情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 corposant ロメオ>>7 フィオレ 『ciao,fiore! 見たぜ〜』 ピピ、と耳元の電子音。続く男の声は貴女の協力者。 なんとも楽しそうな声は明らかな上機嫌。 『なんとも善き日、なんとも都合の良い日だ。 良い花火が上がったな』 『あんたも良い顔してるけど大丈夫そ?』 #BlackAndWhiteMovie (21) 2023/09/26(Tue) 22:37:02 |
【人】 corposant ロメオ>>23 フィオレ 『おう、撃ててんだろ。 ならいい、あんたは種を埋め込んだ訳だ』 『車ならもう用意してる。マップ送るからそこに行きな。 お疲れさん。あんたは経験をした。 冷たい水用意して待ってんぜ〜』 通信の切れる音、その直後に貴方の端末に通知が入る。 そこにあったマップ情報に、これが用意した車があるのだろう。 「アーハハ。そらキツイわ」 別の路地の影、ポニーテールにキャップ姿。 自分も行くか、と歩き出した。 あなたが車に着くころには、 運転席に足を組んで座っている事だろう。 #BlackAndWhiteMovie (27) 2023/09/26(Tue) 23:14:35 |
【人】 corposant ロメオ>>31 フィオレ 「おかえり〜。休みな〜」 人通りも少なく建物の影、表の賑わいは少し遠い。 ひっそりと停車している黒い乗用車は新しいものだった。 後部座席にはこれまた新品の白いクッションが置いてあるから、使うのだって自由だろう。 「慣れない事をするのは疲れるよな。色々」 はい、とペットボトルを渡す。 「で」 「どうだった?」 #BlackAndWhiteMovie (32) 2023/09/26(Tue) 23:59:40 |
【人】 corposant ロメオ>>33 フィオレ 「そんなもんだよ。殺しって晴れ晴れしたもんじゃない」 横に積んだ小さなクーラーバックから紙パックのジュースを取り出し、ストローを差す。 端末で部下に次の指示を出しつつ片手間に飲むための物だ。 オレンジの爽やかな酸味はこの場に不釣り合いだった。 「……マジ? 笑ったの? なんで?」 「そらすっきりしねえわ。最後まで嫌だねえ……」 こっちは復讐に来たってのになあ。 珊瑚色の爪がこめかみをカリカリと掻く。 「でもあんたは撃ったよ。それで何か変わればいい」 #BlackAndWhiteMovie (38) 2023/09/27(Wed) 18:36:09 |
【人】 corposant ロメオ>>50 フィオレ ちらとバックミラー越しに目を合わせた。 滅入った顔にかつての焔火の面影はない。 片眉を上げる。どうしたものか。 「フィーオレ……引き金は引かれたんだ」 「ケジメ付けに来たんだろ。 あんまり落ち込んでちゃ撃った相手に失礼だぞ」 呼ばれた名前に振り返り、ああ、と意図に気付いて。 ドアを開けて後部座席に回れば、 「ほい」と優しく抱き締めようとした。 「泣きたきゃ泣きな〜」 「落ち着くまでこーしてていいから」 ぽんぽん、と背を穏やかに叩いては擦って、 安心させるために、いつもよりも落ち着いた声のトーンで。 自分が焚き付けたものだから、ちとばつが悪いのだ。 #BlackAndWhiteMovie (51) 2023/09/28(Thu) 10:31:31 |
【人】 corposant ロメオ>>55 フィオレ 「そ? ならいいや。 美人が泣くのは絵になるが心が痛む……」 またぽろぽろ泣き始めてしまうのかと思いきや、 どうやらそうではないらしかった。 ちゃんとマフィアらしいトコあるな、と再認識をする。 内心ほっとしたと同時に、── 全てに報いあれ と願った。この因果の先がどうなっていくのか、きっと自分の目にはすべて映るわけじゃあ無いんだろうけれど。 「いくらでもいるさ。なんでもするって言ったろ」 そういう約束なのだし、そういう役目だ。 頭に軽いキスを落として、また背中を擦る。 「落ち着いたら帰るか? 今他の皆はどうなってんだろ」 #BlackAndWhiteMovie (56) 2023/09/28(Thu) 20:44:47 |
