セナハラは、かつて父も同じ気持ちだったのだろうかと、二人の子供を見ながら考えた。 (a17) 2021/07/07(Wed) 20:36:58 |
セナハラは、広げた調理器具を片付ける。余った肉はまた明日、誰かの糧になるだろう。 (a18) 2021/07/07(Wed) 20:41:24 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク骨を手渡せば、そっとバケツに蓋をする。 静かに戸棚へ戻す手付きは、眠る赤子を扱っているようにも見えるかもしれない。 「仕事なら仕方ない、と言わざるしかないですね。 埋めるなら、うんと深く掘ってください。 その内鹿や猪が戻ってきて、掘り返してしまいます」 東京に行く為の手段と言われても、 男には一体何なのか思い当たらなかった。 物品でなんとかなるものならば、既に彼の親が買い与えているだろう。 現実主義者の男は、考えるのをやめた。 「……倫理に関しては、僕も大概ですから」 まるで逃げるように立ち去る背中を、感情の無い瞳が映していた。 (-221) 2021/07/07(Wed) 20:42:53 |