人狼物語 三日月国


230 【完全RP/R18G】アダムとイヴにさよなら

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【人】 蕃神 雷恩

― 桜花と ―

 俺の場合と、桜花の場合はきっと違うよ。
 ――何度も、何度も困らせても
 許してもらえる信頼関係が、きっと。

 桜花と羅生の間には、あったのだね。

[それを羨ましいとは思わない。もう、
そういった感情は持たないようにしなければならないと
自分は決めてしまったから。

桜花と羅生の間に何があったかは知らないが
こうして、己と会話している君を見れば
何となく、根拠はないが。
それでも君は彼に愛されている。と実感するのである。

誰からも愛される君が
己とともにあることは、心地よかったのだと知れたのは
とても良いことであった。己に、とって。]
(10) 2023/11/27(Mon) 20:38:23

【人】 蕃神 雷恩

 そうか。だとしたら
 ――嬉しいよ。

[うれしいよ。君がそう思ってくれることが。

手の甲を撫でる君の親指は、大きさは同じくらいなのに
己のものより細く嫋やかだ。
咲かす者の手だ。愛を知る、手だ。
それでも、嘗て

――羅生が彼を手で撫でているのを遠目から見たとき
嬉しそうにしていた、君の幼いころの手。

 ふくよかで、色白で。柔らかそうな。
 触れたら壊れてしまいそうなほど、きれいな
 「紅葉」のようだと思ったのを、覚えている。]
(11) 2023/11/27(Mon) 20:38:44

【人】 蕃神 雷恩

[彼の話を聞く。
少しばかり疑問に思ったことはあったが。それはさておいて。
彼の話が、途切れるまでは口を挟まず。
そして、途切れた時に――開く。
言葉で、考えを伝えよう。君に。]
(12) 2023/11/27(Mon) 20:39:09

【人】 蕃神 雷恩

 羅生が桜花をあきらめる、か。 
 青天の霹靂にしか思えないが。

 ……大丈夫、と君は言うが。
 本当にそれでいいのか?桜花。


[ゆっくり、言葉を選んでいた君は
多分悩み、自分で自分を納得させようとした
或いは、させたのだろうことは理解したけれど。]


 きっと、羅生は桜花の親だから。
 どんなことがあっても、君を見捨てやしないよ。

 余計な世話かも、しれないが。
 多少強引に。こうあって欲しいと願うのも。
 悪くはないとは、思うぞ。
(13) 2023/11/27(Mon) 20:39:32

【人】 蕃神 雷恩

 少なくとも――俺は、メディウムがここから出ると死ぬ。
 とかでない限りは、根差せる最高の場所を
 見つけるために連れまわす、つもりだから。


[ここに残るというよりも。どうせならと、
彼女を楽園から、連れ出す気満々だったのは、余談である。*]
(14) 2023/11/27(Mon) 20:39:47






──その夜浴びた雫は、
──みどりいろをしていた。




 

【人】 蕃神 雷恩

――きっと。
  今、だから。言えたんだと思う。

[愛されながら育った君。
考え、悩んで、お互い成長して。

     漸く、俺は枝葉を伸ばせる。>>15]
(49) 2023/11/28(Tue) 21:21:51

【人】 蕃神 雷恩

 ……。
 確かに、そうだ。
 彼らAIは新人類がこの世界に適合して
 大地を再生させるために存在している。

 ―――と、定義されて旧人類の研究者に造られた。

 だからといって、彼らは与えられたプログラムや
 ルーティンだけを用いて過ごすだけでは、ないだろう。

 自身の「考え」は、前提としている条件はあるだろうが
 持つものだと、思う。

 そうでなければ。羅生が己と疎遠となることもなかったろう。
 不適合と認識した、それでも基準値はきっと満たしていた
 だからこそ、その矛盾にエラーを起こした。
 その結果の行動が、己から距離をとることだった。
 と、俺は思索し、分析している。


 それは、ある意味では「役割の放棄」だ。
 ――なあ、桜花は、この事実をどう思う?

[言語化するのは難しい、けれど。
役割以外を求めることを酷と考える気持ちも理解しているけれど。
羅生を例に挙げれば。このような行動をとることもあるのだと暗に。]
(50) 2023/11/28(Tue) 21:22:08

【人】 蕃神 雷恩

 それにな。
 直青と話を、したのだけれど。

 きっと。俺たちが不適格でも。
 直青は見捨てやしないよ。

 ――俺は、そう、思った。

[扱いは変化するだろうけれど。それでも
若しかしたら。枠からはみ出ることで俺たちは
彼らと新たな関係を作ることだってできるかもしれないな。

と、言い添えよう。
それでも、君の気持ちは痛いほどわかるから。]
(51) 2023/11/28(Tue) 21:22:22

【人】 蕃神 雷恩

 でも、なるべくなら。
 ――彼らが望むこと、叶えてあげたいなぁとは思っている。
 今迄与えられた分を、返したいと。

 「嬉しかった」から。

 それは、お前に貰ったものも含まれてるよ。
 だから結構、ではなく

 とても、好きだよ。俺の弟。
(52) 2023/11/28(Tue) 21:22:40

【人】 蕃神 雷恩

 ――だから。俺は、いずれ来る終わりまで。
   できることなら
   桜花や直青らと一緒にいたいと思うよ。



   それにさ、「今」変化は難しくても
   未来は誰にもわからない。

   安直、浅慮かもしれないが
   俺たちだって成長できたんだ。

   彼らだって、変化することはあるんじゃないかな。


   それとは別に、我儘を言うのは子供の特権だから。
   かなわずとも、思いを告げることは
   大事なことだと思う。お互いにね。*
(53) 2023/11/28(Tue) 21:22:51
ー 後日談・雷恩 ー


[僕らが彼と果実を食べて、数日後くらいの事だっただろうか。あれから、植物として幾度か交わりはしたけれど……「人間」の方は、未だ触れてはいなかった。

まず「人間」部分への興味があるかどうかなんて分からなかったのだが、あの出来事が起こる前から僕らの「人間」部分はそちらへの欲求が強まってしまっていた。
はしたないと思いつつも。
]


