人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

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【人】 楊 宇静



[食事中の会話は本人がどうかまでは解らないけれど、宇静にとっては少なくとも、楽しいと呼べる時間であった。と、思う。

先生がサボるのは凄いね。>>359とか。
量がそもそも段違いだ。>>363とか。


最初、麺を啜る姿から想像していたよりは随分ところころ表情が変わるし、見ていて飽きない。

そもそも嫌なら無視をするなり、おばちゃんに言って席を変えるなり変えさせるなり出来ただろうに、それをしない時点で根本的にはお人好しなのだろう。

ほら。突拍子もない誘いに、なんのかんのと言いつつも断る様子もないのだし。>>366]


  ホムラ、ホムラね
  よろしくするよ!

 
(381) 2020/05/17(Sun) 21:58:51

【人】 世界の中心 アーサー



  …ふふ。飽きたら何をしよう。
  ナイフの使い方でもご教授願おうか。

  せめて林檎くらい剥けると良いかもしれないな。

 
(382) 2020/05/17(Sun) 21:59:01

【人】 楊 宇静



  わたしはユージン、ヤン・ユージン

  えっとねー


[傍らにあった紙ナプキンを引き出して、鞄の中にあったボールペンで、楊 宇静と漢字を書いて。]


  読み方はこの国は何になるかな
  ようさん、て呼ぶひと多いけど
  ホムラは好きにわたしを呼ぶと良い


[彼に向けて差し出した。]


  おっきいの学校あるの知ってたけど
  あれは音大だったのか!

  わたしは日本語学校いってるね
  電車で2つ駅のところ

 
(383) 2020/05/17(Sun) 21:59:35

【人】 世界の中心 アーサー


[ “貴族”のなかでも、“リドル”と言うのは
  意見番の様な役割を持っている。
 生死に関わらず“行末”のひとつが見えてしまう為に。

  それ故に兎に角手紙が多く──
  ──恋愛相談なんかは他を当たって貰いたいものだが──
  万年筆を手放す事は、到底出来ないのだけれど

  これだって、そう。
  “血”のもつちからであるから。
  “持つもの”の仕事である。──生き抜く為の。

  そういう意味では、男もまた、
  生きる為にいちにちを過ごしている。 ]
 
(384) 2020/05/17(Sun) 21:59:53

【人】 楊 宇静



  あとねわたしも音楽するよ
  パソコンでだけど


[楽器は出来ないよ。なんて付け加えてから、新しく仕入れられた知識にはしゃいで目を輝かせた。]


  近くのスタヴァに行く?
  あのね、わたしに日本語教えてほしいんだけど

  いつものやつじゃない日本語


[学校でも中々触れられないもの。主語述語。助動詞、名詞。そういう形式ばったものではなくって。]

 
(385) 2020/05/17(Sun) 22:00:12

【人】 世界の中心 アーサー

 
 
 ( “リドル”であるが為に、
    盛られることも、打たれることもあるのだから、
    生きるハードルは 本来 高いものであれ。

    彼女を見遣る薔薇色には、
    憐憫も、憧憬も、 ましてや同情も無かった。
    唯、“そうするべき”だからそうしている。
    未来を視る“までもなく”。 )
 
 
(386) 2020/05/17(Sun) 22:00:16

【人】 楊 宇静



  ホムラは音楽勉強してたら
  歌たくさん知ってるなら良いな


[なんて畳み掛けつつ。
美しい旋律に乗った、この国の言葉のなんと魅力的なことか。何て話をするのは、道すがらか、或いは。場所を変えた後の話か。]

 
(387) 2020/05/17(Sun) 22:00:43

【人】 世界の中心 アーサー



       [ 洗ったかのよな器に、
          映るかんばせは 日を知らぬ白。 ]

 
(388) 2020/05/17(Sun) 22:00:47

【人】 軍医 ルーク

[ 兎の部下たちは、毎日のように見舞いに訪れた。
 歓談の雰囲気は、日を追うごとに和やかなものになった。
 自分がいては冷や水をかける以外の何者でもないが、
 勤務時間は勤務時間だから、席を外せないこともある。
 そういうときは、その場にいた。