【独】 corposant ロメオその時ロメオは、曇天の空模様を窓越しに眺めつつ 適当な店で時間を潰していた途中だった。 窓際のカウンター席で足を組みながら アイスティーを飲んでいた頃、手元の携帯端末にコール音。 発信先の名前を見て、「あれ」と一言呟き電話を取った。 「はい、もしもし。オレですけど」 「はあい。あい。久しぶりすねそういうの」 「んじゃそこまで……」 「……もう切れたわ」 すぐに切れた電話には、もう驚きもしない。 通話時間の表示された画面を消してすぐに席を立った。 以前であれば、今度は何用かと疑問が勝っていた所だが。 車を取りに歩きながら考える。 こういう時の心配って当たるんだよな、と。 #ReFantasma (-135) 2023/09/28(Thu) 23:25:47 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ>>-120 ブレーキランプがまだ乾いている地面を照らす。 まだ新しい黒の車を指定された場所の付近に止めた後、 やや急ぎ気味に降り貴方の姿を探すために周囲を見た。 ちゃり、と鍵に付いた鈴の音。 「ルチアーノさん?」 自分を呼びつけた依頼主の名前を呼ぶ。 貴方は声の届く所にいるだろうか。 #ReFantasma (-137) 2023/09/28(Thu) 23:29:04 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオ>>-137 野次馬が集まり始めたその通りは賑わっていて。 どうやら発砲事件があったらしい。 しかしそこには怪我人も銃を持った人間もいなかったのだとか。 何処かで見たような事件の話、明日の記事に小さく乗って忘れられるような物だ。 「――ロメオ」 そんな路地の裏から話しかけてきたのは貴方を呼び出した男だ。 声色はいつも通りに思われたが、腹部および右手に赤い血痕がべったりと付着しており何事かしか起こっていない。 追加で滴っている様子がないことから観察していれば返り血であるのがわかるだろうか。 「……あー。アジト以外ならどこでもいい」 そう、ただ此処でもいいわけでもない、と。 今回の貴方への要望は何処かに連れて行って欲しいらしい。 #ReFantasma (-139) 2023/09/28(Thu) 23:58:09 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ>>-139 剣呑な賑わいを見せる通りを横目に通り抜けて、 貴方の所へ来ただろうか。 いつもの声が聞こえたのはそちらの方ではなく、 少し外れた路地裏の方で。 「あ」「あ?」 「いや」「………………」 顔を見て安心し、視線を下にずらしてすぐに驚愕したような様子になり。そのままゆっくりと目を細めて怪訝な顔をして、もう一度視線が貴方の顔に戻る頃には片眉を上げつつ苦虫を嚙み潰したような表情だった。器用な表情筋をしている。 「あんたねえ。いや…………」 「乗ってくださーい……」 「あんたの怪我が無いんならまあひとまずはいいです……」 車の方向を指し案内する。その途中にそう零して、 車まで辿り着けば「邪魔なものはないと思うんで好きなとこ乗ってください」と運転席へ乗り込んだ。 車内には物が少なく、精々後部座席の白いクッション程度だ。 カバーのかかっていない座席はそれでも清潔に使われていて物をこぼした形跡もない。足元のフロアマットにも砂や泥は少なく、こまめに掃除はされているのだろう。 シガーソケットにセットされたディフューザーからは、ウッディーノートの香りが仄かにした。 貴方が座れば濡れタオルをぽい、と投げよこす。 「これで手拭いて。服それどうすんすか、それも拭きます? 行き先どこでもいいなら気晴らしになるとこでも行きますか。海に嫌な思い出は? ある? ない?」 #ReFantasma (-145) 2023/09/29(Fri) 0:49:33 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオ>>-145 「そうだな、俺は正直者なんで怪我をしていたら言う」 流石にその表情と言葉に申し訳なさを感じたのか、 しっかりと自分に被害があるわけではないことを告げた。多分。 少なくとも物理的被害はその血の汚れだけだ。 