人狼物語 三日月国


180 【R15RP村】月影のさやけさ、 秘めたる願い

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【人】 天ヶ瀬 青葉

 
 
  それから一転して、
  中学に進むと途端に息苦しさを感じるようになった。
  熱湯風呂に手を突っ込むような感覚で
  毎朝、男子の制服に袖を通して、登校する。
  この感覚は、今になっても。 >>2:219
 
  " 誰が好き "とか、男性アイドルの話とか
  話題も変わってきたからか
  クラス内で女子の輪に混ざろうとしても
  段々と、いい顔をされなくなっていった。
 
  僕は、ひとりで休み時間を過ごす事が増えていった。

 
  この頃、料理部の部活だけが救いだった。
  女子の輪に混ざって、お菓子の話をしながら作る。
  男子生徒なら敬遠しがちな状況だけど、
  僕にとっては一番心が落ち着く時間だった。

 
 
(158) 2022/10/22(Sat) 15:36:18

【人】 天ヶ瀬 青葉

 
 
  そんな或る日、
  僕は部活で使うエプロンを新調しようと
  ショッピングモールへ足を運んだ。
  フリルのついた可愛いデザインに惹かれたけど
  選んだのはパステルブルーの無難なエプロン。
 
  本当に着たいエプロンを我慢したせいか、
  新調したのにもかかわらず
  少しモヤモヤを感じながら歩いていれば。
  古着屋さんのテナントで
  可愛らしく着飾ったマネキンが目に留まった。
 
  一着500円とか、僕のお小遣いでも買える値段。
  店内で一時間ぐらいは悩んでたと思うけど、
  赤めた顔を隠すように俯きながら
  レジへ持って行ったのは ピンク基調のワンピース。
  この日、僕は初めて女の子の服を買った。

 
 
(159) 2022/10/22(Sat) 15:36:21

【人】 天ヶ瀬 青葉

 
 
  家族が寝静まった深夜。
  自分の部屋でだけ僕は" 女の子 "になる。
  鏡の前でスカートを靡かせながら一回転。
  重い枷が外されたかのように、身体がとても軽かった。
 
  ああ、これが僕だ ──── そう思った。
 
 
  今に思えば、此処で止めておけば良かったんだ。
 
  こっそりと女の子の服を増やしていった僕は
  今度は誰かに、この姿を認めてもらいたくなった。
  そこで僕は、SNSで女の子としてアカウントを作り
  着飾った写真をアップロードするようになった。
 
  最初は顔を隠していたけれど、
  レスで望まれたらチラッと写した画像を載せたりして。
  ここでは女の子として扱ってもらえることが
  僕は何よりも嬉しかったんだ。

 
 
(160) 2022/10/22(Sat) 15:36:23

【人】 天ヶ瀬 青葉

 
 
  『 このアカウント、お前じゃね ? 』
 
 
 僕の扱いが一変したのは、同級生の一言からだった。
 違うよと首を振っても" BLUE Leaf "だなんて
 名前をもじっただけのアカウント名、
 顔も写ってる画像もそのままだったから。

 トイレに駆け込み、
 すぐにアカウントを消したけれど、
 既に保存された画像と共に
 僕の噂はクラスから学校中へと広まっていった。

 
 
(161) 2022/10/22(Sat) 15:36:25

【人】 天ヶ瀬 青葉

 
 
 女装、だの キモイ、だの ネカマ、だの
 陰口は僕の耳に届く範囲でも囁かれた。
 そんなんじゃないって言い返せるほど 強くも無かった。
 
 しばらくは、ずっと我慢していたけど
 心の拠り所だった料理部でも疎外され、
 やがて 僕は登校しなくなった。
 
 担任が家庭訪問してきて、両親と話した日の夜は
 リビングから言い合う声が僕の部屋まで響いた。
 " お前が男らしく育てなかったから! "
 壁を挟んでも届く父親の声に
 僕はベッドの上で布団を巻きつけ、必死に耳を塞いだ。
 
 こんなにも両親を悲しませて
 生まれた後から性を選ぶのは悪いコト、なんだな

 
 
(162) 2022/10/22(Sat) 15:36:29

【人】 天ヶ瀬 青葉

 
 
  女の子の服はすべて没収され、
  一緒にお菓子を作るどころか
  キッチンで何かを作る事も禁止された僕は >>1:475
  部屋で閉じこもるだけの生活になった。
 
  出席日数はギリギリ足りそうだし
  一応、高校に進学は出来るよう 勉強は欠かさずに。
 
  気晴らしはネットの徘徊ぐらい。
  猫や犬の動画を見つけては ぼーっと眺める。
  自分でも感情の起伏の無さを感じていたとき
  偶然、オススメで表示された動画がユメリンだった。

 
 
(163) 2022/10/22(Sat) 15:36:31

【人】 天ヶ瀬 青葉

 
 