 訪れるたびに胡乱な目を投げかける者もいた気がする。
 自分たちの隊長に何かしたら只では置かない、
 というところだろうか。

 義手を取り外してのやり取りの時には、
 ちらりと視線が其方に向かいはした。
 それもまた、通常なら耐えられないような『痛み』を伴う
 動作のはずなのに、
 表面上、それが表れているようには見えない。
 
 研究班の人に、細身のくせに馬鹿力の怪力兎と言われる――
 というくだりで、
 此方に部下のきつい視線が飛んだ気もするが、心外だ。
 自分が言ったのは『莫迦』だけだ。
 まあ、複数回言ったけれど。
 阿呆、とも言ったけれど。

 赤いうさぎの寝台を囲んでのそんなやりとりだとか、
 屈託なさげな若い部下たちの表情、
 感情豊かな女性の兵士の声、
 そのようなものを聞くとはなしに聞きながら、
 仕事の記録を付けている。]
(389) 2020/05/17(Sun) 22:33:17

【人】 軍医 ルーク

[ そして、兎が医務室を去る日の事。
 検査についての問いかけに、決定事項を伝える。]


  明日からだよ。


[ 任務に戻ってからも検査を止める理由は、何処にもない。
 だから、これ以上引き延ばすことは出来ない。
 この数日間ですっかりうさぎに懐いたぺんぎんが、
 名残押しそうに足元に歩み寄るが、
 その回復具合を喜んでいるのか。
 がんばった! とばかりに両手を挙げてぱたぱたする。
 頭を撫でられ、ぶどう味、という言葉に目を輝かせた。
 はたしてどんなすばらしいあじが…! と、
 喋らなくても目の輝きで、
 誰にだって思っていることがわかるだろう。]
(390) 2020/05/17(Sun) 22:33:29

【人】 軍医 ルーク


  次の検査は、薬は――


[ ふっと押し黙る。
 此方の耳があるあたりに視線が向いたのは感じたが、
 恐らく、何も読めなかっただろう。
 何せ、普段は滅多にフードを下ろさないから、
 覗こうとしても、耳自体見えなかったはず。>>18
 この耳の形や色を知っている者は恐らく、
 上官の前や顔の照会など、帽子を脱ぐ必要がある場に
 居合わせた者だろうか。]


  効果がない薬なら飲む必要はないよ。
  経過次第かな。


[ 飲まなければならない栄養剤とは話が違う。
 そう告げる声には、数日前このうさぎが担ぎ込まれて、
 怪我も申告せず逃げようとしたり、
 苦い薬に抵抗しようとしたときに見せた“怒り”――…
 少なくとも、このうさぎはそう思ったらしいものは、
 少しも含まれてはいないだろう。]
(391) 2020/05/17(Sun) 22:34:13

【人】 軍医 ルーク

[ 検査についての司令とのやり取りが、頭を過る。
 部下たちとの和やかなやり取りも。
 ――多分自分は、あの棚の中の瓶を、
 どうすることもなく捨てるのだろうと思った。
 作った理由も、捨てる理由も、わからない。
 そんなものは、きっとない。

 それにしても、ぷるぷる震える耳が実に分かりやすくて]


  でも、此方はあと一回分残っているね。  
 

[ にい、と笑い顔の形を作り、
 件の薬――AME015を差し出した。
 飲み切るまではここから出さぬ、という
 無言の圧を込めて。]
(392) 2020/05/17(Sun) 22:35:28

【人】 軍医 ルーク


  [ ――… ]



             
[ ――… ]
(393) 2020/05/17(Sun) 22:36:15

【人】 軍医 ルーク

[ 視界のすべてが赤かった。
 炎は消し止められたようだ。
 耳音で滴る水の音に、
 ああ、流れている血だなと――そう思った。

 辺り一面の瓦礫の山、
 吹き飛んだ天井の向こうは、一面の闇だ。
 誰かの声が聞こえる、誰かの動き回る音、
 瓦礫をかき分ける音。

 彼らの声が、ひとつも意味を為さない。
 頭の中はぐらぐらと揺さぶられて、
 目に飛び込んでくる景色も一秒後には捻じれ、
 水にぬれて絞られる布のような心地がした。

