人狼物語 三日月国


82 【身内】裏切りと駆け引きのカッサンドラ【R18G】

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声を荒げ罵倒の一つや二つ投げてやろうと口を開きかけて、けれどそれ以上が言えなくなる。他人の身を預かることは不得手だとどこぞの誰かに言ったばかりなのに、どうしてこんなことになっているのだろうか。

"見世物"として、"ショウ"としての成功が運命に、
そうしてそれは互いの手に握られている。


とはいえ、何を見ながら何を失うかが異なるだけで、結末は同じなのだろうが。

「…『解りました』。それでは、
そのように。


資料を拾い集め立ち上がる姿は一度だけ大きくよろめき、以降はしっかりとした足取りで"得物"を選びに向かう。
なるほど色んな手段が選べる。選ぶしかなくなる。暴力、凌辱、あなたはどちらが好みだろうか。

「あの時話した軽口が現実にできますよ、よかったですねバーナード?もっとも、鉛玉以外にもいくらでも選びようがありますが。要望くらいは聞いて差し上げますよ、ええ、私は、やさしいので。」

…握られた資料には激しく皺が寄って、震える手を隠した。

訝し気に眉を顰める。
少し向こう側、ダビーの目の前で先程まで自分が悪態を吐いていた相手が、書面のような物を落とすのが見える。何かの資料なのはわかるが、此処からではさすがに内容は読み取れない。

「(──楽しい拷問の仕方か何かか?)」

……奇妙な悪寒がする。
明るくこちら側に告げられる“補足”は、詳細を聞いても腑に落ちない。心からの屈伏の為の研修?それにしては、妙に──。

勿論、一般的な感性であれば想い合う二人に脅して暴行させるのは非道の部類だろう。しかし、ここは“一般的”ではない。何より状況から何度読み取ろうとも“殺し合え”とは言われていない。

爪の一枚や二枚を剥がれようと、明らかに耐性がある部類だ。
そんな事は向こうも当然理解しているはず。
仮に、“彼”を脅す効果はあったとして、ただ自分に肉体的な苦痛を与え続けるのを見るのは──
“温過ぎないか?”



その“温さ”が、逆に異常な不快感を覚えさせる。

周囲は妙に盛り上がり熱狂しているのに、
自分も“彼ら”と似ている
存在だから理解できる悪趣味さの筈なのに、今回ばかりは理解できない。

「……大して辛くもないのに、
 わざわざ辛しむ演技でもしろって事かね」

資料を集める“彼”を見ている。何故そこまで悪態を吐いたのかが分からない。観客だって『ただの恋人同士の拷問ショー』程度で、自分が堪えると思うのか?

「──銃弾は慣れてる。刃物の方が“お前が”苦しむかもな。
 手榴弾でも遠くに投げて破片で刺してくれてもいいぜ?
 ついでに客席まで吹っ飛ばしてくれりゃ、もっと楽なんだが」

“彼”は結局は所詮は商人の息子だ。苦しみを抱くのは分からなくもないが、幾ら考えても奴らの
【狙い】
が読めない。

──理解できない事こそが、
    
【狙い】
そのものな事に、いつ気付けるだろうか。

ギャンブラーだ。

お前の全てが、心から欲しい。

言葉で言ってわからぬ獣
ではないようで、何よりです」

『共犯者』の言葉に一つ頷いて、
怠惰なる白蛇は靴を鳴らし、男の傍から一歩下がった。
もしあなた達が妙な気を起こしたり、手緩い真似をすれば
いつでも更なる責苦を与える事のできる距離を保つ。

由縁のある人間同士に、心身への乱暴狼藉を行わせる。
単純且つ、効果的な心的外傷を与える行為。
ただ、それだけ。この船で行われる余興にしては無味乾燥。
ただし、
普通であれば、という前提が付く。


「『グラトニー』の言うように、これは飽くまでも研修です
あなたが手緩い真似をすれば、後々苦しむのは彼の方。
どうか、あなたが賢明である事を祈ります」

さあ、あなた達はどうだろう。
あなたの為なら、と気丈に振る舞うだろうか?
あなたの為なら、と非情に徹する事ができるだろうか。

その意に反する崩壊が訪れた時、
あなた達は、どうなるのだろう。
飽くまでも、この演目の主演はあなた達だ。
業の名を冠する者達は、それを飾り立てる助演に過ぎない。
あなた達の手で、この鮮烈なる悲劇を描くのだ。

