人狼物語 三日月国


28 【恋愛RP】星降る宴の必然を【R15】

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視点:


【人】 異国の道化師 マッド・リヒター

[……10年後、マシューはユンカー家の顧問弁護士として働いていた。王女にも認められた"特技"を活かせる職業だ。とはいえ、楽な仕事では無い。
そんな彼に、ユンカー家の旦那様は気を利かせて"2つの贈り物"をした。1つ、元々別荘として使われていた王宮近くの屋敷。此処を事務所として譲渡する。そして、もう1つ……一家の使用人を1人、彼の秘書として付けてくれた。その女性は、妻のジゼルだ。]

[娘は今年で7歳になる。最近は仕事が忙しく、娘の姿を見る時は妻の膝枕で寝ている時か私の膝上で本を読んでいる時かの2通りしか無い。只、娘と目が合った時には、つい仕事を投げ出したくなってしまう。パチン、と指を鳴らし、頭に花冠を被せてあげる。それだけで娘の顔にも満開の花が咲いた。]

『この子、起きてたら喉が乾くまで話を止めないの。
嘘まで上手に吐いて……一体誰に似たんだと思う?』

[娘の小さな頭を撫でながら妻はため息を吐く。]

君じゃないか。可愛いところが瓜二つだ。

[書類と決闘しながらもふふっと笑う。嗚呼、仕事が忙しい忙しい。そう呟き、再びデスクに向かう。
そして妻は……口癖の様にいつものセリフを言う。]

『全部"魔法"で終わらしちゃえば楽なのに。』
(45) 2020/05/19(Tue) 22:53:52

【人】 異国の道化師 マッド・リヒター

[……確かに、その通りだ。
だが、魔法は"あの日以来使えなくなってしまっていた。"彼の瞳から宝石が逃げ出した、あの日を境に。開いていた本をパタリと閉じる。その上に乗っている左手、薬指には、ガーネットの宝石が輝く指輪が付いていた。同じ物が妻の指にも付いている。]

そうか?今だって、君のお陰で相当楽さ。

[不思議と、魔法が使えなくなっても困った事は無かった。もっと、こう、『絶望感』とか『喪失感』とか、『悲壮感』があるものだと、勝手に思っていた。
しかし、今あるのは何にも勝る『幸福感』。ジゼル、そして娘に毎日が支えられている『充足感』。加えて、夫として、父親として、家族を守る『使命感』。それは、かつて騎士団の高官であった時にも味わった事の無い"存在理由"であった。]

[今、マシューは仕事に疲弊しながらも"世界で一番の幸せ者"の気分を味わっている感覚がある。家族で送る平和な日常……これは奇跡で有り、永遠に解けない『最も偉大な魔法』なのだ。これ以外に、何の『魔法』を望む必要がある?]

[窓から外を見上げると、10年前、20年前と全く変わらない満天の星空が夜を賑わせていた。タナバタ……今日もきっと、誰かが"星の飾り"を見つけ出し、彼と同じ『幸せ者』になっている事だろう。そんな何処かの誰かに、マシューは心からのエールを送った。*]


〜 マッド・リヒター &ジゼル after story END 〜
(46) 2020/05/19(Tue) 22:54:03