人狼物語 三日月国


94 【身内】青き果実の毒房【R18G】

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視点:


【人】 4432 貴戸 高志

「………………」

端末の投票結果を静かに見下ろしている。
(0) 2021/09/20(Mon) 21:42:40

【妖】 4432 貴戸 高志

>>$0
側位?とも思ったけど違いますもんね なんなんでしょうねあれ(?)
($3) 2021/09/20(Mon) 22:13:29

【念】 4432 貴戸 高志

/*
この窓が見えてるよいこの皆へ。

【回想】とついているものは貴戸の過去ソロールなのでPCは見えないものとして扱っていただけると嬉しいです。
ついていないものは貴戸中心カメラとして楽しんでね。
(!0) 2021/09/20(Mon) 22:41:43

【秘】 4432 貴戸 高志 → 9949 普川 尚久

貴方がどんな顔をしてもどこ吹く風。けれど、面白そうに笑う貴方を見た時は不思議そうに少しだけ首を傾げた。

「貴方は大して変わらないと言いますが、受け入れる側はやはり大変だと思いますから。それに性交渉の話を持ちかけたのは俺だ。だから動くのは当然です」

けろりと答えた。
それから、暫く考え込んでから口を開く。

「普川先輩はここでしばらく休まれますか?俺がいると休みにくいのであれば、先にここを出ましょうか」

しばらく体を丸めて眠っていた姿を思い出す。
(-22) 2021/09/20(Mon) 23:20:22

【念】 4432 貴戸 高志

時系列は普川と某所(>> 2:$7)で過ごした直後。
企画開始直後に赴いた時と同じ、自室から随分遠く離れた場所のトイレに足を運んだ。

ネクタイを取り去り、シャツのボタンを少し外してから鏡を覗き込む少年が映し出されている。
指を這わせた鎖骨や首筋。触れなくても未だかすかな熱が残っている。外してシャツをずらせば、きっと噛んだような痕の上から"爪で引っ掻いたような痕"がついているのだろう。

普川が付けたものじゃない。彼はただひたすら横向きに転がり事が済むまで大人しくしていた。

じゃあ一体誰が?そんなもの、一人しかいない。

首筋をしきりに撫でる。相手を揺さぶる途中から「何かが足りない」と気付いたけれど、半分無意識のうちに己の首を引っ掻き始めたのは自分でも思ってもみなかった。

考えを振り払うように頭をゆるく振って、ネクタイを再び結び始める。着衣に乱れがないことを確認してから、少年は何もなかったかのように平然と歩き始めたのだった。
(!1) 2021/09/20(Mon) 23:36:16
貴戸 高志は、食堂に顔を出し、バイタルチェックなどを済ませてからふらりと部屋へと戻っていった。
(a0) 2021/09/21(Tue) 0:31:17

【秘】 4432 貴戸 高志 → 9949 普川 尚久

黒塚のことを耳に入れると、はぁ……とただ相槌のような言葉をこぼして黙って聞いた。自分も彼のことはよく知らない。貴方の話を聞いても「謎に包まれた人物だな」と今までのさほど変わりない再評価をして終わった。

「そうですね。気にするなと言われても気にしてしまうものは気にしますから、これからも好きなようにします。普川先輩に怒られない限り」

一通り話し終えて、用事が終わったことを確認し……最後に、一つだけ疑問に思ったことがあったのでなんとなしに拾い上げて貴方へ放り投げた。

「それなら、ここを出る前に質問を一つだけ。
先輩はその……先日一人で行為に及んでいた時がありましたけれど。その直前に何かしましたか?例えば薬を飲んだとか、おかしなものを食べたとか。
俺と及んだ時は性器があまり反応なかったのに、あの時の映像ではきちんと射精できていたから少し不思議に思いまして」
(-29) 2021/09/21(Tue) 1:35:30

【念】 4432 貴戸 高志

【回想】

兄と目があった。
同じ血が流れているはずで、顔つきもそこまで違っていない筈なのに、感情豊かに顔が変化する彼をどこか羨ましいと思っていた。泣くことは許されていなかったし、責務を果たそうと努力するうちにどうやって笑えばいいのかも忘れてしまっていたから。

兄は俺と目が合っただけで泣くように笑い、笑うように泣いて、時折火がついたように喚き散らして怒っていた。器用な人だと場違いな感想が浮かんだ。

俺は無実だ。この女とは別れた筈。それでも迫ってきたのはあちらのほうだ。
そもそもお前は何故ここに来た。俺を馬鹿にしにきたのか。良いよな、お前は何でも手に入って。

"完璧なお前に俺の苦労が分かるか"。

そんな事を言っていた気がする。もう正確に内容を覚えていない。
人は他人の存在を「声」から忘れていくのだという。実際、内容も声も忘れてしまった。ここにいると決めた時から、たいていの物は不要だと脳が認識してしまっていたからだろうか。
あれだけ過ごした屋敷の細部が、ところどころ陽炎のようにぼやけてしまっている。

閑話休題。
捲し立てる兄へ一歩踏み出した。大量に血を飲み込んだ畳の感触がやけに気持ち悪かったような気がする。
あれだけ言葉を吐き出し続けていた兄は「ひ」と短く悲鳴を上げて黙り込んだ。そちらのほうが都合が良い。

