸の内にある、確かな想い。
私と向き合って、それを伝えてくれた、松本さんの誠実さ。
私はゆっくりと頷いた。
暖かいものが胸の内から溢れて、瞳から頬へと流れていくのを感じる。]
よかった。
[松本さんが生きる意味を見出だして、津崎さんが彼を一番に想う誰かに出会うこと。
いつか、そうなることをどこかで望んでいて。
松本さんが生きる傍らに津崎さんが居て。
津崎さんを一番に想う松本さんが居る。
そんな未来を、今は願っている。
二人の関係に私は首を突っ込むことなんて出来ない、してはいけないけれど。
追いかけられなかった私が、追いかけることが出来た人に、傷つけた人に何かを願うなんて傲慢なのかもしれないけれど。
幸せになってほしい。幸せに生きてほしい。と。
そんな身勝手な願いは心の内に抱えたままでいさせてほしい。]
[松本さんが小さく呟いた、声にならない声に私は頷いた。
何を言っているのか、分かる気がしたから。
きっと、もうすぐ。
会いたい人に会えるのも、永遠の別れが来るのも。
もう、そんなに遠くないことだから。]
[背中に触れた自分の手も温度が高いことは言われるまで気づかなかった。
意識してみればオレだって頬は紅潮していると思うし全身熱い気がする。
恥ずかしがったり困惑してたりするような反応の裏で、また女子としての魅力云々みたいなものをネガティブにもにょもにょ考えてるとは気づけなかったけど。
こうしているだけで健全な男子らしい反応は此方の身体もしているので。
とは、ちょっと怖がられたくないし引かれたくないから気づかれないように若干腰は引いたり、とか、いろいろ大変なのだが。
素直に好きは出せるようになってもお互い内心の後ろめたいことまでは表に出せないのは仕方ないのかもしれない。]
……、ん。
[頭に回された腕に引き寄せられて目を細める。
触れているのが気持ち良いけど、触れられると更に熱が上がる感じがした。
耳元で呟かれたありがとうに、どうして今ありがとうなのだろうとかぼんやり考えて。
ああ、また何か自信ないとかそういうこと考えてるんだろうな、と。
その礼の頭に「私なんかを」とか付いてるんじゃないかって。
ごめんは言われなくても何となくそう思う。
一緒にいて、夢の中で見てきて、これでも結構わかるようにはなってると思うから。多分。]
あー…、オレはくっきーだから好きなのだし、
それに、
柚…樹、のことを抱きたいと思ってる、し。
[別に今すぐでなくても良いし、場所が場所だしとか、急いでないとは付け足して。
その結果でがっかりとかするわけがないのはオレ自身がよくわかっているのだがちょっと説明が難しい。]
………、
今時点いろいろと耐えているので…
[しばらく言い淀んだ結果めちゃくちゃ小声になったけど、他に説明のしようがないというか背に腹は変えられなかったというか。
事実、抱き寄せた身体は筋肉はついていても男と比べたらやはり華奢に思えるし、多少体脂肪が平均より少なくても触れた肌の感触とかに柔らかさを感じる。
あと、客観評価は知らないが、対オレについては変なこと考えなくて良い理由に惚れた弱みは多分にある。
そこまでは口には出せないけど。]*
[私は私の葛藤でいっぱいいっぱいで。
武藤も武藤で大変だったらしい ……とは、やっぱり口にしてくれなきゃ気付けないことで、神様だか天使様だか悪魔様だか忍者様だかが見ていたら、それは笑われていた光景だったかもしれない。
後から振り返ればあの時は初々しかったなあ、なんて微笑ましく思えたことかもしれないけれど。
ともあれ今は、"このままでいたい"のと"恥ずかしい"のと"これからどうすればいいのかな"と、ほんの少しの"私なんか"が心臓の音と共に、それはもう、やかましく飽和しまくっていた。]
────…………ぇ、
[武藤はエスパーなのかな、と、武藤の頭にしがみつきながら、幾度か瞬いてしまう。
私"だから"好きなのだと。
……で、"抱きたい"、のだと。
それは饒舌な武藤にしては随分と端的な言葉だったけれど、"だから不安にならなくて良い"という、私の欲しかったもの全部が詰まっていて、ちょっと、泣きそうになった。]
…………うん。
うん。
ありがと。
[抱いていいよ、抱いて欲しいよ、と囁きかけながら身体を擦り寄せようとして……"とある事象"に気付いてしまったのと、武藤がすごくすごく小声でぽそもそと告げてきたのが耳に届いたのは、ほぼ、同時のこと。]
……………………ぁ……。
[ぽふん、と顔から耳からなんなら頭皮から指先まで赤くなった気がした。]
[別に、引いたりしない。怖くもない。
けど、まあ、気不味いか気不味くないかで言えば気不味いわけで、でも、ごめんでもないし、ありがとうでもないし……、]
ぇ、っと…………え、と。
[よく知らない。
知らないけれども、男の人って、"こう"なったら、けっこう、大変なのではなかったっけ。
念仏唱えるとか素数数えるとかしたら、どうにかなるんだっけ……?といつだったかに見た漫画か何かの描写を思い出しつつ、目の前で好きな人が念仏唱えて耐え忍ぶのも、激しく違うような気がするし。]
あ、の………。
………手伝えること……ある、のかな。
