人狼物語 三日月国


132 【身内RP】穏健なる提案【R18G】

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視点:


【秘】 演劇 アクタ → 園芸 ハナサキ

/* あ!そうだったんですね……!?
此方PCはこんな感じですが
PLは生きても死んでも楽しいので大丈夫です!
どうか気に病まれないようになさってください!
これからもハナサキPL様の良い裁判ライフを祈っております!
(-6) 2022/03/01(Tue) 21:53:44

【秘】 演劇 アクタ → 普通 ナツメ

/* お気遣いありがとうございます!綺麗な臓器です!
そうだったんですね……此方は横入りだなんて思ってませんし、ナツメちゃんが来てくれて嬉しかったです!特に問題ありませんので
引き続きエノくんを介抱してあげて下さい〜……と思っていますが
そちらに向かう事も可能だと思います!何でも対応できます!
死にたくない様のお好きなようになさって欲しいです……!
(-20) 2022/03/01(Tue) 23:21:22

【秘】 演劇 アクタ → 普通 ナツメ

/* 村は一度きり!やりたい事やりましょう〜!
ナツメちゃんに何が起こっていたのかは存じませんので
好きにして下さるのが私としても嬉しいです〜
また何か気になる事がありましたらお声掛けください!対応させていただきます!
これからもナツメPL様の良い裁判ライフを祈っております〜!
(-28) 2022/03/02(Wed) 0:11:44

【墓】 演劇 アクタ

>>@2 薬局


───暫く。
タオルの布地を湿らせて、
声を殺して、
泣いていた。


それから、ゆらりと立ち上がって
少女の遺体をなんとかストレッチャーに乗せて
運ぼうか、としたところ。

薄暗い局内。
錯乱する薬。
濡れた赤はそろそろ鉄錆へと変わる。

──エノは、ちゃんと手当てしてもらってるだろうか。
──ヒメノの体、すっかり冷たいな。

「……今、何考えてるって?」

何を、と真意を問いかけて
はっとスマホ端末を取り出し、画面を確認。
(+11) 2022/03/02(Wed) 8:03:38
アクタは、………、
(c10) 2022/03/02(Wed) 8:03:45

【墓】 演劇 アクタ


「はッ……はあ!?
 この僕がッ……なんで、」
「なんで、死ななきゃいけないんだよ!!?」

「ふざけるなよッ!
 あの嘘吐き野郎、やっぱり信用出来ないじゃないか!」
「ほ、他、い、入れやがった奴ら、全員……、」

「ゆ、許さない………!」




───少し前の自分なら。
そうして八つ当たりして、取り乱していたかもしれない。

けれど、今。
W考えていることWは、
(+12) 2022/03/02(Wed) 8:04:08
アクタは、「コタロー、……」
(c11) 2022/03/02(Wed) 8:04:17

