人狼物語 三日月国


132 【身内RP】穏健なる提案【R18G】

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【独】 清掃員 カミクズ

/*
生存者は軒並みムチャクチャのムチャになってるけど
墓下はスットコドッコイ鍋パ会場簡易メモなんだよな。
いらっしゃい……
(-1) 2022/03/04(Fri) 21:02:47

【独】 清掃員 カミクズ

/*
生きて帰ってほしいなァ…… vs 死んだ方が楽!!! ファイッ
(-16) 2022/03/04(Fri) 23:59:06

【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ

/*
こちらメロンパン入れとなっております。
諸々了解しました、問題ないです!そちらのペースで始めて頂ければ!
沢山お話できて嬉しいです…♡
(-22) 2022/03/05(Sat) 11:31:16

【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ


二人きりの穏やかな時間、暫しの微睡みの後。
寝入る直前の記憶がどうにも朧げで、
何かおかしな事を口走っていなかったかとか、
言及されれば首元の痕に気付いて少々動揺する事になった、後。

手を引かれるまま、日暮れ後のVR内を二人歩く。
夜に、また。その約束はちゃんと覚えていた。

「……すごい、な。結構なんでもありなんだ…
 …うん?はい、大丈夫ですよ。
 ええと、なんだっけ…あの、大きい水槽とかが怖いやつ…
 そういうのも、特になかった…かな。」

水族館の外観を見上げて、思わず一人そう零した後。
投げ掛けられた問いに視線を隣へ向けて、答えを返す。
視線の先を追って、それに気付いて、でも何も言わなかった。


なんともあやふやな言葉の指すところは、
所謂水槽恐怖症だとか、水族館恐怖症と呼ばれるもの。
手繰る記憶はもう随分遠いものに思うけど、
思い返す限り、水族館への苦手意識は無かった、ように思う。
(-37) 2022/03/05(Sat) 14:58:44
カミクズは、その日は裁判場へ向かわなかった。
(c5) 2022/03/05(Sat) 14:59:24

【墓】 清掃員 カミクズ

>>+3 薬局

際限なく他者の心に寄り添う事が美徳とは言い難い。
他者の痛みを知りすぎれば、それはじわりと心を侵すもの。
たとえそれが直接の原因ではなくとも。
それもまた、この清掃員の物病みの一因なのだから。

人の痛みを理解しすぎる事は、時に毒だ。
限度を過ぎれば徐々に心が蝕まれ、身動きが取れなくなる。
毒を食らう自由さえない事を、幸福とも言えないけれど。

「……そうですね」

無彩な双眸に、淀みのない言葉に。
少し困ったように笑って、やっぱり独り言のように呟いた。

「でも」

「誰かがそこに居た事を、踏み躙られないように。
 それが、その人の望まない形に歪められてしまわないように。
 ちゃんと…綺麗にする必要もあるんですよね」

ここではきっと、必要ないのだろうけど、なんて。

──続き、やりましょうか。話し合いに遅れないように。
掃除が終わったら、ちゃんと手を洗ってから戻りましょうね。
……あ、そうだ。ユスさん、ご存知でしたか?
手を洗うのは、思ったより時間を掛けた方がよくて。
洗いながら『ハッピーバースデー』を二回歌うくらいがちょうどいいんです
(+5) 2022/03/05(Sat) 15:45:20

【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ


み、見れないじゃないですか……

 …楽しかった思い出、ありましたよ。
 あった、はずなんです。でも」

並ぶ水槽の中。
名前も知らない魚の、光る鱗を時折眺めながら。
思い出を零しながら、二人きりの静かな館内を歩く。

「それが楽しかったって事は、覚えてるのに。
 楽しかったって気持ち、今は全然思い出せなくて。
 起きた後に思い出す夢みたいに…景色も曖昧で。
 漠然とただ、あの時は楽しかったなって思うだけ…」

あなたがまだ隣に居るなら、どこか縋るように手を握って。

「…思い出の中にはどれも、兄が居て。
 だから楽しかったのが、余計に寂しいんです。
 生まれた時からずっと一緒だったんです。
 僕達は…双子だったから」

水槽の中をゆったりと泳ぐ軟骨魚をぼんやりと目で追った。

双子の兄を失った事。
この制度への激しい嫌悪感の始まり。
それは、二度と元には戻らない欠落で。
だから、誰かを代わりにしようと思った事はない。
(-48) 2022/03/05(Sat) 16:24:04

