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【秘】 うたかたの ダニエラ → 渡りに船 ロメオカップを受け取られると、またにこやかに。 いいんですよおと、間延びした声。 「お約束う、でしたからあ。」 「ふふー。お隣、失礼しまあす。」 ビニール袋の中には自分の分も買ってある。 紙の土台をたたみ潰して、同じだけ砂糖の入ったそれを傾けた。 「やったあ。じゃあやっぱりい、気まぐれの頻度をお」 などと宣いはしゃいでいる。 お取置きの件で充分とは思っているので、これは冗談だ。 「あ。猫お。ふふー、そうなんですねえ。」 「実はあたし、猫とか触ったことなくてえ…」 「お名前とかあ、あるんですかあ?」 (-231) 2023/09/18(Mon) 21:36:12 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード「ああ旦那の……本当にな。 あの人も物あげたがりだよな……」 そう聞けば納得したように深く頷いた。 律儀に飾るんだな、とも思ったけれど 貰いものを飾っているのは自分も同じことを思い出し、 口に出すのはやめておいた。 「美味しいから……食べて欲しくて」 「悪ぃな、なんか。 じゃあ頑張って掃除してくれた礼って事で……食うか」 寝る前のおやつには賛成して、 とりあえず手洗いを借りてから、おやつの用意をしよう。 ホットミルクの横のブランデーを見つければ、 おっ、と声を出した。ブランデー派だったらしい。 (-236) 2023/09/18(Mon) 21:49:41 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → うたかたの ダニエラ隣に座れば少し目で追った。 猫は構わず餌を食べていて、もうこっちに目もくれやしない。 夏の終わりの風に、珈琲の香が乗る。 「アハハ。言っといたよ、店長に。『馬鹿言え』って笑ってた」 「笑ってたって事は気前は良くなるんじゃねーの? これからに期待ですねー」 こっちも冗談で店長に言ったつもりなのだが、 案外きちんとリクエストとして受け取られたかもしれなかった。 「猫触った事ねーの。好きなタイプかと思ってた」 「名前ね、Cocco。白いから」 「そいつも野良猫だったんだよ。 オレは保護した人から譲り受けただけなんだけど」 「今も何匹か貰い手探してんだ。 猫欲しい奴に心当たり居たら教えてよ」 ……最近、パン屋に『飼い主探しています』という 貼り紙がしてある事を貴女は覚えているかもしれない。 あれもロメオの手書きで、依頼物なのであった。 (-247) 2023/09/18(Mon) 22:20:49 |
【秘】 門を潜り ダヴィード → 渡りに船 ロメオ「ね。食べ物といい、くれる物といい。 俺もいつか、あんな人になりたいな」 そう言いながら、よく分からない像をそっと撫でた。 今朝も埃を払ってやったそれはつるりとしていて掌に心地よい。 いつぞやに頭を撫でられた時でも想起しているのだろうか。 「悪くないですよ、急にお願いしたんですし。 へへ、なんか嬉しいですね、こういうの」 好きな物を勧めたり勧められたりするということ。 立場が上の貴方に甘えるのは本当はあまりよろしくないのかもしれないが、内緒にしてくれると言っていたし。 「ブランデー派でしたか? じゃあ、おれははちみつを……」 貴方が買ってきてくれたフィオッコ・ディ・ネーヴェをころりとお皿に載せて、その横にホットミルクのマグカップを添える。 貴方にブランデーを混ぜるためのスプーンも差し出してから、自分も程よいあたたかさに温められたミルクをくるくるとかき混ぜた。 念のためにふうふうと吹いてから、 「Buon appetito」 (-252) 2023/09/18(Mon) 23:01:10 |