全てを投げる選択をするというのに、頭も心も冷め切っていた。
ああ、むしろ、熱を帯びていた時間など、"俺"には一体どれだけあったというのだろう。

「兄様。俺に協力してくれますか?」

ただそれだけを告げた。
今まで積み上げてきたものを捨てるにしては実にあっけない別れの言葉だった。


結局、俺にとって"俺"という時間の価値なんてそんなものだったのだろう。
(!2) 2021/09/21(Tue) 2:37:33

【独】 4432 貴戸 高志

パソコンから書くと完全に小説を書く気分になってしまうからめちゃくちゃ文章量が増えてしまいますわね
(-36) 2021/09/21(Tue) 2:43:25

【念】 4432 貴戸 高志

【回想】

流石に死体を綺麗に処理する方法は勉強してこなかった。

今から調べるにしても時間が足りないし、そもそも屋敷の人間に自分の動向は常にチェックされ続けている。今日は父も祖父も不在で、普段より屋敷にいる人間の数も少ない。俺が離れにいると気付いている者もいない筈だ。それでも、必要な道具を取ってくるのは難しいだろう。
自分の状況を振り返って、兄はいったい自分の何を見て羨ましいのかと疑問に思ってしまった。

兄によって既にあちこち千切れそうになっていたり、欠損していたりする女性の遺体を離れに備え付けられている浴室に運んだ。
それから仕方がないのでまず整理箪笥から裁ちばさみを持ってきた。兄が殺した女性と、兄の二人分の服を裂いた後、自分が作業をする間に兄にそれらを細かく刻んでもらうように頼んだ。それらはまとめて自分が持ち帰り、後で処理をする。
次に兄が女性を殺すのに使った三徳包丁を丁寧に洗って、素手のまま運んで物置の奥に捨てた。そのまま物置内を物色する。剪定鋸が見つかった。これと裁ちばさみ一本で出来ることをやるしかない。

それからどれくらい時間がかかったのかは分からない。女性を出来るだけ傷つけた。

不思議と気持ち悪さは起きなかった。ただただ、作業を無心で行っていた。
(!3) 2021/09/21(Tue) 3:30:00

【念】 4432 貴戸 高志

【回想】

兄の犯行現場に手を加え、自分がいた証拠を複数撒き散らした後。今度は異能への対策を行った。とはいっても、これはすぐに解決した。
兄の異能は"他者の異能の無効化"であった。それも対象は自分自身だけでなく、場所さえも指定できるもの。異能を使った離れの記憶念写などは兄のお陰でどうにかなるだろう。
自分への介入は己の異能による遮断でどうにかするしかないが、今こうして少年院にいる事ができるのだから上手く切り抜けられたはずだ。

何もかもが惜しい人だと思う。兄に対する気持ちはそれだけだった。稀有な力を持っていることを誇ればいいのに、彼は随分と勿体ないことをしていた人だ。

その後も屋敷を出ようとする兄の根回しをしたり、身辺整理をしたり、思いつくことを済ませてから然るべき場所へ連絡を入れた。出来ることをしたといっても、所詮は管理され続けている高校生の行いだ。父や祖父が動けば逃げ出した兄などすぐに見つかるかもしれないが、今はもう関わりのない話だ。

連絡を入れる時のことは今でもよく覚えている。
手が震えていた。あの感覚はきっと恐怖ではない。高揚だ。
あの時確かに胸が高鳴っていた。瞳に薄い水の膜が張られ、視界がぼやけた。泣きたくなる気持ちはこういうことを言うのかと感慨深ささえ抱いた。

ようやく心が息を吹き返した気がした。


外から隔離されれば、自分に向けられていた鎖も重圧も何もかもが無くなる。
やりたいことをやっていい。感じたことをそのまま表に出していい。
もう我慢しなくていいんだ。楽になれるんだ。

俺はようやく、自由になれる。
(!4) 2021/09/21(Tue) 3:36:22

【念】 4432 貴戸 高志

食堂から自身の部屋に戻ってきていた。

端末をテーブルに投げ出して一人本を読んでいる。が、貴戸ただ一人にだけ焦点を当てたこのカメラには本人はきちんと文章を読んでいない様子が映し出されていた。

小豆色の視線が動いていないのだ。読むために文字を追いかけていたのであれば、少なからず瞳は上下に忙しなく動くはずなのに。

ただ本を読むふりをして、何かを考え続けている。
(!5) 2021/09/21(Tue) 3:43:51
貴戸 高志は、自室でのんびり読書をしている。
(a2) 2021/09/21(Tue) 3:46:09

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

「俺は居るぞ暁!
扉を開けるのと声は静かにしないか!」


(-67) 2021/09/21(Tue) 14:48:27

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

平時であれば、そう返していたことだろう。己の行動を厳しく躾ける者はもう誰もいないのを良いことに、好きに振る舞う事ができるからだ。

「……ああ。暁。おかえり」

それなのに、今は極めて静かにそう返した。
両手に抱えているものを見やる。
ケーキ。ああ、それなら珈琲を淹れようか。
カメラ。ああ、ああ……。…………。
貴方は誰と撮るのだろう。


「時間ならある。なんだ」

本を置いて隅に追いやった。栞は使わない。初めからまともに読んでいないのだから。
(-68) 2021/09/21(Tue) 14:48:55

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

ケーキを勧められると、少し待っていてほしいとの旨を告げて席をたった。ほどなくして二人分の珈琲を淹れた二つのカップを手に戻ってくるだろう。

「いただきます」

さくりとフォークを沈ませる。
食べやすい大きさに切り分けて、貴方が作ってくれたケーキを口に運んだ。予想していた通り、いやそれ以上だ。
少しだけ和らいだ声で「美味しい」と紡いだ。

珈琲を一口啜り、真正面から貴方と向き合う。
少年はいやに平然としていた。肝が据わっているのか、或いは"取り繕うのに慣れているのか"。いずれにせよ、今の貴戸の心情を知る由はないだろう。

報酬の内容。
己が己のために貫かなければならない部分。

「その話か。決まっている」

(-70) 2021/09/21(Tue) 15:54:08

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

「……、」

口を開く。瞬きするよりも短い刹那の空白が生まれた。
おかしい。どうして言葉がつっかえてしまう?


