人狼物語 三日月国


184 【R-18G】ヴンダーカンマーの狂馨

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【人】 警備員 ジュード

[気を許しきった暇な男と、
同じく気を許しきった暇な島民の間の暇な時間。

そんな呑気な空気の中で交わされる話は
明日の天気はどうなるだろう……とか
今日の仔狐亭のお勧めはなんだろう、とか、
取り留めのない話ばかりである。

あんまり取り留めのない話をしているものだから、
島民からは、男が今仕事をしていると言って良いものか
とうとう疑わしくなったようで。
一つ笑うと、ふざけた調子で揶揄を放つ。]


 「あんたも暇そうにしてるけどさぁ
  警備の仕事ってのは、呑気なもんなんだね?」
 
(35) 2022/11/05(Sat) 1:41:10

【人】 警備員 ジュード

 
 ええーっ! そんなぁ!


 皆さんとお話をするのも大事な仕事であります!
 ほら、情報収集の為とか、
 あとその、情報収集の為とか……?
 勿論楽しいことでもありますけどね!

 それに外が良く見える所に暇な人がいれば、
 迷子なんかが近くを通ってもすぐにわかるでしょう?
 だから、そういう人員も必要なんです!

 
……た、多分!



  「あはは!悪い悪い!
   迷子の見送りまで警備員の責任とは
   私は思わないけど……まあ、そうだな。
   もし見付けたら、ちゃんと送ってやるのは正しいな」
 

[からかいに酷くショックをうけたような
ふざけた調子で男は言葉を返し、それを島民が笑う、
やはり呑気な一連。

しかしその中でも、設備の破損の話が無暗に広がらぬよう
言葉を伏せる事は忘れなかった。]
(36) 2022/11/05(Sat) 1:54:01

【人】 警備員 ジュード

[……現在、この場とは異なる保存施設の一つ、
キャビネットの方ではある扉の魔術錠が破損しており、
それを直す為に島の外から修復師を呼んでいるという。>>3

その人がキャビネット以外の施設を訪れた時の案内の為。
それから、修理対応の間に他の施設で問題が起こっても
迅速な連絡ができるようにという理由から、
男は何人かの職員と内外の手分けをして
美術館の見張りをしているのだった。

そしてそれは、世間話を終えた島民が去った後でも変わらず。
昼の休憩時間になるまでは引き続き
入口付近の見張りをする事になるのだろう。**]
(37) 2022/11/05(Sat) 1:57:47

【人】 修復師 ラシード

─ キュラステル南部:港町 ─


 ……わぁ、あ…。
 すごいです……すごい、ですねっ……
 ………いやあの、すごくないですか!?
 嘘でしょ!? あの窓の意匠、とっくに失われた技法ですよ!?

[衛士に引っぺがされた布頭巾を巻き直しながら。
港の門から島内へと足を踏み入れた若い男は1人、
見開いた目をあちこちへ巡らせ、きらきらと輝かせながら
賑わう朝の街並みを、おっかなびっくり歩いている。
あまりにもあちこち余所見するものだから、
朝市に向かって野菜をたんまり積んだ荷車と危うく衝突しかけるところだ。]

 ったわぁ!!すみませんっ!!

[ぺこぺこと頭を下げる彼に対し、
荷車を引く驢馬に乗った農夫は
「気ぃ付けなぁよ」と笑いかける。
そんな顛末を遠目から眺める人々の目も何処か穏やかだ。
宝箱とも喩えられるキュラステルの住民にとって、
このような光景は風物詩のようなものなのかもしれない。]
 
(38) 2022/11/05(Sat) 2:10:20

【人】 修復師 ラシード


 ええ、と……キャビネットはそう遠くはない筈。
 例の魔術錠の場所は、っと……

[路肩に身を寄せ、半ば影の中に潜るようにして
男が懐から取り出したのは、
この島の───キュラステルの地図。
銅版一色刷りの紙面は内外双方に向けたものだが、
男が取り出したそれには多くの書き込みが為されている。
美術館>>31を含む主たる保存施設の他にも、
長い歴史を持つ寺院>>11や聖堂>>15
島唯一の病院>>23、他にも様々な施設に手描きの印が刻まれ。
細かい道、裏道のひとつひとつも色とりどりに塗り分けられている。