【秘】 コピーキャット ペネロペ → 渡りに船 ロメオ「なんかやらかす気になったら言えよ」 場合によっちゃ一枚噛んでやろうじゃねえの。 そんな言葉を付け足して、 見送るあなたを振り返りはせず、背中越しに手を振った。 (-256) 2023/09/18(Mon) 23:08:34 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオいつかの時間あなたのもとに連絡をした同僚がどうしても会いたいと行ってやってくる。 場所は外でもアジトでも何処でも良いと指定があった。 「ロメオー。あのときの数字だがあ」 「結果的にはよかった」 良かったらしい。そんな報告。 しかしなにか喜んでいるような言い方ではなく、あなたが少しでも感情に機敏であれば、ルチアーノはあの選択をさせたことに罪悪感を持っていそうであった。 直接顔を合わせに来るほどに。 (-260) 2023/09/18(Mon) 23:42:05 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 渡りに船 ロメオ「え。ほんとおですかあ。ふふ、やったあ。」 「じゃあたあくさん、期待しちゃいましょお。」 弾むような声と、揺れる足。 それでもどこか気怠げなのは、間延びした語尾のせいだろう。 「んー。そう見えますう?」 「見るのは可愛いんですけどお。」 「…ふふ。Coccoちゃん。かわいいお名前ですねえ。」 続いた言葉に、んー、と人差し指を口元に。 「…キョーミは、ありますけどお……」 むすとまさにその口元が尖る。 微かに翳った表情にまで、あなたが気付いたかどうか。 「……今は、どおでしょおねえ。」 「いろいろと、物騒ですしい…。最後まで、飼えるかなあ…」 “物騒”とはまた迂遠な表現だと自分でも思う。 誰がどんな理由で逮捕されるかも分からない法案に、言葉を選んだと言えばその通りなのだけれど。 (-261) 2023/09/18(Mon) 23:42:12 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード「懐広いよなー。かっこいいよ、あの人」 この間も珈琲を貰ったばかりだった。 仕事もできるし、尊敬している。 貴方はきっとそれよりも、もっと。 「誘われたにしたって一応客だからさぁ。 ……純粋に人んちに泊まるのってなかなか無いから」 「楽しいよ」 ふ、とした気の抜けた笑み。 立場がどうとかは余り気にしていないけど、 もし立場が上の人の家に泊まりに行くとなれば こんなにリラックスすることも無いだろう。 「あ、うん。入れるのすき」 「はちみつもいいよね」 子供じみた返事をして、嬉しそうにスプーンを受け取って。 とろとろとホットミルクにブランデーを入れてかき混ぜる。 「じゃ、ありがたく……」 Buon appetito、と一言。 暖かいミルクとブランデーで、体がほの温かくなる。 (-276) 2023/09/19(Tue) 1:11:42 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ連絡を受ければすぐに向かい、 「あ、なんだ。良かった」 「気になってたんすよ。 なんかヤバイ事だったらどうしようかって」 分かりやすいくらいに安堵の様子を見せた。 わざわざ教えに来てくれたんだな、と貴方の表情を見れば なんだか喜ばしい感じでもなく。 「……結局何だったんすか?」 問う事にした。無論答えなくても良い質問だ。 (-278) 2023/09/19(Tue) 1:20:54 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → うたかたの ダニエラ「オレも楽しみー。 つまみ食いできるパンが増えますからね」 バイトの特権、つまみ食い。 『朝一番に試食ができる』というのは パン屋で勤めている理由の一つかもしれない。 「触るのはー、って奴すかね。アレルギーとかもあるか…」 「でしょ。人懐こいメスですよー」 興味はあると聞けばおっ、とも思ったけれど、 その先の表情と言葉に「あー……」と声を漏らした。 「なんか最近街もざわついてますしねえ。…………、」 「オレも最後まで飼えないかも、っつったんですけどね。 一人暮らしだし、独身だし、オレに何かあったら 猫の世話が誰がやんだ〜つってね」 首の後ろを掻いて、遠くの花壇の方を見つめた。 珈琲のほろ苦さと砂糖の甘さが口に残っている。 「落ち着いて欲しいですね。