人狼物語 三日月国


203 三月うさぎの不思議なテーブル

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    恋人には甘えたい方なんですけど、
    それでも、いいですか?

                      **

――朝ごはん――

[昨晩、小鍋に昆布と煮干しと水を入れて冷蔵庫に入れておいた。
それに新じゃがのくし切りを入れて火をつける。
沸いてから新玉ねぎも少し入れて、味噌を溶く。

朝は最近マーマレード消費の為にパンやホットケーキの事が多かったが、今日のように白米の時には予約炊飯をすることにしている。
炊飯完了の音楽の後、しゃもじでほぐして蒸らしておく。

きゅうりは斜め薄切りにして塩昆布とごま油で和えて白ごまを振る。

本当は焼き魚が欲しいところだが、最近はマーマレード(以下略)で冷蔵庫に買っておく習慣がない。
少し考えて、冷蔵庫から卵を取り出した。]


 マシロちゃん、起きれそう?
 ごはんできたけどもうちょっと寝る?

[揃いの食器はない。
どれも一人暮らし用の1つきりしかないから、テーブルに並んだ時に統一感は出せないが、「お揃い」を増やす楽しみがあるということで。

自分のスウェットを着た真白の起床を待って一緒に手を合わせよう。]

[『スターゲイジー味噌汁』
『カニカマの淡雪仕立て』

今日の更新に、
#独身男性の優雅な朝食
というハッシュタグはついていない。
スターゲイジーパイの中身をイメージして作った味噌汁と、ふわふわの真っ白な卵白が特徴の皿。
一緒に食べて「おいしい」と思えば縁起を担げる気がして。

  #信じてる

それだけをタグづけした。**]

メモを貼った。

[ 武勇伝でもなんでもない、
 けれど、人によっては自分語りとか
 そういう類の長い、話。

 思えば過去、誰にも
 こういう話はしたことがなかった。

 例えばうさぎの穴でも。
 肩書を知らず、自分の名前も知らず
 そんな女の子から声がかかる事はあった。

 テレビもラジオも、昨今は避けられがちな
 傾向があるから。

 彼女はいるんですか いないよ
 じゃあ――…… そんな風に知り合うことは
 あっても、そのうち、縁は遠くなっていった。

 それは女の子のせいだけじゃなく、
 自分のせいも大いにあろう。

 知らなかったと大騒ぎされることもあれば、
 知れば、心配している健気な私の皮を被り
 根掘り葉掘り、聞こうとされる事もあった。 ]

[ 自分の欠点を晒すことも、傷痕を晒すことも
 したことがなかったから。

 話の順序が合っているかどうか、
 時々反応を伺いながら。

 事故の話の後、火傷痕のある所を
 見つめられたら ]

 もう痛くはないんだよ
 少しみっともないけどね。

[ そう言いながら小さく笑う。 ]

[ 振り払うようなことはないだろう、という
 確信はあった。その後のことを予見していた
 わけではなくて、

 お客さんのことを、よく覚えていて
 『今度は是非、デザートもどうぞ。』
 『お祝いデザート、何か考えるんで。』

 ただのお客さんとのやり取りを、忙しいからと
 切ることなく、続けてくれて、

 仲間の異変に気づき、手を差し伸べる事を厭わず
 好意を寄せられてると知って尚、今日この場に
 来ることを選んでくれた、君だから。 ]

[ 繋がれた手は、振り払われる事がないままで
 こちらの話は一旦、終わる。

 今じゃなくてもいい、いつかきっと、
 だとか、そんな不確かなものでも良かった

 性別の壁は、大きい。
 理解が深められて来ているとは言え、
 男女のカップルが当たり前に、やれることを
 戸惑う場面や、人目を避ける場面は多いだろう。

 ――相手が好奇の目で見られるような職種なら
 なおさら。

 特に自分たちは、今までそれを
 考える必要のなかった、二人だから。

 わかるよ、と言いたげな微笑み
 それを決定づけているようだった。 ]

 ……俺に?

[ 口元を手の甲で隠した君
 顔を隠したまま、言葉を続ける。

 暴かれたみたいに、
 熱くなったから、

 それを聞くとこちらも僅かに、恥ずかしくなる。
 そうなの、と言いながらも
 熱が上がっていくようだった。 ]

[ 息を吐き、腕をおろして続けられた言葉には
 正直、すごく、驚いて ]

 え、あ、深夜の方の、

[ 少しだけ知っているんです
 そこまでは範疇内だった。MVの人気は
 衰えることなく加速しているし、
 それに伴うように、公開録音の事は
 記事になるし、友人も外で見ていたし、
 その話を店内でもしていたから。 ]

[ 深夜の方、つまり
 アレとかコレとか
 ソレとか、聞かれていた、と。

 
………マジで?????


