─　回想：2day 放課後(健人)　─


　　無くなっていないよ
　　君はまだなにも失ってない

　　まだ話し合えるよ
　　君の聲は届くよ

　　手紙なんてどうかな
　　むしろここはSNSのフォローから……？





　

　　良かった……！
　　君の弟は生きてるんだね



　　嬉しく思うよ
　　何せ君の大切な家族だ





　　そんな想像をしながら君の家族が
　　失われていないことに安堵するんだ>>3:447　］

　

　　うん、わかるよ
　　俺は健人と一緒にいたから、
　　君が逃げないことも
　　泣けないことも
　　俺以上に不器用だってこともね






　
　

　　健人、
　　ねえ。


　　俺は君の罪を奪うっていってるんだ
　
　　今まで君は一人で苦しんでいた
　　俺がずっと側にいた時も
　


　　でもこの言葉を君に投げかけて
　　気付いたことがある。
　　君が言っていた二択という意味を。　］

　

　

　

［　君の嘘を俺が見破れないわけ
　　ないじゃないか。君は嘘が苦手だろ？

　　そんな寂しく笑わないでよ>>3:450
　　俺は自分自身の無力に
　　嘆くなんて御免だね。

　　だから俺も君に逃げない証を
　　俺の過去を話すよ。


　

　

　　因果の法則ね
　　俺も考えた
　　たとえ俺と弟が回避出来たとしても
　　居眠り運転は阻止できない
　　ならば誰かが犠牲になってしまう




［　俺達は偶然か必然か
　　願い事というチャンスを掴めそうで
　　それがいいことか悪いことか
　　俺には判断する術がない。

　　俺にはチャンスとしか思えなかったから。
　　それでも─────それならば。　］

　
　

　

　　願い事なのに俺たちは代償ばかり気にして
　　自分で請け負うとしているよね

　　それが正解なのだろうけど

　　でも今は



　　そう、”幸せに”や”健康で”という願いでも
　　いいんじゃないかという
　　考えもある

　

　　例えば健人の場合は
　　弟は階段から落ちても奇跡的に怪我をしなかった
　　君の弟が負うはずだった怪我をなくして欲しい
　　こういう願い方だって出来るはずだ



　　……俺の場合の願い事
　　代償を気にしないのであれば
　　”弟の怪我を治して欲しい”
　　そう願うことは狡いことなのか

　　わからないけれど
　　試す価値はあるのではないかと
　　思ってしまうんだ

　　……この考え、健人はどう思う？

［　凄く都合のいい願いだ。
　　どこまで叶うかもわからない
　　賭けのようなもの。　］


　

　

　

　　そもそも代償は考えない説も
　　もう一つの方法も
　　俺の単なる思いつき。

　　でも欲張ってみたくなったんだ。


［　いくらでも話し合おう。
　　俺たちの願いはどこか似ていた。
　　お互い家族の為の願いだ。

　　だから、二人が納得するまで
　　話したいと思うんだ。　］

　

　　でもいつか壊れてもいい
　　今を君と生きたいと思った。
　　これは俺に芽生えた欲。

　　欲とは願いだから
　　君に俺の願いを叶えてもらおうか。



　

［　今の俺はまだ
　　大地が頼んだ願いを知らない>>3:493
　　慎之介の気遣いを知らない>>3:=76

　　でもこの先俺は知ることになる。




　

　　ねえ、欲張ろうよ
　　未来に手を伸ばそう


　　これは俺たちに与えられた
　　　　　　　　チャンスなのだから。　］
　　
　

　

［　文字通り、お持ち帰りをされた俺は。
　　君から離れることはなかった。

　　君の家、ドアが閉まれは
　　そこの先は二人だけの夜の時間。





　　　健人、
　　　　　　起きてよ健人


　［　微睡む君へ朝の挨拶を。
　　　昨日と同じような挨拶になったかな？　］

　

　［　俺は一度家へ帰って支度をしに戻るよ。


　

　［　健人には旧校舎に一緒に行こうと伝えた。
　
　　　風紀の仕事を放棄することもできない俺は
　　　今日も学校へと行くのだろう。


　　　風紀の仕事はいつも通りに。