呻いた。

「銃弾は慣れているなら面白みもないし外しましょう、手榴弾は確実性が薄く見栄えが良くない。
 …ああそうだ、服も必要ありません。"今のあなた"をお客様にしっかり見せて差し上げなさい。
 綺麗なあなたが傷付いて行く様を"お客様"はお望みのようですから。」

そうあなたに命令しながら資料を捲り、そばにいた黒服にとある記述を指差し見せる。
騙され利用されることばかりの青年はそれでも他者を動かすことに長けている、意図を察した黒服たちが動き出す。

あなたへ何人分もの腕が伸びて容赦なく服を奪っていく。その途中、肌を掠めなぞっていった指もあっただろう。
そうしている間にも鑑賞室の上方から降ろされた両手首に用いる拘束具は太く、躾のなっていない手を封じるのに多大に役に立つことが伺えた。彼の不躾は足にも言えたことではあるが、痛みにもがく足の惨めさこそが"あなた"には求められている。

あなたが拘束される様を眺めながら青年は金属製の杖を手に取る。そうして後方から後方からゆっくり歩み寄り、右斜め後ろから小さく震える声があなたの耳に届き、

「──"お客様"に、ご挨拶しましょうね」


ただその行為を命令されたロボットであるかのように、あなたに頭を垂れさせるように、あなたの後頭部目掛けて杖を振り下ろした。
この程度では死なない。この男なら死なない。私の腕なら死なない。ただ、互いに痛いだけ。


/*
確定多めにしますがよろしいですわよね? あなたは 甚振られる者 なのだから。

「軍人にお綺麗さを求めるなんて夢見る処女かよ。……チッ」

綺麗は他者にいう言葉であって、自分が言われる言葉でもない。
それを求めている客が居たら『こんなもの見てる暇があれば適当に売春なりしてきたらどうだ』と進言したいくらいだ。

服を自身で脱ぐのならば別に抵抗はない。何ならパイのせいとは言え、レストランで思い切り自分から脱衣してたような男だ。強制的に脱がされる事に舌打ちするものの、如何せん人数が多い。

『どうせなら一人くらいは使えなくしておいてやろうか』と反射的に思って手が出るのを察したタイミングで、拘束具にまず手を封じられる。足癖の悪さも比じゃないが、この状況では黒服を蹴飛ばすくらいしかできない。むしろ惨めさの方が目立つだろう。

そうしている間に服も一瞬で奪われる。概ね2日目と変わらない。しいて言うなら、背中に明らかに情事の後に出来るような細かい傷が多いが、目を逸らすような酷い傷がある訳でもなく、鍛えられた筋肉もあり見れない身体ではない。
──半年の間、■■されていたにしては“綺麗”な部類だ。これを保つのも苦労した事だろう。


「趣味悪。もう少しセンスあるかと──ぐあッ、ガッ…!!」

殴られる気配は分かる。悪態を吐いていて口を開けていた結果、舌を噛むなんて馬鹿な事はしなかったが、鍛えようが一瞬目の前の視界が点滅する事も、衝撃に一瞬呻く事も、無理やり頭を下げさせられるのも避けられない。頭を上げようとするも、杖で制されればそれ以上上げるのは困難だろう。
……何より、聞こえてくる声の震えに気づかない程鈍くもない。


何を震えてんだか。自分の痛みなんて全然痛みでも何でもないだろうに。

どこかの時間帯。なんか、すごく平和的な時間帯。
もっと言うと今行われている淫靡で背徳的な研修とはまったく関係ないどこか。

「薬の中身……もっとまともなの持ってこいって指示するんだった……!!!!!」

エンヴィーは、スロウスに「なんとかならない?」の顔をしました。

これは、「どうにもなりません。」の顔です。

エンヴィーは、「ああああ」の顔になりました。

品性、センス、そういったものを気にする青年がこのような下劣な行為を選ぶ意味。
資料を手に指示を出し舞台を整え、震える声を隠せずに、躊躇いはあれど悩みはなく杖を振り下ろした意味。
それは全て"いつか"をなぞった喜劇の一端をなぞっている事実に帰結するものなのだが、"今のあなた"はいつ気付くことになるのだろうか。


賓客達はとうにこの"演者"の意図に気付いたらしく、拍手と歓声が場に満ちる。
思い思いの声が、欲望が、そう在れと、要望を、並べ立てる。

おやこれはあの時の、粋なことをしたものだ
"調整"されているのでしょう、どこで「変わる」か賭けましょうか
同じ演目は二度見る必要がない、さあ、見せろ、屈しろ、

──真に愉快でおぞましく甘美な"ショウ"を我々に見せてくれ!


