113 【身内】頽廃のヨルムガンド【R18G】
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「はあ、面倒にゃ」
微かな呟きが聞こえたのかいないのか、
嘆息を一つ会話の合間に挟んで。
「にゃあは異論ない。新入りの腕を疑ってるわけでもないけど、もししくじったとしてもホドなら大丈夫だろうからにゃ。
本音を言うなら誰でもいいにゃ、この程度のこと」
「その通り、"鼠捕り"程度、誰がやろうと同じ事だ。
であれば尚の事、
下っ端の仕事に相応しいというものだろうな。」
「故に"鼠"の相手は"蝙蝠"が引き受けよう。
実力を測るにせよ、信頼に足るものかを見定めるにせよ。
あんた達の好きなようにすればいい。その分…」
「同じように、俺も好きにさせてもらうとしよう。
文句は無いな、先輩方?」
言葉の詰まった貴方を、じっと見つめる。
「そうでしたか。
しかし、私は番犬の名を貴方へ渡しました。
私、名付けたものにはきちんと責任を持ちますよ。少なくとも自分から離れようとするまではね。
故に、私は貴方の味方となりましょう。
そう努力しましょう。
それが私の義務でもあります」
納得しづらかったらこれも命令だと認識して構いませんと、添えた。
「誰が我々を縛れるものか。
そうさせない為に、我々はいるのだから…にゃ」
返事は無い。それが答えだろう。
最も、普段のこの人間なら、
『それすら出来ない人がいるから──』
そう何らかの返答なり口煩い心配や警告なりしたものだ。
少なくとも、無言を肯定とする気質ではなかった。
──なかった、はずだ。
「おや。それは助かります。
ちなみに私はぺトラさんを探ろうとしているところです」
質問に、小さく笑う。
「どちらにも積極的に関わろうとはしていません。
私はこの街でより良き生活を送りたい。送れるようになったらいいと思ってます。
争いが起きる事は望みませんが……この革命とやらが少しは成功して、少しでもマシになればいい。
……補助する気でいるならば、『あちら』側という事になるんでしょうかね?
この話は忘れていただいても構いませんよ。万が一『選ばれた』時が面倒になりそうですし、少し大きな独り言を呟いていたという事で」
| エドゥアルトは、レイに視線をやった。言葉はなく、ほんの少し頭を垂れただけだった。 (a45) 2021/12/08(Wed) 20:56:25 |
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