 夢に向かって、真っすぐ突き進む女の子。
 ユメリンの動画を観れば観るほど、
 僕は彼女に熱中していった。
 
 調べてみてわかった事だけど、
 彼女は" 不幸の女の子 "なんて呼ばれていたりもした。
 事務所の社長がお金を持ち出して逃げたり、
 ライブ当日、停電になったり
 握手会で襲われそうになったり。
 不幸エピソードは、数え上げたらキリがないぐらい。
 
 それでも彼女は" いつか、夢の向こうに! "って
 応援しているファンへ手を広げていた。
 
 僕は彼女に憧れた。その強さに。 >>0:388
 僕も彼女の様な存在になりたい、って
 この想いを忘れないようユメリンのヌイグルミを作った。

 
 
(164) 2022/10/22(Sat) 15:36:34

【人】 天ヶ瀬 青葉

 
 
 少し、前向きな気持ちになれた僕は
 両親が勧めてきた出弦高校を受ける事にした。

      此処から遠く離れているけど、
      ここ数年受験する生徒がいないから
      新たな環境として良いのでは ?
      ───そう担任に言われたらしい。
 
 欲を言えば制服のない学校が良かったけれど
 僕にそれ以上の選択権は無かった。
 
 ネットを徘徊してる間、色んな情報をみつけた。
 僕みたいに生まれながらの性に疑問を持つ人は
 それこそ星の数ほどいた。
 
 僕はどうするべきか考えたけど、
 両親をこれ以上悲しませたくなかったから
 高校は普通の男子として過ごす決意をした。
 
 卒業して、自立してから
 僕は" 本当の僕 "になろう、と。

 
 
(165) 2022/10/22(Sat) 15:36:36

【人】 天ヶ瀬 青葉

 
 
 ユメリンのように
 元気と笑顔を与えられる存在になりたい ───
 その気持ちは コミュ強として過ごす原動力になった。

 そして高校へ進学すると、まず部活を探した。
 どうせ男として過ごすなら、
 なにか打ちこめるようなスポーツがいい。
 あちこちの部活を見て回る中、
 僕の足は体育館で歩みを止めた。
 
 その人はキラキラと輝いて見えた。 >>1:249
 ユメリンが女としての憧れなら
 彼は男としての憧れ。僕はバスケ部へ入部した。

 
 
(166) 2022/10/22(Sat) 15:36:39

【人】 天ヶ瀬 青葉

 
 
 ──── そして現在。
 幽霊が" 願い "を叶えてくれると言う。
 
 男であることの痛みを 今でも強く抱えているけれど。
 願いが叶えば 今の高校生活もまた一変する。
 
 " 男子バスケ部 "は辞めざるを得ないだろうし、
 中学の時のように奇異の目を向けられ
 また、独りぼっちになるかもしれない。
 
        ──── それは、とても怖くて。
 
 
 期限を迎えた三日目。
 始めから願いは決まっているというのに
 僕の心の天秤は 今もまだゆらゆら、と揺れていた。**
 
 
(167) 2022/10/22(Sat) 15:36:42

【人】 金海 叶冬


 [ 天ケ瀬くんの声はいつも軽やかです。
   ユメリンが弾む時にも似て。

   そんなひとだから ボクは
   本当は困らせるつもりなんて なかったのに ]


   さよならのつもりでした。

   天ケ瀬くんが打ったメッセージ
   見てなかったら
   天ケ瀬くんと約束してなかったら

   ボクは多分そうしていました
(168) 2022/10/22(Sat) 16:05:27

【人】 金海 叶冬



 [ 天ケ瀬くんとボクの時間は
  そう長く重なっていたわけじゃないけれど 
  貰ったのは見えない優しさで>>1:592

  なにも返すことができない
ボク
だから
  
ボク
ボク
が嫌いでした。
]
 
(169) 2022/10/22(Sat) 16:06:16

【人】 金海 叶冬




 [ ボクはどうしたら精算できますか?
   今まで沢山の人に貰った優しさも、
   臆病でしか返せなかったのに 


   ―――チャイム。]
   

  ごめんなさい。
  ボクが言ったのに、授業の時間です……

 
(170) 2022/10/22(Sat) 16:06:58

【人】 金海 叶冬



 んぬぇ?!


[ 驚いきで「ね」が変形しました。

  ほらだからちょっとこういう声は 
  人に聞かせられな
  それはよくはないですが それより

  具合が悪く見えたのでしょうか、
  だったら一人で行きますから。
  とも言えないまま
  
  何が起きたかわからないまま
  声も上げられず連行されてゆきました。 ]

 
(171) 2022/10/22(Sat) 16:07:43

【人】 金海 叶冬


 

 [ 連行されたのは保健室ではなく、
  調理室。

  ボクが隠れてしまうカーテンも
  蹲るベッドもありません。

  手際よく用意される紅茶と
  カヌレでしょうか。
  温かな湯気とちょこんと乗っかった
  手作りお菓子がボクの前に並びます。


  お菓子と紅茶の組み合わせ
  ボクにとっては>>0:543 ]


 
 
(172) 2022/10/22(Sat) 16:08:19

【人】 金海 叶冬





  僕
 も?




