145 【R18G】星仰ぎのギムナジウム2【身内】
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「ほう〜?
溢れてしまうものを押さえつけるために眠っているんですね?」
ちぐはぐな声のトーンと台詞、表情。
笑顔や不安そうな顔のひとつでも見せられたなら、寄り添った良い先生になれたかもしれないのに。
アオツキの顔は、無表情から変わらない。
「凄いです、偉いですバレンタインくんは。
でも、……」
「少し、一人では抱えきれないものになっていますね」
正直、病は直ぐにでも治って欲しい。
だが……目の前の君をほの暗い噂の元に連れていきたいとも、思えなくて。
「全部は、君に負担があるでしょう。
少しずつ渡に溢してでも、教えて下さい。
私は君の味方で、協力者です。
我慢するだけの眠りも、より良いものにしましょう」
何処か、アオツキに刻まれた傷が傷んだ。
「……そうですね……」
同意ともとれるし、
逡巡ともとれる、曖昧な相槌。
ただ、無表情に見えるあなたの顔をそこまで悪いものとして解釈していないのか、強張らずリラックスしているようには見える。
「あなたのことは……信頼している、が……
……あなたに預けて抱えきれるかの信用は、
まだあんまりできてないとも……いえる」
何処までも見透かしているような。
あるいは見たまま考えの浅いような瞳は、
若干気まずそうに背けられた。
「確かに……気にすることなく、
目いっぱい昼寝は……してみたい……
……無理はしないように、してみます。
……『治療』は……出来れば、嫌なので……」
| ラピスは、小さなスケッチブックに周りの景色を描いて過ごしている。 (a22) 2022/04/30(Sat) 13:23:08 |
| ラピスは、ちょっとでも視線が向いたのでご満悦だった。にこにこ。 (a25) 2022/04/30(Sat) 14:34:32 |
「そ〜ですね〜。
私も歳が成人しただけの子供らしいですから〜。
信用なんてからっきしでしょう、これからですね。
イシュカからもきっと、良い答えが来ますよ。
相談事得意ですから〜、不器用なりに」
感情の機敏はその青い瞳の先に映らない。
「……」
「……昼寝の時間、作ってもらえるように聞いてみます」
「焦らないように気を付けますね〜」
「実習生の人たちは……うん。
そう、……信頼はしてる……よ。
どちらかというと……手のかかる生徒が多くて……
大変じゃないかな、と……思わなくもないか」
もちろん自分もひっくるめて。
もし僕ならば疲れてしまう、と思う。
「ありがとう……ございます。
昼寝の時間……僕も焦らないように、待ってる。
……アオツキさんも……たまには昼寝、したらいい。
溢れないように押し付けるものがなかったら、
きっと……何も意味が無くて、楽しい。気がする」
自他を守るために、防衛本能として。
それがないことを意味の無いことだと表現して。
ただそれも楽しそうな事だと捉えているらしい。
「お見通しですね〜。
これは私の振る舞いのせいでしょうか」
それこそ、専属という形をとらなければ一人の生徒だけを見続けることなどできない。
彼らが誰にでも与えられるもので解決がしているのであれば、もう既に改善している子は山のようにいただろう。
「……正直手のかかるのは生徒だけじゃないのが実情ですね。
それでも私は君たちが大好きだから動けるんですよ」
「君たちがなにかを一人でかかえきれないとき、
私は黙る壁に、wobbly manに、あるいはザントマンにでもなれます。
私達が求められていることは、……本当に一つ一つであれば、
大したものじゃあ……」
間。
「……た、大したこともあるときは、ありましたね
すみません……潰れたりしないようにしますよ〜」
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