人狼物語 三日月国


188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】

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【人】 XIV『節制』 シトラ


[ いつから、だっただろう。
 アリアちゃんのお土産をお使いしながら
 お土産話も一緒にするようになったのは。
 沈んでいる日には決まって面白いお話をしてくれた。
 そうして話してもらったお話は、
 次にやってみたいことを決めるきっかけにもなった。

 悪夢に魘された夜は、
 落ち着いたら部屋に戻ろうと思っていたのに。
 柔らかなお香の香りと、
 頭や背中を撫でてくれる大きな手の温もりは
 元々睡眠の不足していた身にそれはもうよく効いた。

 ふっと気付けば窓から陽の光が射していて心底驚く、
 そういうことが、一度や二度じゃなかった。

 初めて悪戦苦闘しながら淹れた紅茶は>>134
 初めてにしては概ね上手く淹れられていたと思う。
 というのもカルク先生が横に立っていてくれて、
 危なっかしい場面はすべて回避できたからだ。

 食堂で一人で復習を試みてみれば
 熱湯をポットから溢れさせて
 ちょっとした騒ぎになってしまったり、
 まともにお湯を沸かせるようになっても今度は
 何かが物足りない味わいに仕上がってしまったり、と
 満足のいく、美味しい紅茶への道程は長かった。]
 
(168) 2022/12/16(Fri) 21:55:48

【人】 XIV『節制』 シトラ



  あっ、あの……今日は
  わたしが、紅茶を……淹れて、みても
  いいですか…………?


[ そんな申し出を思いきってしてみたのは
 陽が高くなるまで祈祷室で眠り込んでしまった、
 ある昼下がりのこと。

 ティーセットを借りて、練習通りに紅茶を淹れて
 仕上げに、メルロンをカップの上に乗せた。
 その下には、輪切りにしたシトラスと
 薬草園で摘ませてもらったローズマリー ]
 
(169) 2022/12/16(Fri) 21:56:55

【人】 XIV『節制』 シトラ



  ……ど…………
  どう、ですか…………?
 

[ 組み合わせは、本を読んで学んだものをベースに
 アリアちゃんの薬草園を眺めて思い付いたものだ。
 
 つい一週間前に開かれたチェレスタさんを囲むお茶会で
 紅茶を淹れる役をしたい、と思えたのは
 この時の経験が少なからず自信に繋がっていたからだった。]*
 
(170) 2022/12/16(Fri) 21:57:27
XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。
(a38) 2022/12/16(Fri) 22:04:42

【人】 XIV『節制』 シトラ

──現在・玄関ホール



  ありがとう、ございました
  エーリクさん
  わたしと、お話……してくれて

  おかげで、すこし
  気持ち……落ち着け、られました

  ……わたし、


[ 期限は刻々と迫り来る。
 エーリクさんも、話しておきたいひとが居るはずだ。
 お話がひと段落ついたところで、そっと手を離した。

 顔を上げれば、視界が広がる。
 常と何ひとつ変わらない笑顔のシンさんが>>1:436
 カルクさんの手を取っているのが目に入る。>>139

 いつか眠れなかったわたしを
 優しく撫でてくれたそのひとが、
 今は何故だか小さく見えた。
   その柔和な笑みの底にどんな想いを秘めていたか
   まだ何も知らないわたしは、


    世界の醜さも美しさも
    まだそのすべては知らない、わたしは。]
 
(203) 2022/12/16(Fri) 23:24:08

【人】 XIV『節制』 シトラ



  やっぱりわたし、
  世界に滅んでほしくない……!!


 
(204) 2022/12/16(Fri) 23:24:25

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 俄かに、先程より館内が騒々しくなったのを感じた。
 
 お世話になってきた職員さんたちが
 険しい表情で洋館内を駆け回っている。
 何でも、火急の報せが入った、とか。]


  …………それ、って、


[ とてつもなく悪い予感がして
 思いきり床を蹴って真っすぐに駆け出した。
 広間の方へと向かう途中、
 ヒナギクさんとはすれ違えただろうか。>>202
 
 向かう先は薬草園、あの子の、アリアちゃんの元へ ]**
 
(205) 2022/12/16(Fri) 23:24:28
XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。
(a44) 2022/12/16(Fri) 23:28:04



[とはいえ、『月』から何かを取り上げて、
「お前のものはボクのもの、ボクのものはボクのもの」という、
理不尽な理論を振りかざしたとまでは教典に書かれてないし、
そんなに悪いやつではなかったのでは……?