「俺の収容期間を伸ばすこと。


出来るだけ長く。可能な限りずっと。
俺はこの罪を生涯かけて償わなければならないからな」

胸が己の言葉によって締め上げられる。それは何故?
おかしい。おかしい。おかしい。

ああ、でも大丈夫。取り繕うのは平気だ。
だってそのように振る舞えと躾けられてきたから。

俺は、平気だ。

ああ、苦しい。
(-71) 2021/09/21(Tue) 15:54:48

【念】 4432 貴戸 高志

【回想】

最初はただの好奇心と、かすかに芽生えた欲求からだった。

迷彩、鏡沼。彼らは相手を愛称で呼びたがる。特別な名前を付けたがる。
その気持ちがあまり理解できなかったけれど、だからこそ興味があった。

だから、いつからか闇谷を暁と呼ぶことにした。最初はただの好奇心と、かすかに芽生えた欲求からだった。

暁は良いルームメイトだ。
まっとうな価値観を持っていて、真っ直ぐで。共に過ごす時間がたまらなく穏やかで、温かくて。

彼と過ごす時間は俺にとって一番落ち着くものになっていた。
外であれだけ苦痛に感じていた眠る時間も、その上隣に人がいても、もう何も感じない。
人の視線が心地よいと感じる日が来るなんて思ってもみなかった。


暁。
たった一人、そう呼ぶことで俺がどれだけお前に心を許しているか、分かってくれるだろうか。
(!6) 2021/09/21(Tue) 16:13:39

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

"俺は、お前が、好きだ。"

たったそれだけの短い言葉。

貴戸高志の世界を作る全てが停止する。
思考が、呼吸が、動作が、何もかもが止まって。
あらゆるものが使い物にならなくなる。

ゆっくりと咀嚼して、次の言葉を拾い上げて──唇が戦慄いた。

俺もそうする?
隣にいる?

それはつまり、俺の都合のいい自由に付き合わせるということ?
本来なら本当の自由を謳歌できる筈のお前が、俺のせいで?

嬉しくて、悲しくて、嬉しくて、苦しくて。
視界が歪みそうになる。唇は未だはくはくと薄く開閉したまま。

指先一つも動かせないまま、うまく焦点の合わない視界がどんどん貴方で満たされていくのをただ受け止める。ああ、近づいてきた。

(-79) 2021/09/21(Tue) 17:13:19

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

唇が重なる。
性に溺れるための戯れの一環などではなく、純然たる恋心によって齎されたささやかな重なり。

それを拒まなかった時点で、それを欲しがった時点で、

ああ、俺は、俺は。


お前のことが。


(-80) 2021/09/21(Tue) 17:13:53

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

「……、め、……だ」

柔らかな感触を受け止めた直後、少年の両腕が貴方へ伸ばされる。
避けないならば掻き抱いて、逃がさないようにきつく、きつく。

「だめだ、だめだ、だめだ」

声が震える。喉が引き攣るのを感じながら、舌をもつれさせながら必死に感情を吐き出していく。

「……っ駄目だ。
お前は、罪を犯していないだろう?冤罪なんだろう?
俺なんかに付き合ってはいけない。俺のような身勝手な人間の傍にいてはいけない。

お前は本当の自由の中で幸せになるべきなんだ。
お前はもっと好きなように生きるべきなんだ。

だから……だから、いけない、いけないんだよ、暁」

必死に首を振る。それなのに、両手は貴方に縋り付くように掴んだままで。

誰よりも大切な貴方に日の当たる場所で幸せになって欲しい。
でも、自分と共にこれからも過ごして欲しい。

もう何もかもがめちゃくちゃだった。

こんなの、初めてだ。

(-81) 2021/09/21(Tue) 17:14:54

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

だめだ。いけない。

ただそれだけを繰り返す。

貴方を拒む「嫌」は、ただの一度も出てきていない。
(-82) 2021/09/21(Tue) 17:15:14

【置】 4432 貴戸 高志

欲しいものはただ一つだけ。
"俺にとっての自由"。

それだけ手に入れられたのなら、もう何も要らない。
きちんと呼吸できる時間が欲しかった。頭と体を休められる場所が欲しかった。自分が自分でいられる場所が欲しかった。

それだけあれば、良かった筈なのに。


求めてはいけないんだ。
自分から罪を利用した俺と違って、お前は本当に良い奴だから。

お前の幸せを願うなら、俺はお前を求めてはいけないんだ。

ああ、俺の本当の罪はこれだ。
他人の罪を利用した俺の罪はこれだったんだ。

だから全身がちぎられるようなこの痛みは俺への罰なんだ。


ああ、だから、だから──。
(L0) 2021/09/21(Tue) 17:16:05
公開: 2021/09/21(Tue) 17:30:00

【置】 4432 貴戸 高志




暁。
俺はお前を好きになってはいけないんだ。
俺はお前のことが、好きなんだ




(L1) 2021/09/21(Tue) 17:17:11
公開: 2021/09/21(Tue) 17:30:00

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

抱きしめられる。頭を撫でられる。
何もかもが許されたような気がした。

胸が一度、きゅうと苦しくなるように締め付けられて。けれど、それが過ぎ去ってから陽だまりにも似た柔らかな温もりが内側を満たしていく。

きちんと呼吸できる時間が欲しかった。
頭と体を休められる場所が欲しかった。
自分が自分でいられる場所が欲しかった。

欲しいものはただ一つだけ。
"俺にとっての自由"。

ああ、それはきっと──


──お前の隣だったんだ。

(-116) 2021/09/21(Tue) 22:02:43

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

「俺といたら不自由になるからダメだと思った」

だから離れるべきだと思ったんだ。


「俺とお前は同じ冤罪だけど、
決して同じではないから、いてはいけないと」

俺とお前を一緒にしてはいけないと思った。


「お前はきちんと幸せを見つけられるのか?
こんな狭い箱庭で?」


俺はお前を縛りたくなかったんだ。


「こんな、場所で……好きに……」

好きにいられる?本当に?


