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【赤】 諦念 セナハラ粗方終えてしまうと、大きなブリキのバケツを取り出した。 蓋を開けて、骨や内臓を中に入れていく。 「…………ごめんなさい、」 生首の耳元で、小さく呟いた。 それを白いシーツでそっと包み、 名残惜しそうに、バケツの中へゆっくりと置く。 蓋をしてしまえば、贄川涼という子供だと判断できる物はもう見えなくなってしまった。 ……残す作業は、 隠蔽 掃除ぐらいだろう。 (*8) 2021/07/05(Mon) 23:06:26 |
【赤】 諦念 セナハラ「馴れたというよりは、馴らしたというか。 その為に医者を目指しました」 それはあの客人に問われたものの、答えられなかった“理由”だ。 簡素な戸棚、その一番下を開ける。 同じような作りのバケツが、もうひとつあった。 「僕は忘れられなかったので、 この光景を日常にしようと思ったんです。 そうすれば、悪夢ではなくなるでしょうから」 眠る赤子を起こしてしまわないように。 そんな手付きで、優しく、隣に新たなバケツを置いた。 ゆっくりと戸を閉めれば、手術台の血や脂を丁寧に拭き取っていく。 「……今日の所はこれくらいにしましょう。 ここから先は先日もやりましたから、 見なくてもわかるでしょうし。切って糸を通すだけです」 (*10) 2021/07/06(Tue) 0:28:22 |
セナハラは、手術道具の在庫を確認した。 (a4) 2021/07/06(Tue) 10:37:30 |
セナハラは、麻酔と縫合道具が見当たらないことに気付いた。 (a5) 2021/07/06(Tue) 10:38:04 |
セナハラは、もう人を せない。 (a6) 2021/07/06(Tue) 10:40:34 |
【赤】 諦念 セナハラ「……、……感謝されるような事ではないですよ。 何て物を食わせたんだ、と怒る人もいるでしょう」 吊るされていた干し肉を下ろし、糸を外していく。 先日作った彼女の肉が、白い皿に盛られていった。 そして新たな肉を薄く切り、糸を通し、塩と胡椒を塗し、吊るしていく。 「優しい大人はこんな事を──……いや、」 自分に生きる術を教えた父は、優しかった。 優しい大人だと、今でも思っている。 (*14) 2021/07/06(Tue) 14:11:32 |
【赤】 諦念 セナハラ「……うん。ありがとう、ございます」 貴方がそんなつもりで言ったのではないとわかっているが、 それでも、自身の父親を認められたような気がした。 「メイジくん。きみはきっと、優しい父親になれます」 「宿直室に、手紙を置いておきます。 ……封は開けちゃだめですよ。 それをここから出たとき、外の大人に渡してください」 手術台の照明を消した。 赤黒い肉が乗る皿を持ち、扉へ向かう。 (*15) 2021/07/06(Tue) 14:11:59 |
【独】 諦念 セナハラニエカワくん〜〜〜〜〜 ピクニック行こうねえ〜〜〜〜〜〜〜〜……… 万が一俺が生きたら取り憑いてくれ 連れて行く 死んだらあの世でピクニックしような (-104) 2021/07/06(Tue) 14:16:49 |
【秘】 諦念 セナハラ → 発熱 ニエカワ『全て私が脅し關わらせた事です。』 少し考えてから、再び筆を動かす。 『彼の御父上に金を借りてゐました。』 質に入れる物も無いのに、金を貸す人間はいないだろう。 気付いてから、新たに文を書き足していく。 『出世拂ゐとゐふ話でしたが催促をされ、 返すあてが無ゐのでやむなく殺めました。』 どうやら遺書を予め書いておくつもりらしい。 (-111) 2021/07/06(Tue) 18:06:54 |
【秘】 諦念 セナハラ → 発熱 ニエカワ『食糧が足りなゐ中、私は嘗て彩帆で食べた肉の味を思ひ出しました。 だうしても死ぬ前に再度味わひたゐと思ひ、明治君を脅したのです。』 『私が殺し、彼に處理を手傳わせました。 つまり彼は壱人も殺してなどゐません。』 殺した名前を書こうとして、やめた。 もしかすると、まだ増えるかもしれないのだから。 飢えは恐ろしく、人を等しく狂わせる。 『大變申し譯無く思つてをります。 私の命だけでは拭ゑぬ罪とは思ゐますけれども、 明治君は被害者と云へませう。 だうかご容赦くださひ。』 (-112) 2021/07/06(Tue) 18:07:37 |