「なんだ、俺が悪いのか? ちゃんと仕留めようとしたんだ」 「これでも頑……」 言葉を止めたのは決して褒めて欲しいわけでもなんでもなく、 今思えば完全に自分の事情でファミリーを撃ったことであり、 むしろあまり良くないことであるとわかりつつ、 怪我の理由も痴情のもつれにジャンル分けされるのかと思うと一瞬で気分が悪くなったからだ。 自分から見ても他人から見てもそうかもしれない。 最近猫と自分が入り込んだその座席にもぐりこむ。 出来る限り汚さぬように気を使いながら、投げられた濡れタオルで手を清め一息ついた。 服の問題がある、日が暮れゆく世界の中であれば目立たないがそのままもよくはない。 だがそれ以上に、もう動きたくもなかった。 「……服は、外で脱ぐ羽目にならなければどうでもいい」 「海に嫌な思い出は、ない」 「多分、泳ぎは微妙」「見るのが好きだ」 #ReFantasma (-158) 2023/09/29(Fri) 2:08:00 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ>>-158 あんたが正直者で助かりましたよ、と苦笑した。 無事ならば何でもいい、……なんて思考は、少々雑だろうか。 「やっぱあの騒ぎはあんたか。 ……その言い方だと逃げられました?」 後でやり返しに来やしないだろうか、なんて思うのは その相手を知らないからだろう。 ──事実、知ったところでその相手についての事はあまりよく知らないのだが。 貴方の気分が悪くなっている理由も知らずに、別ベクトルの心配が始まっている。 「座席の下の引き出しになんか入ってなかったけ…… パーカー畳んで入れてたはずなんで使っていいですよ。 サイズも合うでしょ、きっと」 どこへ行くにもその格好じゃまずいだろうと考えて、そう言えば非常用に一つ上着を用意していたことを思い出す。 汚れたタオルはそこら辺に放っておいてもいい事を伝えながら、エンジンボタンを押してシートベルトを締めた。 「じゃあ見に行きましょう。泳ぎやしませんよ、寒い」 「人も建物も視界に入らない方が思考もスッキリするんじゃないですかね〜。多分ですけど」 自分も海を見たい気分だったし丁度いい。 ハンドルを切り、車を発進させる。 あんまり揺らしちゃ気の毒だとスピードはいつもより少しだけ抑えられていた。 #ReFantasma (-183) 2023/09/29(Fri) 11:31:43 |
【鳴】 corposant ロメオ「……ん”ぁ」「ぁに……何?」 早朝のコール音。 寝起きは良からずとも無理やり起きる事には慣れている。 また何か誰かの手伝いの依頼だろうか……とベッドサイドに置いたスマートフォンを手に取り画面を見れば、なかなか見ない表示がそこにあった。 訝しむ一瞬で受話ボタンを押すのが遅れたが、無視するわけにもいかないと通話に応じ、 「あいもしもし…… あ? 」「フレッド!? 何お前ムショ出てたの!?」 ……無事に一気に目が覚めた。 寝転がったまま電話に出たのに、 飛び起きたみたいに上体を起こす。 思わず問う声は早朝に出すにはやや大きかった。 (=1) 2023/09/29(Fri) 11:46:01 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオ>>-183 「逃げられたんじゃねえ、逃がしてやったんだよ。 またいつか来るからその時は殺してやる」 まるでその日を楽しみにするような態とらしく穏やかな声で殺意を述べる。 ここまで誰かに執着しているのも少ない、他には黒眼鏡ぐらいだったろうか。 別れの日が来てほしいなど思っていない、それでも嫌いなのだ。 「そうか、それは助かる。借りるぞ。 いや、…… 脱げばお前も驚くだろうからな…… 」男は何故か普段着ないタートルネックを着ている。 上着の血飛沫が付いた部分を内側に畳み込みタオルも添えて座席に放れば引き出しをあさりにかかる。 少し大きめか丁度いいそれを手に取れば自分のシャツの血が固まるのを待つことにした。べた、あと少し。 「カナヅチじゃないが俺が夏の浜辺に行くとモテてしまうからなあ、海に泳ぎにいかんのだ」 「んー……そう、だな……? 別にその辺の空き地に放っておいてくれても良かったがな」 その様子だと付き合ってくれるんだな、となんともなしに。 時間があったから来てくれたのだろうが。自分は貴方に頼み事をするのが苦手であるので少し助かった。 こんな時ぐらい少しぐらい素直になれたら良かったが、電話をするので精一杯だった。 #ReFantasma (-184) 2023/09/29(Fri) 12:00:06 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ>>-184 「え。なんすかそれ。いいな」 へー、と面白い物を見せてもらった子供みたいに弾んだ声を出した。 そんな人が居るんだとも思ったし、 それってちょっといいなとも思った。 絶対殺したい人、オレにはいないしなあ。 『脱げば驚く』の言葉に見せられない何かがあるんだな、と雑な察し方をして「そか……」と口を少し曲げてこれまた雑な返事をした。 「あ。モテてる人の台詞だあ。色男は大変すね」 「……え? やですけど……オレそこまで薄情じゃないんで」 「愚痴でもなんでも付き合いますよ。 どーせ今日は暇だったんす」 海が近くなれば運転席の窓を開ける。 こうやって潮風を浴びるのが好きだった。 青空の下であればどこまでも青い風景だったんだろうけど、 海は素直なものだから空の色をそのまま映している。 「あんたと話もしたかったし。何話すんだって感じですけど」 ハハ、といつもの調子で笑った。 あれからもロメオは変わっていなかった。 昔から起こった事を引きずらない方だった。 感情の振れ幅は一定で、今回もどうやらそうらしい。 #ReFantasma (-186) 2023/09/29(Fri) 12:21:34 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオ「いいわけあるか。……あー。 五年前俺が馬鹿みたいに落ち込んでた奴だよ! 別れの言葉は、あびやんて……だったか? 何語だ……何処にいた……また来なかったら許さん」 雑に叫んでやった、自分を置いていった上司が目の前にいたからぶっ殺してやろうと思ったと。 でも逃がしてやったと言うことはそれなりに情と殺意が入り混じっているということで。 ファミリーでは見かけたら殺していいとは言われているが故にこそこにきまりは悪く。 殺し切れた方が絶対良かったのだ。いつまでも自分は甘ったれである。 「あとは肌が焼けるのも嫌だ、結局疲れるから海水浴自体は好かん」 「……? 薄情も何も。何処かに運んで置いておくのは十分仕事してるだろ」 「愚痴なんてものもなあ……、愚痴なんて……。 言語化するほどあいつらを殺したくてたまらなくなるからいいもんじゃない」 「殺したくないんじゃないぞ、あいつらがの逃げ足が早すぎるからチャンスが掴めんのだ」 雲が泣きそうな天気だった。 あれから数時間経った今、相変わらずの重たい灰色は緩やかに流れていく。 「俺と話したい? 本当になんでまた。 お前はそんなやつじゃないだろう。 ……この間の文句でも言いたいのかあ?」 文句の一つでもあったほうが救われたかもしれない。 そんな事は言ってやらないが、貴方が変わっていないことを確かめるためにあえて話題に出した。 #ReFantasma (-191) 2023/09/29(Fri) 14:26:07 |
【人】 corposant ロメオ>>77 フィオレ 「……ハハ。それでいい。女の涙は宝石と同じだからな」 下を向けば貴女と自然に目が合う。 口の端を吊り上げて、悪戯小僧みたいな笑い方をした。 「Ottimo lavoro!」 「美味しいもの? いーよ、何買う? つかなんでも買うか……せっかくなんだし奢ってやるよ」 運転席に戻れば、そろそろずらかるかとエンジンボタンを押す。端末には見張りの部下達の『問題無し』との報告が入っていた。そちらにも『お疲れさん』と返して、後部座席を振り返る。 「じゃあ行きますかぁ。問題無い?」 #BlackAndWhiteMovie (78) 2023/09/29(Fri) 18:46:00 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「あ〜……あ!? いたんすかその人!? あんだけ姿見せないで今更ひょっこり? そら……そうもなるか? なってるか……」 その話を聞いて瞼を持ち上げて驚いた。 貴方の落ち込みようを見ていた事もあるし、生きていた事にも驚いた。下っ端の自分にはなんにも知らされないばっかりで、とっくに処分されたものだと思っていたし。 お疲れさまです、とどこに向けてかもわからない労りをした。 「日焼けはオレも嫌いです。泳がねえし……。 