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【人】 きっと教育係 キネレト夢見がちなのは僕も同じさ。 ……今、ひとつ我儘を思い付いた。 10秒で良いから君の胸を貸しておくれ。王子様。 [君は本当に、 本当に感情を言葉にするのが上手い。 君自身の気持ちは勿論、時には 僕自身が言葉に表せないような想いまで 的確に掬い上げてくれてしまう。 返したい言葉が喉奥に張り付いて、 嗚咽になってしまって言葉にならない。 自分でもよくわからないんだが 君とともに過ごすようになってから、 多分僕は随分と泣き虫になってしまった。 なんだか子守りをさせているみたいで申し訳ない。 でも君だって悪いぞ。 君が底抜けに優しいから甘えてしまうんだ僕は。] 僕だって、 ……大好きな君を大切にしたいだけなんだ。 僕が大切な限り治らない病なら、諦めるから 君も諦めてどうか一生患ったままで居てくれ。 (14) 2021/01/03(Sun) 19:39:10 |
【人】 きっと教育係 キネレト[君に畳の端から端まで転がされている気分では居ても、 君を転がせている自信はあまりない。 君は感情を言葉にするのと同じくらいに、 それを澄ました顔で包み隠すのも上手いから。 今脱がせたい場合を訊かれたとしても きっと同じ答えを返していただろうけれど、 君の問いは飽くまでも浴衣姿限定だったから 言及するのはやめておいた。 余分な墓穴を掘ってしまえば いよいよ羞恥心に耐えられなくなりそうで。 浴衣を着た君もさぞかし格好良いんだろうな、と 誤魔化すように少し冷めたお茶を啜りきった。]* (15) 2021/01/03(Sun) 19:39:21 |
【人】 きっと教育係 キネレト[ほう。君もそんな顔をするんだなぁ。 貴重な一面を垣間見れた気がしたのは一瞬のことだった。 少し残念だなんて思ってしまって、 僕を揶揄う君の気持ちが少しわかった気がした。] なんでもはできないよ。流石に。 でも君の役に立てて嬉しい。 カウンターに座っているのだって ただ座っているだけではないだろう? 手続きやら取り寄せやら相談やら…… ……なるほど。その発想はなかったな。 人手は年中足りていないが かといって気軽に雇えるほど潤ってもいないから…… [どうやって、と尋ねるより先に寄付の申し出だ。 やっぱり君が神様なんじゃないか?? 思いきりが良いというか、時々こうやって 僕の予想を遥かに超えた発言をしてくることがある。 まさかその上を行く教会ごとどうにかする案が ちらっとでも彼の中にあるとは知らなかったが、] (16) 2021/01/03(Sun) 20:04:45 |
【人】 きっと教育係 キネレト忙しい期間に臨時で雇えるだけでも かなり助かると思うよ。 ありがとう、無理のない範囲で頼む。 [子供たちにとっても、先生役は一人でも多い方が安心だろう。 実現されるかどうかは別として、それだけ 僕と過ごす時間を熱望してくれることは素直に嬉しい。 遠慮するのも野暮だなとお言葉に甘えることにして。] うん、行こう。 折角来たんだからさ。 [君が玩具のあひるちゃんにまで 妬いてくれているとは微塵も気付かない。 厳選したスタメンあひるちゃん6匹を携えて 改めて君の手を取った。 ところで、何か忘れている気がする。 とても大切な何かを。 そう思ったけれどそれが何だか思い出せないままに 露天風呂へと続く回廊を歩み出す。] (17) 2021/01/03(Sun) 20:04:52 |
【人】 きっと教育係 キネレト………… 忘れないでね。 [改めて口にすれば己の大胆さに火が出そうだ。 僕は君に内緒で言ったのに。内緒で言ったのに!! 脈が上がったのも繋いだ手から 容易に伝わってしまいそうで、 露天風呂に入る前からなんだか眩暈がしてきた。 こんな調子でだいじょうぶなんだろうか。 ただ、神様に止められようと君を拒むことはないと 言葉にする代わりに君の手をしっかり握っておく。 ぺたぺたと二人分の足音を並べて進んでゆけば、 湯気に包まれた屋根付きの露天風呂が姿を現す。 隣の君へと視線を上げれば──あ。これは見えないやつだ。 眼鏡ケースを取りに戻る君に一緒に着いていき 若干の歩数を余分に稼ぐことで、 一先ず平静を取り戻せるだけの落ち着きを得た。] 洗うのは入浴の前……かなぁ? 後かな? どうなんだろうねその辺。 でも確かにな、 先だと洗っている最中に凍えてしまいそうだ。 温泉って奥が深いねぇ。 (18) 2021/01/03(Sun) 20:05:42 |
【人】 きっと教育係 キネレト[言いながらヴェールを脱ぎ、上着を脱いで畳む。 胸元を飾る紅い布を引き抜き、 ブラウスの釦をひとつひとつ外して ぱさりと小さな音を立てて肩から落とそ…… ……うとしたところで、 隣から積もる雪をも溶かしてしまいそうな熱い視線を感じた。 ちら、と君の様子を窺えば、明らかに此方を見ている。 折角落ち着けた熱をぶり返してしまいながら、 一旦脱ぐのを止めて君の服の裾をちょんと引いた。 お兄さん、お兄さん。手が止まってますよ。] じゃあ………… 脱がし合いっこするかい? ただ脱がし合うだけで、 続きはお布団までおあずけだよ……? [冗談だ。ちょっと言ってみた(かった)だけだ。 その証拠に、項を不意に撫でられただけで 肩が少し跳ねてしまった。 君の手でネックレスとピアスが外されて漸く 忘れていたものを思い出す。宝石箱だ。 あまりにしっくりと身に馴染みすぎていて 外さねばならないことも忘れかけていた。] (19) 2021/01/03(Sun) 20:06:05 |