「……暁、俺は、俺はっ……!」

俺の意思で、俺の道を選んでもいい?


(-117) 2021/09/21(Tue) 22:03:20
貴戸 高志は、静かに頬を濡らした。
(a3) 2021/09/21(Tue) 22:04:31

貴戸 高志は、微笑んだ。
(a4) 2021/09/21(Tue) 22:04:42

貴戸 高志は、自分の意思を伝える。もう取り繕う必要はなくなった。
(a5) 2021/09/21(Tue) 22:05:33

【秘】 闇谷暁を想う 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁




「暁。

 好きだ」


(-119) 2021/09/21(Tue) 22:06:40

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

好きの一言で心が満たされていくのを感じる。
自覚してから受け取る貴方の言葉の何もかもがたまらなく愛おしいのだ。

「返事、いらないと言われてもな。お前はそれで満足できるのか?
嫌じゃない、隣にいていいと言われても。返事を貰えず片想いを抱えた半端なままでは苦しいだろう」

背中をさする手の感覚を楽しみつつ貴方の好きにさせる。

「嫌だなんて言う筈ないだろう。そうでなければ最初に寝る相手にお前を選んで安心するだなんて言うものか。

それに、男性が好みだとか女性が好みだとかは気にしなくていい。以前話した女性を抱いたことある、なんていう話も嘘だしな。
俺個人として誰かを好きになるなんてここに来てからようやく出来る様になったことだから」

誰と仲良くするかさえも縛られていて、それを是としていたのだから個人の感情なんて持っていても無駄だったのだ。


「…………ただ、そうだな。傷つけてしまったのは悪かった。お前に抱く"好き"が特別な意味を持つことに気付いたのがあまりにも遅かった。

……今から、これから、お前の傷を癒やし挽回できるように努力しよう。
………………それじゃあ駄目か?暁」

そろりと両腕を貴方の背に回し、少しだけ力を込めた。先程の感情に任せたものではない、愛おしむような優しい抱擁。
(-150) 2021/09/22(Wed) 4:54:07

【秘】 4432 貴戸 高志 → 9949 普川 尚久

「え?それは聞くでしょう盛った奴許せないので叱りにいく為に犯人探しに行くんですから」


ああ〜こいつデリカシーがな〜い!

「ふむ……何を食べたのか情報を詳しく聞きたいところですが。怒らせてしまった(残当)のは忍びないですし俺はこの辺りでお暇させていただきますね。
ありがとうございました普川先輩。ゆっくりお休みください」

全ギレさせた張本人は、けろっとした様子で帰って行ったのだった……。
(-151) 2021/09/22(Wed) 5:03:51

【秘】 4432 貴戸 高志 → 9949 普川 尚久

なお、その数分後。

「普川先輩大事なことを忘れていました性交渉した後は水分補給しっかりしないと駄目です!!!」


ガラガラガラーーーッ!!!(とびらをあけるおと)

勢いよく後輩が戻ってきた。きりりと冷えた水の入ったボトルを持ってきて、貴方の近くにそっと置く。何か水筒を持ち歩いていた気がするからもしかすると不要かもしれないが、その時はその時だ。

そして今度こそ貴方と別れるのだった。

ガラガラガラーーーッ!!!(とびらをしめるおと)
(-152) 2021/09/22(Wed) 5:04:10

【秘】 4432 貴戸 高志 → 9949 普川 尚久

〜あまりにも要らないNGシーンその後〜

*ガチャガチャガチャ
バンバンバンバンバン!!*


つまりこういうことですか?(?)
ガチャガチャに気付いたら「先輩あれだけだるそうだったのに……体無理したら駄目ですよ!(クソデカボイス)」とか言ったんだと思います。なんだあの貴戸高志って奴……。
(-154) 2021/09/22(Wed) 5:16:44

【秘】 4432 貴戸 高志 → 9949 普川 尚久

「(ありがとうございますの文字が添えられたマンボウanimalちゃんスタンプ)」


必要以上に絡まれることを好んでいないと判断し、既読無視していいという気遣いからのスタンプでの返信だったとか。
(-157) 2021/09/22(Wed) 5:34:31

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

縋るような手つきと、肩に擦り寄る貴方の頭。
それらをそっと受け止めて、ぎこちないけれど慈しむようにそっと撫でる。

「ああ……俺も好きだ、暁」

こんな時に限って言葉が出てこない。けれど、自覚してからとめどなく溢れ続ける貴方の想いは、きっといくら言葉をかき集めても完璧に言い表すことなど出来やしないだろう。
貴方がきっとずっと秘めていたであろう「好き」を一つも残さず拾い上げ、それに応えるかのように自分もまた体を擦り寄せた。