ホント」 「パン屋は変わらずやってますけど」 (-282) 2023/09/19(Tue) 1:32:34 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 渡りに船 ロメオ「つまみ食い…。いいなあ。」 甘美な響きだ。羨ましい。 大袈裟にしかつめらしく顔を作って、すぐにくすっと崩したり。 「いや、機会なくてえ…。」 「この歳になって触ったことないと、なかなかあ。」 「今度猫カフェとかでデビューしてみようとは思ってるんですけどお…。」 女の子かあ。なんてふわふわ。 白くにごった茶色がカップの中で少し揺れる。 「んー……。」 「ほんとおにい。」 曖昧な笑みでコーヒーをまたひとくち。 それで心中を誤魔化した。…いつか、落ち着くんだろうか。これは。 「でもそれじゃあ、心配ですねえ。」 「お兄さんに何かあったらあ…。」 「…これは不謹慎ですねえ。ごめんなさあい」 そうなりかねないあの法案が全て悪いわけだが。 それでも余計なことを言ったと思った。苦笑い。 (-304) 2023/09/19(Tue) 6:27:35 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ「あれかあ、あれはなあ。カンターミネかネロだった」 何がとはすぐには言わなかったが、猫の件もある。丁度その分の借りを返そうか。 「法案に関わってる人間を調べていてなあ。 どちらにするか決めあぐねたから、お前に決めさせた。 お陰で大分視界が開けたし、内部犯が居るかの目星もついた」 「どうもありがとう」 殴られてもおかしくないなと思いながら正直に告げた。 (-324) 2023/09/19(Tue) 8:34:31 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ「そうなの?オレから見たら頭良さそうだけれど…… 意外だな、騙されてるロメオさんってあんまり想像できない」 こちらからすれば遊ぶときはいつだって頼り甲斐があって、世の中を多く知っていそうに思えたから。 とはいえ年下だからこそ思うのかもしれない、と思った辺りでぐりぐり頭を撫でられていた。 「わ」と声が落ちて、それからきゅっと目を瞑った。 「う、うん……」 それでも瞳を開けると何やらぱちぱち、瞬き。 追加で頼んでもらった水にそろっと口をつけつつも、飲めば撫でてくれたあなたの手を指先でつつこうとしている。謎の行動。 「せんぱい? パン屋の?」 誰かいたっけ、と思いつつ。 「へえ〜じゃあロメオさんから何か誘われたときは、うれしくなっていいんだな」 (-327) 2023/09/19(Tue) 8:51:19 |
【人】 渡りに船 ロメオ>>11 ヴィンセンツィオ 「アハハ。ま、働いてみたかったすね」 背丈ばかりは立派だけれど、それ以外は年相応、 もしくはそれよりも子供っぽいかだ。 ロメオから見る貴方は『オトナ』で、オレもこれからこうなれっかな、と初対面ながらに細やかな憧れを抱くような、そんな雰囲気を貴方に感じていた。 「あ、褒められた。あざす」 「オレを引き抜くなら高くつきますよ。 それかオレを惚れさせるか」 なんてね、と片手の指でハートを作って見せた。 緩く笑んで冗談めかして返すのには慣れていて、 どんな疑りにも慣れている。 ロメオがその意図に気付いているかどうかは分からないが。 なんにせよ、この答えは戯れのジョークだ。 「ありがとうございましたぁ。喜んで〜」 ゆる、と手を上げてあなたを見上げる。 そのままドアベルが鳴って貴方の姿が見えなくなれば、 またロメオは足を組んで椅子に寄り掛かり、 店の中の日向とパンの香りを吸い込んだ。 まだ穏やかな昼前の、束の間のやり取りだった。 (22) 2023/09/19(Tue) 9:54:21 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → うたかたの ダニエラ「いいでしょ。おねーさんも働く?」 いつでも歓迎してますよぉ、と何とも軽い勧誘。 つまみ食いの為にバイトをするとはこれいかに、なのだが。 「ああ、そういう。良いんじゃないすかね、猫カフェ。 可愛がるんなら人んちの猫が一番ですからね」 「飼ってるオレが言う事じゃないけど」 本来は自分はそういう考えで……飼わないかと言われたので。 