真相は『箱庭の子』らのみぞ知る。あと神なる存在もか]


 



『 ごめんなさい……ごめんなさい……。
  もしも“次”があるのなら、恨んでくれて構わないから 』


 

XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。
(a61) 2022/12/17(Sat) 5:56:51

  

     やぁ、『力』


その日・・・、『力』の元を訪れた『正義』の手には、

 刀身に曇り一つない・・・・・・剣が、

 抜き身で引っさげられていた。**]

 



[ はこにわのなかでわたしはうまれました。
  しあわせで、やすらかなはこにわのゆりかご。

  わたしがかみさまにもらったものは、
  『 死 』という名前と
  傷を再生できるちからでした。

  かみさまはわたしに、『死』がなにかを
  おしえてくれることはありませんでした。 ]




 わたしはどうすれば
 あなたたちをしあわせにできるとおもいますか?

[ わたしはだれかのとなりにすわります。
  わかりません。
  わたしは『 死 』です。
  いきものがたどりつく おわりの名です。

  みなのように だれかをしあわせに
  できるひは あるのでしょうか。

  ふあんげにみあげました。
  となりにすわったのは『 吊るされた男 』です。

  どうしてあなたのとなりにすわったのか
  なんとなく、といえばそうです。
  けれどあなたのこえを ききたい、
  わたしはそうおもいました。

  あなたはいつも なにかを かんがえて
  すごくすごくかんがえているように
  みえていたから。

  こたえをくれることはあったでしょうか、
  それとも。  ]*


 

 
[ ――――

 箱庭の『魔術師』は、その名の通り、
 "魔法"を使うものだった。

 杖から火を生まれさせ
 杯から水を溢れさせ
 剣で風を起こし
 硬貨は土へと姿を行き来させた

 箱庭の『魔術師』は生み出すものだった
 自らの考えを元に、その魔法で、
 新たなものを創り出す子だった ]
 

 
[ だからこそ『魔術師』は――『恋人』が気に入らなかった。
 二人でひとりの完璧な存在、完成された世界
 それが世界の全てなのだと言わんばかり。

 ――そんなものは、有り得ない。

 世界は未完成であることが正しく現実だ。
 だからこそ、より良くする価値がある。
 新しいものによって変えることが出来る。

 『魔術師』はそう思っていた。
 だから『恋人』の存在そのものが、嫌いで、
 有り得ない
のだと、思っていた。]
 

 
[ 『悪魔』が『愚者』を殺した折、
 『魔術師』は『吊るされた男』の側についた。

 『魔術師』は変化を望んでいたけれど、
 こんな変化は望んでいなかったからだ。]
 

 
[ だけど箱庭は、以降も悪い方へ悪い方へばかり
 向かっていった。
 壊れていく箱庭に、『魔術師』は『箱庭の神』を頼った。

 けれど神は、何もしてはくれなかった。
 身勝手な気持ちで、皆を止めてはくれなかった。]
 

 
[ 『隠者』が制裁され、『女教皇』がぎこちなくなり

 それから箱庭もぼろぼろで、
 もう修復も出来なくなってしまった。

 そうして『魔術師』は――思考を、止めてしまった。
 生み出すものである『魔術師』は、
 この崩壊を止めることを、諦めてしまった。]
 

 

[ だから、『魔術師』は―――― ]

 

 
[ それと同じくらいの時だろう。
 『恋人』がこちらに敵意を向けたのも

 どちらが先であったか、
 それは些細な問題かもしれない。
 どちらかが手を出さずとも、
 もう片方が何れ引き起こしていたことだ。]
 

 

僕にお前を殺させろ、『恋人』


 