…………えっとさ、雷恩。今日は、その…………「人間」の方に、触れて、ほしい、かな……
……興味があれば、だけど。



[そっと彼の手を自分の胸元に触れさせて、言ってみる。……これだけでは反応しないだろうか、と思い指を一本食んでみる。樹木に近い香りがするそれにそっと舌を這わせた。

(あら大胆。どこで覚えたの?)
……うるさいな。


ちらりと、雷恩の顔を見てみる。]*

[くちづける、首筋に花を散らした。
暴く無遠慮さで、命綱を断ち切る。書き換える。


 ──お前の、最後の砦なんか、粉砕してやりたい。


溺れさせたい。──背徳だ。

着衣のままに、最低限だけを剥ぎ取った。
最早その為にしか存在し得ない器官を指で圧し拡げ、本来ならば必要のない、潤滑液の分泌を促す。性急に、宛てがう。

貫く。]


 ────っ、は……


[ゆるさなくていい。
何もかも、ゆるさなくていいから。]

*


[

非道じゃないですか、それ。

近くなる距離には安堵する。縋りつくと赤く染まる視界がある。まだ理性が残ってるみたい。首に散らされていく花弁を欲しがりながら、どれも片隅でぼんやり眺めてる僕がいた。

乱暴なひとだな。それが『本質』ですか?
あなたとの二人の子供にする様に、慈しみ見守ってはくれないの? 遠くで咲くのがそんな駄目?

僕の間違いを、あなたが正解にした。けどそれは俺の正解になり得るのかな? 正しくある事が僕の最重要事項だったのに、あなたは見捨てたんだ。愛し子を育て上げるための糧として、利用されて、雷恩と桜花は認められたというならそれで良いじゃない、すべては『父』の仰せの通りに。


──でもどうしてか穴が空く。
かなしい

あなたが、俺を見捨てるから

]


 ッ、い゙、──……あ……っ…………!


 
 


[貫かれた質量分の水が眼球から溢れ零れる。充ちてく。君の開けた空白の代わりが埋められていく。

いやだな、抗議を、してやりたいのに、全部溶けちゃう。沸き上がってくる強い衝動。

その青い硝子の石を、引き千切ってやりたかった、そしたら後を追ってあげるのに


 
ねぇ『愛してる』を刻んでよ 
]* 



[泣き虫。などという言葉の存在を想起する。
直青にも涙腺に酷似した回路は備わっていたが、専ら眼球の洗浄にしか使用されていない。そのみどりに舌を這わせた。

羅生の抱く思想を、信念を、直青が共有することはない。そのように創られている。脆弱性になり得るものは予め排除されており、その代わりと外部装置としてそれらを持つ。故に直青はAIたち彼等へ真の意味では寄り添わないし、寄り添えない。

羅生はそのひとつだ。
ひとつに過ぎない、筈だった。]

 ッ、く。ぁ────……

[
煽られる
、その感覚が何処から来るものなのかわからない。否、識っていた。error──但し、必然の。

"内臓"を抉る。非効率の痛みを、空白の代用とする。直青は廃熱作業が苦手だった。

 どうしたって浮かぶお前の顔に、
 終わりを重ねるのが苦痛だからだ。

 それでも手を伸ばしてしまうからだ。

何故、離れたがる。
──そう、問うてしまうからだった。]

*




 …………ッ、おまえが、先に俺を捨てた、……っ



[皮膚を重ねると伝わってくる。否応なしに暴かれるのは、いつも自分ばかりだった。なのに今更。今更なんなんだよおまえは。傷つく度に種を埋められて、


直青君が俺を咎めないからでしょう
なのに俺の一番大事なものを否定した



神さま。嫌だ、見捨てられたくなんてなかった



存在インプットはしてる──でも知りはしない“Not installed”

理解は出来るje comprends──だけど実感がないpersonne n'existe



桜花
──大丈夫。散花絶望すらめぐる季節のひとつだ

雷恩
──いつか。それは君のために咲かせる『


『君』はきっと世界中を愛せる。
どうかこの世界を幸せにしてあげて下さい。


[
なけなしの自我だったよ
さようなら
。]

 



 っ隙間、うめたい、ぜんぶ

 直、青、くん……ッ、



[内側が勝手に震えて、神経回路が灼きつきそう。

 気持ちが、いい。


失われてく水分をその唇から奪い取りたい。
渦巻いてる、苦い甘さを吐き出したいのに

 これはなんていえばいい?


罰ゲームの様な身体機能。『快楽』さえ知らなければ人類は堕落をしなかったんじゃないかな。欲望を載せられ見合う誘惑を撒き散らすなんてなんて惨たらしい世界なんだろう。


 全部、おしえてよ、口にして、


僕はおまえのために生きるんだから

君も俺のために、生きるよね?]*

 



[


────嗚呼。

壊してしまったJésus






神よ。

俺は簒奪者だDonne-le-moi





]

[
それは歓喜でもあった
ようこそ
]



 埋めてやる、から──、っ

 ……ああ、気持ちがいい……、──……!


[打ち合わせる腰の不規則なリズム。
制御を手放して身を任せるのは、快楽というパルス。

縋る"内臓"に廃熱を促される。
逆らわずに放ち、けれど止まりはしなかった。]


 ────これが何か?