【独】 清掃員 カミクズ

/*
人の心のやわこい部分だ!嬉しいなぁ!
(-49) 2022/03/05(Sat) 16:34:19
カミクズは、やっぱりバースデーソングは最後まで歌わなかった。
(c6) 2022/03/05(Sat) 16:57:19

【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ


「一緒に、……そう、ですね…」

ああ、自分の願った事は、そうだったな、と思い出して。

「……上葛 掃司カミクズ ソウジ。僕の、一卵性の双子の兄で…
 僕と一緒に生まれて、生きてきて、でも、
 今は僕よりずっと歳下になってしまった人。
 ずっと18歳のままの、優しくて、いつも前を向いていた人」

水面を通した淡い明るさの中、静かに口を開いた。

「必ず帰って来ると約束したのに」

「だから僕、言われた通り、笑顔で待ってたのに」

「待ってたのに」


涙こそ出ないけれど、泣き疲れたような声だった。
気付けば無意識の内に俯いていて、
視線は握った手をただじっと見ていた。
手を引かれていないと足を止めてしまいそうだ。

「この場所から、二度と帰っては来なかったんです」

ずっと手を引いてくれていたのに。
これからも、それが続くと期待していたのに。
あの日一度放した手は、二度と触れ合う事はなくて。
置いていかれてしまった。最初で最後の、裏切り、だった。
(-73) 2022/03/05(Sat) 20:47:18

【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ


「……一卵性の双子でも、代わりに行く事はできないなんて
 なんだかおかしな話ですよね…」

どれだけ遺伝子的に近しくとも、
どれだけ健康体であったとしても。
選ばれた人間の代理を務める事は認められない。
あの時は、それが随分理不尽に感じたものだった。

「…上から…テレビで見た事だけ、あります。
 実際に見た事は…無かったんですけど」

ふと掛けられた声に、顔を上げて。
大きな水槽を見上げれば、ほんの少し息を呑んだ。
どこまでも深く青く、思わず心奪われるような、雄大な光景。

兄が楽しげに手を引いて行く先は、いつも。
賑やかな、イルカやシャチのショーだったから。
思い出の中ではそれも楽しかったのだけれど、
こんなに静かに見て回るのは、初めてかもしれなくて。
それがなんだか、無性に嬉しかった。
(-74) 2022/03/05(Sat) 20:48:09

【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ


今、この場所に居るのが、兄であったら。
もう少し上手くやっただろうかと、そう思わないわけじゃない。
でも、多分、同じような事はしていただろうな、と思う。
思って、じゃあ、おあいこだな、とも思ったから。

「…教えてなんか、やりませんよ
 きみとの思い出は…僕だけのものにして、それで。
 目一杯悔しがらせて、ざまあみろって言ってやるんです。
 悔しがるくらいなら置いてくなってんだ、って」

喧嘩には、なるかもしれないけど。
そう言って、少し泣きそうで、でも屈託なく笑った。
いたずらを企てる子どものような笑みだった。

「ふふ…これ、辿り着けなかったらどうしましょう
 僕、あんまり方向感覚とか、よくなくて。
 こういう時、なかなか目的地まで辿り着けないんですよね…」

でも、二人でなら、もう暫く迷うのもいいかな。
そんな不真面目な事を思いながら、
行きあたりばったりに綺麗な世界の裏側を二人歩く。
静かで、それでも不思議と満たされた時間だった。
(-77) 2022/03/05(Sat) 22:04:20

【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ


「…双子でも・・・・、です。
 独り占めしたいものは、独り占めしたいんですよ」

重く小さな機械音と、二人分の足音だけが響く中。
あなたの方を見て、小さく笑って、そんな我儘を言う。
意地悪は建前で、我儘が本音なのかもしれないな。

そうして暫し漫ろ歩いた後。
声を掛けられれば名残惜しげに一度手を離して、
ほんの少し先を行く背を追った。
怖くはない。
手を離す事も、すぐ真下に水槽が広がっている事も、今は。