アクタは、「書かなきゃ」
(c12) 2022/03/02(Wed) 8:04:27

【墓】 演劇 アクタ


ここで得た経験、感情、死。誰かの思い。
全て抱えたまま、何もせずに死にたくない。
……遺さなきゃ。


「……運んだら、寮に戻る。書く。
 時間、ぜんぜん足りないからな。」

まだまだ実績もない癖に
男の心は、確かに舞台馬鹿だった。

体のバツ印も探さないまま、
タオルを放り投げて、薬局を後にする。


──そうして、残されたひとつの遺体は
きちんと彼女の部屋に運び込まれたのだった。
(+13) 2022/03/02(Wed) 8:06:34

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


位置情報を確認するならば、アクタという男は寮から動く様子がないと分かるだろう。


そうして、君がメッセージを送信して暫くした後。

君の端末に、数字の羅列だけが送られてくる。
男の
寮の部屋番号
だ。


君のメッセージに対する肯定であり、
手が離せないからお前が来い、との意図だが
いかんせん、分かり辛いかもしれない。


君が男の部屋を訪ねるならば
鍵は掛かっておらず、簡単に立ち入る事が出来る。

初期配置から変化のない家具達は、大量の紙束に埋もれていて
足の踏み場は無いかもしれない。
(-89) 2022/03/02(Wed) 13:28:48

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


ノックの音。返事は、ん、とか、その程度。
君が立ち入ることを、拒みはしない。
代わりに、そちらに目を向ける事もない──紙に、物語を書き殴っている──筈だったが、


「何でそうなるんだ?」


突然の肉まん餡まん。
ばっと顔を上げ、不思議そうに君を見る。

「えっと……今は餡まん、かな?
 手土産のつもりか……?」

ぱち、ぱち、と瞬きをしつつ
紙束をばさばさ退かしたのち、ベッドに君が座るスペースを作ってやった。

自分は備え付けの椅子にかけたまま
君の話を聞こう、と。作業の手を止めた。
(-94) 2022/03/02(Wed) 13:57:12

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


エノ。ヒメノ。
その名を聞けば、ああ、とひとつ息を吐いて
椅子にかけたまま胡座を描く。

温かい餡饅を受け取れば、
特に何も言わずに一口齧り付いた。
……今は細かいことに気が回らなさそうだ。


「……僕達も、駆け付けた時にはもう遅くて。
 えと……誰かが薬局を建てたらしいんだけど
 そこでエノとヒメノが、こ、こ……
殺し合い
を、してて……、」

手中から、ペンが落ちる──そのまま、紙が散らばる床へ。
思い返すだけでも、齢17の男の手は震えてしまう。

「エノは、何とか……ユスとナツメさん、が
 医務室に運んでくれた、筈。でも、ヒメノは……、」

──首を横に振る。
ぐ、と握り込んだ拳が、
餡饅の中身をせり上がらせて──咄嗟に力を緩めた。


「……ぐらいしか。僕も、詳しくは。」

分からないのだ、と。
力無く俯いて、再び餡饅に齧り付く。
(-124) 2022/03/02(Wed) 18:33:26

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


君の手元──部屋中に散らかった紙は、
文章をよく読むならば、何かの物語らしい事が分かる。


 ──丸が付いた下に、場面の設計。
 ──シーンや人物の細かい動作。
 ──台詞。続くト書き。

何枚か手に取れば、
それが舞台の脚本だと察せるかもしれない。


「あー、そうだな。
 お前投票しやがったよな、僕に。」

餡饅をさっさと平らげて
紙袋をぐしゃりと丸めれば、床に放り投げる。

「……なんで?」

椅子から腰を上げて、君の隣へ。
紙束の上にも関わらず座り込んで、近い距離で君を見上げた。

問いかけは、随分と落ち着いた声色だ。
(-125) 2022/03/02(Wed) 18:34:41

【秘】 演劇 アクタ → 落涙 ユメスケ

「はは、」

齧っておいて良かった、美術。

こうして君に格好付けられただけで、
脳の容量に価値が生まれた瞬間だった。


「先入観無しで見るのも楽しいだろ。
 お前が最初にそう見えたなら、その絵は朝なんだよ。
 朝、家出るとこかもな、なんてさ。」

芸術は、心で楽しむものだと。
何かで見たような、気がする。