 身をよじり、身体を動かそうとする。
 けれど、からり、と手元の破片が音を立てた、それだけで。

 そうだ、繋いでいた手が、あったはずだった。]
(394) 2020/05/17(Sun) 22:37:57

【人】 軍医 ルーク

[ 首を傾ける。
 小さな傷だらけの手は、確かにそこにあった。
 自分の右手と、つないだままだった。


 ――その手“だけ”が、あった。

 動いた視界の先に、大きな瓦礫がある。
 その下にあるものは――ああ、位置的にはわたしの脚か、と、
 他人事のように、思う。

 音のすべてが遠ざかる。
 けれど、鼓膜は大丈夫。
 視界に問題はない、赤いのは、血が入っているから。
 そんな風に淡々と分析しながら、
 駆け寄ってくる誰かの足音を聞きながら、

 まるで、ピアノを弾いている指の上に
 蓋を思い切り閉められたように、
 自分の中に『何か』が致命的に断ち切れたということに、
 気づいては、いた。

 そのときは、それは両脚のことだと思った。
 切れてしまった糸はそれだけではなかったということを、
 病室で自分を診察した医師のカルテを盗み見て、知る。

 ―― そのときも、もう、何も感じなかった。]
(395) 2020/05/17(Sun) 22:39:33

【人】 軍医 ルーク

      [ ――… ]


[ 目を覚ます。
 最初に目に入ってきたものは、医務室の固い床と、]


  ……ぺんぎん……


[ そう、ぺんぎん。
 目の前で此方を覗き込みながら、必死の様子でぺちぺちと、
 頬を羽で柔らかく叩いている。
 ああ、そうか、寝入った。
 あと三時間もすれば、仮眠をとる予定だったのだけれど。
 のろりと身体を起こし、揺れる頭を騙すように目を閉じて、
 少し待ち、開く。]
(396) 2020/05/17(Sun) 22:40:40

【人】 軍医 ルーク


  今夜は、勤務はない……
  起こしてもらったところ悪いけれど、
  それは明日だよ。


[ そうじゃないそうじゃない、とばかりに
 ぺんぎんはぷるぷる首を振る。
 しかし、この調子では明日の勤務に差し触るか。
 食事だけでも、と、机の上の瓶を取ろうとしたところで、
 ぺんぎんが机の上に飛び乗り、袖をぐいぐいと引く。
 今日は何がしたいのだろう、一向に分からない。
 手を止めて、とりあえず椅子に腰かけていると、
 どこから調達してきたのか、
 丸パンを一つぐいぐいと押し付けてきた。]


  ……食えと? 
  栄養なら、錠剤の方があるのに。
  君のすることは、不思議。


[ 首を傾げるが、食べれば気が済むのだろうか――と、
 千切って口に運ぶ。]
(397) 2020/05/17(Sun) 22:41:35

【人】 軍医 ルーク

[ まるで味がしないそれを飲み下せば、
 久方ぶりの固形物に驚いた身体が全力で抵抗し、
 飲んだものをそのまま吐き出させようとする。

 ああ、吐いたら面倒だな――と、口元を押さえ、
 机の上にあった瓶を片手で開け、中身をパンごと流し込んだ。

 AME015。

 味のない液体で、味のないパンを流し込み、食事を終える。
 ぺんぎんは、ふー、と大きく息をついて、
 机の上に座り込んでいる。
 栄養剤の効果は抜群で、暫くすれば、
 動くのに差しさわりがないくらいに体調も戻る。