目に見えない幸福を理解できる日など来ないと思っていた。
ああ、でもきっと。きっと、己にとっての幸福とは今の状態のことを指すのだろう。

(-186) 2021/09/22(Wed) 16:09:30

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

悪戯っぽく問いかける貴方を見て、ほんの少しだけ目元が柔らかく弧を描く。未だ変化は微々たるものではあるが、貴方の前では上手く力が抜けるようになってきた。

「いいや。俺の前で好きに食べてほしい。俺はお前と共に過ごすお茶の時間も好きだから。

それに……暁自身が言ってくれただろう?
俺は、忘れるよりも見慣れたい。だから遠慮なんかしないでくれ」
(-187) 2021/09/22(Wed) 16:09:44

【人】 4432 貴戸 高志

ここ最近、用意してもらってばかりだ。
だからたまには自分でも準備しようと思って、部屋を出た。

彼はいつも美味しいお菓子を手に戻ってくる。外れだった事なんて一度もない。
自分は果たして彼のように二人とも気にいるような菓子を見繕うことができるだろうか、なんて甘いふわふわとした計画を立てながら歩く。

なんてことない、ここに来て、闇谷と同室になってから幾度となく行ってきた楽しい時間の一つだ。自分にとってはすっかり日常として組み込まれている。

今現在自分が過ごしている日常は、いとも容易く崩れ去るような脆いものへと変わっているというのに。
(13) 2021/09/23(Thu) 2:57:38

【人】 4432 貴戸 高志

かん、と革靴の音が一つ。

「……?」

すっかり見慣れた景色となった廊下。それなのに、どこか違和感を抱いてしまうのは何故だろう?
靴音が引っ込んだ空間に耳を傾ける。

誰かの声。
それにしては、まるで内緒話をするかのように声を潜めているような気がするが……。

先ほどよりは落ち着いた足取りで声のする方へ。
声を潜めたくなるような話をするのであれば、こんな廊下なんて開けた場所で行うべきではない。そう言ってやろうなんて思いながら曲がり角を曲がって──


──重なり合う影が、二つ。

「……っ」

小豆色の瞳がかすかに揺れながら、その姿を見てしまった。

「迷彩…………と、暁……」
(14) 2021/09/23(Thu) 2:59:14

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

貴方の歯を、舌を、唇を。
小豆色の瞳が追いかける。追いかけてしまう。
小さな動作一つとってもやけに扇情的に見えてしまって、たまらずこくりと口腔に溜まる唾ごと息を飲み込んだ。

次に息を吐き出すまでの間に、無意識に左手が己の首元を押さえたことに気づかないまま。

……ああ、自分はその唇から溢れる薬で癒してもらったのいうのに。
今となっては腹の底を撫ぜる毒にしか見えないのだ。

「……ん。あー……、……ん」

恥じるように瞳をわずかに伏せていたものの。フォークを差し出されたことに気付くと、数度目を瞬かせてから唇をかぱりと開けてフォークを中へと招き入れた。

喉を上下に揺らせば先ほどまでの恥ずかしさごと甘いケーキが胃の腑へと滑り落ちていった。
優しい甘さに思わず口元がやんわり緩む。

「…………美味い。こうして連日お前の美味しい手料理を食べられるとはなんて贅沢なんだろうな」
(-241) 2021/09/23(Thu) 3:14:45

【秘】 4432 貴戸 高志 → 8435 黒塚 彰人

どこかへ移動中だったのだろうか。貴方が声をかけた少年は廊下にて貴方の姿を捉えた。
かつ、と靴を鳴らして向き直る。

「黒塚か」

貴方を見やる少年もまた、貴方同様遠慮のない態度を見せるだろう。
少年が反応を変えるとするならば年上だと明確に分かっている普川・市川・素崎の三名だけだ。貴方は推定でしかないが、同い年に見えるためか年上の者よりは近い距離感で接していた。

「……ああ。構わない。……俺の自室以外で頼む」

耳を撫ぜる囁きに顔色ひとつ変える事なく首を縦に揺らした。
かつ、と再度靴が鳴る。今度は貴方とは違う方向へ。連れ立って歩く為に。
(-244) 2021/09/23(Thu) 3:45:18

【人】 4432 貴戸 高志

>>15 普川

「……ッ!」

声を上げることはなかった。だが、唐突に背中にかかる重みに少年は激しく体を跳ねさせる。
首を少しだけ回し──それでも声と話し方で誰かは瞬時に分かっているのだが──やってきた相手を確認すると、「ふ、かわ……せんぱい?」とかすれた声をどうにか紡いだ。
貴方が背中にくっつくような真似をするとは思っておらず、普段あまり動かない表情筋はこれでもかとよく動き心底驚いた様子を浮かべていた。

「……いえ、あの。俺の用事は後回しでもいいんです。
それよりも普川先輩、あの、聞きたいことが……」

しなだれかかる貴方に肩を置いて申し訳なさそうに体勢を変える。
向き直ってから、ずいと顔を近づけた。

「…………先輩。あの──」

(16) 2021/09/23(Thu) 4:12:19

【人】 4432 貴戸 高志

>>15 普川

「他人の性交渉現場見た時ってどうしたらいいですか?」


本人は至って真面目である。

本人はそれはもう本当にすっごくしっかりばっちりとんでもなく真面目なのである。
(17) 2021/09/23(Thu) 4:12:46

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

「美味いものは美味い。褒めて何か問題でもあるか?レパートリーが増えるのであれば尚更いいことづくめだ。
……それにしても、好きな食べ物か。和食などは慣れ親しんでいるから、出てくれば嬉しいが……ああ、そうだ」