[元はと言えば、全く後先考えずベッドに武藤を連れ込んだ(と言うと語弊があるけど、状況としては正しくそれだった)私が悪い気がするし、"これ"は、多分、ここが病院でもギリセーフ…………じゃないかもしれないけど、"まあいいや"って。*]
ぅ……なんか津崎から言われてる気がする……(いちゃついてるよ……)[顔覆い]
徹っちんがオレのことを考えてる気配がする……[目逸らし
そりゃ武藤はいい男だけど津崎もちゃんといい男だよ…[ぼそ]
| まあ、水に流すかどうかは黒崎次第だとは思うが。 [ お願いの内容は知らなかったため、 曖昧な回答をしながらも >>71] そうだな。武藤と仲良くしているといいが。 怪我の具合にもよるのだろうな。 うーん、武藤と比べるとかではないとは思うが。 黒崎が他人のことを優先させるというのが本当なら、 優しくされないのは、津崎があまり自分のことを 大切にしているように見えないから、じゃないかな。 少なくとも黒崎の視点ではそう見えるのかも? あと、黒崎は津崎の言葉が足りないと言っていたな。 考え方が違うというのもあるかもしれないが、 会話が嚙み合っていないだけかもしれないな。 まあ、どういったことをしていたのか 俺は詳しくは知らないから何とも言えないけど。 (76) 2022/09/15(Thu) 20:18:15 |
| 麻痺していたとしても、嫌われても自分は自分って そんな風に思えるってことだろう? やはり、そういうのは羨ましいな。 俺も人類全員から好かれたいとは思ってはいないが、 少なくとも俺は津崎も研究室のみんなも 好きではあったからさ。 だから、嫌われたり疎まれたりするのは怖かったな。 寝てたら治るのか。それは実に羨ましい。 [ 寝ても覚めても過去のことを思い出す義哉には、 その単純さがあれば良かったなと思いつつ >>72] (77) 2022/09/15(Thu) 20:18:36 |
| [ 急に松本の話題を出したのは、 >>73 義哉のことを気に病まないでほしいという 気持ちから出たものだったため、 >>55 特に根掘り葉掘り聞く気はなかったのだが] え、顔なのか? いや、津崎の顔が好きなのだとしても、 他にも理由はあるのだとは思うが……。 [ 死にたがるような悩みを抱えていた松本が、 顔だけが好きで彼に惹かれるとは義哉には思えずに] 工藤? そうだな。俺が生きていたなら、もっと話はしたかったし、 俺が支えになれるのなら、サポートはするつもりだった。 工藤にも今まで色々と悩みがあったみたいだから、 よければ津崎も話を聞いてあげてくれると嬉しい。 [ 何故、工藤の話が出てきたのか分からず、 また偽工藤事件のことは もう話したつもりになっているため、 津崎が聞きたかったことを話せているかは分からない] (78) 2022/09/15(Thu) 20:18:54 |
| 津崎を最後まで付き合わせてしまったからな。 やっぱり心配というか、申し訳なくはなるよ。 別に俺の希望だからって、無理に理解しなくていいんだが、 そんな風にいつか思ってくれるといいなと俺は思う。 [ きっと、送り人になることなど 誰も望んでいないだろうから、 >>74 少しでも負担がなければいいのにと 願う心は変わらずに] はは、食べ物なんだから食わないと勿体ないぞ。 シロの口の形が思い出せないんだよな。 どんなんだっけ? [ チョコペンはまだまだあるから、 お絵描き指導をしようかと。 >>75 自分の見本を見せつつも、 >>70 チョコペンの使い方はこんな感じで――と言いながらも、 おそらくシロちゃんの顔にも詳しいであろう 津崎に尋ねたりもした]* (79) 2022/09/15(Thu) 20:19:20 |
[好意に対するお礼という意味では同じだけど、安堵したような声で呟かれたありがとうはさっきのとは違うってわかるから、今度は素直に受けとった。
少しでも不安が取り除けたなら嬉しかったし、少し前、もっと自信を持てと言ったこともちゃんと伝わった気がして。
抱きたいと言ったのは自分だけど、答えをストレートに囁かれるだけでもいろいろまずくてちょっと意識が自分の今抱えている問題にばかり向いていた。
ので、シーツが擦れる音が微かにして身体を寄せる気配に気づくのが遅れた。]
……っ、あ、ちょっと待、 ……っ、
[ここで勢いよく離れるのもできないしとか考えてたら咄嗟の判断もできなくて、少しだけ身体を引いたところで下肢の方に触れられた感触で言葉が詰まった。]
………、
[気まずさで無言になりながらワンチャン気づかないでいてくれないかな、と思ったのだけど。
いや、いろいろ耐えてると言ったんだから既に伝えてたようなものだが、もっと概念的な意味に捉えられるようにも言ったつもりだったし。
みるみるうちに朱に染まっていく顔は見えていなかったが、口籠る様子にさすがに誤魔化すのは無理かなとは悟って、羞恥と気まずさで彼女の肩口にゴツ、と額を埋めた。
というか頭を落とした。]
いや、放っておけばなんとか…、
[とは言えこうして体を寄せていたらなんとかなるものもならないのだが等ぐるぐるしてたら耳元に聞こえた問いかけに、一瞬頭がフリーズする。
手伝うこと…
手伝い、とは。自分の作業などに手を貸してもらうこと??