 これから徹夜が続いたときはこれを飲めばよいか。
 自分用にも少しばかり発注しておこう。]
(398) 2020/05/17(Sun) 22:43:01

【人】 軍医 ルーク

[ 明け方近い時間帯、人気のない基地の中をゆっくりと歩く。
 ひとりと一羽の、ゆっくりとした足音。
 自室には向かわなかった。 
 この東棟の、外壁へと。

 いつからだろうか、外壁を訪れて外を見るようになった。
 目的は、大穴の『観察』。
 毎日というわけではない。
 ただ、あの大穴を見上げながら――時折、手を翳してみる。
 天を眺めている。
 夜目は効くが、視力自体はそこまで強くない。
 生き物の影までは見えず、
 天で発光する植物や苔の明かりは、少しぼやけていた。

 見張りは外を見張っている。
 内部寄りの見つかりにくい場所なら分かっていた。]
(399) 2020/05/17(Sun) 22:44:11

【人】 軍医 ルーク

[ やがて、『月』の時間が終わり、
 『太陽』に切り替り始めるころ、
 足元に壁面の、そして自身の影が差し、
 それに追い立てられるように外壁を離れる。

 立ち去り際、見張り台に寄ることにする。
 この時間帯は、見張りは此処にはいない。
 自分が立ち入る領域ではないのだが、
 今朝見たものの記録を取るため、机を借りようと思ったのだ。
 尤も、気づいたことなどそれほど多くはない。
 只、あの大穴の向こうに何も見えないことに関する
 仮説を一つふたつ――…

 胸元のポケットに入れた用紙の束メモを取ろうとして、
 ペンがないことに気付く。
 ああ、寝ていた時に医務室に落としたのか。
 今から取りに戻るのは面倒、申し訳ないが借りるとしよう。
 引き出しを開ければ、そこにあったのは誰かの私物。
 ノートや煙草だの双眼鏡だの、雑多なものだった。

 そのくせ、見張り台だというのに筆記具は見つからない。
 もしかしたらそれは他の引き出しにあるのかどうか。
 手を奥に差し入れ、何か固いものに触れる。
 なんだろう、と引き出してみれば]
(400) 2020/05/17(Sun) 22:45:53

【人】 軍医 ルーク


  ……タブレット。


[ 不用心なことだ、盗られたらどうするのだろう。
 ひとのものを盗ったり読んだりする趣味はない。
 そのまま奥に戻そうとして、
 その手が止まったのは――見てしまったから。

 赤い布の袋から覗く裏面の角にある、ひとつの『印』。
 一見すると只の引っかき傷のように見える、それは。]

  
  ―――…


[ 心臓が、どくりと鳴った。
 これは、基地の人員に支給されているものだったはず。
 発掘された遺失技術の産物の一つで、
 何処かで大量に発見されたものと聞く。

 ……いつ、どこで、
 だれが?

 タブレットを取り出し、画面に指を滑らせる。
 ロックがかかっている。
 思いつくパスワードをいくつか入れてみるが、
 どれもエラーに弾かれる。
 当然だ、これを使っているのは――父ではない。
 諦めきれずに、単語を無差別に入れてみても、駄目だ。]
(401) 2020/05/17(Sun) 22:47:51

【人】 軍医 ルーク

[ 恐らくは、発掘と研究に携わっていたのだろう。
 発見されたそれらが回収されて、
 期間を置いて実用に至り、基地に支給された。
 父が居た頃、この地域で発掘されたものかもしれない。
 だとしたらこの中身はとっくに初期化されて、
 痕跡なんて、何も残っているはずがない。
 そのまま袋に戻して立ち去ろうとして、ふと――…

 魔が差した、というのだろうか、
 あるいはある種の天啓だったのか。
 不意に指先が綴ったのは、どうしてか。
 先ほど自分が口にした、薬の名前。
 ……棚の中にある、捨ててしまおうと思った、
 それと同じ名前。

 ――画面が、切り替わった。]*
(402) 2020/05/17(Sun) 22:49:34

【人】 ミア



 [ 頭の良い武器なのだろう。
  頭の悪い奴の感想は、大概頭が悪かった。

  乗り込んで直接殴れれば
  そんな面倒くさいこと 考えなくてすむのに、とは、
  失うものを知らない立場の戯れ言だ きっと。 ]

 
(403) 2020/05/17(Sun) 22:50:44

【人】 ミア



    「 ……帰ってこないと駄目なの? 」

 [ 読めない紙を手渡されて、読めないと正直に答えて、
  ひとつ、ひとつ、内容を反芻している時だった。

  ……よく分からないうちに拾われて、
  飼われてしまったのならそうするべきだろうけど、
  帰巣本能なんて賢いものは遠いし、
  何より そんな 戻れるかなんてちっとも知らない。
  飼われているにしたって!