「もしくは、朝でも夕でもないんじゃないか。
 作者の頭の中にしかない時間帯……とかな。」

訳も分からず涙を流したり、笑ったり。
心が揺れるのに、理由なんていらない。

人のそんな表情を見るのが好きで、
自分だって舞台芸術を志している。
 ──つまり、これは芸術家気取り、だ。


「自由で良いんだ、芸術は。
 ……ほら、こんなぐちゃぐちゃの油絵ですら評価されるんだぞ。」

適当なぐちゃぐちゃの絵を指差した。
美術家に失礼だ。
(-126) 2022/03/02(Wed) 18:54:14

【秘】 演劇 アクタ → 剣道 ツルギ


暫く間を置いて。

君の端末か、脳内か、はたまた別の何かか。
それに、簡素なメッセージだけが届く。

決して君を避けているとか、蔑ろにしている訳ではなく。
男は脚本を書き上げる事に、使える時間を全て使っているだけだ。



『あいつの部屋』


続いて、数字の羅列。部屋番号だ。

そこを訪ねるならば、まるで寝ているだけみたいに
ベッドへ運ばれたヒメノの遺体があるだろう。

最も。
男が運び込んだままの状態で居るならば、だが。
(-172) 2022/03/02(Wed) 23:45:51

【墓】 演劇 アクタ


合議の間。夜のこと。

ヒメノの息が止まった後、
彼女へと割り当てられた寮の自室を探し出し、そこへ運び込んだ。

ストレッチャーから優しく布団へ寝かせて
まるで眠っているかのように少女を扱って
割れた爪を、抉れて冷えたその手を一度だけ握りしめて。

……何も言えない男は
その部屋を立ち去っただろう。
(+21) 2022/03/02(Wed) 23:46:34

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ

ひとしきり泣いたから
もう涙は枯れたものだと思っていたけれど。

君の視線。言葉。伸びる手。
それらは確かに自分に向けられていて
……なんだか、凄く、嬉しかった。

ぐっ、と頭を上げれば
君の不自然な手は、正しくW撫でるW行為と成った。


そうして、君の手の温もりを享受しながら
君から紡がれる言葉を聞く。

「………ふゥん。
 それ、本気なんだ。」

W君の代わりに臓器を差し出すWとの言葉。
今ばかりは君の言葉にも、信頼を置けた。

「僕、別にお前を責めるつもりなかったんだ。
 その方がお前にとって後味悪そうだから……嫌がらせのつもり!
 だから……お前が僕の元に来ても、笑ってやろうと思ってたんだけど、」

近い距離。君を見上げたまま。
──びし、と君の額にデコピンを。

「気が変わった!怒る!
 そういうのはもっと早く言え、バカ。」
(-216) 2022/03/03(Thu) 13:15:55

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


「ちゃんとやれよ。」

何を、とも。どう、とも。聞かないけれど。

「投げ出すなよ。」

男は態度が最悪なだけで
誰のことも、嫌いなんかじゃない。
だから、今君に向ける表情は、笑顔で間違っていない筈だ。


「あーあ、でも
 上手くいくか分かんないなら
 やっぱ今のうちに書かなきゃいけないな。」

ふい、と視線を逸らして、君に寄せた分の距離を、また開けば、
踏み潰した紙をひとつ手に取って、君へ見せ付ける。

「この数日──この合議を題材にした、舞台の脚本。
 何も生み出さずに、死んでたまるかよ。」


死に触れて、絶望感を味わって、男の心を支配したのは、怒りや悲しみではなく、創作意欲だった。

「お前の設定、
 変えなきゃいけないな。」

にーっと笑って、
君を見上げてやった。
(-217) 2022/03/03(Thu) 13:18:03

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ

   ──『口を開く度にあなたを傷つけることになるのは』
  ──『気になるみたいなので、気を付けようと思います』


先日君から届いたメッセージを思い出して
前からそんな事を言っていたな、と。

「別に僕が悲しんでも、苦しんでも、
 傷付いても怪我しても……死んでも、お前に関係ないのにな?」

純粋な、疑問。尋ねなければ分からないので、
分かりたくて、もう一度、君へ身を寄せた。

「もっとさァ、僕より優しい……てか、印象良い奴居るだろ。」

一度は君を嫌いだと、死を望んだ相手だ。
謝罪したとは言え、
君が己を賭す程の価値が自分には無いと認識している。
……これもまた、互いのW分かり合えない部分Wなのだろうか。