とか単語の意味から考えたりする程度には同様していて。
言ってる意味を理解すれば、いや、意味わかって言ってるのか本当に、とは思うのだけど、今度はオレの方が頭から湯気が出そうになった。]
[申し訳ないとか恥ずかしいとか葛藤する時間はどれくらいだったか。
数十秒は、肩に顔を埋めたまま、あーとかうーとか言いながら考え込んでたと思う。
漸く顔を上げてから下にしている方の腕で頭を抱え込むと、首筋に顔を埋めて。
上着に差し入れていた片手を抜くと、抱き合った身体の間に落とした。]*
[こんな状況下で、"かわいい"とか思ってしまうのは、大変に申し訳ないのだけど。
私の心情ばかり気遣って、私が怖がらないように引かないようにって──それは、まあ、自分の保身っぽいのがあったとしても──狼狽えている武藤 は、なんだかちょっと、可愛かった。
同学年なのに私よりもよほどに人慣れしていて、対外的には自信満々的な態度で居る事が多いから、殊更に。
武藤が"目の前でそれだけ恥ずかしがられると少しくらいは落ちつける"なんて考えていた ことは知らねど、それは確かに、その通りだったかもしれない。
肩に落ちてきた金髪とか、少し辛そうなのにそれを出さないようにしている吐息とか、事ここに及んで"放っておく"とのたまうとか、なんだか、かわいいなあ……と、思ってしまった。
一度は緩めていた腕でもう一度武藤の頭を抱え直し、大丈夫だよ気にしないでという風に髪を撫でたけど、果たして伝わっていたのかな。]
[こんな状況下で、"かわいい"とか思ってしまうのは、大変に申し訳ないのだけど。
私の心情ばかり気遣って、私が怖がらないように引かないようにって──それは、まあ、自分の保身っぽいのがあったとしても──狼狽えている武藤 は、なんだかちょっと、可愛かった。
同学年なのに私よりもよほどに人慣れしていて、対外的には自信満々的な態度で居る事が多いから、殊更に。
武藤が"目の前でそれだけ恥ずかしがられると少しくらいは落ちつける"なんて考えていた ことは知らねど、それは確かに、その通りだったかもしれない。
肩に落ちてきた金髪とか、少し辛そうなのにそれを出さないようにしている吐息とか、事ここに及んで"放っておく"とのたまうとか、なんだか、かわいいなあ……と、思ってしまった。
一度は緩めていた腕でもう一度武藤の頭を抱え直し、大丈夫だよ気にしないでという風に髪を撫でたけど、果たして伝わっていたのかな。]
| (a18) 2022/09/15(Thu) 21:31:42 |
[今一つ人語になっていない呻きをそこそこ長く漏らした後、それでも武藤は私に無理を強いることなんて一つもなくて……そして、まあ、落着した……のかな。
お互い緊張と羞恥の極みで、改めて眼を合わせた時には気が抜けてしまい、ふにゃ、と笑み崩れてしまった。]
ぁ、っと…………おつかれさま……は、変かな、うん。
[武藤もめちゃくちゃ恥ずかしいんだなと解ってしまったし、だったら私ばっかり恥ずかしがってるのもフェアじゃないなと思ってしまって。
武藤相手なら怖くないし、何度でも言うけど絶対引かないし、醜態を晒すことになったって、きっと許してくれるから。]
しようね、武藤。
今度は、"ちゃんと"。
[微笑んで、武藤の鼻先に口付けた。*]
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