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【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン―回想― ―表彰式・宮廷 舞踏用大ホール― 『……あら、どうしたの。 あなた達でも緊張することあるのね?』 [ 周囲に聞こえない位の小声で、そう囁かれる。 精一杯押さえ込んだ感情は、 彼女の前では無意味だったようだ。>>253 そして、また一つ、掛けられる言葉。 4つの審査員特別賞。 これは彼女たち審査員の、 自分らの演奏に対する答えだと。>>254 ] (262) 2020/09/30(Wed) 11:36:25 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン ───また明日、演奏会で会いましょう。 [ そう告げられ、>>255 『勝負』はまだ終わってないことを思い出した。 水膜で滲む視界を 再度目瞬いて振り払う。 そして、 「もとよりそのつもりだ」とでも言うように 今度は正面からメイレン・シュレグマーの顔を捉え 口角を結んで微笑ってみせた。 ]* (263) 2020/09/30(Wed) 11:44:06 |
【人】 宮廷楽士 ウェールズ−時は戻って明け方 [ 一連の騒動後、アメリアを屋敷へと送り届け、 もう1人の女性を宮廷へと連れてかえってきていた。 ウェールズ自身も、あれからそのまま 宮廷内に滞在していた。 勿論、ことの次第を全て話すため。 ] 以上が、ことの一部始終となります。 [ ウェールズが話し終わると、 目の前にいたこの国の最高権限は 首を縦に振った。 ] (264) 2020/09/30(Wed) 11:45:40 |
【人】 宮廷楽士 ウェールズお疲れ様。オーランジュちゃんからの頼みは なかなか断れないから、驚いた。 それで、女の子は今寝てるんだっけ。 王妃様がお部屋をあつらえたようです。 そっかぁ。それなら、安心だね。 護衛はつけてるだろうけど、 心配なら行ってきていいよ。 それでは、お言葉に甘えて。 (265) 2020/09/30(Wed) 11:46:14 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン─表彰式翌日朝・居住区─ [表彰式から一夜明け、 ぐっすり睡眠をとったおかげで 疲れも然程残らず快適な目覚めとなった。] おはようファラリス。 今日は何を食べるの? [いつものように朝食を作ろうと 台所に向かい、ファラリスとともに調理をする日々。 一軒家とはいえ大きさは屋敷と言えるほど大きくもない。 使用人もそういないのだからこれで十分。 フライパンを熱し、バターを入れれば 溶いた卵にチーズを混ぜて チーズ入りのオムレツを焼き上げます。] (266) 2020/09/30(Wed) 11:46:37 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン[隣では燕麦の粥が煮える匂い。 今日は牛乳を入れ、そこにアカシアの蜂蜜を加え 甘くして煮るようです。 干した杏に干し葡萄を刻み、 ファラリスが鍋をかき回しながら くつくつと弱火で煮込んでいきます。] ファラリスはそれだけで足りる? [表彰式終わり、審査員控え室に届けられた 無花果のジャムを乗せたクッキーや 椎の実を入れたパンも出しましょうか?と それぞれ提案して。] (267) 2020/09/30(Wed) 11:46:51 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン[飲み物は梨を発酵させて作ったペリー酒を加熱し、 酒精を飛ばしたものに炭酸水を加え割ったもの。 季節の恵みに感謝し、食事を終えたところで 届いたのは配達人の声。] (宮廷か、生徒達かしら。) [ファラリスが勝手口の方へと向かい 幾つか手紙を持って来る。 予想通り宮廷と、留学先や 国内を回る生徒達の手紙が大半。 ただ、一つだけ違っていたのは 『グランソ・シュトランド』という 1日目の会場に近い宿から届いた手紙。 >>-264>>1:106>>1:65] (268) 2020/09/30(Wed) 11:47:06 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン[この宿から手紙が届く心当たりに思い浮かばず 慎重に手紙を開け、中身を取り出し>>-260 内容を読み解こうと目を見やれば] (嗚呼……あなたね。) [差出人の正体は、直ぐに分かったわ。>>10>>-260 審査員特別賞及び4位入賞の拝受。 私が彼らに指摘したことについて>>-260 見破られたと感じ、 空恐ろしささえ感じたこと。 しかし良い経験でもあったということが そこには書かれていて。 素直に述べられた感想のようにも思え、 若者を見守る老人のように(実際そうなのだけど) 手紙を眺めていた刹那。] (269) 2020/09/30(Wed) 11:47:28 |