【人】 きっと教育係 キネレト[君の眼鏡と一緒にケースに仕舞い込まれる ネックレスとピアスを安心して見守って。 君にありがとうと礼を述べて残りの服を脱ぎ始める。] 靴を脱ぐのに気恥しさを感じたことはなかったなぁ。 普段見せないものだからかな? 破廉恥……? でも外が見えているのに裸になるのは 僕も新鮮な感じだな…… 家や教会のお風呂に比べると凄く心許ないよね。 おもしろい。そうかも。 あまり大きな声で話していると 周りにも響いてしまうかな? [雪が音を吸って、ここだけで声は留まるかもしれないが。 仕事で子供たちをお風呂に入れたりもする手前 あまり気にしない面はあるかもしれない。 尤も、好きな人の前でもそうかと言われれば 必ずしもそうじゃないしなんなら 誰の人気もない外で裸になるより恥ずかしいかもしれない。 それでも順調に最後の一枚を脱ぎ終わって、 6匹のあひるちゃんたちと 薄っぺらい小さなタオルを一枚だけ手に持った。 貧相な身体なのが申し訳ないがこればかりは致し方あるまい。] (20) 2021/01/03(Sun) 20:08:00 |
【人】 きっと教育係 キネレト[さむい。脱衣所でもう寒い。 君だって寒いだろう。お互い素っ裸だし。 僕らは可及的速やかに湯船に浸かるべきだ。 さ、行こう! そう視線で促して 扉を開く君を見守っていると、 ……あれ? 出ないの?? 高速で閉じられた扉と彼に小首を傾げた。 うん? なんだい? なんだか信じられないものを見るような目をしているね?? 思わず躊躇うほど外は寒いんだろうか。いやそうか。 結構な量の雪積もってるもんな。 ゆきだるまもかまくらも余裕で作れそうなくらいの。 ヒートショック、なんて単語が薄っすら頭を過ぎって ぶんぶん首を振った。 折角の夫婦水入らずの旅行で君に万が一の事があろうものなら 僕は泣くどころじゃ済まない。] 寒かったかい……? じゃあ、……お先に…………? [譲られた場所へ踏み出して扉を開きさあ一歩、 表に出た瞬間思わず『 さっむ!!! 』と本音が飛び出した。59秒だけ君が一緒に出て来てくれるのを扉を抑えて待ち、 耐え兼ねて風呂桶を引っ掴んで湯船に駆け寄ると 汲んだお湯を自分に掛けて──……] (21) 2021/01/03(Sun) 20:08:23 |
【人】 きっと教育係 キネレトあっつ…………!! [え、熱い。熱いよ?? お湯めちゃめちゃ熱いよ? 家の比じゃないよ?? 即飛び込みたかったのにこれじゃ飛び込めない。 先に放り込んだあひるちゃんたちも 心なしか既に茹だって見えるよ??? 一気に行ったらしぬ。 慣れている人なら平気なんだろうなこれ。 結果、恥を忍んでおそるおそるつま先から少しずつ 身体を慣らすように湯船に身を沈めていくことになった。] (22) 2021/01/03(Sun) 20:09:23 |
【人】 きっと教育係 キネレト[けれどなんとか胸元までお湯に沈める頃には、] ほぁ……………… [熱いと冷たいのコラボレーションはなるほど新鮮で 驚くほど気持ちいいと感じられるようになっていた。 なんだこれ。癖になりそう。 6匹のあひるちゃんたちと戯れながら おいでおいで、と君に向かって手を振った。] (23) 2021/01/03(Sun) 20:09:55 |
【人】 高藤 杏音── 客室 ── [急須にお湯を入れて、湯呑を二つ。 お盆んに載せて、広縁に運べば、足湯があるらしい。] わ……。すごい。足湯まであるんだ。 温泉全制覇するんですよね? 一緒に浸かりましょうか。 [嬉しそうに微笑んで。 お茶を注ぐと、先輩の前に置いた。] 贅沢なお宿…… [雪の降る露天風呂も、立木と衝立で隠された小さな庭は美しく整えられて。 親に譲らなかった自分にちょっとちくりとしつつ。 先輩と共に居られる幸運が、染み入るように嬉しかった。*] (25) 2021/01/03(Sun) 21:03:14 |
【人】 菊波 空── 客室 ── ありがとな。 [お盆に熱いお茶をいれてもってきてくれた彼女>>25に礼の言葉を口にして、一緒に浸かろうというのはそのつもりでいつつ] 正直言うとこんないい宿だとは思わなかったな。 [おいてもらった湯呑を手に取って軽く冷ますためにふーと息を吹きかけたりしつつ] ああ、贅沢だ。それになんだかんだいって杏音と丸一日一緒ってのもないことだしな。 [雪降る白銀の世界と湯煙のベール。散歩の時とは違う景色を眺めながらいう。 何より一緒にいられる時間も積み重なる特別で自然な一日だなんて静かな光景をみながらしみじみと思うのである*] (26) 2021/01/03(Sun) 21:45:00 |
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