「……近いのに、遠いような。不思議な感じですね…」

足元に広がる世界を覗き込んで、ぽつり、そう零して。
水面に伸ばされる手をただ見ていた。

──見学者。
触れたくとも触れられない所から、自分達を見ている彼らも。
或いは、こんな気持ちなのだろうか。
そんな詮無い考えが過ぎったのは、束の間の事。
(-81) 2022/03/06(Sun) 1:13:41

【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ


「…外に出たいかは、わからなくとも。
 もし仮に、"出たくない"ときみが感じたなら。
 きっと僕は、同じ場所で、ずっと傍に居ます。
 きみが寂しくないように、いつまでも」

漠然と。
多分、その方が楽なんだろうな、と思う。
期待さえしなければ、裏切られずに、傷付かずに済むから。
でも、だからと言って遠ざけるのは多分、そうじゃなくて。

「でも。
 それではできない事を、きみがしたいと思ったなら。
 きみの支えになって、手を握って、
 一緒に隣を歩くくらいなら、きっと。」

不確かな未来を約束するのは、やっぱり少し怖いけど。
きみの為なら、少しだけ意地が張れそうだ。

「今の僕にもできるんだって…諦めたくは、ないな。」

うん、ほんとに、少しだけ。
(-82) 2022/03/06(Sun) 1:14:34

【独】 清掃員 カミクズ

/*
謝謝茄子……………
(-88) 2022/03/06(Sun) 2:24:27

【墓】 清掃員 カミクズ

#水族館

「────、」

それは、唐突な事だった。

聞こえた言葉、背を押される感触。

直後、ぐらり、視界が、傾いで。

ああ、時が来たのだな、と思った。
(+18) 2022/03/06(Sun) 2:39:31

【墓】 清掃員 カミクズ

(+19) 2022/03/06(Sun) 2:41:39

【墓】 清掃員 カミクズ


「さようなら」

「さいごの夜を、暖かくしてくれてありがとう」


「僕の、大好きな人」
(+20) 2022/03/06(Sun) 2:41:48
カミクズは、抗わず、どこまでも深い蒼に沈む。
(c12) 2022/03/06(Sun) 2:42:27

清掃員 カミクズは、メモを貼った。
(c13) 2022/03/06(Sun) 2:48:17

【独】 清掃員 カミクズ


どぼん、大きな飛沫が上がって。

ごぼごぼと、耳障りなあぶくの音。

ほんの一瞬、背に感じた温度と、水面の明かりが遠くなっていく。

──入水自殺。
水死体は水に浮く。ありさまもひどいもの。


ああ、見苦しい姿を晒さないといいな、なんて思って。

それから。
(-90) 2022/03/06(Sun) 3:03:16

【独】 清掃員 カミクズ


──寒いな、と思った。

多分、冷たい水が体温を奪っていく、せいで。

ああ、でも、これは。

多分、寂しいのだろうな、とも、思って。

ごぼり、また一つあぶくが水面へ昇っていく。

肺が必死に命を繋ごうとしても、流れ込むのは水ばかり。
(-91) 2022/03/06(Sun) 3:12:24

【独】 清掃員 カミクズ


息ができない。

怖い。


でも、泣いている事を知られずに済むのは、

怖い。


死ぬのは、怖い。


でもこれは、自分が望んだ最期、でもあって、

嫌だ。


意識が暗く沈んでいく。

怖い、怖い怖い怖い!!!


せめてここでの時間が、
どうかきみにとって決して辛いばかりのものでないように、

どうして、
(-92) 2022/03/06(Sun) 3:31:01

【独】 清掃員 カミクズ

 
──暗転。
(-93) 2022/03/06(Sun) 3:35:37

【独】 清掃員 カミクズ

/*
OKまだ負傷ロールしていいんだな!!??!!!!?
(-101) 2022/03/06(Sun) 8:14:44

【墓】 清掃員 カミクズ

#水族館

きみが手を伸ばす光景は、清掃員に見えていたかな。
見えていたら、少しだけ申し訳無さそうに笑って、
手は、伸ばさなかったかもしれないな。

清掃員は、きみの事を投げ出して生きるつもりは無かったから。
死にたくはなかったけれど、でも。
少しでも長く一緒に居たかったけれど、でも。

それがきみの望みに繋がるなら、それでよかった。

だから、きみが楽しかったと語った思い出の、この場所で。
抗わず、ただ重力に従って。

──与えられた終わりへと落ちていく。
(+21) 2022/03/06(Sun) 9:23:39
カミクズは、落ちて、落ちて、落ちて…
(c14) 2022/03/06(Sun) 9:23:49