此処を初めて訪れる者が持つ地図としては
相応しくないほど────詳細に。
]
(39) 2022/11/05(Sat) 2:10:45

【人】 修復師 ラシード

[

”遺物修復工匠組合”は
でっちあげの工匠集団である。

その実態は、キュラステルに納められたとある宝を奪うべく
或る少数獣人族の若者が組織した、”一度限りの盗賊団”だ。
たった一つの宝物を手に入れる為だけに、
彼は多くの人間を巻き込み、綿密な計画を立て、
舞台を練り上げ────そして今、演じている。
波間に浮かぶ標本箱、 その輝きにはしゃぐ”只の職人”を。
                            ]
 
(40) 2022/11/05(Sat) 2:12:28

【人】 修復師 ラシード

─ 来訪者、または贈り物 ─


[若き職人の正体と、その来訪を知る者の元には
何者かの手によって、紅い祝福が届き始める頃か───
もしくは、それはとうの昔に渡されていて。
彼等の手元にずっとずっと在ったのかもしれません。

その紅は、呪を祓う紅

計画の日、夕刻の鐘>>13が鳴る時に、
口と鼻を覆うようにこれを纏って欲しい、
そうすれば”呪い”を免れることができるから、と。
彼等にそう告げたのは
工匠組合を名乗る”同胞”か、手紙の質素な文面か、
はたまた────もっと気の利いたメッセンジャーだったでしょうか。

紅い呪布は、同胞の証

この島を犯し、滅ぼす呪いを招き入れた裏切りの証。

───それを失うことは、
    彼等との信頼関係よりも遥かに大切な正気を失うことを意味するのだけれども。]
(41) 2022/11/05(Sat) 2:15:26

【人】 修復師 ラシード


[

首魁の狙う”宝”は一つだけ。
だが、それだけの個人的な理由で
協力者を集めることは出来ない。
……船に乗って訪れた同胞たち、
工匠を名乗る共犯者たちの協力理由は様々だ。

とにかく金が入り用だとか。
相乗りの形で盗み出したいものがある、とか。
この首魁に何らかの形で恩義を感じている、だとか。


若しくは───彼が此れから撒こうとしている
禁じられた”呪い”のデータを取りたい、だとか────]**
(42) 2022/11/05(Sat) 2:22:19
修復師 ラシードは、メモを貼った。
(a8) 2022/11/05(Sat) 2:32:44

【人】 医者 ノーヴァ



[額を合わせれば何もかもわかる。
君が何に苦しんで、どこを治せばいいのか。

腹を切り開けばいいのか、傷口を縫い合わせればいいのか、薬剤を注入すればいいのか、痛み止めを処方すればいいのか、それとも単に話を聞いてほしいのか。

…………君の弱いところを、僕なら理解することが出来る。

そうした小さな大切なところを、ずっとずっとこの手で、]


 
(43) 2022/11/05(Sat) 2:49:50

【人】 医者 ノーヴァ



     ──────ぱ   りぃ   ん、

 
(44) 2022/11/05(Sat) 2:50:05

【人】 医者 ノーヴァ

[突如足元で耳をつんざく破砕音がした。
思わず丸くした目を下にやれば、粉々に割れたティーカップ。履いていたズボンは先ほど煎れた熱々の珈琲で湿ってしまっていた。

数秒遅れて空っぽの指先を摺り合わせ、……また数秒。
そうすれば感覚は遅れてやってくる。]
 


              …………
ぅあちっ!



[ひりひりと脛に響くは火傷の痺れ。
湯気の立つ液体を衣服に被ったのだから仕方ない。
この後未だに熱を孕んだそれを着替えることになるのだが、不注意が招いた自業自得でしかなかった。
ジェインが未だ見ていたのならば、更に「自覚を持て」と叱りつけるのだろう。

これを一つの例とするならば、彼はよくものを壊す。先程のティーカップのように。]
(45) 2022/11/05(Sat) 2:50:29

【人】 医者 ノーヴァ

[決まって、いつも大切そうにしているものばかりだ。
金をはたいた高級時計だとか、買ったばかりの魔道具の子機だとか。
……誕生日にジェインから貰った青い薔薇模様のティーカップだとか。

今ではすっかり謎の紋様に変わってしまった陶器の欠片たちはすぐさま箒でかき集められてゴミ箱行きだ。
( 彼女に見つかったら、なんて言おう? )