 驚きはわかりやすく表情に出ていた。 ]

 うん、

[ 合わされた手に、力が籠もる。
 続けられる言葉に、一つ一つ頷いて
 君がくれる言葉を、大事なものを
 抱えるような気持ちで、聞いた。 ]

[ 心のどこかで。

 だけどお客さんとしては大事です、だとか
 友達として、お友達から、とか

 そんな言葉が返ってくるのではないかと
 思っていた。それが正しいとも。

 指が絡み、
 とん、と肩がぶつかる。

 『好きになっていきたい。』

 ――今、なんて言った? ]

 はい……大歓迎です……

[ ぶつかる視線。
 驚きすぎて、呼吸するのをわすれるくらい。
 
 なんとか言葉を返すも、あまりの距離の近さに
 気の利いた事を言えるでもなく。

 いや、近いな!? ]

[ 何もされないと思っているのか、
 されてもいいと、思っているのか。

 どっちだって、いい。もう手遅れなので。
 絡まる指ごと持ち上げて、顎に触れ、
 僅かに向きを変える。

 君の瞳に映る自分の姿ったら、ない。
 ぐずぐずに煮溶けた果実よりも、甘そうだと
 他人事のように、思ったのはひととき。
 
 すぐに見えなくなってしまったので。 ]

 こんなに距離縮められると、
 何されても文句言えないと思う。

[ それこそこのまま攫われてしまっても。 ]

 それでも文句あるなら、聞くけどね。
 
[ これ以上ないくらい、そう例えば
 一生忘れないだろうなと評する、タルトを
 食べた時のような、幸せな顔でわらう。

 特別な時間、特別な場所、
 特別な景色の中に、君がいる。

 
――そういえば肉食だとか、誰かが言ってたな。
]

 そういえば、アレ聞いてて、
 普通に接してくれてたの……。

 めっちゃくちゃ恥ずかしいな

[ 特に第一回のアレ。
 彼女に言ってみました、とかいうお便りもくるアレ。
 
 実践したカップルが
(大変身近に)

 居たらしいが
 それは俺の預かり知らぬところ。 ]

 一枚だけ、いいかな記念に
 ここ、来たときはいつも一枚だけ撮ってるから

[ それからしばらく、なにもしないを満喫したか
 ぽつぽつと話をしたか、どちらにしても
 夕方になる前には、帰り支度をしようと
 したはずで、その前に、スマホ片手に問いかける。

 ――いつもは自分、映さないんだけどね。

 叶うなら、湖を背景に、君と二人、顔を並べて。** ]

 

[ 荒れていた頃の話は、特段面白いものでもない。
  少し夜遅くまで行き場所も居場所もない者同士、
  友人たちと他愛ない話を交わしていただけだ。
  そんな誰かと過ごす夜も特に心震わせるなにかもなく、
  ただ、ぼんやり生きているなあ、と思う程度の。

  好意を寄せられたことがない、……と嘘は言えまい。
  が、当時は「友達として好きだよ」だとか。
  店員になってからは、お客様、と敢えて呼んだりとか
  そんな手段で回避してきた。
  だから彼の内心の心配事は無用だったりするのだけれども

  例えそれを知っても大咲は
  彼が抱えてくれる独占欲に、擽ったそうに笑うだけだ。 ]

 

 

[ 誕生日を祝うという習慣がない大咲でも、
  これから先、彼の誕生日は忘れまい。
  うさぎの穴で「ハッピーバースデー」もしっかり覚えた。
  祝うなら。せっかくなら、二人きりがいい。
  "特別な人"に祝われる未来は薄らとしか想像出来ないけど
  きっと泣きたいくらい素敵な日になるのだろう。

  好きなものが少しずつ増えていく。
  してみたいこと、知りたいこともそれ以上に溢れて
  両腕だけじゃ抱えきれないかもしれない。

  始まりたての今でさえ、そんな風に考えてしまって
  ──でも、生まれて初めて
  誰かとの未来を考えるのが楽しくて、胸がきゅ、となる。

  これが
なんだなぁって
  いつかの日、投げられた問いへの答えを
  大咲はようやく得られたような気がした。 ]

 

 

[ 飛び込んだ先で零した拙い話を
  彼は抱き締める腕に力を込めながら、ただ聞いてくれた。
  そうして紡がれた「応援してる」という言葉へ
  うん、と確かに頷いて返す。

  速崎を理解出来ていなかったなら、また知り直したい。
  あの日どうして自分まで傷付いたのか。
  きっとそれは、何てことはない出勤途中の雑談の最中
  彼の親へ抱いた想いが大咲の本心だったからだ。
  お金が無くても子供がお腹を空かせることがないように、
  そうやって大事にされてきたことを、知っていたから。

  自分の目には些か眩しい、素敵な家族。
  内心抱いた親への共感と 彼への羨望。
  「かわいそう」が、羨ましがった自分への刃に聞こえて ]

 

 

[ でもあの日、栗栖が言っていたように
  速崎は一線を超えないことが出来る人だ。
  そしてそれをちゃんと言葉にした栗栖も、
  大咲にはやっぱりあの日と変わらず強く映る。

