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【人】 さよなら 御山洗>>72 >>73 >>74 宵闇 「……ひどいやつだな、お前は……」 喉の奥からほとんどつっかえて出てこないような涙声が、ようやく震えながら音を成す。 なぜかだなんて。克明に思い出さずに済んだなら、この想いを風化できたからだ。 どうしてかだなんて。そんな気持ちを抱いたところで叶うわけが無いのを理解してるからだ。 目の前の彼が思うよりもずっと不届でみっともない願いを抱えて、 唄うような声もはしゃいでる声もとぼけたような声も、 長い前髪から覗く目もろくに体を作れるものを食べてないような細さも、 全部どうしようもなくこの手に掻き抱いてしまいたくて、そんなのは、お前には向けるべきじゃない。 "友達"だと言うのなら、こんな不自然な気持ちは最初から持つべきじゃなかったからだ。 抑えられないくらい好きな自分が、夢に見るくらいに好きな自分が、 自分では制御できない怪物になったようで、自分から思い出を守れないのが、恐ろしかったからだ。 宵闇の思いと御山洗の想いは全く違っていて、それはどちらも両立することは出来ない。 「俺は……」 首を横に振る。同じ思いを、抱けなかった。 ここにいたら、綺麗なまま額に入れてとっておきたかった大事なことを壊してしまう。 此処には居られない。いてはいけない。思い出に触れないまま、しまっておきたいと願う。 帰ってよかったと思う気持ちより、帰ってこなければよかったと後悔する愚か者は、 永劫の花園にはいられない――帰りたくないなどと、思えない。 このままでいることにも、ここままでいられないことにも、何もかも耐えられなかった。 → (76) 2021/08/16(Mon) 20:14:32 |
御山洗は、恐れていた。怯えていた。今は、後悔ばかりが焼き付いている。 (a33) 2021/08/16(Mon) 20:56:40 |
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