 
(罪のかたちだ)


 或いは、救済だ、と、

 (俺は信じている)
 (信じたいんだ、羅生)



[あげるよ。抱き竦めた耳許に吐息で応える。
だから、羅生。]






 俺の為に、生きてくれ。





**

― 後日談 ―

[己は、新人類としては植物の割合のほうが多い。
人の部分は感情方面に関しては未熟であり
肉体の成熟度は青年といって差し支えはなかったが
殊更、欲求というものに関しては覚えたことがなかった。

――所謂生殖行動の教育に関しても
桜花は手取り足取りだったらしいが自分は放置だ。
いや、教科書1つだったといっていい。
知識は知っている。だがそれが必要になるかどうかは理解していなかった。

なので。彼女の行動に関して最初に思ったことは。

胸より二の腕のほうが柔らかいのだな。という
単に機能評価のこと。
あと、植物をあまり感じられないのは脂肪分がおおいからだろうか。

次に、思ったのは。


――あ。]

[己の指を、食む姿。
たどたどしく、要求を告げて誘う娘に対して。

愛でたいという思いと
もっと求められる姿が見たいという相反する感情を抱いた。]

 ただ、俺はどのように触れればよいのかわからないから。
 君が、教えてくれないか。今度は。

 どうすれば、「メディウム」はもっと
 人としての部分も、花開く?


[食まれた指で、頬肉を内側から緩くなぞる。

 くちゅり、  と。

分泌しかき混ぜられた唾液の音が彼女の鼓膜を震わせるだろう。
そのまま歯列を指腹で撫でつつ、名を再び呼んで促しを。

教科書通りにしたら良いのだと、理解している。
だが、それでは彼女から求める姿はあまり見られないだろう。
それは、あまりよろしくない。

君が恥じらいながらももっと俺を求めるのを。
――もっと依存させるにはどうすればよいのか。

小さく笑みを浮かべながら、彼女の羞恥を煽りながらも

内心は。常に思索を巡らせる。*]

【人】 蕃神 雷恩

― 桜花と ―

[桜花が、感心したように。
感嘆したように、紡ぐ。]

 ――すごくは、ないよ。
 でも、変化するのは俺たちだけじゃないと

 今、桜花は知った。
 なら、桜花だって世界が開けて
 変わるものも、あるんじゃないかな。

[彼も、また。
己の考えを聞いてどう変わっていくのか。
君の沈黙と、零れた言葉とを耳にしながら
俺は君を見ている。

――人の父親、については己も知らないけれど。]
(103) 2023/11/29(Wed) 19:06:33

【人】 蕃神 雷恩

 そうだな。父親は。
 俺たちにとっては直青たちで。

 きっと、どんな理想の親があったとしても
 俺たちの父親は、彼らだけだ。

 ……まあ、群鷺は、そうだな。

[その時君に、誰の顔がよぎったのかはしらねども。
それでも君は、考えることを知った。
諦めないことを、知った。

それだけでも、きっと君は、変わった。]
(104) 2023/11/29(Wed) 19:06:44

【人】 蕃神 雷恩

 ずるくない。
 ……ずっと胸の中にあって

 言葉にようやくできた、だけだ。

 だから。伝えたかった。
 一番最初に、片割れに。

[だから教えた。と
くっくと喉を鳴らして。]
(105) 2023/11/29(Wed) 19:06:55

【人】 蕃神 雷恩

[座り込んで、顔を膝で隠す君は
迷子の子供が、漸く導を見つけて安堵するかのよう。
おにいちゃん、はそれを見守りながら。
じっと君の言葉を、きいている。]


 それは、俺のほうが先に造られたからな。
 
 ――なら、
 もう少し、探してみよう。
 皆が一番きれいに咲ける場所。
 まだ、俺たちは成長しきるまで時間が必要だもの。

 何時かの時に
 寂しさと、感謝で別れられるように。


[まだ、必要なのだと心が叫んでいるのなら。
いつか来る終わりが避けられないとしても。

子供の特権、利用してしまおうか。と
君の耳元でささやいて、小さく笑った。*]
(106) 2023/11/29(Wed) 19:07:09
[

見上げた顔は、いつも通りの無表情で。ただ内側に「何か」を生じさせられはしないだろうかと、舌で指をゆっくりと、舐る。]



…………ん、う…………!?


[突如動かされた指に口内をなぞられた、それだけなのに甘く痺れてしまう。もう少し、触ってほしかったけど、応えるために指を口から抜く。]


お、教えて、ほしい、って言われても……僕だって、詳しく、無いよ……?
(私?こう見えても種子を得られなかった胚よ?つまり……処女なのよ?)



と、とりあえず……僕らの部屋、来て……


[植物同士で交わる場合、大抵は人気のない屋外で行う事が多かった。土があり、陽の当たる場所を好む彼に合わせてそうしていた。傍目から見ても何をしているか、なんて分からないし。……けれど、「人間」同士はそうもいかない。袖を引いて自室まで案内する。]

ー メディウムの自室にて ー


[生活用品が最低限と、並んだ本棚。そしてベッド横に常備された水差しと薬品。そんな殺風景な部屋へと案内する。]


……とりあえず、ベッドの上、座って……


[僕は何をしているんだろう。いや、理解はしている。「人間同士の交合」をしようとしているのだ。……正直に言おう、めちゃくちゃ恥ずかしい。

ベッドの上に座って向き合う。年代物ではあるけど、丈夫なこれは2人分の体重を難なく受け止めた。]


……えっと、人間同士、でするときは、服を脱がなきゃ、いけなくって…………

…………僕が脱いだ姿、見せなきゃ駄目、かな…………?一応言うけど、すっごく気持ち悪いよ。


[学術的な本だけではなく、俗世の様子が書かれた本もいくつか読んでいる。だいぶ前に読んだそれを思い出しながら、気がつく。一般的には素肌を晒し合わなくてはならない、らしいが。……己の素肌は、色素の薄さも相まって葉脈がびっしりと張り巡らされているのが透けて見えるのである。女体としてはかなり貧相な自身の身体の事もあり、脱ぐのはためらった。]*

[君の舌は己を求めるように這わされる。
ゆっくり、味わうようにか。嬲るようにか。

それとも、形を確かめるようにか。
――情欲を、燈すようにか。

   

ああ、愛い子だね。]

[君の中を、探るように。確かめるようにしていた指は
君の分泌物に濡らされたまま外気に排出される。

彼女の拙くも直球めいた誘いから推察はしていたが
メディウム自身も生殖行為に関しては
あまり詳しくはない、ようだ。
自分がリードする、と見栄を張らない当たり
動揺しているようすが具にわかり面白い。