浜辺散歩するだけで十分すよねえ」 「そんなカッコのそんな経緯の人を空き地に転がして帰るのは十分薄情でしょうが。いや……オレが心配性すぎるだけなのかもしれねえすけど?」 「怖……そんなんすっげえ恨みじゃないですか。余程すね。 じゃあチャンスがあれば殺すんだ。オレ手伝います?」 そんな事をサラっと言って、それともそんな殺してえなら帰って一人の方がいいすか? とも。 海と雲の間の、白い空を横目で眺めながら「なんでまたって」と。 「いいでしょ、逮捕されたって聞いて寂しかったんだし。 すぐに帰ってこられたからいいけどさ……」 「文句なんかないですよ。オレが心配で行ったんですから。 無理やり文句言うなら買ったティラミスが少し溶けてた事くらいじゃないですかね〜……」 「……ま、あの時よりは元気すね」 適当なスペースを見つけて、緩やかに停車する。浜辺の近くまでやってきたから、ここから歩こうと。 サイドブレーキのレバーを引いて車から降りれば、 ここまで波の音が聞こえた。 #ReFantasma (-211) 2023/09/29(Fri) 19:18:28 |
【鳴】 corposant ロメオ「いや……デカくもなるよ、驚いてんだもん」 「家無し子ォ〜〜? お前家まで追い出されてんのかよ。 や、良くはねえだろ。なんですか」 まだ梳いていない寝起きのままの前髪をかき上げながら、 また仰向けにぼすんと寝転がる。 「……なんだよ。言えよ、何でも」 まごつく様子に、何を言い出すのか待っていれば。 「…………………」 「ああ〜〜……」 納得した。それは確かに貴方には言い辛い話だろうと。 「分籍とか就籍とか養子縁組とかそういう感じじゃない奴ね? あれクッソめんどくさい上に書類でつっかかりそうだもんなぁ……う〜〜〜〜〜ん……まあ逆にそっちの方が……」 しばしの間、そんな風に考える呟きが 通話口に垂れ流された後。 「……できるよ。よそのブローカー頼んのはやめな。 足元見られて適当な仕事されんのやだろ。 やんならオレがやるから……」 つまり質問の答えは『Yes』だった。 良くない兄も居たものだ。 (=3) 2023/09/29(Fri) 19:41:30 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオ「凄いぞあいつ、俺も死んだと思ってた。 なんせ黒眼鏡すら見つけられなかったんだからな」 こんな風に笑い話のように話せている姿なぞ昔の自分では想像もできなくて。 細かく言えば今この瞬間まで口に出してここまでつっかえない物なのかと驚いている。 それは相手が貴方だからなのか、拳銃をぶちかました後だからかわからない。 「まあ俺は黒眼鏡もぶっ殺したいほど好きで嫌いだったが? チャンスがあれば……そうだな。 もう一度失敗したし、次はお前にも手伝ってもらうか。 俺じゃあ上手く殺せるかわからん、殺意が漏れてる人間ほどかわしやすい奴もおらんだろ」 自分でもそうかと腑に落ちるような答えだった。 執着していたのは確かだが、もう彼の意志を知った以上、その背を追うことはもうしない。 別に生死は関係なくて、はっきりと一人でどうこう思うだけの時間が終わったのだと実感した。 ▼ #ReFantasma (-217) 2023/09/29(Fri) 20:26:03 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオ「んで。つまり。 心配で寂しかったから今俺の愚痴を聞いてくれて その上で散歩に付き合ってくれてるってことか? ……成程お? あー」 「…………」 「 ……ティラミスはすまん 」思い出して、目元を抑えながら珍しく心の籠った謝罪をした。珍しいことだらけだ。 「そうだな、あの時より疲れてはない。 疲れてはないが……一人が嫌だったんだよ」 「……靴の中酷くなるかー?」 車から降りてパーカーを羽織る、もう血濡れたシャツは乾いて黒ずんでいて。 まあ、こんな時ぐらいはいいかと砂浜に足を踏み入れ波の音へと近づいていった。 #ReFantasma (-218) 2023/09/29(Fri) 20:27:41 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「行方不明の振りもココまで上手くやれるもんなんですね。 そんでまた消えたと。ニンジャかなんかなんですか」 ちゃんとまた現れるといーですねえ、と呑気に一言。 