ほんの少し暫く考えて、閃いたように顔を上げる。

「暁が勧める料理。

お前が持ってきてくれたものは、皆美味しかったから。暁が勧めてくれるものなら、俺もきっと好きだろう。お前自身が作ってくれるのなら、尚更」

どうだ?と訊ねる声には自信が滲んでいる。間違いないと言わんばかりの、はっきりとした回答。

ただ、そんな堂々とした態度はそこまでで──

(-247) 2021/09/23(Thu) 5:10:03

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

「傷。………………」

言葉に反応して左手が浮き上がる。漸く、無意識に動いていた己の手に気がついた。

「痛くはない。大丈夫、これは本当だ。
だから暁が心配することなど何も無い。

……無い、が…………」

言葉尻が萎んでいく。言うべきか言わないべきか迷っているのだろう、視線がきょろきょろと落ち着かずに泳いでいる。

「…………。言わないままにして、暁に迷惑をかけてしまうほうが嫌だな。

……白状しよう。暁、その………………」

きゅ、と首周りに置かれた手に小さく力が込められる。

(-248) 2021/09/23(Thu) 5:11:27

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

「…………お前がつけた傷、が…………。

時折、むしょうに…………


欲しくなってしまって…………

……………………」
(-249) 2021/09/23(Thu) 5:12:05

【人】 4432 貴戸 高志

>>18 普川

「悪いご冗談を。そういったことはよくないです普川先輩」

真面目堅物人間はそう答えた後、唇をきゅっと結んで首を横に振った。NOだそうです。

「……キスと性交渉は違うでしょう。それに、相手は……その、俺の知人友人ですし……見て見ぬふりをしていいものかどうか……。

……あの、毛布とか水とか用意したり「立ち入り禁止」の看板立てた方がいいのではと考えているのですが、どうですか?」


もしかして:AVスタッフか何か
(20) 2021/09/23(Thu) 5:32:12

【人】 4432 貴戸 高志

>>22 普川

「……っ」

はく、と唇が戦慄く。
どこかで線引きをしていた。ここを超えたら恥ずかしいものだと。ここを超えるまでは子供でも出来る戯れだと。

「……二人だけでするはずの秘め事。
……………………言われてみれば、そう、ですね。

俺は……肌を重ねることを特別視していた。
先輩の言う通り、口づけの時点で当事者の間だけで秘めるべき触れ合いなのは確かなのに」

セックスが大人だけに許された特別な行為だと、どうして思い込んでいたのだろう。
現に自分は、自分の想い人は、少年たちは、こうして容易く一線を超えてしまっているのに。

いつの間にかからからになった口の中でなんとか舌を動かして、「教えていただきありがとうございます」と小さく紡ぐ。藤色の髪が、言葉に合わせてぱさりと前に倒れて揺れた。
(23) 2021/09/23(Thu) 13:09:06
貴戸 高志は、朝倉の姿を見つけると声は出さなかったけど体が強張った。ぎくり。
(a15) 2021/09/23(Thu) 13:32:14

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

「ああ。大好きだ。俺の世界の中で、一番大切だ」

己を殺し続けて生きてきたのだから、自分で選んだものなどあまりに少ないけれど。
その中でも、いっとう大切なものは貴方だと、それだけははっきり言い切れる。

(-260) 2021/09/23(Thu) 13:53:58

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

自身の手に貴方の手が重なる。心を許す相手に触れてもらえるのが嬉しくて、薄く開いた唇からたまらず吐息がこぼれ落ちる。児戯にも等しい触れ合いだけで、凪いでいたはずの心に漣が生まれて落ち着いていられなくなる。

「……お前を困らせたくない。それは本当なんだ。
……でも、誰かと寝ても、物足りなく感じてしまって。自分で首を引っ掻いても埋められなくて。
はしたないと分かっているんだが、その……

……っ、…………」

言い淀む。
もう片方の手で貴方の手を包む。それだけならまだいじらしい反応だと言って終わりに出来ただろう。
だけど、上から貴方の手を覆った少年は人差し指をにわかに動かす。
桜色の爪の先が、戯れに貴方の手をくすぐり引っかく真似をした。

「…………暁」

(-261) 2021/09/23(Thu) 13:54:18

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

そこから先は、言葉にならなかった。
けれど。

──欲しい。

貴方を求める唇は、確かにそう震えた。
(-262) 2021/09/23(Thu) 13:54:39

【人】 4432 貴戸 高志

>>24 普川

ぽんと乗せられた手を追いかけるように、目が上へと揺れた。
何度もぽふぽふと頭を撫でる仕草と、静かに話す貴方の顔を不思議そうに交互に見つめている。

「……知っているつもりでは、あります。…………自惚れでないのなら。

俺は、例え余計なことだったとしても、俺は…………」

少し間を置いて、言葉を最後まで紡ごうとした時だった。

──声がする。

耳がそれを拾い上げた瞬間。
言い切るべき事も、貴方の「覗いていいか」の問いも、何もかも投げ出して。

体が、勝手に動き出す。
(25) 2021/09/23(Thu) 14:14:16

【人】 4432 貴戸 高志

>>+30 >>+31 廊下

「っ、暁ッ!?」

先輩と呼び敬う相手との会話さえも投げ出して。
闇谷の声が響けば反射でそちらの方へと体が弾かれるように動いてしまった。

ぱっと藤色が舞う。かつんと靴が焦って一際高く鳴いた。
壁に手をやりながらも、曲がり角から心配の色を滲ませた顔を覗かせて──

「……ッ」

小豆色の瞳は、捉えてしまう。
相手の頭をかき抱きながら、蕩けた顔を見せる想い人の顔を。

潤んで揺れる、紫色を。
(26) 2021/09/23(Thu) 14:15:09

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

「……は、…………ぁ」

有無を言わせぬその強引さに胸が締め付けられる。これから求めるものが与えられるのかと期待してしまって、それからかつてのひとときを想起してしまって、唇の端から漏れる吐息が熱を帯びる。