 [ 意味はあったのでしょうか。
   たまたまそんな表現をしただけかもしれません。
  

   ボクは何も知りません。
   ひとり減らないお皿を手にした日々のことも。


   
   紅茶は冷めないうちにに口づけられます。
   体調不良でもないのに授業をうけないの
   初めてなのですが ]

 
(173) 2022/10/22(Sat) 16:10:10

【人】 金海 叶冬



 …………


  おいし……?!

  驚きました。

  外側はカリカリで、食べるとほわって広がる
  バターの風味は
  授業を初めてさぼる罪色のあじ……
  

[ さあ、星はいくつですか。
  ほしいつつです! ]
  
(174) 2022/10/22(Sat) 16:11:20

【人】 金海 叶冬



 [ あたたかな紅茶が
   優しいバターのかおりが 
    
   外から聞こえてくる授業の音。

   ほかに誰もボクを認識することはないからかな。
   お砂糖が紅茶の中広がるみたいに

   ボクが嫌いなボクの声に、
   形をつけてしまう ]

(175) 2022/10/22(Sat) 16:12:27

【人】 金海 叶冬





  ちょっとだけ悩むだけでも 

  苦しいです。
  悲しいです。

  こんなボクがいきてるだけで
  みんなが悲しんで
  誰もボクを望まない

  そんな世界ならよかった

(176) 2022/10/22(Sat) 16:13:09

【人】 金海 叶冬

 

「 さよならのつもりだった 」
  ボクの
  幽霊さんと話したいこと
  
  ボクに今すぐ決められるかはわかりません
  ……でも


 
(177) 2022/10/22(Sat) 16:14:41

【人】 金海 叶冬




  ボクも少しだけ
  勇気をだせるかな

 
(178) 2022/10/22(Sat) 16:15:00

【人】 金海 叶冬



 [ ボクは天ヶ瀬くんのことを知りません。
  ユメリンが大好きなことくらいです。

  ボクがすることはきっと
  君に踏み込むことじゃなくて
  同志だから。


  天ヶ瀬くんの声は
  ユメリンから貰える元気に似ているから。 ]
 
(179) 2022/10/22(Sat) 16:18:33

【人】 金海 叶冬




 いつか、夢の向こうに!



[ うん、元気よく動くって難しい。
  ユメリンみたいに可愛く元気なポーズは難しいです。

  やってるところを 人にみせたのは
  ……はじめてです。

  今すぐ天ヶ瀬くんの記憶を消去しなければ
  ならないかもしれません。決断の時はきた…… ]

 

 
(180) 2022/10/22(Sat) 16:22:11

【人】 金海 叶冬



  天ヶ瀬くんは きまったかな、
  幽霊さんに会えたらお話しする内容。


  少し悩んで、強くなるって
  ……難しい、よね。


[ 僕ら も に、天ヶ瀬くんの分が
  入ってるかはわかりません。

  わからないけど、わからないから
  この最初の勇気は天ヶ瀬くんへ送ります。 ]

 
(181) 2022/10/22(Sat) 16:26:38

【人】 金海 叶冬



  もし、天ヶ瀬くんも難しいな、
  わからないな、って 困ることがあったら

  頭の片隅でいいです。
  ボクも、手伝えることがあったら
  てつだいたいな、って思います。
  出来たら一緒にジャンプできたら
  いいなっておもいます。

 
(182) 2022/10/22(Sat) 16:30:16

【人】 金海 叶冬



 『 覚えていて 』


 
(183) 2022/10/22(Sat) 16:30:46

【人】 金海 叶冬




  『 天ヶ瀬くんに貰った勇気は
    ユメリンにもらった勇気に 似ていました。


   だから、ありがとう 』**


 
(184) 2022/10/22(Sat) 16:32:17

【人】 軽音部 千葉郁也

──3day旧校舎前・夜──

[グループメッセージに送った生存報告ぶりの完了報告。

何のことかは多分わからないと思う、
2年の面々であればそれぞれ断片的には
想像がつくかもしれないが、
全てをわかる人はいなくても、
旧校舎の幽霊関連だとは伝わるだろう。

そんな曖昧なメッセージに
個人メッセージ宛に返信が届いたのに
気づいて差出人を見れば、
本当に面倒見が良いのだなと口角を上げた。>>145]
(185) 2022/10/22(Sat) 16:37:48
──To:大木さん──

おつありです。
昼はメッセージありがとうございました。
グループメッセージのやつ、励みになったんで。

あれから大木さんとも会ってないんで、
俺も話せたら嬉しいです。

明日でも明後日でも、近いうちに。
俺は割といつでも暇です。

[“旧校舎を見たい“以外は願いはなさそうだった大木さんは、
どういう決断をしたのだろう。

願うことは結局なかった自分としては
気になるところでもあったから、
彼の話も聞きたいと思った。]