終わらない悩み事を増やしながら、自嘲混じりに頭をかいた。

掃除はまめにする方だ。ワイングラスは時折磨くし、仕事道具だって衛生管理はしっかりしている。
全体的に整った部屋の中にいるのに、時折ものの扱いがずさんで、結果何かが壊れてしまう。仕事以外の肝心なところでは老人の様に気が抜けている───……それが彼に対する周りの印象評価だった。]
(46) 2022/11/05(Sat) 2:51:03

【人】 医者 ノーヴァ

[そのせいか……あの銀鷹公も最近、「コレクション」に対する彼の「貸出依頼」を矢鱈と渋るようになってしまった。純粋に研究に──これからの医学のために使用したいというだけなのに!]


  困ったなァ、どう書けば通るだろうか。
  「これからの現代医療のために」……いや、
  「今も苦しむ患者のために」……これでもないな。

  「今、アプリカでは10秒に1人、
   ジャングルで命を落としています」……いや、
  どんどん論点からずれていっている。ふむ……


[黒いズボンから赤紫colorのものに履き替えた彼が相も変わらず頭を抱えているのは、そんな頭の固い島の主人の許諾を得るための書類作成が原因であった。

どれだけありふれた言葉を並べようと、あのお固い親父を動かすには何かが足りないような気がして。]
(47) 2022/11/05(Sat) 2:51:17

【人】 医者 ノーヴァ



[切り裂かれた沈黙は再度修正され、この部屋を覆い尽くす。思考にはぴったりの空間だった。

誰も見ていなければきっと真実は覆い隠される。
先程彼はティーカップから目を離してなどいなかったこと。遊ばせた指先のわずかな隙間をすり抜けて、カーペットまで落ちて罅割れるところまでみていたのかもしれないこと。

……誰も見ることのできない、外界から隔たれたような曇った硝子が、その姿を覆い隠していたこと。]



     [まるで一切知らずに机に向かう子供が如く、
      彼は思考の海に身を委ねている。
      来客などがあっても
      数十秒なくては気づかないくらいに。]**


 
(48) 2022/11/05(Sat) 2:52:13
医者 ノーヴァは、メモを貼った。
(a9) 2022/11/05(Sat) 2:52:17

警備員 ジュードは、メモを貼った。
(a10) 2022/11/05(Sat) 2:52:27

【独】 医者 ノーヴァ

/*
全然周りのロール拾えてないな…………鐘のせいで驚いた、とかそれ系の拾いが出来ないか。

あ、改めましてよろしくお願いします。破壊神です。入村から急ぎすぎてやらかしてる予感しかしないよ〜〜〜〜〜〜
(-10) 2022/11/05(Sat) 2:55:07

【独】 医者 ノーヴァ

/*
メモに書くの忘れてたけどこの人たぶんアラサーや。
何歳にしよ3(2)1d9さい
(-11) 2022/11/05(Sat) 2:57:06

【独】 修復師 ラシード

/*
クンストカンマーを開催した時のワクワクが戻ってきました。
皆様の丁寧な前振り 丹念に書き上げられた日常 
これが数日後にはぶっ壊れるという悲しみ混じりの期待感………

ということでこれが初めての独り言になってしまった。
こんばんは、見えてる村建てこと通行人です。
銀鷹公の趣味とかラシードの動機とか
色々と設定を入り組ませてしまったけれども、
舞台装置としての振る舞いが前提!という気持ちは忘れないぞ。
めちゃくちゃ書いたロルをもう2本ほど没ってるのも内緒です。
ガチRPのやり方を……忘れていないか!?(恐怖)

最初に退村したつもりなかったのに何故か飛び出してて
あれェ!?って入村しなおしたのですが、今のところ皆様安泰なので、私の環境(ipad)が良くなかったのかもしれない。
今回の村も最後まで楽しくやり遂げられるよう、尽力致します。
(-12) 2022/11/05(Sat) 3:04:50

【独】 隻影 ヴェレス

/*
脳内メモ

学星院(最大の研究機関)
島中央の図書館の管理からあらゆる学問を司る。一部の発明品は同じくコレクションとして納められる。
アスター家現当主を>>41関連で出してもいい

