【人】 元子役 辺世 流などと話していたけれど、ふと尋ねた疑問に、結城さんの周りの空気が冷たくなったような気がした。 彼女の答えは結構はっきりしていて、なるほどと思う。 「デザイン系の仕事にアシスタント、職人の助手…そういうのもあるのか。 バイトでつなぐ人も…うん。それはそうだよね。画家を目指すなら…そうなるよね。」 芸能の仕事でもそう。最初から売れるのは、特別な才能があるか、特別なコネクションがあるか。 誰々が枕営業をして役を取ったとか、若手女優とプロデューサーとの噂とか、小さい頃から嫌でも耳に入っていた。 美術の世界にもパトロンや師弟関係、アカデミズムがあればそんなものとも無縁ではないのだろう。 でも、そんな事を考えるために聞いたのではなくて。 (487) 2022/07/30(Sat) 19:23:05 |
【人】 元子役 辺世 流「僕は…絵の事はわからないし、結城さんの事もまだよく知らないけどさ。 …休憩中に絵を描いてる時の結城さんはすごく集中してて、なんだか楽しそうに絵を描いてるようにも見えたからさ。 結城さんがどうなりたいかも知らないけど… 絵が好きなんだったら、どういう形にしても、絵を描く仕事につくとか、絵を描き続けてくれたらいいなって、思ったよ。 …それだけなんだ。 僕は、完全に諦めちゃった側だからさ。」 少しだけ遠い目になりつつ、そう彼女に答えた** (490) 2022/07/30(Sat) 19:33:27 |
【人】 元子役 辺世 流[回想 早乙女さんの初日>>480>>481] 「ん…まあね。このバイト、自分で希望って言うよりは、万里から紹介されたんだ。 最初は気が進まなかったけど、今は来てよかったなって思ってる。…大変だけどね。」 それ以上踏み込んだ話はしなかったけれど、どうやら調子が戻ってきたようだと知って安堵の表情が顔に浮かんだ。 「言われる言われる。子供は素直だって言うけど、やっぱり世の中あんまり知らないから、色々事情があるってわかんないんだな… それはいいか。」 まぶしげに太陽に手をかざす姿を少し笑んで見つめて、取ってくれた手で支えて立ってもらう。 (501) 2022/07/30(Sat) 20:00:35 |
【人】 元子役 辺世 流「それじゃ、戻ろうか。」 ひとなつ荘に戻ってから早乙女さんの業務復帰を見届けてから僕も担当に戻って。それ以降も彼女のわからない事とかにはできるだけ率先して答えたし、なんやかや困っている視線も察知できるようになった。 今はなんやかや、早乙女さんも慣れてきて、気がついてくれることも増えて、頼もしくなったと思う。 それを少し嬉しく見守っていた。 もっとも、大きめのフォローについては、初日みたいに貸しに数えさせてもらったりはしたのだけど** (502) 2022/07/30(Sat) 20:00:47 |
元子役 辺世 流は、メモを貼った。 (a98) 2022/07/30(Sat) 20:03:37 |
【人】 元子役 辺世 流「うん、そう。15くらいまで子役やってた。 本格的にやってたと言えるのは8歳から3.4年程度だけど。 子役と大人の俳優では、求められるものが全然違うから、子供時代でやめてしまう子は珍しくはないんだけどさ。 結城さんが言ってるのは、アマチュアの劇団に入ったりして続けることを考えなかったのかってことだよね。 演出や監督の勉強するとか。 …なかったな、それは。 多分、両親が離婚して、それどころじゃなくなったのもあるけど。 …うん、でも最終的にはそこなんだろうな。 戻ろうとは思ってない。」 (525) 2022/07/30(Sat) 22:40:03 |
【人】 元子役 辺世 流それ以上を語るのはさすがに少し憚られて口をつぐんだのは少しの間。 「でも、最近は少し自分でも変わってきたと思うんだ。 ここの海の家に来て、仕事そのもののやりがいみたいな事、初めてわかった気がする。 楽しいよ。今年来たばっかりで言うのもアレだけど。 だから今は、別の形で自分のやりたいこと、見つけられないかって思ってる。 …ファンだって言ってくれる子もいるし。 うん。だから…うまく言えないけど、僕はもう芸能の世界には多分未練はないのかもしれない。そういうこと。」 考えながら、結城さんにはそう告げた。 もちろん、これが彼女にとって足しになるとは到底言えないかもしれないけど** (527) 2022/07/30(Sat) 22:56:25 |