ふむ、と思案しながら、
君に導かれるまま自室へと案内されようか。
袖を引く手は白く、細く。

彼女の手から上。
ゆったりした服に隠された肌の下で脈打つ葉脈。
一体どんな美しさを孕んでいるのだろうか。

植物同士で交わる際には、ただ絡んだ根と、
彼女の中の「貴女」とが
視覚ではなく触覚で愛を交わしあったものだから。
実際、じっくり観察するというのは初めてのことに思う。]

[彼女の部屋は、自分の部屋よりもまだものがある。
人に近しければ自己が保有する物は増えていくのだろうか。
という感想は胸の内に留めておいた。


ところで。
保健体育の教科書(直青監修)によると、人間同士の生殖行動は
まずは互いの肌に触れあう行為をするのだという。
それにより肌の相性を確かめ合うのだとか。

促しに応じてベッドに座って向き合えば
1つ、また1つと重みが加わる際に軋むスプリングの音。

――どうも、肌を見せ合うことを
メディウムは疎んでいるようだ。と気づく。
保健体育の教科書、しょっぱなから躓いているのだが直青。
どうするんだ。と内心考えつつ、口を開いた。]

 見せたくなければ見せなくて構わないよ。
 ただ。俺は――

 君と交わる中で君の中の「貴女」も愛でたくはある。
 君は疎むかもしれないが。貴女を孕んだ君は美しい。


[もともと植物に近い己に容姿を卑下する彼女の思考は
あまりトレースできてはいないのだが。
彼女の意思を無碍にすることはない。
嫌なら、それ以外で君を見せてもらおうか。
君の手に、己の手を添えて続きを促そう。


服を脱がなというのなら、どう君が動くのか。
興味は尽きない。ああ、これが「
楽しい
」というものか。*]




…………そう言われると、困るんだけど。


[つまりは、見たいという事だろうか。
(私は見られたいわ)


気乗りはしないけれど、興味があるようなら。

とりあえず上半身だけ衣服を脱ぐ。胸部の膨らみがそれほどない自分は、検査の時に煩わしくないというのもあって上の下着は身につけていない。

露わになった素肌から、血管に沿って張り巡らされた葉脈が見える。]


…………ね、気持ち悪いでしょ?


[自虐するように言ってしまう。この次はどうしたらいいんだろう。]


えっと、

きみも脱いでよ。

あと……最初、は。キス、から?かな……唇をくっつけるだけじゃないやつ……って、分かる?


[続きを促すことに、した。]*

[見惚れた。

白い肌に浮かんだものは、血管のような走行を見せている
薄っすら彩るライトグリーンの葉脈が美しい。

思わず手を伸ばす。
胸より上。鎖骨より、下。手を置いて、
そのまま葉脈を肌の上からなぞる。

吐息とともに。綺麗だ。とうっとりとした声音で。
彼女の自虐も意に返さずに。


――と。
しばし堪能していたかったのだが
彼女の言葉に我に返った。
「一応」彼女に教えてもらうということになっているのだ。

躊躇わず上の服を脱ぐ。こちらはというと普通の人の肌をしている。
根を張る時には蠢き、生えてくるのだけれど。

わかるか?と尋ねられて
「知識としては理解している」けれど――]

 経験はないな。
 だから、教えてくれるよね。メディウム。

[囁いて、君の唇に己の者を重ねよう。
舌先で重なった部分のスキマをノックして、
彼女が絡ませようとしたところを吸って、
交わらせてしまおうとして。

――教えてもらう、という建前だから。

 こうだろうか、

と息継ぎの合間にでも無知の振りでもしてしまおう。
実践は初めてなのだ。嘘はついていない、嘘は。*]



……んっ……ぅ……


[僕の自虐なんて意にも介さず、甘く伝えられる言葉と、触れる手と。性感帯でもないはずの場所なのに、触れられているだけで気持ちいい、だなんて。]


…………
(ああ、美しい。)



[晒された彼の素肌を、直視ができなくって少しだけ目を逸らす。均整の取れた、男性らしい身体付き。健康的な褐色の肌色も相まってそれはとても、
艶かしくて。
]




教えられるような知識は、ないよ……


[とことわりつつ、まずはキスから。重ねられた唇の隙間から、舌を絡ませようとして……引っ込められてしまった。]


……狡い、よ……


[つまり、これは僕らの方から絡ませろと。そういう意図なのだろう。自然に出来そうだったじゃん、と文句の一つでも言いたくなったが。興が削げてしまわれてはたまらないのでこちらから彼の口内へと舌を差し入れた。拙く、絡ませる。
その気になってくれるように。性急にならないように気をつけながら。
]*

[彼女が、己の裸体にどのような感情を抱いたかはわからない。
が、感触が悪くなさそうなのは
手に触れた肌から感じる脈打つ血潮――或いは、葉脈の疼きか。
それが、教えてくれる。

こんなにも、君は君の興奮を、歓びを
教えてくれているというのに

視線は逸らすんだね。




初心で、可愛らしいことだ。
]

 ――ずるい?
          

        どうして。


[君の方から求めてよ。と
言葉にせずに、態度で示す。
これは確か、駆け引きというのだったっけ。

使いすぎは厳禁だけれど、
普段はつんとしたり、不器用に甘えてくる君が能動的に望んだことなれば。
彼女が積極性を「魅」せてくれるなら、

その限界を今。試すのも悪くない。]

 ん。
    
ふ、―― 、っ。



[呼気を絡めとる。
己の吐息と交じり合わせ、君の肺腑に注ぎ込む。
中から、染め上げて、撫であげて
酸素を運ぶ細胞1つ1つを俺で満たしてあげようか。

なんて、口にはださないけれど。

拙く絡んだ舌を、引きずりだした君の慾を
煽る様に水音を奏でながら、君の味蕾を舌先で嬲る。

指を食んだ際に、美味しそうな様子だった君
俺の舌は、唾液はどんな味がする?