・我々の神はこの島には居ない、淘汰された
 故にこそありとあらゆる神格を否定しない
 寺院参り

・落ち着ける場所、わざわざ人が人を虐げないで済む場所

・既に3個くらい叙述トリックがあるのでノーヴァにどこまで絡むかは考え中
(-13) 2022/11/05(Sat) 4:30:35
隻影 ヴェレスは、メモを貼った。
(a11) 2022/11/05(Sat) 5:22:17

【人】 住職 チグサ

── 夜明け 慈厳寺 梵鐘にて ──

[僧が撞木を打ち付けると、梵鐘が震えました。
 体に染み入るような音が、朝の清涼な空気に広がります。
 大きな梵鐘を鳴らすためには、それだけ重たい材木を使わねばなりません。
 撞木から吊り下がる太縄は重みに軋み、その縄を握る修行僧もまた、歯を食いしばっています。
これもまた、修行の一つ。

 昔、今ほど技術が発達していなかった頃は、お寺の鐘が時計がわりでした。
 今では時刻が知りたければ魔法具があります。
 いつでも好きな時に、より正確な時刻が知れます。
 時計は寺の鐘などよりもよっぽど便利です。
 ただ時刻を知りたいだけなら。

 それでもお寺は昔と変わらず、日に三度の鐘をつきます。重く、辛い思いをしながら、人力で鐘を鳴らします。
 朝に、昼に、そして夕に。時報として。
 島に住む人々に向けて。島を訪れる人々に向けて。]
(49) 2022/11/05(Sat) 6:41:09

【人】 住職 チグサ



    
ぼぉ……ん、   ぼぉ………ん



[梵鐘は耳に心地良く、空気を、体を、低く震わせます。
 音ははあちこちにぶつかり、幾重にも割れて、重なり、やがては島中を通り過ぎます。
 ゆったりとうねる共振が潮風と共に訪れれば、人々は時間の流れに気づくでしょう。

 その音を合図に、
 人々はあるいは起き出し、
 あるいは作業の手を止め、
 
あるいは同胞と息を合わせるのです。>>41


 今日もまた、梵鐘は鳴るでしょう。
 日に三度。朝に、昼に、そして夕に。]*
(50) 2022/11/05(Sat) 6:43:40
住職 チグサは、メモを貼った。
(a12) 2022/11/05(Sat) 6:46:47

【人】 隻影 ヴェレス

 

  「行ってらっしゃいませ坊ちゃん
   夕刻の打鐘前にはお戻り下さいね」


      ……うん、うん。分かってるよ。
       少し気分転換に出るだけだから。


 [日は高く昇らんとしている。
  簡略化された儀式は正午を待たずして終わり、
  母の埋葬を見届けた少年が再び屋敷を出る頃。]
 
(51) 2022/11/05(Sat) 6:52:24

【人】 隻影 ヴェレス

 

 [香典返しじみたお気に入りの菓子折と、
  発明品の一つである写真機。
  その他の荷物を鞄に纏めている最中、
  若いメイドの一人が再び近寄ってくる。]

      「それと念の為……こちらを。
       冷えると“火難が相次ぐ”ものですから、
       もしもの際はどうかお役立て下さい。」


   ちょ……両手が今塞がってるんだ。
   真っ赤で綺麗だし腕にでも巻いておいてくれ。

 [取り落としそうになった書籍を鞄に詰め込んで、
  刺繍の施された天鵞絨の様な布を括り付けられて
  慌ただしく屋敷を出た。]
 
(52) 2022/11/05(Sat) 6:52:53

【人】 隻影 ヴェレス



 使用人達は日陰者である筈の私にも
 
毎日頻繁に、明るく接してくれる


 魔人の血を引く故の魅了性によるものかも知れない。
 それでも私は彼女らに応えたく、勉学に励む。

 痛ましい事故があったばかりでも、
 やるべき事は当たり前の様に降り注ぐから。
 私もまた、直ぐに前を向けるように
 心を癒す切っ掛けを必要としている。

 
(53) 2022/11/05(Sat) 6:53:05

【人】 隻影 ヴェレス

 

 [少年が庭園の小路を抜けて振り返ると、
  鉄門の向こうでメイドが扉を締めるのが見えた。

  その直後、僅かな赤い光が辺りに散った様な────
  目の錯覚だろうと気にも留めない程度の変化を経て、
  この屋敷は夜を越すための砦へと変わるのだ。

  そう、その光こそ。]
 