 
[ 『魔術師』にとって、この殺意を向けるのに、
 『恋人』は非常に適した相手だった。
 その完璧な世界を壊して終わらせてやる、と思っていた。

 そうして『魔術師』と『恋人』は、
 殺し合いを始めるのだった――* ]
 

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 一分でも、一秒でも早く会いに行きたい。
 傍に行って、顔を見て、話をしたい。

 アリアちゃんはどうしたいと考えているのか、
 どうしてフォルスさんの答えに興味を持ったのか。
 たとえ選ぼうとする道がわたしと違ったとしても
 アリアちゃんの想いだけは、知らないままで居たくない。
 
 わたしの気持ちも、選びたい答えも
 あなたには伝えておきたい。
 伝えておかなければいけない。

 わたしが今こうしてここに居られるのは
 アリアちゃんがずっと傍に居てくれたからなの。 ]
 
(377) 2022/12/17(Sat) 22:52:23

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ お世話係のひとたちやメイドさんたちに
 時折ぶつかってしまいそうになりながら
 磨き上げられた廊下を駆けた。
 ……誰かから逃げ出そうとするではなく
 追いかけるために走ろうとするのは、
 わたしとしては珍しい行いだったと思う。
 
 洋館で暮らすようになるまで
 閉じた箱の中で暮らしてきたわたしは、
 走る、という行為をほとんどしたことがなかった。
 ゆえに、走ろうとすればすぐに転びそうになった。

 転んでしまえば人を巻き添えにしてしまうか
 調度品を壊してしまうかで誰かに迷惑を掛けてしまう。
 そう思うからこそ、進んで屋内を走ろうとはしなかったし
 そもそも走る必要がなかった。

 わたしが傍に行きたいひとは、いつだって
 わたしに歩幅を合わせてくれていた。]
 
(378) 2022/12/17(Sat) 22:52:35

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 彼女の居る薬草園を目指して見据えた前方
 不意に、鮮やかなオレンジが迫ってくるのが見えた。

 少し前、
 怯えていたアリスさんと一緒にどこかへ行く姿を
 滲んだ視界の端で捉えてはいた。

 アリスさんは大丈夫かな。
 ヒナギクさんは、どうしたいと思っているんだろう。
 
 彼女とも話をしなければ、と意を決して
 わたしが息を吸い込むより、
 あちらの呼び掛けの方が早かった。>>238 ]

 
  ヒナギクさん……!

  わ、わたしは、薬草園へ
  アリアちゃんの、ところに 行こうと……っ

  ……してた、んですが


[ 勢いに気圧されるがまま質問に答えつつ
 足を止めて乱れた呼吸を整える。]
 
(379) 2022/12/17(Sat) 22:53:27

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ わたしも急いではいたけれど、彼女の焦りようからは
 ただならない気配が感じられて ]
 
  
  ……な 何か…………あった、の?


[ アリアちゃん以外には滅多に出ない
 素の口調になってしまった。
 
 異常気象、地震、陥没、建物の倒壊、津波、嵐。
 世界をその目で見てきた彼女の口から伝えられる、
 いま世界中で起こり始めている崩壊の序章。

 背筋に、冷たい汗が流れ落ちてゆく ]
 

  そんな…………
  もう、……始まって、いるの


[ 絶望的な気持ちで窓の外へと視線を移す。声が、震えた。]
 
(380) 2022/12/17(Sat) 22:54:21

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ それなら猶更早く行かなきゃ。
 何もかもが手遅れになってしまう前に。

 ヒナギクさんが他のみんなにも
 報せを伝えて回ろうとしているのを知れば、
 出会えたひとにはわたしも伝えます、と言い添えて ]


  は、い
  また、後で…………!


[ 彼女と別れ、再び廊下を駆け出し始めてから
 ヒナギクさんの言葉が一週間前に聴いたそれと
 同じだったことにふと気付く。>>241

 あのときは、
 こんな気持ちで同じ言葉を聴くことになるなんて
 少しも思ってはいなかったのに。 ]*
 
(381) 2022/12/17(Sat) 22:54:26

【人】 XIV『節制』 シトラ

── 薬草園



  アリアちゃん……!!
  アリアちゃん、あのね、わたし……!