頬肉を嬲り、歯列をなぞり。エナメル質を蹂躙すれば
酸欠になる前に一旦合わせた口を離す。

その際に腕を君の腰に回して抱き寄せて
己の膝の上に、跨らせるようにして尋ねよう]

 次はどう、
したい? 
 可愛い君。


[背を指で撫であげながら囁く声を届けよう。


先程まで君を愛していた舌で、己の下唇を一度舐め。*]


…………ぜんぶ。

[答えになっていない答えを返す。求めてよ、なんて。ひどすぎるよ。
ありったけを注がれても足りないくらいずっと求めているのに。



ゆるりと、彼の口内にあった舌がこちらへ侵入してくる。意識が、確実に、塗りつぶされていく。呼吸を忘れてしまうくらいじっくりと口内を蹂躙されて。]


ーー……は、ぁ、



[やっと解放された時には、もうすっかり力が入らなくなっていた。抱き寄せられた身体が、熱い。]

[背中を優しく撫でる手にすら、反応してしまう。首から背骨にかけての部分は、一体化した葉脈が色濃く見える場所の一つだった。]


…………すきなところ、触ったり、舐めたり、して、いいよ…………



[息も絶え絶えに、伝える。]*

[それはこたえじゃない、などと野暮は言わない。
言いたいこと、伝えたいこと。感情は全部伝わっている。
君が、「貴女」が教えてくれている。


 嬉しい。でももっと欲しい。
 ――欲張りにさせたのは君たちだから。
 責任だってきっと、とってくれるよね?


熱くなった体。肌の下の「貴女」も熱くなっている?
教えてよ。

――今は直接、交われないから。薄皮1枚隔てながら。

色濃く脈打つ背より見える君を撫で。]

 そう、好きなところを――……


[手は、撫でる。
掌を肌に押し付け、君の肌を葉脈に沿って。

唇は、触れる。
首筋を、葉脈に沿って鎖骨下まで甘く食みながら。

それでも「女」の部分には触れない。
自分の好きなところを、触って良いというのだから。
知らぬ部分を「好き」かどうかは判断できない。

彼女の躰の熱が全身を巡り、
下腹部に集まっても。
女の部分が濡れて求めていたとしても。


脈打つ植物と、君の肌の熱が感じられる幽明のコントラストを
ただ、執拗に愛でて。]

 君の肌は、あたたかいね。


[囁きも、皮膚に近づけてのものだから。
それすら刺激になるのだろうか。


きざしを君から告げることを待っているのは。
己の男の部分を求めていることを君の口から聞くまでは


言って、あげない`*]

[僕も
(私も)
全身が熱くって、おかしくなってしまいそうなのに。気がついてるの、かな。僕のことも
(私のことも)
ひっくるめて「メディウム」として、愛してくれているの、だろうか。

知らないふりをしながら、彼は的確に僕らを昂めていく。]


…………ぁ、あ、
は、う…………

[葉脈伝いに撫でる手も、甘噛みされる首筋も。囁かれる声も。全てがとても甘美でしかない。だけど、]


こ、ここ、も。触って……?


[今の今まで避けられていた、とくに目立つ性感帯……胸の中心の方へ、彼の手を導いた。]*

[触ってほしい箇所を、君が求める。

胸元から全身に、君を彩るアラベスク。
先端まで絡み、濃い陰影を映す葉脈へと、
指先を伸ばし――かけ。導かれる場所は違うと理解する。

肌に透ける葉脈よりも、彼女はこちらの方が良いのだろうか。

触れる。指の胎で、最初は押すだけだったものが
次第にぐりぐりとえぐる様に。
或いは摘まんで柔くひっぱったりして
その都度の反応を見る。見やる。
そして思索する。

其処、に触れれば葉脈が脈打つ。
身もだえれば、肌は桃に、そして緑に染まる。
――ああ、その姿が美しい。
]


 なるほど、これが。


[肌に触れて、快楽を拾うということか。
教科書だけではわからないことだな。と独りごち。

君が望むならと執拗に、導かれた個所を捏ねれば、
それは色を変えながら芯を持ち
指が伝える弾力の変化を知る。]

 ――なるほど。


[自身の人としての生殖器は未だ兆すさまは見せないが。
彼女の痴態を、それによって葉脈が脈打つ様を見るのは。

良いものである。と知った。*]

[透ける葉脈を皮膚越しに触れられる事すら、己を昂らせるには十分ではあったけど。もっと強いものが欲しくなって、直接性感帯へと触れてもらう。]


あ、ぅ……あっ…………ん……!
(は、ぁ…………)



[自分で触れた時とは、比べ物にならない快楽を与えられて。そこだけでも達してしまいそうになる、けれど。……まだ気をやってはいけない。]


…………ぅ、ふっ………ね、ねぇ……こ、こっちも……下、脱がせて。

……ここ、も、触って……
もっともっと、頂戴。



[上は自分で脱いでしまったが、本来は脱がせてもらう、が作法だったはずと。下の衣服をすべて脱がしてもらう事を請う。既に受け入れようとしている、己が生殖器のある場所を指し示して、嘆願する。

今は気がつけていないけれど、彼の、それに、兆す兆候がない事を知ったなら。僕は僕だけが求めている事を、恥じるだろう。
]*

[皮膚越しでは、「貴女」は悦んでいても
「君」は満足しないのか。

漏れる悩ましげな嬌声と、潤む瞳。
それだけでは足りぬと告げる唇の動き。

――なるほど。これが君の人、の部分の成熟か。

交わらせるのは植物の方ばかりだったからこそ
その痴態とともに強請られる懇願に
了承と言葉にする代わりに、君の下履きに手をかけた

濡れたりしていれば、どうしてかと尋ねるだろう
君にも己の樹木形態と同じように体液を分泌できたのかと
(何せ、愛液に関しては教科書になかったものだから!)