「…よくできました。」

あなたの頭を制していた杖が左右に二、三度動いて髪を乱し、それから支えの手を失って鈍い音とともに床に落ちる。
"お客様"は手加減を望まない。与えられた指示でもそのようだった。であれば、無駄な焦らしもなく淡々と奪っていくだけだ。…あのような姿から今の姿に戻せる手段があるのならば、当然、これから行うことであなたを殺すことはない。
ちょうど、
眼球一つくらいなら掬い取れるであろう、
"それ"を手にあなたに迫る。

「けれど駄目でしょう。お客様に「足りない」ものをお出ししては。…ああ、だからこそ"あなたはそうされた"し、あなたはそうなるのでしょう。
 "半年"でここまで戻されたのも、きっと、そのような意図が、あったのでしょう。」

青年は、じっとあなたの"右目"を見つめている。

空き時間にボル(4)1d10を与えられたかもしれない。わからない。空き時間ありますか?

エンヴィーは、ブラック企業は好まないので労働者にきちんと休みとご飯を与える派です。空き時間にご飯あげますけどなんでみんなボル族チャレンジしてるんですか?と言いたげです。

労働時間的にはホワイトなこの船のことがよく分かりません。気にするところそこ?

ボル族じゃなくても美味しければいいと思っています。チョコクロワッサンfoodが美味しいものかどうかについてはさておき。

自分のランダムダイス結果は比較的勝ち組だと思った。媚薬とにゃん以外。

「ぐっ!……随分、鈍ったか?今回は随分──」

「────“今回”、は……?」


意識もなく自覚もなく『自然』に滑り落ちた言葉。脳を介さず口から漏れた言葉が、ようやく耳に入って、己は発した言葉の意味が理解できない。そちらに思考が割かれて、漸く頭を上げられるようになった事も気付かず、俯くままである。

 今回?前回?鈍るってなんだ?
 ここに来た記憶なんてある筈ないのに、
 どうして今、“前より大した事ない”と思った?

観客が騒めく。ただ、自分が
“少し顔を上げるのが遅れただけ”
で彼らは思い思いに歓喜し、落胆し、好奇に湧き立つ。何かの試合の結果を観戦するかの如く、ねちっこい視線が纏わりつくのを感じる。

 
「──チッ!っ、さっさと続けろ、……よ?」

──まずい。わからないけど何かがまずい。
考えては行けない。これ以上思考を割いてはいけない。ただ無で暴行を受け続ければ、時間が流れる。痛みがあれば思考も多少は飛ばせる。そうしなければ、
……そうしなければ、何?


その思考を振り切る様に突如顔を上げて、仮面越しでも明らかにわかる敵意を隠さずに吠え散らかす。困惑ごと掻き消す威勢は、目の前の“彼”が持っている物で、呆然と止まった。

『前回』も男は同じ様な反応で吠えて、先を促していた。目の前の相手が持つ物で一瞬動きが止まった。何も変わらない。

──ただ
“前回”は、殴られて即座に吼えていた
のが、
“今回“は、何か迷うような間があって、遅かったから。


男が何に戸惑い、混乱しているのか、『内容が同じだからか?』『これぐらい誤差では?』『でもあの狂犬が──』と口々に議論が交わされている。

男は、ただ“彼”の言葉を聞いて、何も理解できない事を言う彼から、目を背けたくなるのを真正面から見据え続けるのが、精一杯だった。

/*
吊り時間が迫っているにも関わらず思いっきり様々を詰められていませんわ……
こんなにバタバタしたの初めてだから ごひ どうすればいい? ゼロは俺に何も教えてくれない

/*色々ドタバタしてるんですけどとりあえず何やるべきでしたっけ!?やりたい事が多すぎて わたくし 数多を 見失っている

/*
ひとまず襲撃先はよいとして、誰が迎えにいくかですわね……。
一応『スロウス』がやった手筈になっているのかしら。
それとも改めてどちらかがお迎えしたほうがいいのかしら。
わたくしが万一の保険でセットしてるのがよくないのかもしれん 外すか

青年は黒服へ指示を出しあなたの口を無理矢理開かせる。眼前にちらつかせるのはきっとあなたにとっては見慣れた錠剤、あなたの使い慣れた催淫剤だ。

「これが何かはご存知ですね?ええ、ご想像の通りのものではありますが、飲むか飲まないかはあなたに一任します。ですが、早めに飲むことをお勧めしますよ。一秒でも早く苦痛から逃れたければ、一秒でも早く快楽を得たいのであれば、すぐに嚥下するといい。」

それをあなたの咥内に放り入れて、あえて優しく語り掛ける。苦痛にもがく様も快楽に乱れる姿もどちらも賓客好みのものであり、どのタイミングでどちらを選んだとしてもあなたが見世物として機能し"お客様"の要望通りになることは避けられないのだが、さあ、あなたはどうするだろう?

