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![]() | 【人】 火澄 瀬名それは、半年前のこと。そして、今は …… 「 ………… …… 。 」 溢れてくる感情はひとつも言葉にならなくて。 喉元まで湧き上がってきては詰まって、 ただ、息を苦しくさせるだけでした。 (21) 2023/05/01(Mon) 22:58:24 |
![]() | 【人】 火澄 瀬名あんなに歌ってばかりだった七瀬が 歌わなくなったこと、気が付いていました。 私たちの引き取りに親戚が揉めていることも、 嫌でも耳に入ってきていました。 だけど ………… だからって …………… (22) 2023/05/01(Mon) 22:58:38 |
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![]() | 【人】 火澄 瀬名七瀬の考えていることなんて、分かります。 だって私たちは双子なんですから。 それでも私だって、 代替案を用意してできる程、大人ではなかったし 感情のまま引き留められる程、子供でもないのです。 ちらり、と禎光を見上げると、視線がぶつかりました。 (24) 2023/05/01(Mon) 22:58:57 |
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![]() | 【人】 火澄 瀬名無言で目くばせをして、また目を逸らして。 だってこれってもう、2対1ってことじゃないですか。 物心ついたときから沢山の時間を3人で過ごしてきました。 だから、家で遊ぶか公園で遊ぶか決める時も、 鬼ごっこするか隠れん坊するか決める時も、 アイスにするかポテチにするか決める時も、 誰か2人の意見が合えばそれが多数派で。 七瀬と禎光が一致したら私は、 自分の意見を言うことをやめてしまいました。 (26) 2023/05/01(Mon) 22:59:26 |
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火澄 七瀬は、メモを貼った。 ![]() (a0) 2023/05/03(Wed) 10:47:26 |
![]() | 【人】 水面 禎光七瀬と瀬名はもう結論を出していて 僕が反対したところで、2対1。 多数決の法則でどうせ淘汰されるのなら 誰もが少しでも痛みを伴わないように ─── だから、僕の肯定が 瀬名を少数派にしてしまった事に気付けば。 ちらり、と向けた僕の瞳には 気まずさの色を含んでいただろう。 (33) 2023/05/03(Wed) 20:53:27 |
![]() | 【人】 水面 禎光 " 3人 "で調和をとる為の多数決。 その都度、咲かせ続けることを諦めた花びらは 存在しなかったかのように、風に攫われていったのか それともまだ心の奥で積もっているままなのか ─── どうなんだろうね ? (34) 2023/05/03(Wed) 20:53:29 |
![]() | 【人】 水面 禎光 ***** 僕は、生まれつき病弱で 幼い頃は入院と退院をずっと繰り返していた。 そんな僕の為に、意を決した両親が 空気の良い場所へと選んだ引っ越し先がこの町だった。 今まで学校にもあまり通えてなかった僕は 友達と呼べる存在もおらず、内向的な子供で。 両親の背中に隠れながら 隣の家へ挨拶に行った時 そこで七瀬と瀬名に出会ったんだ ─── ふたりは 初めてできた 友達 (36) 2023/05/03(Wed) 20:53:36 |
![]() | 【人】 水面 禎光キミ達は両親を失った事で 嫌という程 ココロに刻まれてしまったのだろうけど。 この時の僕はまだ、 大切な人が目の前からいなくなる ─── それがどんなものか ちゃんと理解っていなかったんだ。 ***** (37) 2023/05/03(Wed) 20:53:39 |
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