【人】 元子役 辺世 流[現在] 終業時間までにはもう少しあるらしい。 ソフトクリームのチョコとバニラ、黒白を太極のように取り合わせたミックスを2つ作りながら、何か隣から声>>521が聞こえた。 「え?……肝試しはどうか知らないですけど、夏祭りは今日辺りから近くの街とか神社であちこちやってませんでしたっけ。」 と言って近くにまとめられていたチラシを確認する。 「うん。やっぱりあるし、なんならついでに花火やる祭りもあるっぽい?見に行けると思いますよ。 肝試しは…自主的にやった方が早いような気もするけど。」 墓地とか、海水浴場の裏山にもちょっとした洞窟なんかあった気がするな、とか。そんなことを思い出していた** (529) 2022/07/30(Sat) 23:15:16 |
【人】 元子役 辺世 流[結城さんと>>536] 才能がない。と彼女ははっきり言い切った。 いっそ清々しいが気持ちはよくわかった。 僕だって大差はない。たまたま早熟だった事と、時の運と、両親の意図がうまく噛み合った時期があったというだけ。 過ぎてしまえばただの人だ。二十まで保たなかった。 「そっか。結城さんも迷ってるんだ。 うん…探してほしいと思う。それが絵でもそうでなくても、納得いくものを。 それで、本当に描きたかったら描く道を。そうでない道でも…うん。応援してる。それで、僕の方も応援してくれたら、嬉しい。」 ふ、と笑って決意めいたものを口にして。 ただ、その後の言葉に>>545 (549) 2022/07/30(Sat) 23:50:51 |
【人】 元子役 辺世 流「え!? ま。まあ…そりゃあ、まあ……あると言えばある…けど。 …いやっ、それは機密! そういう結城さんこそ… いや、うん。」 いささか真っ赤になって首を振りながら 「なんならその時は、報告しますよ。安心してください。」 こういうところ、年上の余裕か。怖いな。と思いつつ告げた** (551) 2022/07/30(Sat) 23:56:23 |
元子役 辺世 流は、メモを貼った。 (a102) 2022/07/30(Sat) 23:57:21 |
元子役 辺世 流は、メモを貼った。 (a103) 2022/07/31(Sun) 0:03:41 |
【人】 元子役 辺世 流[回想] 子役になったのはいつからだったかはっきりとは覚えてない。 小学校に上がるか上がらないかの頃だったろうか。 僕のことを見た友人のすすめで、両親が僕を近くの劇団に入れたらしい。 そこでの活動で、僕は劇団の子たちの中でも頭一つ抜けて上手かったらしい。顔がどうとかは知らない。 そこから、ローカルCMへの出演と、ドラマのオーディションを受けたのが本格的な芸能活動の始めだった。 人一倍努力した。それは確かだ。 でも本当のところ、演技そのものには大して興味はなかったんだと思う。 多分僕は両親に褒めてもらえるのが嬉しかっただけで、演技でなくても、それが何でも良かったんだ。 (591) 2022/07/31(Sun) 9:45:35 |
【人】 元子役 辺世 流だから、子役として以上の何かを手にすることなんて考えもしなかったし、両親の言うとおりにしているだけ。 次第に仕事は減り、高校に入る頃にはもう僕のいる場所はあの世界には残っていなかった。 今ならわかる。 僕に子役の先がなかったのは、そもそもその先なんてものを考えていなかったんだ。 両親は不仲になり、父は愛人を作って蒸発し、母は…こちらはあまり語りたくないけれど、とにかく亡くなった。 僕に残っているのは、家と、多少の貯金と、心もとないマンションの家賃収入だけ。 それでも、僕の人生は続いていく。 それなら、今の僕にとってその先はなんだろう。 ここに来て何か見えそうで、掴めそうで、それでもまだ掴みきれずにいる** (592) 2022/07/31(Sun) 9:48:39 |
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