【人】 宮廷楽士 ウェールズ [ まだ深夜のこと。部屋に向かった時には 深い眠りの中にいた彼女。 それを起こさぬよう、終始見守ったことだろう。 そして、明け方になって彼女が目を覚ませば、 静かに、おはようと声をかけるだろう。 ] アメリア嬢は、心配しなくていい。 彼女の屋敷の人間が手厚く気がけている。 [ 矢継ぎ早に出てくる質問に、 ある程度は答えただろう。 勿論、お茶を濁した返答も中には あったかもしれないが。 ] (270) 2020/09/30(Wed) 11:47:29 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン (もう褒章決めたの!? まだ3ヶ月の猶予があるのだから ゆっくり決めていいのよ!?) [『国内巡業公演』を選ばせて欲しいという一文に 思わず心の中で突っ込んだら、>>-205>>-261 その続きには尤もと思えるような理由が綴られており、 考えずくの彼ららしいと、>>2:248>>2:258 今度は一転して愉しみを覚えた。 何より彼ら自身が地方を巡ってくれるのであれば こちらとしても願ったり叶ったりよ。] (271) 2020/09/30(Wed) 11:47:58 |
【人】 宮廷楽士 ウェールズ……ようやく名前を聞けたな。 初めまして、俺はウェールズ。 ウェールズ・コンスタンス。 まだ夜も明けきってないから、 もう少しお休み、エヴィ嬢。 [ そう言って、彼はまた彼女を寝かせるだろう。 次に起こしてくれるのは彼ではなく、 エヴィと同世代の王女たちではあるのだが。 彼女が眠りに落ちれば、 彼もその場を後にして、自分の邸宅に 戻っていくことだろう。 表彰式に間に合うように、 午前中しっかりと寝るために。 ]* (272) 2020/09/30(Wed) 11:47:58 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン ……えっ……えっ? そう、だったの? [何だかよく分からないけど、私の行動が 結果輝かしき才能を此処に連れて来れたのであれば 当時の私と第三王子殿下お手柄だわ、と 心のうちで褒めて。>>-262 彼が書いた通り、もしかしたら。 1つでも欠けたら成り立たない要因が 重なりに重なって引き起こした 一つの運命……奇跡だったのかもと 運命という言葉に、不思議としっくりくるかのような そんな心地を覚えたのでした。>>-262] (274) 2020/09/30(Wed) 11:48:57 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン[最後にはまるで私の今までの行動と これからに対する小さな声援のようにも思え、>>-263 無意識に顔が綻んでいたことには気付きません。] (ええ、任せて頂戴な。) [第三王子殿下の手助けも、>>-263 才能の拾い上げも…… 行けるところまで行ってみせる。 殿下が我が国と新たな才能達に必要なのは 私も全くの同感だもの。] (275) 2020/09/30(Wed) 11:49:31 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン アレキシ・イングヴァル・ベルイマン…… その名前、覚えたわ。 [一見すれば誰のことなのか分からない名前。 けれど追伸を見れば正体は確定したも同然。>>-264 奇しくも吐いた一言が彼と同じようになってしまったけど 午後に向けて私の闘志に火をつけるには十分過ぎた。>>10 私もまた書斎に向かい、真っ先にペンを取り 彼らに……彼に向けた手紙を綴る。] (276) 2020/09/30(Wed) 11:49:50 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン (277) 2020/09/30(Wed) 11:52:53 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン─表彰式翌日・舞台付き屋外庭園(午後)─ [予定通り開催された、1日目の舞台。 この舞台付き屋外庭園に私は 3番目の奏者として演奏をする。>>1:1>>1:2 場所は屋外なので華やいだ印象の曲は必須、 しかし宮廷にも程近いので 昨日のような楽曲はさすがに不向きでしょう。 ( と言いつつ昨日はホールで演奏してしまったのですけど )午前のうちに微調整を済ませ、天候と風向きを考慮し 当初予定した曲を変更しながら 脳内で構成を組み立てていきました。] (278) 2020/09/30(Wed) 12:37:37 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン (279) 2020/09/30(Wed) 12:38:07 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン[私の登場は3番目、この演奏最後の出演者。 歌劇の終幕のような華やか且つ人々が体を揺らし リズムに乗れるような曲を。 まるで歌劇歌手が最後の大団円を 高らかに歌い上げるように。 しかし、最後の箇所にいつもとは違う 合言葉のような掛け合わせの箇所を取り入れて。] (280) 2020/09/30(Wed) 12:38:26 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン[次には打って変わって変調を加え 不穏な要素を入れた旋律を。 これもまた、彼らの影響。>>2:231 まるで暗い森に迷い込み、 暮れゆく日に不安を抱えながら 延々と彷徨い混んでいるかのように。 周囲の観客が何やら不安げに そわそわする様子を肌で感じる。 心にふと過ぎる思いを別の伴奏で加え、 突如────不安定なまま、止めた。] (281) 2020/09/30(Wed) 12:38:53 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン[1拍置いて、次にゆったり奏でるのは ある意味宮廷楽士らしい優しい奏で。 これは本日の天候を見て考えた即興曲。 遥々この地を訪れた彼らへの労い。 