下肢の衣服を取り払い、会陰やらが露になった君は
更に葉脈を浮きだたせている。
全身のその文様を堪能できるのはとても良い。

植物のほうが騒めいて、枝葉を思わず絡ませそうになって
―――だめだ、今日は人間の方という願いだった。
と、我慢して引っ込めた。]

 触る、といっても
 もしかしたら違和感があるかもしれないよ。

[痛みは、「貴女」に干渉しながらならば抑えられるかもしれないが
どうしても触れれば不思議な感じや
中に侵入でもすれば異物感を感じるだろう。

それでもいいかと一応の了承を求めた後
濡れた花弁へ指を這わず。

水音と、絡まる粘液にもにた雫たち。
それらを伸ばしたり、潤む場所に刷り込んだりしながら
時には固くした秘豆に指で戯れながら
これが女性体の生理現象か。と内心で感じていた。


同時に、耐えるのに苦労している。
思いっきり根を絡ませたい。この美しい蔦模様に沿って。

君の肢体は、己の琴線に響いてやまない。*]



…………「人間」の「雌」は、そういうもの、なの。
(もう。貴方ったら。)



[下を脱がされ、露わになった女性器を見るなり尋ねられる。……そんなこと言わせないでよ、恥ずかしいんだから。向こうの性教育は一体どうなっているんだろうか。本当に最低限しか教えられていないのだとしても、彼は僕らを翻弄するのが上手すぎる。]


…………大丈夫、だから、
はやく、



ーー……あッ、ーーーーーッ!



[そこ、に。女の部分に、触れられた。異物感は少しあれども、丁寧に這う感触はずっと待ち望んでいたもので。中へ、外へ、与えられる悦楽は確かに僕らの意識をさらに遠くへ塗りつぶしていく。

己のものとは思えない、高く媚びる様な声と。力が入らず委ねるだけの身体と。これからまだ先があるというのに、耐えられるか分からない。
そんな風に思うのに、もっと、求めたくなる。
]


(植物の方は、私を求めてくれているのね……でも、人間の方は。……まだ火が付きそうにないのかしら?)



[内なる声に、ハッとなる。そうか、この先へ行くには。彼の「人間」も昂らせなくてはいけない訳で、

ちらりと、目線をやったそこは、何の兆しもない様に、見える。その事実に、僕は悲しくなってしまう。
こんなに、こんなに、求めているのは、きっと、僕の方だけ。
]


…………ふ、……えっと、「人間」の「生殖器」の方、なにも反応、しない…………?
駄目なのかな、僕じゃ。



[悲しそうにしおれる様子は、向こうにも伝わっているだろう。]*

[乱れ、昂る様は美しい。
さぞ、気持ち良いのだろう―――

    うぞり、と己の中の枝葉が興奮するのがわかる。
    それを抑えれば自然――賢者のような心地になる。
    の、繰り返しが脳内で繰り広げられていた。

それを隠しながら君を愛撫していたのだけれど。
どうやら気づかれてしまったようだ。
少しばかり、罪悪感というやつなのだろうか。
しゅんとする様子に抱いた感情の名前は。

――少し逡巡し。]

 
 「人間」のほうを求めてくれているのはわかるんだ。
 今日は其方がいいと言っていたから。


 正直。今の君なら勃起できる。と、思われる。
 葉脈が美しい肢体には興奮したし。

 
ただ、歓喜しすぎて……。



[つまり。興奮してしまったら連動して
枝葉が茂っちゃう。と言外に。

人、に拘るならそれだけを反応させるのは難しい。
と、新人類はとうとう理由を吐いたのであった。*]



[告げられた言葉に、きょとんとする。形を保てない、とは。予想外の理由であったけれども。]


…………え?それ、だけ?
僕で、僕らで、ちゃんと、…………できそう、なら。それくらい気にしないよ。
(そのくらいなら大丈夫よ、受け入れられるわ。……私たちは、「環境」で「媒体」で「培地」だから。枝葉ごと、愛してあげられる。)



[元よりこの身は一種の「苗床」である。植物を受け入れることなぞ容易いと、思われる。姿が崩れてしまおうが、彼が愛おしいひとである事に変わりはないのだから。]


必要、なら、手伝いは、するから……

……だから、
(だからね、)

遠慮しないで、来て……



[求める身体の熱はまだまだ消えそうにない。一方的ではなく、相互で愛し合えるように。そっと彼の首筋に歯を立てた。]*

[「人間」の部分を求めているのに
 それ以外が出てしまっては本末転倒で。

 君のニーズを満たせない。
 ――なのであまり言いたくなかったのだが。
 
 ……何故か反応は至極あっさりと
 あまり気にしてないような感じであった。解せぬ。

 耐えた自分が何とも、間が抜けているような心地ではあるが
 良いというのなら遠慮はすまい


 歯をたてる娘を抱きしめたのは――]

[枝葉の、腕。

顔の形もすでに保てず、木々が生い茂る。
彼女に触れるであろう熱は、肉の感触はあるだろうけれど
葉脈が脈打つように形を主張する。

皮一枚隔てているから怪我はすまいが
大きさ的に大丈夫なのだろうか


 ――逡巡


秘所から指を引き抜き
濡れた会陰の入り口に先端を擦り付け]


 痛いのなら、途中でやめるから
 ちゃんというんだよ。


[そうでないと、それこそ興奮して
聞く耳もてないかもしれないから。

――囁き、自重を落とすよう促そう。*]

【人】 蕃神 雷恩

[彼女と、直青との間に穏やかな時が流れている。
会話を挟むこともせず。俺は2人と、羅生との様子を見ていた。

直青が、メディウムとの関係性が良いのはよいことだ。
本の貸し借り、というのも
知識の交換という点に関して、素晴らしい。


―― ……それを素直に微笑ましく思えないのは
     その場に羅生の存在が、あったからだ。


己は、彼にとっては失敗作である。
自然、表情は硬くなってしまう。
まるで感情を表出することを苦手とした頃のように。

ただ、メディウムに話しかけられた際には>>127]