聞いてるこちらも他愛ない話のような感覚で返事をしている。 内容はそんなものではないという事は知っているのだが。 「苛烈だなあ……いーですよぉ。なら手伝います。 オレが手伝えばまたなんか違うでしょ。 そーいうサポートは割と専門なんで」 片手でOKサインを作ってみせる。 ぶっ殺したいほど好きで嫌い、だなんて随分な感情だと思った。愛憎相半ばにするとはよく言ったものだ。 実際の感情の比率は、ロメオが存ずる所ではないのだが。 それにまた、少し羨ましさを覚えたのだった。 ▷ #ReFantasma (-229) 2023/09/29(Fri) 21:32:47 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「そーいう事です。win-winでしょ」 いつぞやみたいな都合の良い言葉。 一緒に居るのはこちらの勝手であることは知っている。 追い払われないから今は一緒に居ていいものだと思っている。 ロメオが「なんでもする」のはそれを許されるからだ。 許されなければ、なんにもしない。 貴方は許してくれる人だと思っている。 「いーですよ。溶けても美味かった」 「あんた、意外と寂しがりだったりします?」 それを揶揄するでも責めるでもない、ただの感想。 思った通りにここは人の気配が無くて、ここには二人しかいなかった。 彩度の低い風景だった。 「オレが言えたことじゃないか。お揃いすね」 そうしてまた、勝手にお揃いにしている。 #ReFantasma (-230) 2023/09/29(Fri) 21:33:44 |
【鳴】 corposant ロメオ「おう、いいよ。なる早でやっとく。 スマホもねえのは不便だろうさ。 お前の事、他に心配してる奴いるんじゃねーの?」 公衆電話だけで知人とやり取りするのは余りに不便だろう。 友人も多いだろう貴方のそういう不自由はやや不憫に感じた。 「なんでもいいよ、頼ってくれんなら。 金は貰う事になるけどそれは勘弁な。安くはしとくよ」 個人的にやったっていいのだが、他の人間と連携を取る以上仕事の客として扱った方が勘ぐられもされずに済むだろうと思っての事だ。自分もだが、相手の立場は守らねばなるまい。 詐欺としてやるなら別だが今回はそうではないので。 「家だよ。いいよ、今来る? なんもねーけど……30分くれない? 身支度とか終わらす」 来てくれるのは純粋に嬉しい。素直に快諾して、話しながらようやっとベッドから起き上がる。 場所ならこの間連れて帰ってきたときに覚えてもらっている筈だ。 「なんなら迎えに行くけど……足あんの? 近場?」 (=5) 2023/09/29(Fri) 21:54:04 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオ「……win-winなのか」 こちらはこちらでその言葉に少し訝しげになる。 あのときは冷静でも何でもなかったが、今思えば相当お互いにおかしかったのだ。 それが、何故か。自分はともかく目の前の男までも。 今態度が変わらないことを含めても、やはり違和感を感じる。 無条件に人に尽くそうだなんて思わない。 たとえそれが娯楽として行われていたとしても理由があるはずなのだ。 「……ああ、寂しがりやだなあ」 「お前と揃いで嬉しいよ、ずっと似ていると思ってた」 だからここは素直に告げてやって。 「なあロメオ。 お前は一体何がそんなに不安なんだ?」 「何が欲しい。 言えんのだったら俺はあのときのことを聞き直してやる」 水気を帯びた砂を蹴って、貴方を振り返った。 #ReFantasma (-234) 2023/09/29(Fri) 22:18:59 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「不安?」 ……足を止めた。 潮風で揺れる前髪が、深みのある翠の瞳を隠しては現す。 「オレは別に……」「いや」 「不安じゃないって言えば嘘ですけど。うん」 うろ、と視線が惑った。考えに迷っている時の癖だった。 自分の心について語るのは苦手だった。 誰にとってもどうでもいいもので在って欲しいから。 不安。欲しいもの。言ってどうなる。けれど問われている。 「……欲しいものなんかいっぱいありますよ。 でもオレは弁えてるんだ。 オレは聞き分けのいいゴミでいたい」 「そら使ってほしいのが一番だよ。 