  だから。大咲も、頑張りたい。
  ──結局、クッキーの連作も実質未完成なのだし? ]


  ……ふふ。ありがとう、ございます。
  私も、そうやって傍にいてくれる
  神田さんのこと、…すき、です…。


[ 少しの間、安心出来る腕の中で言いたいことを整理して。
  抱き締めたまま傍で待ってくれる彼を、
  ようやく整え終えたこころのまま、見上げてから。 ]

 

 


     [ くちびるから
いた、名前は。 ]


 

 

[ 無防備に見えるのならそれはきっと
  向ける相手が貴方だからなのでは、ないだろうか。
  二人して同じ角度に首を傾いでいることへ気付けば
  お揃いですね、と囁くように、仕草を示し。

  それから──
  ケトルのお湯よりも先に熱くなった体温に
  「不意打ち成功」とばかり、わらって ]


  約束、しましたからね。


[ 夜綿さん。
  ──と、もう一度、形を得るように名前を呼び。 ]

 

 

  手、繋いでてくれるんですか?
  うれしい。


[ 断られる想定をしていないのに敢えて問いかけるのは、
  ちょっとだけ狡かったかもしれないけれど。
  目論見通り返ってきた了承へ、はにかんで。

  それから、それから。
  二人で食べた瑞野の杏仁マンゴータルトは美味しくて、
  タルト生地はフィエのだな、と気付いたり。
  艶を与えるナパージュがフルーツを傷めていないから
  そんな情報だけで、瑞野の掛けた手間が伝わってくる。

  食べ終えれば、お風呂と──彼の服を貸してもらった。
  薄付きのメイクを落とし、スキンケアと髪を乾かし終え
  不意に はた 、と気付いたのは ]

 

 


  ( ……いやちょっと待って、 あの、
    これ冷静に考えたら結構すごい状況では…? )


[ 今更か。今更ですごめんなさい夜綿さん。
  少し前の別れ際に告げられた懺悔を思い出し
  自分の今の状態を振り返って考えてみる。

  彼氏の家。今夜は一緒に寝たいと言い出した自分。
  お風呂上がり、借りたスウェットは当然大きくて、
  上だけでワンピースのようになるから、と
  それだけ着ている。所謂これ、彼シャツですか? ]

 

 

[ 約20cmの身長差、平均より華奢な骨格の大咲。
  普段好んでいるだぼついた袖も今だけは気恥ずかしく、
  何食わぬ顔でお風呂を借りた礼を言おうとしたのに
  いざ対面した時の大咲は、
  風呂上がりとは言い訳出来ない顔の赤さ。 ]


  …………ぁ、あの、……
  まだあります、か。
……したごころ……



[ 声は紡ぐにつれか細くなっていく。
  いやでは、ない。こわいとも思わない。
  ほんとに自分と「そういうコト」がしたいと考えているのか
  窺うようにちら、と見上げて。 ]

 

 


  ……その。
  なんだろう、えっと、…夜綿さんになら わたし
  別に、どんなことされても、いいんですけど。


[ 寧ろそんな欲を抱くくらい好きでいてくれているなら、
  うれしいとも、思うのだけど。
  せっかくなら 最高に可愛い自分でデートして
  その思い出のまま、とかは、贅沢でしょうか。

  そんな風に言葉を途切れ途切れ、続けてから。 ]

 

 

[ 近寄って、くい、と控え目に彼の指先を引いた。
  乾かしたばかりの髪がさらりと肩から流れて
  微かにシャンプーの甘いにおいがする。 ]


  
…… "すこしだけ"、は、だめですか。



[ キスしたいですと、明け透けに言えない代わり。
  リップが落ちてもなお薄桃に色付くくちびるを、
  そ と貴方へ指し示したけれど。

  ……果たして、結果は。* ]

 

メモを貼った。

[痛みはなくとも、一生残るであろう傷跡は。
 見る度に過去を思い出させるだろう。

 それは、例え今の生活を気に入っているとしても。
 途切れた輝かしい未来の先を、
 きっと一度は想像しただろうから。

 みっともないとは思わない。

 けれど演じる者としては、
 役を制限されてしまうであろうこと。

 その言葉を選んだことから、分かる。
 負い目と感じていること。

 今も演技に関わる仕事を続けているのだ。
 出来ることなら、消したいだろうに。]

[その場では掛ける言葉が見つからなくて、
 押し黙ってしまった。

 彼のように言葉を尽くせるような俺じゃない。
 言葉にするにはどうしても時間が掛かってしまう。

 だから、代わりに。
 先に伝えたかったリスナーであることを話せば、
 僅かに見開かれた目に笑った。

 微かな動揺が、はっきりと見えるぐらいに。
 徐々に見えていたとしても。

 今は、それよりも。
 掌から伝えられる温度を分け合いたかったのと、
 此方からも言いたいことがあったから。
 揶揄うこともなく、目を細めただけ。]