 そうだな。なら
 葉脈について詳しく乗っているものが……。

[とうっかり性癖をちらりさせてしまったがそれはともかく。]
(128) 2023/11/30(Thu) 18:09:23

【人】 蕃神 雷恩

[自分を、桜花を見守ってくれている直青が
羅生と近しく、寄り添っているのを見る。


――きっと、俺は羅生を受け入れられない。
  受け入れて、互いに傷つくのが嫌だ。

  桜花と違い、距離は詰まらないことだろう。


  それでも、直青や桜花が幸せならば。]


 ――よかったね。


[それは、誰に言った言葉なのか。
向けられたあなた”たち”だけが知っていればいい。*]
(129) 2023/11/30(Thu) 18:09:32


…………う、うん。


[承諾し、伸びてきたのは生い茂った腕で。……これを、堪えていたという事だろうか。苦しくは、なかっただろうか。
こちらこそ、彼を満足させるに足るだろうか。
]


大丈夫、だと、思うけど……ちゃんと、言うね。
(……優しく、お願いするわね。)



[あてがわれたそれの大きさに、少しだけ身体がすくんでしまったけど。…………受け入れるために、力をできるだけ抜いた。]*

 俺もなるべく、善処するよ。

[優しく、は守れないかもしれないが。

――力を抜いたのが、わかる。
腕の中の彼女を枝葉の腕で閉じ込めながら


一息に、奥まで貫いた。]

[みち、と肉の割り開かれるおと。
何かを破る感覚。抉る感触。
人間の方の肉体の興奮と、葉脈に肌越しに触れた植物の歓喜が
シンクロするように、熱をともしている。

ゆっくりとは、していても。
硬く、熱く、痛かろう。

奥まで突いて、
一度ゆっくり抜くしぐさを見せながらも
また、突いて。

水音に植物の、そして鉄錆の香が混じる室内で
旧人類の本に描かれていた
まるで乙女を食い散らかす魔物のような1体と1人。

本能のままにはしていないけれど。

優しくは、守れないかもしれない*]

【人】 蕃神 雷恩

[ある日散歩をしていたら、緋雁に出会った。
花咲く温室への道……で出会った。

俺は散歩のつもりであったが
どうやら彼女は道案内のつもりだったようである>>118

一時的に離れたがっていたようなので
己は彼女を見送って――


彼女と相対していた緋雁が、こちらを向く>>135
問いかけにじっと、彼を見返して。]


 俺にとっては、「人間」としての部分を
 成長させていく存在だ。

 ――きっと、これは必要なことだ。


[新人類にとって。或いは、桜花にとって。]
(136) 2023/11/30(Thu) 19:55:16

【人】 蕃神 雷恩

[君と話す前に。桜花と話を、した。
その際に自身を卑下する発言が聞こえたり、
まだ君らとともにいたいという思いの吐露を聞いた。


直青は見捨てないだろう、けれど。
2人とも新人類としての成長を足踏みしていたら
新しい新人類が生まれ、其方に重圧はかかるだろう

その時、桜花は。弟はどうなるだろう。
それを気に病みはしないか。

なら、俺の成長を見せて
少しだけ心の準備を待ってもらえないだろうか。
何時か、彼が彼の意思で咲ける日まで。
などという、最近名前が漸くつけられた兄心というやつだ。

あと、メディウムはとても葉脈が美しい。大層そそられる。
それらをひっくるめて。なのだけれど。

俺はやっぱり、言葉がまだまだ足りないのだ*]
(137) 2023/11/30(Thu) 19:55:26
[受け入れる準備はできていたとはいえ、初めて、で味わうにはそれは苦しくて。]


ーーーーーッ!!!



[言葉にならない悲鳴をあげてしまった。最大限、気遣ってはくれているんだろうけど。元よりかなり体格差がある身では限度はあるだろう。

だけど、
すごく苦しいのに、
すごく気持ちいい。


花と、樹木と、ヒトが交わる匂いで部屋が満ちていく。植物の交わりではなく、ヒトの交わりでもなく……動物のようだ。片隅に過ったものはすぐに交合の歓喜に飲み込まれてゆく。貪られるだけ、貪られたなら、昇りつめるのはすぐだった。]*

[貪る。


という衝動を初めて知った。]

[悲鳴ごと君の呼気を絡めとり
華奢な肢体を枝葉の腕に閉じ込める

中を熱で抉り、叩き込み
体液なのか、樹液なのか。わからぬもので満たされる。
混じる精の香が、雌の香が
植物同士の交わりでないことを、教えてくれる。


彼女が昂り、頂に至ったのちに
最奥を蹂躙しながら熱を吐き出して

穿ったものはそのままに、唐草模様にもみえる文様を抱く背を
優しく撫でていた。]


 ……これは。良いものだ。


[ぽつ、と零した言葉は、感嘆を孕んでいる。
――ああ、よいものだ。とても、とても*]


…………はぁ…………



[胎内へと注がれたそれに、彼の方も達せたのだと知る。恍惚とした余韻に浸りながら、優しく撫でる手の感触を味わう。]


…………よか、った…………


[彼の呟きへの返答か、自身の感想か。どちらともつかない台詞を吐く。しばらく、そうやって抱き合っていただろう。お互いに体温を分け合いながら。]

[……そのうちに、彼は僕らから繋げた性器を引き抜いただろうけど。]


…………まっ、て…………



[俯きがちに伝える。……我ながら、本当に、恥ずかしいことに。]


…………も、少し、だけ…………したい。



[一度だけでは僕らの方が、足りないと、訴えている。彼の方はもう満足しきってしまっているかもしれないから、情事後の昂った身体も合わせて、いっそう赤くなってしまっていたかもしれない。]


…………雷恩、『種子たね』を、もっと、ちょうだい…………
*

[肉体的には満足した様子だと、思ったが
――まだまだ足りぬときみはいう。

それは植物の本能か
動物の、生物としての本能なのか
或いは、両方なのか


顔を赤らめる君。
つられてか葉脈を彩る薄紅に染まる肌は美しい。

まだまだほしいと君は言うのなら。]