自分を見据え続けるあなたを見ていた青年の様子がほんの少しだけ変わる。
なんとか震えも苦痛も出さないように耐え虚勢を張り付けていたはずの口の端がひくりと動いた。それは幼子がしゃくりあげる前のほんのひとしぐさのようにも、ふと込み上げてきた歓喜に打ち震えているようにも見える。
ああ、己を押し込めていた『常識』という枠組みが軋みを上げている。嫉妬に由来する憎悪から生まれ出でた新たな『怪物』の卵にひびが入った。

もう、声は震えていなかった。

「──さあ皆々様ご唱和ください、テンカウント参りましょう。
 
…10、9、8、7、6…


青年の声に合わせて狂った男の声が、嗤った女の声が、ひとつまたひとつと重なり、反響し、あなたが奪われるその瞬間への期待を膨らませていく。
あなたの仮面をずらし青年は手に持つ"それ"を近づけていく。

あなたの右目がさいごに映したのはどんな景色だっただろうか。青年はそれが『怪物』の瞳であることを願いながら、
ゼロカウントともに"抉り取る"ことだろう。

/*

おはよう、うたた寝してたうっかりさんですわ!

襲撃先についてなのですけど、
日付が変わるくらいに連れて行ってくれ、との事で
まあ多分"取引"が済んだ後のどっかの時間軸で
スロウスがサッと身柄抑えて拉致してると思いますわ。
思うのですけども。

処理順的に襲撃より処刑が先に来る…?と思うので
わたくし噛むより先に死ぬ予感がしていてよ!
ので、お二人か或いはどちらかかどちらでもいいのですけど
襲撃はわたくし以外にセットしておいてほしいと存じますわ!

/*
有能〜〜〜〜〜ッ!
把握いたしました。それならば雰囲気より実行力優先でセットしたほうがよろしいですわね。
有難うさようなら、研修のことも考え……なんとかします。
墓下に行っても元気でね……。

/*
なんか取引をなさってるぽいので、このままテンガンはラサルハグに連れて行かれた……という流れの方が綺麗な気がするし、スロウスさえよければスロウスが拉致してきた形にお願いしたいですわ……!

で、襲撃は処理順その他の都合によりテンガンになっておりますの。リスクケアばっちりでしてよ。猟兵さんにズドンされない限り。

/*
さよならしたくないですわよ〜〜〜えーーーんスロウスーーーーーーーーグラトニーーーーーえーーーーーーーーん(限界)

/*

取引とは名ばかりも名ばかりですけどもねこれ。
ともあれ楽しい赤窓での数日間でしたわ、いや本当に
元より時間切れ大前提で動いていたわたくし衰狼お嬢様
悔いは一つもありませんことよ!!
墓下行っても立場変わるだけで今生の別れじゃないですしね。

匿名で言った通り、ラサルハグの研修はスサーッと飛ばしますので
お二人は他の方の研修やお出迎えに集中なさってよくってよ。
したいと言うのであれば止めはしませんが。
ともあれ後の事はお二人にお任せ致しますわね!!kiss…

/*

なんか全然当初想像してたお別れムードとは違くて
不謹慎ながら面白くなってしまいますわね。
このまま送別会でもしそうな勢いですわ

/*
送別会しますわよ!!!!ねっグラトニー!!
やだやだやだスロウスあああああああ
(おしまいの顔)

/*

研修の用意をなさって♥

/*
はい………………………………

/*

そうですわよ!狼お嬢様の饗宴はまだまだ終わりませんのよ!

/*
…………

……そうですわよね?そうですわよね!?
分かりましたわやりますわよわたくし!!!エンヴィーとグラトニーとスロウスと爺やの暗躍は終わりませんわ!!!やってやりますわよ!!!!!!!!!!(てのひらくるくる)