  "死んだ"時だって、
  引き摺られた跡に赤が伸びていた。
  犬の牙じゃあない ─── そういうことだ、つまり。 ]


 
(404) 2020/05/17(Sun) 22:51:54

【人】 ミア



   兎ができるよ。

 [ 単に行儀の問題か、敬意も何にも無いのか、
  銀の切っ先を 林檎と異なる赤色へ向けて。

  ……反抗したら如何するんだろう。
  と 僅かに思えど、
  これまで一度もしなかったし、
  多分、これからも、しない。不思議なこと!


    とはいえ、
    したら したで、死ぬだけだろう。自分が。 ]

 
(405) 2020/05/17(Sun) 22:52:31

【人】 ミア



  ………… でも、それより外に出れば良いのに。
  あのひとたち さっき言ってたよ。
  なんとかさんから招待状が来てるって。

  多分えらいひとでしょ?

 [ あのひとたち。
  今度切っ先が示すのは 扉の向こう。

  お行儀良く座るのに飽きたにんげんは、
  ずる、と 滑っては、肘掛けに凭れる体勢。
  いよいよ犬じみている。

    ─── 違い。そう言えば 首輪も無かった。 ]

 
(406) 2020/05/17(Sun) 22:53:24

【人】 ミア



 [ オレンジのひとつを手に取り、
  遊ぶよに一度放って、また 手に取る。

  寝転がりながらするものじゃあないけれど、
  文字を綴るよりこっちのほうが断然やりやすい。
  縁に切っ先を刺し、くり抜いて、
  ……嗚呼 途中から胡座に変わった! ]

 
(407) 2020/05/17(Sun) 22:53:45

【人】 ミア



   いかないの?
   ……"あぶない"なら、
   いい人連れて行けば 盾にはなるかもよ。

 [ 白すぎる いろを、見上げつつ。
  毒は食べたこと無いかも、とか、なんの冗談だか。 ]

 
(408) 2020/05/17(Sun) 22:54:18

【人】 ミア



 [ 薔薇の飾り切りが 軈て、机を彩る。
   良い出来映え!─── 満足そうに わらっていた。

  成程確かに こういうものは、
  何かしらで残したくなるのだろうか なんて、
  ぼんやり 思って。 ]

 
(409) 2020/05/17(Sun) 22:55:37

【秘】 軍医 ルーク → 部隊長 シュゼット


 ―― 
東棟外壁 見張り台
 ――

[ タブレットの中身は、殆ど使い込まれてはいないようだった。
 まるで、まだ空のなにか。
 そのまま閉じた方が良いと分かっているのに、
 指先はどうしても、中にある何かを探す。
 『ノート』
 初期の名前のまま変更もされていないそれだけが、
 使用の形跡があった。

 導かれるように指で触れ、内容を開き、
 そこに刻まれている内容に、暫しの間、押し黙る。
 どうやら呼吸も忘れていたようで、
 読み終わったその内容が信じられずに、
 茫然とその場に佇む。

 『断ち切られてしまった』感情は、役割を果たさない。
 無くなったわけではないけれど、うまく繋がらない。
 鍵盤はあっても、ピアノ線が切れたようなもの。
 時折、思い出したように突拍子もない音を鳴らすだけ。

 死んだと聞かされた頃はまだ心の中に滾っていた、
 父への感情であるとか、過去の記憶であるとか――>>6
 そういったものに突き動かされるようにしていた自分には、
 やはり今でも、父の語った“別の世界”の話は、
 途切れた先の何かを動かすものだったのだろう。]
(-133) 2020/05/17(Sun) 23:20:49