［　そう、――ボクは、
　　　幽霊にあってみたかったんです。


　　　どうして願いを叶えるのですか？
　　　どうしてわらっているのですか？


　　　あやちゃんとは直接お話しするより
　　　メッセージのやり取りが多かった2日目。


　　　ボクが学校にいられたのはすこしだけ。
　　　保健室にも居られなくて、早退しました。

　　　季節の変わり目は駄目ですね、


　　　おかしいな、
　　　ボクの身体のポンコツとは言えども
　　　もうすこし　動くはずなのですが。　]

　

［　帰ってきたメッセージを返しながら
　　ベッドで苦しげに息を吐きます。

　　机の上に置いてある鏡がちょうど
　　何故でしょうね。

　　ボクを映し出す角度になっていました。


　　苦しいのに笑っているみたいで
　　あの時の幽霊みたいに　のっぺらぼう　]


　

　［　幽霊さんの声は優しくて、穏やかで

　

　　


　……は、


　

　［　熱があがってきたのかもしれない、
　　　だめだよ、ボクは明日


　

　
［　明日は約束をたくさんしました。
　　天ヶ瀬くんとユメリンを応援するんだよ、
　　あやちゃんが、ボクの推し曲かけてくれるんだよ
　　よろしくが、一つふえたんだよ。　]

　

［　ふ、と浮かんだのは幼なじみのことでした。


　　今朝、何かあったのでしょうか？
　　その背中を思い出すけれど
　　顔はどんな顔をしてたかは、見えませんでした。　]


　　せなちゃん、
　　

　　［　―――通知。>>2:449


　　お誘いがせなちゃんから、
　　来るとは思っていませんでした。

　　幽霊のはなしを最初に聞いたときと
　　逆になりましたね。　]　

　

　―――。



　［　再びふれる、スマホ。


　　夜分に押していいはずのないボタン通話
を押そうとして
　　メッセージに戻します。


　　こえは、いろんなことを伝えてしまうから。　]

　
　　

　[　翌朝、ボクは目を覚まします。
　　普通に学校へゆくよりも随分早い時間。


　　熱はありませんでした。
　　身体は今のところ、ちゃんと動くみたいです。


　　何日かぶりにHRから出る！と意気込み
　　ジャージに袖を通し。　]



　　今日は一緒にいこうね。



　［　鞄についているユメリンとは
　　　似ても似つかない塊。
　　　天ヶ瀬くんのユメリンの、まねごとです。
　　　とうてい見せられたものではないような。
　　
　　　けれど今日はね、
　　　天ヶ瀬くんに見てもらえたら、
　　　ボクのユメリンも夢の向こうへ行ける
　　
　　　そんな気が、して。]
　　　

［　――通知。
　　それは少し静かになっていた、
　　グループのほうからでした。　］