人狼物語 三日月国


77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】

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 「ねえ紅鉄坊様、わたし好きな人が出来たの。
  向日葵より綺麗な御髪の、異人さんよ。
  お父様に会う為に、村に来たんですって」

[ある日初めて、逃げるでも苦しみを語るでもなく幸せそうな笑顔で鬼の元へやって来ることとなる。
道で足を挫いた女を、海の向こうからやって来た異国の商人である男が助けてくれたのだという。

彼の目的が父親だったこともあり、二人は何度も顔を合わせ語らう機会があった。自立を望む女の想いを理解し、外の世界について沢山の面白い話を聞かせてくれた。
幼子のようにはしゃぎ語るその頬は赤らんでいた。]



 「わたしを連れて行ってくれるって
  一緒に船に乗って、彼の祖国に行こうって」

 「あの花がまた咲く頃に、迎えに来てくれるのよ」

 「ええきっと、国を渡るのはとても大変なことだわ
  それでもわたし、理由を探して諦めたくない。
  あの方となら、頑張れる気がするの」

[だからその時は──……と女は願う。
鬼にも立場がある、あの約束を結んだことも知っている。
それでも、愛する人と山を越える為には彼を頼る以外には無かった。]