猫はかわいいので是非撫でて欲しいとは思った。 ロメオは猫好きだった。 「…………」 「ま、オレは捕まんないでしょー。流石に」 「捕まったら何しようかな。なかなか無い体験ですからね」 「それはそれで楽しくやるんで心配しなくていいですよ。 オレ、タフなんで」 へら、と苦笑いに眉を下げた気の抜けた笑顔を返す。 一般人が叩くにしては大口だが、 返ってそれで冗談だと思ってくれればそれでいい。 それに、言っていること自体は本当なのだ。 (-339) 2023/09/19(Tue) 10:20:17 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「え?」 「あぶねー……」 「え?本当に大事な事じゃないすか?それ。怖……」 いい方向に動いて本当に良かった……と、 改めて胸を撫で降ろした。 殴りはしないが顔をくしゃ……とさせていた。 「どういたしまして……?」 「てか内部犯とか居るんすか。やっぱいなかったんすか」 それからハッとして、 聞き捨てならないことについても質問する。 (-340) 2023/09/19(Tue) 10:26:55 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ「んーいるなら……一人、 だった なあ」「……お前は違うだろ?」 その瞳は信用もしていないが疑ってもいない顔だ。 何も調べていないのに分かり切っているというように。 「そいつ以外は警察の人間が動いてるよ、俺の推測通りならな。 後黒眼鏡の旦那は絶対自分から勝手に捕まりやがったし、 この先も俺たちと警察の奴らが一人か二人ずつ連れていかれるだろうよ」 「まあ、ロメオはもう少し平気だろうがなあ」 (-342) 2023/09/19(Tue) 10:44:29 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ「一から物事考えんのが苦手なんだよ…… 考えは出来っけどいつも不正解だからな」 そして人の言う事を聞くのでたまに騙される。 困った事だった。 ぐりぐりわしゃわしゃと撫でて気が済めば、 今度はつつかれるままに手をつつかれている。 「どした……?」 「手だよ」 当たり前のことも思わず言った。 「ん〜ん。……学校の」 嘘だ。学校は途中からまともに通っていない。 交友関係が続くはずもない。 「そう思いなよ。オレも誘える相手少ないから」 「誘えるの、嬉しいよ……あ。来た」 ありがとうございます、とグラスを受け取る。 XYZの白い表面が揺れて、二人の前へと置かれた。 (-343) 2023/09/19(Tue) 10:45:03 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「だった……はあ。なるほど」 「まさか。自分で縄張り潰す様な面倒しません」 ぱ、と両の手のひらを上げて貴方に見せた。 ホールドアップ、手の内明かし。 そこには何も握られていない。当たり前だ。 「……旦那も無茶しますね。 トロイの木馬の真似事でもしようってつもりなんすか?」 「本当になんの為の法案なんだか……、 あんたも自分から行く気はしてないでしょうね」 ジト、とその瞳を見つめて。 「道具は一人で動けませんよ」 「使い手がいなきゃあオレぁ独活の大木なんで……」 だーれも減らないでほしいなあ、と億劫な顔をした。 (-345) 2023/09/19(Tue) 11:04:26 |
【秘】 門を潜り ダヴィード → 渡りに船 ロメオ「いつかサングラスも似合うようになりたいなあ…… 今買うとからかわれそうで買えないんですよ」 かっこいいよ、という言葉に肘をついてぽやんとする。 例えば20年後、己が黒眼鏡を掛けて仕事を仕切っている姿なんてとても想像がつかない。 あの人は今それを現実にしている。 「じゃあ今日は……今晩は?ゆっくり休んでくださいね。 ……は〜……」 甘いホットミルクを飲んで一息。 貴方の買ってきてくれたおやつをひとくち。 顔中でにこにこと笑って、幸せだなあと思う。 小さなおやつはそこそこに食べ切ってしまうし、ホットミルクもマグカップ一杯は時間をかける量ではない。 「そういえばロメオさん、寝る前にシャワーは浴びます? 