カミクズは、手向けでなく、贈られた花と共に。
(c15) 2022/03/06(Sun) 9:23:56

カミクズは、ゆっくりと広がる赤に沈む。
(c16) 2022/03/06(Sun) 9:24:11

【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ


──運が良ければ、なんて事は無い。

これはきっと、多分、きみの
不運
なのだろう。

投身自殺の成功率は低い、という話を知っているだろうか。
人体というものは脆いくせに柔軟で、
ちょっとやそっとの高さから落ちた程度では死にきれない。
大抵の場合、即死はできない。

もっとも、当たりどころが悪くなければ、の話。

ゆっくりと赤が広がっていく。
でも、まだ生きている。

不運かそれとも躊躇いか、慈悲の重みは狙いを外したようだった。
当たりどころは、良くも悪くもない。

放っておけば確実に死に至るだろうけれど、
この合議が終わるまでの間、命を繋ぐくらいなら。
まだ間に合うのではないかと思えるだけの。
もう一つだけの岐路、選択の余地が、そこにある。

静かに死を見守るも、生を拾い上げるも、今はきみの自由だ。
だって、上葛掃守という人間は。
いつだってきみの意思を、選択を責めはしなかったでしょう。
(-102) 2022/03/06(Sun) 9:25:54
カミクズは、きみが望むなら、それでよくて。
(c17) 2022/03/06(Sun) 9:46:41

カミクズは、でも、きみの望まない事はしたくないな、と思う。
(c18) 2022/03/06(Sun) 9:47:53

【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ


ほんの一瞬だと思っていた浮遊感は、思っていたより長く続いて。

その後に訪れたものは、水の冷たさではなかった。

人体が地面に叩き付けられる、鈍い音。

自分が、今、どうなっているのかわからない。

視界がちかちかとして、上手に息ができなくて、手足が冷たくて。

全身を苛む激痛と、
じわりじわりと命が流れ出ていく感覚だけが鮮明だった。
ただそれだけが熱を持っていた。

それで。

今になって、迫る死を、これまでよりもずっと近くに感じて、

怖いな、と思って。


痛くて、


寒くて、


寂しくて、


怖くて、怖くて、怖くて、怖くて仕方なかった。
(-124) 2022/03/06(Sun) 15:17:52

【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ


だから、そこに聞こえた足音と、それから。

この場所で、唯一自分を名前で呼ぶ人の声に。

ほんの少し、どころじゃなく安心した自分が居て。

──曰く、死ぬ時に、最後まで残っているのは聴覚なのだと。

そんな話を、ふと思い出したりなんかして。

ああ、あれは案外本当なのかもしれないな、と思った。

けど、同時に。

泣いているの、ばれてしまったかな、とも思って。

何かが頬を濡らす感覚に、それもおあいこだといいな、と思った。
(-125) 2022/03/06(Sun) 15:18:21
カミクズは、手を伸ばしたくて、でも、届かなくて。
(c19) 2022/03/06(Sun) 15:18:37

カミクズは、その涙に触れられなかった。
(c20) 2022/03/06(Sun) 15:18:44

【秘】 きみだけの カミクズ → 不運 フカワ


それから。

霞む視界の中、影が差したのを、感じて。

また一つ、鈍い音が響いて。

目の前が
真赤に染まって、




それきり、意識はまっくらな眠りに落ちていった。

──ねえ、邦幸さん。笑わないで聞いてくださいね。
僕、あんなに記憶転移があって欲しいと思っていたのに。
今では少し、あったらいやだなと思うんです。
きみへのこの思いが、他の誰かのものになってしまうのは。
それは…あはは、やっぱり、少しどころじゃなくいやだ、な。

…ね、本当に、おかしな話ですよね……
(-126) 2022/03/06(Sun) 15:20:03
カミクズは、その夜、いっとう深い眠りに就いた。
(c21) 2022/03/06(Sun) 15:20:24

