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【人】 水面 禎光でも、ここに或る現実は 死を決めた七瀬と、死から救ったつもりになっていた僕。 キミの『 ごめんなさい 』にも 『 大好き 』にも 瀬名を託す言葉にも 僕は、なにも上手く返せないまま 喉元を裂いた返り血で頬が染まる。 (4) 2023/05/15(Mon) 23:23:02 |
【人】 水面 禎光「 …………ァ、 アァ 」 ナイフから手を離しても、 命を奪う使命を帯びたソレは 七瀬の喉元から離れない。 崩れ落ちていく彼女を 僕は空いた両手で慌てて支え、ゆっくりと床に寝かせる。 そして瀬名が七瀬に駆けよれば、 少しだけ冷静さを取り戻した。 (5) 2023/05/15(Mon) 23:23:05 |
【人】 水面 禎光「 瀬名 …… ナイフを抜いちゃ …… ………… !? 」 こんな痛ましい姿だ。 ナイフを抜いてやりたい気持ちは分かる、などと。 少しでも生き長らえさせようとする僕の感情と ナイフを抜いた瀬名とのソレは大きく異なっていた。 (7) 2023/05/15(Mon) 23:23:12 |
【人】 水面 禎光僕は、ナイフを突き立てた瀬名の手を そっと包み込むように自分の手を当てがい、 そのまま力を加え、更に押し込んでいく。 "瀬名のこと、よろしくお願いしますね" ─── それが七瀬の最後の願いだったから。 七瀬、約束するよ これから先、僕は瀬名を決して少数派にはしない (9) 2023/05/15(Mon) 23:23:19 |
【人】 水面 禎光やがて、七瀬から灯が消え去れば ・・・ かつて双子だったと 世界が認めたかのように ──── ナイフが消え 手に負った傷が消え そして、七瀬が消えた それは、僕の心の中からも ** (11) 2023/05/15(Mon) 23:23:27 |
【人】 火澄 瀬名「 ごめ …… 、ね …… ごっ …… ななっ …… せ、 ……さだ …み……っ うっ ……… ひっ く…… 」 繰り返し呟きながら、意識を手放すと、 視界は赤から黒へと変わり、 私はそのままその場に倒れ込みました。 (16) 2023/05/17(Wed) 0:54:48 |
【人】 【NPC】ヒトデ姫 スピカひと狩り終えて、小腹も満たされたコトだし。 ちょうど雨もあがったから マイホーム(仮)に戻ろうとしたんだけど。 家の中から漂ってくるのは" イヤなヤツ "の気配。 (20) 2023/05/17(Wed) 20:31:10 |
【人】 【NPC】ヒトデ姫 スピカ・・ この世界には 虫も動物も皆が生きている。 ヒトデも生きている。 その中の人間の世界だけがチョコッと変わったとしても 別にどうでもいいんだけれど。 ただ、私がアイツらを気に入らないだけ。 私にだって神話級の扱いしなさいよ! (21) 2023/05/17(Wed) 20:31:12 |
【人】 【NPC】ヒトデ姫 スピカ「 ……ま、図太く生き延びなさい。 それだけは得意でしょ? あんたたち。 」 くるり、来た道を引き返して 私は家から遠ざかっていく。 さて─── 次は何処に向かおうか その足取りは 風に乗った花びらを追いかけるように。 気ままに。** (22) 2023/05/17(Wed) 20:31:14 |
【人】 水面 禎光「 ………瀬名 ? そろそろ、おきて 」 ソファーで座ったまま寝息を立てている瀬名の肩を 僕は、ぽんぽんと軽く叩いた。 此処は、彼女の祖父母がかつて暮らしていた家。 定期的な清掃や空気の入れ替えを僕も手伝っているのだけど 瀬名はどうやら途中で眠ってしまったらしい。 いつしか雨の上がった空は 薄紅に染まっていた。 窓から斜めに差し込む夕暮れの光は ソファーと瀬名をゆりかごのように柔らかく包んで。 (23) 2023/05/17(Wed) 21:32:19 |
【人】 水面 禎光部屋の古時計 ────分針が真上を指し、 仕込まれたオルゴールが流れ始める。 何故だか心を揺さぶられるその旋律は ──── Ave Maria ** (24) 2023/05/17(Wed) 21:32:28 |
【人】 火澄 瀬名「 ん …… 禎光? おは、よ …… 」 古びた、でも手入れのされたソファで寝息を止めると のそりと目をこすった。 いつの間に寝ちゃったのかな。 ここは、私の祖父母が暮らしていた家。 今は空き家だけれど鍵は私が持っていて、 時々掃除や空気の入れ替えをしている。 禎光も手伝ってくれる。 (25) 2023/05/17(Wed) 23:57:02 |
【人】 火澄 瀬名ずっと、3人だった。 お父さんと、お母さんと、私。 そんな私の世界に増えた、4人目。 沢山の時間を一緒に過ごしてきた、幼馴染。 半年前に両親が亡くなった時、 この世界で独りぼっちにならなかったのは、 きっと彼のおかげ。 「 禎光、…………… 」 (26) 2023/05/17(Wed) 23:57:07 |
【人】 火澄 瀬名部屋の古時計 ──── 分針が真上を指し、天使祝詞が流れ始める。 それは確かにオルゴールの音色なのに、 まるで誰かの歌声のようだった ** (31) 2023/05/17(Wed) 23:59:33 |
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