オレを使ってくれる人はいっぱい居る。いいことだ。 オレは便利な物か畜生扱いでいい。 利用価値があったら捨てられないでしょ……」 とつとつと、ぼそぼそと、 それでも波音には掻き消されないくらいの声。 内容はいつか貴方に話した、在り方の続きだった。 #ReFantasma (-242) 2023/09/29(Fri) 23:30:54 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「けど……どうせだったらさ」 「やっぱり好きな人に使われたいですよ。役に立ちたい。 オレを求めてくれる人が居たら嬉しい。 オレだって大事なものを大事にさせて欲しい」 「オレはゴミだが悲しいことに心がある。嫌だね。 贔屓 が出来ちゃうから……情があんだよ」「なくなったら嫌なものにしがみついちゃうんだよな」 みっともなくてすみませんね。 眉を下げて、へらりと笑った。 あんまり答えになっていなかった気もするが、 不安と欲求の種はこれなのだ。 「だからオレ、なんでもするんです」 人というには烏滸がましい。 でもゴミにも畜生にもなり切れない。 居場所にさせてくれる人が欲しくて、 型落ちの用済みになるのが不安だった。 #ReFantasma (-243) 2023/09/29(Fri) 23:33:42 |
ロメオは、ひとのかたちをしている。 (a20) 2023/09/29(Fri) 23:35:07 |
【鳴】 corposant ロメオ「おう。用意出来たら出来たって言うわ。 スマホに掛けたら繋がらないのは心配させるだろ、 早く安心させてやらねえとさ」 ついでにスマホも登録しておいてやろうかな、 なんて企みは口には出さないでおこう。 「そ? わかった、徒歩なら気を付けて来いよ。 ──あ。そうだ、猫」 それならこっちも色々用意できるな、とズレかけた思考は、 『猫』という単語ですぐに戻った。 「あのさ。飼ったわ、猫。家に居る」 「貰ったんだよ。白猫……」 だから大丈夫、と一言。 いつぞやは自分では飼わないと言った覚えがあるが、 結果として今、家に一匹いらっしゃるのだった。 (=7) 2023/09/29(Fri) 23:48:35 |
【人】 corposant ロメオ>>84 フィオレ 「アハ、それもいい。 余ったら家に持って帰って食えばいいしな〜」 すっかり機嫌が直った様子にこっちも気を良くして、 今から何を買ってやろうか計画立てて。 自分もキャップを被り直せば、 バックミラーの位置を調節してハンドルを握った。 「OK〜。んじゃ、行くか」 そうして車は走り出し、きっとどこかの店にでも そのまま向かうのだろう。 自分のカローンとしての役目も これで果たされた。 一つの銃声の犯人を連れて、リボン舞う青空からは遠ざかる。 仕事はきっと、これで終わりだ。 #BlackAndWhiteMovie (85) 2023/09/30(Sat) 0:00:19 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオ「……そういうことかあ」 この化け物じみた努力ができる男がやっと人間らしく見えてきた。 自分から道具や畜生になろうとしたらこうもなるか。本当に涙ぐましい心意気と言えよう。 「俺もなあ、利用価値があれば捨てられんと思ってた。 便利で都合の良い人間になることが自分の為にも周りのためになるとも思ってたんだ」 「……半分ぐらいそれで上手くいくんだがなあ? もう半分はどうしようもなくてな」 知ってしまったのだ、必要とされる喜びを。 本当に好いている人に求められる時間は有象無象の何かを超えた満足感が得られるということを。 「あと俺はわかりにくい嘘はつかない主義でなあ」 あの時の自分も、自分自身なのだ。 本心しか言わない、馬鹿ほど素直で、おかしくなった姿だ。 「……はー」 言ったことも本当にしたいことで嘘も一つもなくて。 ただ心配だったのはそこに貴方の心があったのかどうかだけ。 誰かに言われた一人だけという言葉が脳裏に浮かぶ。 確かに、こんな事を言う相手人生に二人もいてたまるかも思った。 ▼ #ReFantasma (-246) 2023/09/30(Sat) 0:01:17 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新