カミクズは、きみのくれた、誰かの死を悼む花と、
真っ赤な花
を抱いて。
(c22) 2022/03/06(Sun) 15:20:36

カミクズは、それに、大好きなきみが傍に居てくれたから。
(c23) 2022/03/06(Sun) 15:20:46

カミクズは、眠りに就くのは少し怖かったけれど。
(c24) 2022/03/06(Sun) 15:20:51

カミクズは、その夜も、ちっとも寂しくはなかった。
(c25) 2022/03/06(Sun) 15:20:57

カミクズは、普川邦幸の傍に居る。これからもずっと。
(c26) 2022/03/06(Sun) 15:21:08

  の名残 カミクズは、メモを貼った。
(c29) 2022/03/06(Sun) 19:25:43

カミクズは、もう下手くそな笑顔を見せる事は無い。
(c30) 2022/03/06(Sun) 19:26:04

カミクズは、その顔は傷付けられて、見る影もないけれど。
(c31) 2022/03/06(Sun) 19:26:13

カミクズは、目も口もただ閉じられて、笑みの形でこそ、ないけれど。
(c32) 2022/03/06(Sun) 19:26:22

カミクズは、きっと、だからこそ表情は穏やかなものだった。
(c33) 2022/03/06(Sun) 19:26:28

【秘】   の名残 カミクズ → ユス


『ああ、ユスさん』

『大丈夫ですよ。
 ちょっと外せない用事があって、行けなくて。
 今日の話し合い、皆さんどうしてましたか?』


なんて。

今も端末の向こうに清掃員が居たら、
きっとそんなふうに返したんだろうな。

でも、そこに清掃員はもう、居ないから。
確かにそこにあった、暖かかった時間の、優しかった時間の
その名残を残すばかりのものになってしまったから。

その連絡に、返事が返ってくる事はなかった。
たとえ責任が取れずとも気にはする男の、珍しい無責任だった。

そして多分、端末で調べても、現在地はわからない・・・・・・・・・んだろうな。

清掃員の行方を知っているのは、ただ一人だけ。
あなたに思い当たる節があるかは、なんとも言えないな。
(-199) 2022/03/06(Sun) 23:52:48

【秘】   の名残 カミクズ → 美術 エノ


その日の話し合いの裏、落ちていく意識の中。

──ああ、死ぬのだろうな、と思って。
それから、きみに言われた言葉を思い出して。
やっぱり悲しませてしまうかな、なんて罪悪感が蘇って。

それでも、きみには生きて欲しいな、と思った。

その未来をこの目で見る事は叶わないけれど。
それは、ある種の呪いになってしまうとわかっているけれど。
重荷を背負って生きる事は、苦痛を伴うと知っているけれど。
話し合いの様子を、知っていたわけではないけど。

『絵乃さん』

『僕はずっと、きみに生きていて欲しいと思っていたんですよ』

『だから』

『きみが生きていたいと願うなら、
 僕は、きみの友人は、それが叶う事を願っています』

でも、それでも、そう願う事は。
友達の無事を、幸せを願うのは、それこそ普通の事でしょう?

そんな、ちょっとずるいメッセージは、確かに送信された。
だから、どうか、どうか。
これ以上、大嫌いなこの制度に、
僕が生きて欲しいと思った人が、奪われてしまいませんように。
(-221) 2022/03/07(Mon) 3:10:55

【秘】   の名残 カミクズ → 不運 フカワ


死者は、何も語らない。

息絶えた時そのままの姿で、ただそこにある。

温室を初めて訪れても感嘆の声を上げる事は無いし、

穴を掘るきみの背に、
手伝いましょうか、なんて声を掛ける事も無いし

虚しく響く独り言に、相槌を打つ事も無い。

ただ、確かな死の気配を纏って横たわっている、だけ。

それがあるべき姿だった。
(-222) 2022/03/07(Mon) 4:16:12

【秘】   の名残 カミクズ → 不運 フカワ


そんな中、不意に。

「   ん  っ  い」


乾いた唇が、ほんの少しだけ動いて、それから。

──
─ぜ
んぜ
かっ
い!
!!」


あるべき形に抗って、
死者は今一度重たい目蓋を上げて、泥濘の眠りを振り払った。

夥しい血に塗れた人間がゆっくりと身を起こす光景は、
きっとホラー映画も斯くやの凄絶なありさまだったんだろうな。
それが誰にとってのホラーかなんて、わかりやしないけど。
(-223) 2022/03/07(Mon) 4:21:14