その才能に出会えた喜びと、 あの手紙を読んでこそ感じた ────彼との約束。>>-263 あの、運命のようなものを感じた。>>-262 その言葉を噛み締めていくかのように。 やがて最後の音を優しく弾き終えれば……] (282) 2020/09/30(Wed) 12:39:22 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン[最後に響くは音色の推移と階調。 スタッカートによる迫り来る音を入れ、 大胆でありつつも宮廷音楽としても 十分に入れられる範囲を模索した1つの試作曲。 この国はどうだったかしら? この国の音楽は、人々は──── 私の音楽は、あなたたちにどう影響したかしら? ────気を付けてお帰りなさい。 また会いましょう、敬愛なる好敵手のあなた方よ。 あなた方の地でもどうぞお元気で。] (283) 2020/09/30(Wed) 12:40:11 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン[こうして全ての演奏を終え、 カーテシーをして舞台を降りたのでした。 昨日のように口々に声を掛ける観客の方々、 6人組の姿を確認すれば会釈して 「私の演奏はどうでした?」と言いたげに その眼差しを真っ直ぐに向けて。]** (285) 2020/09/30(Wed) 12:40:57 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 子どもたちのことまで気にかけて 下さる方に>>203、すみませんが よろしくお願いしますと頭を下げました。 7人全員がお利口に待っていてくれると 自信満々にいうので、お行儀良くしていてね、 と告げて。 雲の上を歩いているようなふわふわとした 感触を踏みしめながら、受賞者の方々が 並ぶ場に立ち>>83。 なんだかとても長い距離を来たような 不思議な気がしました。 ] (286) 2020/09/30(Wed) 14:40:07 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 他の受賞者の方々はとてもご立派で、 もちろんたくさんいらっしゃる王族の方や 審査員の皆様にも、自分の傷だらけの顔を 見せてしまってはきっと失礼だろうし、 ぎょっとさせてしまうのは申し訳ないなぁと 思いながらも。 私は顔を伏せることなく、しっかり前を 向いて立ちました。 宮廷楽長様のお声が響きます。>>204 厳しさを纏うその瞳の中に、幾ばくかの 優しい笑みを見つけては、逸らすこともせずに じっと見つめて、流れる言葉を聞いていました。 ] (287) 2020/09/30(Wed) 14:41:13 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ(私が、宮廷楽士に…) [ 先程言い聞かせたばかりなのに、 お行儀が良いとは言えない様子で、 こちらにぶんぶんと手を振る子どもたちを そっと、見遣り。 ひとつ息を吐いて、目を閉じました。 決して大きくないその声は、けれど 今までにないほどまっすぐに私の胸を射抜いて。 そうして手渡された賞状と、ピンバッジ。>>205 それから… あの日。私の目を焼いた、あの腕章>>0:68と 同じ布の、胸章。 布の中央に引かれた線は 茜色 ……あの夕景と同じような色。 ] (288) 2020/09/30(Wed) 14:44:43 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ そっと受け取ると、周囲からまた暖かい 拍手と歓声が湧き上がり、胸の奥から じんと熱いものが込み上げるのを感じます。 思いもよらず頭上に飾られるティアラ。>>206 抑えた金色のそれは、美しい草花を模したもの。 わ、と思う間もなく自分では見えない所へ それが飾られた瞬間、周囲の方から送られる 拍手がひときわ大きく響きました。 …少しずつ歪み出す視界に、 私の救いの神様のようなメイレン様の姿を 捉えれば、その口元が、おめでとう、と 動いては、にっこり笑って下さっていて。>>208 それを見て、とうとう堪えきれずに 堰を越えて、涙が一筋だけ伝い落ちました。 ] (289) 2020/09/30(Wed) 14:47:47 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 係の方が、私たちを元の位置へ誘導して 下さろうとした時。 ……私はそっと口を開きます。 ] あの、このような身に余る栄誉を頂き、 本当にありがとうございます。 心から皆さまと、 コンセールカリヨンの神様に感謝致します。 [ と頭を深く下げました。 あ、ティアラ落ちないで、と願って、 少し頭に手をやりながら、 いらっしゃるであろう王族の方々、 宮廷楽士や審査員の方々に、身体を向けて、 力を込めて、目を逸らさずに。 ] (290) 2020/09/30(Wed) 15:04:38 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ…あの。 ここでこんなことを言うのは大変 場違いで…失礼を承知で申し上げます。 もしかしてご存知の方がいらっしゃる かもしれませんが… 私の この傷に関わったある方 に僅かでも、温情を賜わりますよう、 図々しくもお願い申し上げたく…。 何故なら私の歌はその方に、 教えて頂いたものだからです。 (291) 2020/09/30(Wed) 15:08:20 |
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