あかつき。
あかつき。
はやく、はやく、はやく。

あかつき。

指先がそっと貴方の服をつまむ。刺激が意識を揺らすたびに血の通った指に力が込められて白く染まった。
捕食される仄暗い悦びが、貴方の口づけによって淑やかに咲いていく。期待で腰は軽く浮き上がり、普段ぴんと伸びていた背筋はやわらかくしなった。貴方から齎される快楽を求める体が自然と強請り始めている。

──あかつき。

赤色に顔を寄せる貴方を見るほどに心臓はとくとくと早鐘を打ち始め、唇が音にしないまま貴方の名前を呼んだ時だった。

「────ッ」

(-268) 2021/09/23(Thu) 16:40:29

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁



来た。


本来なら痛みしか生まれないであろう刺激の筈なのに、この体は言い逃れできない程に悦び善がっている。
声の代わりに吐きだされる吐息。熱と艶を帯びるそれは、快楽を感じている証明に他ならない。

急所からじわりと広がる快感にどれほど溺れていたのだろう。は、は、と短く呼吸を繰り返して余韻を貪り尽くした後……ようやく、小豆色の瞳がゆるりと貴方のほうを見下ろした。

「…………ぁ、は……、あかつき……あかつき…………」

心の底から愛おしそうに。
瞳を蕩かせ、少年は笑む。
紫色を見つめ唇を動かす。

すき。
(-269) 2021/09/23(Thu) 16:41:41

【人】 4432 貴戸 高志

>>+34 廊下の二人

貪られている少年の叫びも、熱に侵されている少年の懺悔も、どれも等しく踏み超えて。

藤色の軌跡を宙に描きながら、いっそ無粋と言えるほどに堂々とした足取りで少年たちの望まない饗宴に割り込んだ。

「……悪いがそこまでだ。
迷彩、辛いだろうが止めさせてもらう」

これが嬌声だけであったのなら態度も違っていた事だろう。だが貴戸が耳にしたのは泣きながら紡がれる謝罪だった。ただの戯れではないと判断して、少年は馬鹿が付くほどの真面目さを持って声をかける。

相手を抱いている少年が達した頃を見計らい、「すまない」と断りを入れて両脇に腕を滑り込ませて後ろから引き剥がそうと試みる。
それから白を基調とした上着を脱ぎ、迷彩の下半身を隠すようにそっとかけようとする。汚れるといった懸念は初めから頭に無い。微塵も躊躇せず行われる事だろう。

これらは全て、迷彩少年が暴れなければの話だが。
(29) 2021/09/23(Thu) 18:29:12

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

「ぁ、あ、あ」

貴方の全てを甘受する。
体の全てを明け渡し、好きにさせ、代わりに与えられたものを余さず味わう。

生き物としての弱点を晒した事で齎される破滅的な快楽。その味の罪深さといったら!
抗い難く、いけないと分かっていても止められない。蕩ける頭が、痺れる体が、もっともっとと次を強請る。麻薬を取り込めばきっとこうなってしまうのだろうかと徐々に茹だり始めた脳の片隅で呑気にそう考えていた。貴方のどろりとした欲望に気付くこともなく。

かつて傷一つ付いていなかった少年の首筋は愛撫で艶かしく濡れそぼり、鮮やかな赤色の嗜虐的な愛が咲き誇った。

「……は、……ぁ」

貴方が唇を舌でなぞれば、その軌跡を追いかけるように自分の舌で名残り惜しむかのようにちろりと唇を舐めた。

そうして戯れに溺れた後。幾度となく聞いたであろう食事の終わりを告げる挨拶と共に解放される。今だけ非日常的な熱を含んだその声を聞くや否や、貴方のほうへ倒れ込むように前へと体を折るだろう。

「……あかつき。

…………きもちよかった。ありがとう」


拒まれないのなら、貴方の肩口に顔を埋めてそう呟く。
表情は見えない。けれど、髪から覗く耳がほのかに赤く染まっていることには気付けるかもしれない。
(-278) 2021/09/23(Thu) 18:53:45

【独】 4432 貴戸 高志

秘話で想い人とイチャイチャしながら全チャで他人とのセックス現場を想い人に見られるってどんな気持ち?
(-279) 2021/09/23(Thu) 19:00:58