【独】 諦念 セナハラくっそ〜〜〜〜〜 後で話すことあるってそういう事かよお!!!!!!!!!! 霊感太郎がいじめてくるよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜エンエンエン (-132) 2021/07/07(Wed) 0:24:52 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク「…………は、」 約束。 彼と自分しか知らない筈の話に、目を見開いた。 もし僕が忘れても、ニエカワくんが忘れないでしょう? 「…………。何、言ってるんですか。 巫山戯るのも大概にしてくださいよ、ねえ、」 きっと、生前二人は話したのだろう。 そうに決まっている。そんな筈はない。 けれども声の震えが隠せなかった。 (-171) 2021/07/07(Wed) 11:45:10 |
セナハラは、診察室の壁を力任せに叩いた。一拍遅れて、手が痺れるように痛む。 (a9) 2021/07/07(Wed) 11:48:47 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク甘い卵焼きを作るという、些細な約束だ。 その時は彼を殺すだなんて、考えもしていなかった。 お互いが生き延びるのは難しいだろうと、内心思いながら指切りをしたのだ。 弁当を持ってピクニックに行くと約束した時には──決めていた。 確実に守れないと、知っていた。 「ぁ、貴方、何がしたいんですか。 どうして笑ってんですか。── なあ!! 殺人を指摘された事よりも、 ニエカワと交わした約束を指摘される事の方が、 男にとってはずっと重い。 (-172) 2021/07/07(Wed) 11:49:32 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク肩で息をしていた男は、俯いたまま僅かに呻く。 漸く上げた顔は、憔悴しきったものだった。 何かを言おうとして、……口を噤む。 そんな事を数度繰り返し、漸く声にした。 「……。そこまで言うなら、どうぞ」 重い足取りを隠しもせず進む。 扉を開けると、肩越しに貴方を見た。 「見る方が、早いでしょうから」 男の後ろをついて歩けば、手術室に辿り着く。 (-175) 2021/07/07(Wed) 12:33:13 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク「……貴方は何があっても、生きたい人だと思ってました。 衣類も、うん。大丈夫です。 大分、僕も死にたくなってきましたから」 男は貴方と取引をしていない。 どんな人間か、大して知らなかった。 次に殺すなら貴方だろうかとも思っていたぐらいだ。 「後悔なんてね、ずっと、……ずっとしてますよ。 朝起きて、夜眠るまで。 四六時中、後悔と自責の念でいっぱいです」 手術室の扉が開かれた。 (-183) 2021/07/07(Wed) 15:27:21 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロクまず目に入るのは、吊るされた肉切れ。 机には塩や胡椒といった調味料が置かれていた。 そして僅かに、硫黄のような、酸味のある異臭がする。 戸棚の一番下を開け、大きなブリキのバケツを引っ張り出した。 男は貴方に見せるように、バケツの蓋を開ける。 ……中には、骨や内臓が詰まっていた。 最上部に贄川涼の頭部が置かれている。 少年の首は、割れ物を扱うかのように布で包まれていた。 室内の異臭が強くなったが、出所はこの一つではないらしい。 戸棚には、もう一つ蓋をされたバケツがある。 (-185) 2021/07/07(Wed) 15:31:19 |
【秘】 諦念 セナハラ → 被虐 メイジ/* 投票先って決まってるかしら? なんかさ……恋未練の気配がするのよ 誰とは言わないんだけど 自由に墓下から投票させてあげたくてね… アンタさえよければミロクに入れたげて頂戴。 アタイはミロクセット済みよ。 あと、墓下行ったあと秘話できないかな〜って思ってるわ。 墓下行ったら、アタイ殺すロールする? 自殺ルートも想定内だから、無理はしないでほしいわ…! (-188) 2021/07/07(Wed) 16:02:39 |
セナハラは、2階に上がると顔を顰めた。 (a11) 2021/07/07(Wed) 16:23:15 |
セナハラは、この匂いを知っている。 (a12) 2021/07/07(Wed) 16:23:29 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク「……、……変な人ですね。気が狂いましたか」 戦場を見た人間の精神は壊れてしまう。 壊れたものは直せない。それが現代医学の結論だ。 「でも、ええ。 その誘いを魅力的に感じる僕も、気狂いでしょうね」 自決を選ぶ人々を大勢見てきた。 あの時、崖から飛び降りる勇気も無く。 万歳と叫ぶ声に、耳を塞ぐしかなかった。 (-197) 2021/07/07(Wed) 16:39:54 |