俺は掃除終わってから浴びたのでこのままですけど……」 (-346) 2023/09/19(Tue) 11:06:29 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード「あー、サングラスな。あの人は似合うよなぁ……。 お前はまだ……似合わないな」 髪でも伸ばして結んだら似合うんじゃね、と なんとなくの感想を話す。 自分は上に昇る気は無いので、掛ける機会も無いだろうと 高をくくっているが。 「ん。そうするわ……手元に仕事もないし。 久々にホットミルクなんか飲んだな……」 足を伸ばして、温かいカップを傾ける。 少し涼しくなってきたから、 温かい飲み物は体を温めるのにちょうどいい。 おやつはチーズの塩気とクリームの甘さが良くって、 サイズも小さめだからかあっという間に食べてしまった。 「シャワー? んや、大丈夫。浴びてきたから。 あと歯ぁ磨いて着替えたらいつでも寝れっかなーて感じ」 (-349) 2023/09/19(Tue) 11:23:54 |
【秘】 門を潜り ダヴィード → 渡りに船 ロメオ「まだですもん。 いずれは似合うようになりますもん」 わざと拗ねたように、子どもらしい口調で言ってみる。 髪を伸ばすという提案については、じっと貴方を見て。 「そういえばロメオさん、髪長いですよね。 何かこだわりがあるんですか?」 思いつきのようだが、案外何か理由があるのかもしれない。 願掛けなどであればあまり聞かないほうがいいのかもしれないが。 「了解です。 じゃあ、まずは歯磨きしましょっか」 食器類をシンクに置いてあとは明日の自分に任せておく。 それから貴方を洗面台に案内して、二人並んで歯を磨く。 なんともでこぼこでおかしな光景だが、それがなんとも楽しい。 (-357) 2023/09/19(Tue) 12:13:17 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ「俺はヘマをやらかしたんで、連れてかれそうなのと……。 まあ次の候補らしいぞ」 だから部屋は片付けてると笑ってやる。 そうだ白猫もまだ貰い手が見つかってないとも。 「勝手にどっかに行くつもりはないが、どっか行ったらそういうことだ。 あと俺が死んだら犯人はカンターミネだ。よろしく頼めるか」 何かをよろしく頼もうとしている、何もそこに明確なものはない。 あなたの言葉と態度に満足いったのかへらりと笑う姿は何処となく力が抜けて安心しているように見えた。 (-359) 2023/09/19(Tue) 12:19:01 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード「おう。いずれな、いずれ」 「拗ねんでもちゃんと似合うようになるよ、お前なら」 なんだか微笑ましくなってしまって、笑いながらそう返し。 それから。 「髪? ああ……かっこいい理由じゃないよ」 「髪短くしてるとさ、怖いんだよね。背中に何もないと怖くて。 伸ばしてたらちゃんと覆ってくれるじゃん」 何が怖いんだかはオレもよくわかってないんだけどさ、 と目を細めながら首を傾げた。 薄いレモン色の癖毛がサラリと揺れる。 歯磨きと聞けばはあいと返事して、素直に並んで歯を磨こう。 横を見れば貴方の頭。歯磨き中にいたずらでエイと旋毛を押した。 よくない。 (-370) 2023/09/19(Tue) 12:49:10 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 渡りに船 ロメオアジトに顔を出さなかった日。 あなたにひとつのメッセージ。 『食事会、ありがとう』 『あの時はゆっくりお礼も言えなかったから』 『ラスクもパスタも、すごく美味しかった』 『ロメオさえよかったら、作り方を教えて欲しいくらい』 こんな状況下で送られた他愛もないそれは、いつもの彼女らしくもあったかもしれない。 (-371) 2023/09/19(Tue) 12:52:06 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「 はあ? 」素っ頓狂で大きな声が出た。 ほとんど前髪に隠れた翠の瞳が、 重たい瞼を上げて今回ばっかりは大きく開かれる。 