(54) 2022/11/05(Sat) 6:53:21

【人】 隻影 ヴェレス



 ────閑話・アスター家現当主の今

 [キュラステル中央部、地下に膨大な書架を抱き
  ありとあらゆる学問の研究成果を記録し続ける
  至高の独立機関、『学星院』。

  最高学会ではとある計画の為、
 
島外より贈られた貴重な品
>>41を元に
  呪い避けの結界の開発が長らく進められていた。

  そして期日である今日、
  アスター家現当主ブランドンが船着場に現れる。
  海風を凌ぐ分厚いコートとハットを身に付けた姿は
  外の世界における裏組織を彷彿とさせる。]


 
(55) 2022/11/05(Sat) 6:53:41

【人】 隻影 ヴェレス



 [ブランドン及び学星院上層部と盗賊団を繋ぐものは
  有り体に言えば────
『利害の一致』


  次から次へと発明品を生み出しては蒐集品に加えられる
  彼等にとってたった一つの宝など些事でしかなく。

  命が放つ『欲望』から成るエネルギー。
  魔力によって収集したそれをより効率よく実用化する為の
  実験がこの日、行われようとしていた。

  数人の助手を連れたブランドンは、
  記録にある首魁>>38の姿を瞳に入れると
  朝の喧騒に紛れて目配せだけを送る。

  協力者がどれだけ居るかまでは把握していないが、
  “学星院の主要な建築には近付くな”という意味合いだ。]


 
(56) 2022/11/05(Sat) 6:53:56

【人】 隻影 ヴェレス




 「……さてお前達、今日は我々にとっての躍進の日だ。
  結界装置の設置箇所を事細かに把握しておくように。
  有事の際にはここが唯一の脱出口になるのだからな。」


 [指導者に連なる学者達のグループ。
  彼等全員の腕には赤い布────
  既に実用化された模造品が結ばれている。

  同時に、主要人物らの自宅や別荘など
  そこに住まう家族や人的資源に危害を及ばさぬよう
  所有物件もまた、結界により保護される。

  此度の事件の裏には
  協力者にして傍観者、そして観測者足り得る
  巨悪の存在がある事は確実だ。*]


 
(57) 2022/11/05(Sat) 6:54:14

【人】 隻影 ヴェレス

 


 ──── 正午:『慈厳寺』

 [多宗教の入り交じる特異点でありながら、
  この島に彼等の神は御座無く。

  それ故にこそ、数多の神格を肯定も否定もしない。
  敢えて敷居を踏む様な真似もしないのだ。]

        そしてもし、我等の神と同等に
        慈悲深く聡明な神が在るのなら…………


 
(58) 2022/11/05(Sat) 7:39:28

【人】 隻影 ヴェレス

 

 [雨が降った訳でもなかったが、
  境内の木々は不思議と露に濡れ煌めいていた。
  この辺りでは珍しい植生の間を擦り抜けて
  少年は本堂の方向へと向かう。

  彼にとって、死者の魂を鎮めるのがどの神かなど
  最早関係がなかった。
  少なくとも、好奇の視線と根も葉もない噂が降り注いだ
  あの聖堂の管理下では安らかに眠れないだろう、と
  改めて祈りを得る為に此処を訪れたのだった。


  もしその寺院の住職に取り合って貰えたのなら
  今日までの事情を惜しまず打ち明けることだろう。
  作法なんて分からないから、差し入れの袋には
  何となしに名店のバームクーヘンが入っている……]

 
(59) 2022/11/05(Sat) 7:39:49

【人】 隻影 ヴェレス

 

 [学者としての好奇心で調べた限りでは、
  『仏』とその信徒以上に深い慈悲を懐く存在を
  如何なる宗教にも見出す事が出来なかった。

  少年が語ったのは、此度亡くした母が
  元は遠く、宗教も異なる土地の生まれだったこと。
  母が懐かしむ様な文化的特色はこの島に存在しないこと。

  そして即ち、母子共に自らの神から遠ざけられ
  この島以外の世を知らずに生きていたという事を
  細々とした語り口で明かすのだろう。

  今際の言葉すら耳には届かなかった怠惰の罪を、
  赦されたい想いが強かったのかも知れないが。]

 [腕に巻かれたままであるその呪布が、
  この島の摂理に対する裏切りの証であるとは
  知る由もなく────……**]


 
(60) 2022/11/05(Sat) 7:41:04