【独】 4432 貴戸 高志

俺は……ひたすらに闇谷かわいいって思っているよ……
(-280) 2021/09/23(Thu) 19:07:01

【独】 4432 貴戸 高志

レスを返し終わったしソロールの文章もまとめ終わったのでぼんやりしてたんだけど

この貴戸高志とかいう男本当にツラがいいな………………
(-291) 2021/09/23(Thu) 20:04:35

【人】 4432 貴戸 高志

>>+35 >>+36 廊下

視線を素早く泳がせ、途切れ途切れの言葉を受け止めて思考を巡らせた。

「ああ。分かってる」

端的に返事をしながらしゅるりと自身のネクタイを解いた。手際良くボタンを二つほど外せば、シャツの間から鮮やかな赤い噛み跡とチョーカーを模した異能抑制装置が覗いた。

物を大切に扱うよう躾けられた貴戸がチョーカーを半ば引きちぎるように外したのは、冷静に見える内側が少なからず乱れている証拠なのかもしれない。

「──暁。頑張ったな」

それだけを呟き、静かに闇谷の唇に自分の唇を重ねた。

貴戸高志の異能内容は"感覚を一つ遮断する"。
普段は抑制装置が働いているが、これを外して条件を満たせば自分以外も対象とすることが出来る。

その条件とは──"相手の唇を奪うこと"。

唇を介して、相手の感覚を弄る。
闇谷から奪うものは痛覚。少なくとも(5)1d6時間の間は物理的な痛みはなくなるだろう。

それでも傷つき叫ぶ心の痛みだけは遮断することが出来ない。
きっと一番痛がっているのは、そこの筈なのに。

(30) 2021/09/23(Thu) 20:28:45

【人】 4432 貴戸 高志

>>+35 >>+36 廊下

ボタンを留め、ネクタイとチョーカーを彼にしては雑な動作でズボンのポケットにしまう。

一度闇谷の頭を撫でてから、今度は藤色の髪は迷彩の方へと流れていった。

「迷彩」

少年の名を呼ぶ声はひどく穏やかだ。
上着で顔を隠した彼の頭を、ぽんと小さく叩く。叩くといっても、あまりにも力が入っていないため撫でると言った方が正しいかもしれない。

「俺は今から暁を部屋まで運ぶ。
そうしたら、今度はお前の番だ。自室でも、戻りにくかったらどこかにでも。送り届けよう。

きっと気にするだろうから、お前は悪くないとは言わない。俺はお前をきちんと叱る。
だから、叱られたくなかったらこの場から離れること。悪いと思ったら、俺に叱られても構わないと思ったら、待っていてくれ。

……出来るか?」

極めて静かで落ち着いた声が、貴方の頭上に降ってくる。そこに怒りなどは一欠片も混じっていなかった。
(31) 2021/09/23(Thu) 20:29:39

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

これは迷彩と手短に言葉を交わし、闇谷を運んできたあとのこと。

闇谷を抱えて自室に戻ってきた。成人男性より幾分か体は小さいだろうが、意識を失った人間は相応に重みがある。けれどそれが一体なんだと言うのだろう。あの時の闇谷の叫びを思えば、自分の両腕があげる悲鳴などちっぽけなものだ。

布団の上に寝かせる。断りを入れてから着衣を少しだけ乱し、タオルで拭える部分を拭った。掻き出すことも考えたが、迷彩との約束もある。少し我慢して欲しいとブランケットをかけるだけに留めた。

闇谷が休めるよう整えた後、迷彩の元へ戻ろうとして……一旦、眠る少年の元へやってくる。
顔を覗き込み、様子を伺う。

「暁」

名前を呼ぶ。勿論言葉は返ってこない。
それでも構うことなく、唇を寄せて口づけを落とす。

今度は異能を使う目的などではなく。
ただ"そうしたい"と思ったからした。それだけの小さな理由。

「企画のせいで、誰かのせいで、お前が誰かと肌を重ねることもあるのだと覚悟はしていた。その筈だ。

それでも──」

(-297) 2021/09/23(Thu) 20:57:30

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

「──ああ、やっぱり胸が痛いんだ。異能も効いてくれやしない。

暁、苦しいな……」

顔がくしゃりと歪む。
たまらず、もう一度だけ唇を重ねた。


貴方が眠っている頃に起きた、ほんの僅かな一幕のおはなし。
(-298) 2021/09/23(Thu) 20:57:45

【念】 4432 貴戸 高志

自分の意思で決めたことなど、一体幾つあるというのだろう。

自分はまだ18年しか生きていない。大人からすれば鼻で笑われるような、青くさい少年でしかない。
けれど自分にとってはそれが全てだ。

某日、消灯時間さえも過ぎた頃。
談話室に居座って、端末の明かりだけを頼りにディスプレイの文字を追いかける少年が一人。

風情も何もない白い光に濡れる涼やかな顔は、相も変わらず生真面目さを押し出したかのような仏頂面のままだ。けれどよくよく見ればその眉間には少し皺が刻まれているし、唇は普段よりも固く引き結ばれている。

指先と視線は幾度となく端末の中の文字をなぞり続ける。

その殆どは、"報酬"の欄。

「…………」

おもむろに瞳が緩く細められる。睨むような鋭い眼差しで穴があきそうなほどに端末を注視した。
(!7) 2021/09/23(Thu) 20:58:08

【念】 4432 貴戸 高志

彼は全てを放り投げてまで隣を選んでくれた。
無実を証明できる機会を、太陽のもとで大手を振って歩く機会を。ありとあらゆる自由の可能性を。

自分は相手に何を返せているだろうか?
自分は相手にどれだけ負担をかけてしまっているだろうか?

尽きない悩みがぽたぽたと心に降り注ぐ。昔は殆ど揺らぐことのなかった水面が波紋を生んではぐらぐらと乱れた。

心情を表すかのように端末を持つ手が小さく震えた。みし、と機器が小さく悲鳴を上げてもお構いなしだ。

「……きっとお前は、気にするなと言ってくれるだろうけれど」

"何処でも、お前が居たら幸せだと思う。 "


鮮やかに甦る声。
声だけじゃない。肌を刺す空気も、その前に口にした甘味の味も、あの時間を形成する何もかもが脳と心に刻まれている。

「…………暁。俺も」

俺も、お前がいてくれたなら、きっと。

「──何処でも、幸せだと思う」
(!8) 2021/09/23(Thu) 20:58:43

【念】 4432 貴戸 高志



──だから、覚悟を決めなければ。


(!9) 2021/09/23(Thu) 20:59:08