  ……あれ、……いない…………?


[ 息を切らして辿り着いた生い茂る緑の中、
 探し人の姿はどこにも見当たらない。
 いつも彼女が座っている椅子には、彼女の代わりに
 小さな黒板が立てかけてあった。>>126 ]


  …………どこに行っちゃったのかな
  探しに……ううん、
  また入れ違いになっちゃうかもしれないし

  ……入れ違って、ばっかりだね


[ メッセージを信じて、迷いながらも腰を下ろす。
 まだ名前と効能を覚えきれていない薬草達からは
 アリアちゃんの部屋と同じ匂いがした。]
 
(382) 2022/12/17(Sat) 23:06:12

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ もしかすると、あのひとの
 あのひとたちのところに行ったのかもしれない。
 一番に思い浮かんだのはクリスタベルさんの顔だった。

 クリスタベルさんに出会って
 アリアちゃんの背に隠れつつ初めましてをしたとき、
 その挨拶に衝撃を受けたのは今でも忘れない。

 穏やかな笑みを湛えたそのひとは
 それまでのわたしが思いも寄らなかったような存在で、
 自分の生きてきた世界の小ささを
 思い知るきっかけのひとつともなった。

 ──クリスタベルさんが倒れたときのアリアちゃんは
 わたしがそれまで知らなかった表情をしていて、

 彼女の為に何もできない自分の無力さを
 殊更に歯痒く思ったのも、忘れない。
]
 
(383) 2022/12/17(Sat) 23:06:56

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 玄関ホールで神様の声を聴いた後、
 クリスタベルさんとゼロさんが話しているのは見ていた。
 けれど、その会話の内容は頭に入っては来なかった。

 わたしが呆然としている間に
 気付いたらクリスタベルさんの姿は消えていた。
 その身を案じたアリアちゃんが
 様子を見に行ったのだとしても、何も不思議はない。

 ──そう、アリアちゃんには
 アリアちゃんのやりたいこと、すべきことがあるはずで。

 限られた時間をわたしにばかり使わせることを
 申し訳なく思いながら、
 ずっとその優しさに甘えてきてしまった。]


  ………………、


[ こうしてひとりで緑に囲まれていると
 世界の崩壊が始まっているなんて嘘みたいだ。

 いくつもの想い出が詰まったこの場所も、
 明日には崩れ落ちてしまうのかな。

 ここは静かだな、と現実から逃避しかけたそのとき
 背後からひぇ、と声が聴こえた。>>269]
 
(384) 2022/12/17(Sat) 23:07:45

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 振り向いて目に飛び込んできたその姿に
 反射的に、鼓動が跳ねる。]


  …………っ、クロさん


[ 声にこそ出さなかったものの
 わたしの内心も「ひぇ……」だった。

 どうして。彼が。ここに居るのか。
 咄嗟に身構えて表情を強張らせた後で
 用があるのはアリアちゃんではないかと思い至れば、]


  ……え
  わたし、……ですか?

  構いません…………が


[ 驚きに見開いた瞳を大きく瞬いて向き直った。
 一度きちんと向き合って話をすべきだと、
 頭ではずっとわかっていた。

 魂を揺さぶるこの感情は わたしの知らない誰かのもので、
 わたしは、クロさんのことを
 クロさん自身のことを何ひとつ知らない。]
 
(385) 2022/12/17(Sat) 23:08:51

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 本当は話したいことも
 尋ねたいことも、いくらでもあった。
 もしも解りあえないとしても
 だからこそ話をすべきだとも思っていた。

 こんな状況に置かれるまで、勇気が出なかっただけ。]


  えと……
あの……
その

  ──何から、お話しましょうか


[ 窺うように、彼の方をじっと見つめる。
 きちんと揃えた両膝に両手を置いて。]**
 
(386) 2022/12/17(Sat) 23:09:09
XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。
(a90) 2022/12/17(Sat) 23:15:33

 




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