「………………………………」「…………あんたが、」 「今度逮捕されんなら、あんただって?」 「ふうん、 そう……」 ロメオにとって、 サラリと告げられるには重たく、頭が痛くなる言葉だった。 動揺と一緒に貴方に差された人差し指を、 ゆらゆらと振って握りこむ。 「猫、猫は…………預かります。オレが飼います……」 「あの白いやつでしょ。いいですよ」 「あと何をよろしくすればいいかわからないんですけど。 殺されるんならせめてちゃんと抵抗してください」 「やりますけど。頼まれますけど」 「あんたが言うなら……」 そこまで言えば、むっと口を結んだ。 怒ってはいないのだけれど。 (-375) 2023/09/19(Tue) 13:04:44 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ「まだ決まったわけじゃあないし、順序は……あー。 候補にいるだけだから心配するな」 男はこの日危ない橋を2つ渡っている。 どちらも渡りきれば無事であるのだ。遅かれ早かれ捕まると思ってるが。 「あと殺される理由は」 「 女を泣かせたせいだから俺は抵抗が出来ない 」突然の殺害され予告はかなりの別件らしい。 「いつも迷惑かけてすまんな。 俺は俺なりに一人でやれることはやってきたんだが、 ……どうもお前にはふざけたことでも言いやすくてなあ」 「そうだ、改めて俺に頼みたいことはないか。 あの店のパンでもなんでも買い占めてやるぞ?」 金ならあるからなと、貴方が何も言わなければまたふらりと何処かに出歩くつもりで踵を返した。 (-376) 2023/09/19(Tue) 13:17:46 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 路地の花 フィオレ『どーいたしまして』 『作り方なら教えるよ。 あんたの時間が空いてたらいつでも』 ほどなくして、返信。 すぐに送られてきた。 『アジト来ないから心配した。大丈夫そうだな』 そう送ってから、少し間を置いて。 『何かあったら俺の事使ってください』 『頼るでも頼むでも 言われたら応えるんで』 そんなことも、付け足した。 (-377) 2023/09/19(Tue) 13:20:17 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「しますけどお……??」 「候補にいるだけで十分懸念材料ですけど??」 拳の中にしまった指をまた出して差した。 「 マジで何したんすか? …………はあ、もう」それからわしわしと頭を掻いて、 だらんと腕を下ろす。 「…………迷惑じゃないす。頼まれんのは好きだから」 「便利に使ってもらうためにここにいるんで……」 「……………………」 「じゃあ連れてかれんならちゃんと帰ってきてください。 大丈夫ならこれからも猫のこと手伝わせてください」 拗ねたみたいに唇を尖らせてはそんなことを言って、 踵を返した貴方の背中を見る。 「あんま無茶しないでくださいよ」 なんて一言、その背中に投げて。 貴方が行くのなら、ロメオもこの場を後にするんだろう。 (-379) 2023/09/19(Tue) 13:31:27 |
【秘】 門を潜り ダヴィード → 渡りに船 ロメオいずれ似合うようになる。 言質でもなんでもないそれを、ふふんと嬉しそうに受け取る。 「背中に何もないとこわい。ふむ。 ホラーを見た後みたいな……違いますか。あれ?」 ほんの小さな頃に強がってホラー番組を見て、怖くて1人で眠れなくなって。 親のベッドに潜り込んでぎゅうぎゅうに抱きしめてもらって、それでようやく安心して寝たんだっけ。 この人には抱き枕ならぬ抱かれ枕が必要なのではないか。そんなことを思う。 歯磨きの最中、旋毛を押された男は「むぎゃ」だの「うぎゃ」だの、不明な音を発していた。 押せば鳴るのかもしれない。 歯を磨き終えれば寝室に案内される。 1人で寝るには大きなベッドとクローゼットのある、先ほど同様のシンプルな部屋だ。 (-385) 2023/09/19(Tue) 14:27:41 |
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