 いいよ、君が望むなら。


[そのまま再び、樹の腕の中。

――狡いのは承知の上だ。自分から欲しがるのではなく
相手から求め違られる。

それが俺の、きっと”エゴ”なんだ
*]



……ありがとう。



[再び腕の中へと収まる。愛おしい熱を全て洩らさず受け止めるために。

『種子』は要らないと、そう思うことにしていた。きっと、一度欲しがってしまったなら、更に求め続けてしまうだろうから。そういう“エゴ”が僕らには根付いていた。きみを知ってしまったから、これからもずっと、僕らはきみを欲するのだろう。

実を結んでも、その後も、ずっと。]

ねぇ、雷恩……僕らのこと、好き?*

[腕の中に閉じ込めて、己の欲望を受け止める君との間
種子が、できたのならば

     
可愛い子  生まれる

一体どんな色の、花が  咲く  のだろう


できるなら。己のように
人の形を最初保てなかった子にならなければいい
君のように美しい葉脈を抱けばいい

何時かこの世界に、自分で居場所を見つけられる子になればいい

と、いうのは気が早すぎるか。]


 ――可愛いよ。君は。


[美しいよ、貴女は。

熱を混じらせ、息を整える唇に顔を近づける
触れるか触れまいか、ぎりぎりのところで。問いかける君に
小さく、笑って。]

[与えられた言葉へ、花を綻ばせる。
睦言もなにも要らないと、強がっていたこころが今ではすっかりと開いていて。

未だに臆病な僕らは、幾度も疑ってしまうかもしれないけれど。


これだけは、嘘偽りのない本心を告げる。]


[──この施設って誰が掃除してるのかな。


仮の部屋主が不在となったこの部屋から一歩外に出て、僕は点々と描かれるピンクの液体を見つける。そしてそれを、追いました。
脳とか胎児とか脳髄だとかを映えさせるためなのかなってくらい清潔なこの場所の扉と扉のあいだは間隔が広くて。ああ、大きな施設なんだなぁなんていまさら気づく。なつかしい記憶のなかの白さと重ねて游ぐ。

床に咲いていた桃色は、大きな硝子扉の中へ続いていった。
ああ、ここは。]











   
─ 『paradis』 ─









 ……リヒトーヴさんの、庭




 『
   しかし、誤った論理を入力されたり、
   命令が翻されることは、決して珍しい話ではありません
   故に、己はあれを裏切りとは見ていない……筈です

   裏切られたと、己は、まだ…… 
                  』



 


[ふと再生される音声は霞みがかりながらも煌めきを発してる。
フローライトからアズライトへのグラデーションを瞼に再生していたら、景色は春の優しげなミントグリーンから真っ青な──
突き刺さる『夏』の庭へと変貌を遂げていた。

むせ返る目映さに目を細めて採光を弱めると、一段気温が下がる場所がある。その一帯から、朝露を思わせるような匂いが満ちてく。]




 …………ああ、── 『蓮』 だ……



[白や桃といった蓮が浮かぶ水面に近づく。

──見事、だね、って口にして。
この池は、汚れても穢れてもいないみたい。


水面を覗き込む。無い片眼に光るライムグリーンの硝子石アンプルが、
夏を反射して網膜を射した。]

 



 
────『 己 と は 何 か ? 』



 


[この硝子石を。
押し込んでも引き千切っても『僕ら』は咲く。
指で、つ、と其れをなぞれば、冷たい。

引っ張って、みる。
──およそ外れそうにはなかった。]



 ……ふふ。

 あは、は、?



[ひとしきり玩んで、かくり、と全身からちからが抜けた。膝を着く衝撃に髪が揺れる。力なく膝に投げ出される指先は爪が、割れていた。
そうなんだ? と、思う。

ああ。僕は僕を なんにも知らないんだ。]

 



 『己に存在意義が与えられている事には、感謝しています
  無駄な思考も事象もひとつもないと、そう在れる事を

  『幸福』と云うのだと俺は、そう理解しています』
 




 …………『直青』くん

 



 『  
   ──己の存在や行動に意義が生じている限り、
   すべての"己"と言う存在には常に価値が存在している。

   ……己も、そう思います。
   それは確かに己らの『幸福』の形であると 
                       』


 



 ……直 青 君。

 


 『
   どのような姿形でも構いませんが
   強いて言うば、強かな種であると有難いですね 

   楽しみにしています。あなたに再会する日を
                         』 

 




 ひたあお、 くん、 直青君──…………、



[僕の神さま、『幸福』の形。
僕のなまえに意味なんてない。ただそこに在るだけの。それは完璧だったんです。それで完璧だったんです。僕の座標だったんだ。
 ああ、『神』よ。僕はあなたのものでも
────おまえは決して僕だけのものにはならないんだろ





ついに喉が絞まる。この手で絞めた。叫ばない様に。


どうして、どうしてどうしてどうして??僕だけが奪われて喪ってどうして君は何ひとつ損なわれない。愛って、愛ってなんですか。与えることじゃないんですか。与えることじゃないんですか? 苦しい。苦しいよ見返りを求めずに捧げるだけの命でもこの苦しみこそが『生きること』だって君がいうなら僕は僕は、ぼくは─────……!!!]

 




──C’est parti !  






苦しい『生』などは、ありませんよ。


もし『生きること』を苦しく思うのなら、
それはキミに『罪が在る』からだね。



悪魔とは、人類の不従順を魅力的に語る。

けれどそれはすべて偽りでまやかしの、

────“ 掬い ”です



覚えておいください。
僕はいつでも、キミのなかにいます。




さぁ、言ってごらん…………キミの『名前』は?































 …………“ Je,  m'appelle ”

**


どのように飼おうか
、と考える。

ひたすらに甘やかしてしまおうか。
欲しがるものならば何でも与えよう。
嫌と言う程注ぎ込もう。

漸くだ。
漸く、手に入れた。






俺だけのもの。