「ずるいこた無いよ。
 相手の中に愛を残したいか、傷を残したいか……そんな細やかな違いのさ
 
W好きWって気持ち
なんじゃない?」

そう例えれば、まるで舞台で吐く情熱的な告白みたいだ、と
揶揄って見上げて、意地悪く笑ってやった。

「僕、嫌いな奴のこと考えないタイプ。
 好きなモノで頭埋めたいじゃん。残念だったな。」
(-259) 2022/03/03(Thu) 19:58:06

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


「やれよ、」


「がむしゃらになって
 誰に酷いと言われても、」

「デリカシーなんて欠片も考えずに
 面倒なぐらいめちゃくちゃやる奴の方が好きだ。」

一言、一言。
まっすぐ、確と君に向けて。

「……僕はな!」



舞台の螺子を巻くように
物語を紡ぐことが何より好きな男は
そういう、自分にない物を持った人間が好きだ。

ある種の信頼。期待。
それから、男なりの、君への応援だった。

──この言葉だけは、裏切ってくれるな。
(-260) 2022/03/03(Thu) 19:58:54

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


ここまで言い切れば
腰を上げて立ち上がり、元の椅子へ腰掛けに行く。
──ぎ、と
軋む音を鳴らして、椅子は自重を支える。


「……さァ、僕は
 エゴとか値段とか、分かんない。」

Wそんな場所Wとは
あの議論の場のことを指すのだろうか。

「僕は怖いよ、
 そんなに達観してるお前が。」



がり、がり、
音を立てて、WフカワWと付いた台詞、設定、ト書き全てに射線を引いた。

「お前のせいで、今から
 ここの紙束ぜーんぶゴミ。」
(-261) 2022/03/03(Thu) 20:00:00

【秘】 演劇 アクタ → 剣道 ツルギ



画面の向こう側。

光る画面──届いたメッセージを見れば、
君からの気遣いが嬉しくて、温かくて。


「……腹減ったら
 パシってやろっと。」


ふ、と、穏やかに微笑んでから
メッセージを返す事なく、また紙に向き合った。

(-262) 2022/03/03(Thu) 20:04:53

【秘】 演劇 アクタ → 落涙 ユメスケ


子供らしく、等身大にいじける君を
は、と笑いながら眺めていた。

「それ、良いな。
 W最初だけ朝だった絵W──って
 まるで閉じ込められた額縁の中の時間が
 しっかり動いてるみたいでさ。」

どこにも無くて、どの時間帯でもなく
それでいて、自由に時を過ごす絵。

わがままな君の為に、
この絵はたった今から、そのように成りました。


「朝そんな弱いのか?」

嫌いそうなので、
あんまりにも寝起きが悪いのかと思った。

(-263) 2022/03/03(Thu) 20:20:45

【秘】 演劇 アクタ → 落涙 ユメスケ


「数河……あのメガネか?」

87%ぐらい、同意した。
ぐちゃぐちゃで凸凹のある油絵、そのように見えても見えなくても、不自然ではない……かも。きっと。多分。恐らく。
(-264) 2022/03/03(Thu) 20:21:16

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ

ああ、とか。うん、とか。
ささやかな自慢に「なんだそれ」と苦笑して。
軽い相槌を返して、君を見送ろうとして。

「………、」


 ───君の声が滲んだ気がして。
 ───君の瞳が、揺れた気がして。


「、待って」

そんな風に感じた事すら、
君を引き留める口実が欲しかっただけなのかも。




「───待ってッ!」


がたん!
椅子を倒して立ち上がれば、足早に駆けて君の腕を掴む。
(-293) 2022/03/03(Thu) 22:41:47

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


部屋の紙束をひっくり返しながら
扉へ向かわせまいと、腕を強く掴む。

「その、……」

このまま君を見送ってはいけないような気がして
我ながら驚き、ぱちぱちと瞬き。

 何か聞こうとして、
      
何がWそれで良かったWのか。

 何か言おうとして、
      
何が怖いのか。



「………ぼっ、
 僕にもケーキ、寄越せ……!」


男は力が強い方では無い。
君が本気で振り解き、抵抗すれば、この部屋を出る事は可能かもしれない。
(-295) 2022/03/03(Thu) 22:53:27

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


笑って、それから涙をこぼす君を
手離す選択肢は、ひとまず男には無いらしい。
──ぎゅ、と、掴む手に力が入る。

「えと、僕は……どっちも好き、かな。
 華やかなタルトも、素朴なショートケーキも。」

ぽつり、ぽつりと律儀に言葉を返せば
少しずつ、冷静さが取り戻されてきて。



「……分からないなら、一緒に考えよう。
 草臥れてるなら、ちょっと休んで
 怖いなら……隣に居てやるから。」

自分がそんな気分のときは、誰かにそうして貰いたいから。
涙の理由を、聞いて欲しいから。知って貰いたいから。

だから男は、目の前の君にそうするのだ。
自分が後悔しない為にも、この手を離さない。


「そんな顔で出てかれる方が、気になるんだよ。」

……床に散らばるゴミ達が濡れていく。
構わない。たった先程から、君のせいで廃棄物に格下げされたのだから。
(-300) 2022/03/04(Fri) 0:24:11

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


「僕が聞きたいんだよ。」

腕を引いて、またベッドへと招く。
君が腰を下ろすまで、根気強く。

「余計なことばっか言ってるだろ、お前、普段。
 ……今更気にすんなって。」

黙って食べてやる気も、
聞かなかったふりもしない。

自分達は、分かり合えない者同士だとしても
知らないふりだけはしたくない。



「涙の訳を、聞かせて」

これまで散々君へ暴言を吐いた口が
いつも通り、我儘を君へ吐く。
(-301) 2022/03/04(Fri) 0:26:13

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


「……うん、」

君から吐露されて来る、感情。
素っ気ない言葉で、けれども優しい声色で相槌を打つ。

知識とは、力だ。
それは己を守る事もあれば、傷付けることもある。
痛みを痛みと認識しなければ、苦しくなく、耐えられたのだろう。……心の傷が消える事はないけれど。


  ──一番辛い思いはここに来る前にしてきました。
  ──死ねと言われたのも、二度目です。


頭の中に、文字が浮かぶ。
いつか君から届いたメッセージ。

 ──俺の死を望む人が国の制度と貴方達だけじゃないことが、一番辛くて。
 ──それ以外が構わなくなってしまったんです


ほと、ほと、とめどなく溢れる涙を、そっと指の背で拭ってから
少しだけ高い君の背に、腕を回す。
拒絶されなければ、子供を宥めるみたいに背を摩り、抱きしめて温もりを分けてやる。

「泣ける時に、泣いとけ。」

いつか自分が受け取って、楽になれた言葉だ。
想いは伝えないと、伝わらない。
(-317) 2022/03/04(Fri) 2:21:33

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


子供の頃、気になっていた子に
わざといじわるをしたような記憶がある。
あれは今思い返せば、その子の気を引きたいだけだった。

「言われなきゃ、分かんない。
 傷付くとしても、ちゃんと知りたい。」

きっと、本音を押し殺して、自分を閉じ込める君が嫌いなんだ。
……やっと自分の心を理解して、君の心を理解出来そうだ。

「お前が死んだら、
 僕が悲しんでやるよ。」

だから、残念ながら、男は
もう君を嫌いだなんて思えない。代わりに死ねとも言えない。


 ──誰かを殺すこと。
 ──誰かを生かすこと。
 ──誰かを理解しないこと。

そのどれもが、君が成すべきこと。
では、男が唯一、君にしてやれることがあるならば



「一緒に死んでやろうか。」


どうせ、一度覚悟をした命だ。
(-318) 2022/03/04(Fri) 2:24:48

【秘】 演劇 アクタ → 落涙 ユメスケ


「ん〜……」

朝日が嫌い。他はいいけど、これだけが嫌。
──なんだろう?

こういう時にこそ、舞台の脚本にあるような言葉がぽんぽん浮かんで
そのどれもを、違うかな、と、思案。

暫く、間をあけて。

夕日他人と比べないと
 綺麗だって言われないから、とか。」

……だろうか。
考えてみたけれど、一番しっくり来たのはこれだった。

「分かんないけど……
 僕は、コタローの事考えたら
 そうかなって、思った……かな。」

きっと君は答えを求めていないのだろうけど
芸術は、それから生まれる想いは、自由にあるべきだから。

自分なりの答えを、
君に投げかけてやった。


──なんて話していれば、
小さな美術館はあっという間に出口だろうか?
(-349) 2022/03/04(Fri) 13:30:57

【秘】 演劇 アクタ → 落涙 ユメスケ


「なんだそれ、」

やっぱり笑って、君を見た。
自分の言葉を受け取って、笑って、対話してくれる君が
なんだか弟分みたいで、可愛らしくて。

「じゃあ僕は、
 夕陽が綺麗な日は
 コタローを見るとするよ。」

赫く赫く広がる空。
薄暗い雲が透き通って、ヴェールをかけるとき。
君と話した今日の日を、ぼんやり思い出すのだろう。


「……W楽しかったWか?」

ぎ、と音を鳴らして、
君の背を見守りながら、美術館を後にする。

今日のデートは、ここまで。
続きは、紙袋を叩き潰した音の後に。
(-408) 2022/03/04(Fri) 20:58:18