人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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視点:


【赤】 黒眼鏡

イレネオ! 今日がお前の命日だ!
2023/09/17(Sun) 21:00:00

【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ

「ばあか、大人ってのはな」

ぐりぐり、がしがし。
あなたの髪がばさばさ揺れるのを抑え込むようにして、
無駄に強い力でぐいぐいと。

「トキとバアイによって使い分けるもんなんだよ。
 女の前ではバチっときめて、そうじゃないときはダルっとやれ。
 のんきにやるコツだよ、コツ」


暢気なことだ。――翌日自分がどうなるか、この時は彼はもう知っていたはずなのに。
(-101) 2023/09/18(Mon) 1:02:50

【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ

「はいはい、まあ、付き合いますよ」

めんどうくせえなあ、なんていいながら、特に拘泥する様子はない。
──彼にとっては、それは余燼。
そして、あなたという若者がなす今と現在。
ならば少しは手助けしてやろう。…そんな態度すら垣間見えて。

「ふうん」

大変だね、なんて零してから。

「商品に手をだすようじゃ、この稼業やっていけねえよ」

からから、と笑う。
その態度はなんともぶしつけで、無遠慮で。


「んじゃ、始めようか」

追及されるされるべき立場の男は、


「いうべきことはなんにもない。
 弁護士の到着を待とう」

しれ、っと。
そういって、笑いもせずに目を閉じた。
(-109) 2023/09/18(Mon) 1:18:45
黒眼鏡は、寝ている。
(c1) 2023/09/18(Mon) 7:29:50

【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ

「俺はそうでもないが、お嬢さんは結構神様のことが好きなのかと思ってね」
「好きな相手を蔑ろにされるのは嫌なもんだろ」

神と人とを同列に語るのが、既に宗教的マナーがなっていないのだが。
それでも大真面目な様子でそう語り、

「俺のやったことを悔やむ俺と、
 同じことを誇る俺の両方がいてね。
 そのバランスをとるのが人生の命題なんだ」

自己矛盾、あるいは中庸、葛藤。
どこまで本気かどうかわからないようなことを、つらつらと述べた。
──そうしてぼやきながら、組んだ肩もぎゅうと抱き寄せた体もそのままに、
はははと愉快そうに笑う。

「最初からじゃなければいいのかい、あれか?
 二回目のデートとか?」

軽口を語るときばかり、その態度は軽々しく。
それなのに、おんなじくらい軽々しい調子で、

「あんたは確かに悪党だ。
 だがなあ、罪を悔いるのと、それを改めることができるのは別の話だからな。
 あんたにとってその罪は、優先すべき理由があるんだろ。
 ンならしたほうが合理的…っていうのが、俺らみたいな悪党の考えだが」

くつくつ、と、湧き出すように笑って。

(1/2)
(-126) 2023/09/18(Mon) 8:00:05

【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ


「少なくとも、あんたは善い女さ。まぁ予想より、ちょっと面白い嬢ちゃんではあったがね」
「――神の愛ではないにしろ、それが、あんたの愛ならいいと思うが」

言葉はやがて、語り掛けるのではなく呟くように。
静かに風の吹き抜ける墓地に、零れ散らばり、消えていった。
──あなた以外に、その言葉を聞くものは誰もいない。


なおそういう話をしながらも、ぐいぐいと墓地の方に引きずるのは止めていない。力が強い。

(2/2)
(-127) 2023/09/18(Mon) 8:03:28

【秘】 黒眼鏡 → マスター エリカ

/*匿名で運命様から
「アリソン・カンパネッロ」でお答えいただけますと助かります。
その名義で摘発を指揮した(する予定…まだロールがすんでいない…)なので!
(-129) 2023/09/18(Mon) 8:17:36

【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ

「ハハハ」

くしゃくしゃになったぼさぼさ髪を、なんだか懐かしそうにこね回す。

「おっと、猫に噛まれちゃたまらない。
 見た目より痛ぇからな。
 気を付けろよお前も」

ぐいと押しのけられるように手を離して――けれど寸前、耳元に口を寄せて。


「女にはな、気を付けろよ」

「お前みて〜のはとくにな」

笑いながら手を伸ばし、クロスタータを包むラップをぺり、と爪で欠け剥がした。


「ありがたく頂くよ。
 ほれ、仕事あんだろ? 気ぃつけて帰んな」
(-141) 2023/09/18(Mon) 9:57:24

【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ

「どこだったかな。
 そうそう、知ってるか?
 三日月島一番のジェラート屋。
 あそこのイチゴfragolaが一番うまい」

それが言うべきことなのだろうか。

ふてぶてしくも足を組み、ふんぞり返る姿が見えるようだ。
…今はその姿勢はとれないが。

「あんたも少し冷たいものを食べようぜ。
 頭を冷やした方がいい。
 一夜漬けして湯だった頭だと、
 なんでも仕事が効率的に思えるだろう?
 あれは勿論脳内麻薬による錯覚で、
 しっかり休んだ方がパフォーマンスはいい。当然のことだよな。
 あんたも多分、分かってるはずだと思うんだが」

…これは間違いなく、言うべきことではないだろう。
途中で止められなければ、舌が回るだけ見当違いな講釈を垂れる。
(-146) 2023/09/18(Mon) 10:26:40

【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ

「許されている、というのは誰にだ?
 お前にか? ああ勘違いするな、これはきちんとお前の疑問に答えるものだ。
 いいか、よく聞け、一字一句聞き逃すなよ。
 本来こういうのはお前が全部筋道たてて、これこれこういうものだから間違いないよな、ほら認めろと
 俺の首根っこをひっつかんで額で判を押させるものだ。
 前に捕まった時はそうだったぞ。

 んで、違うよな。法は個人ではないのだから、個人が振るうものは法ではない。
 お前が拠るべきは正当性とは、つまり法だ。
 法に則るから正義で、法に反するから悪。

 そういう意味で言えば入手ルートについては法に触れちゃいないんだ。
 違法じゃない・・・・・・品物を運んでることになってるんだから。
 それを認めたのはどこだ? 行政だな
 真面目に仕事してるとこういうことが通りやすくていいよな。
 さあシンプルなものの考えじゃないか。俺にもお前にも分かりやすい」

突きつけられた人差し指がたとえ額を抉ろうとも、
アレッサンドロは顔を逸らすことも下げることも無い。
結局のところ、
実行される暴力・・・・・・・
に晒され続けたものは、
痛くも痒くもないものを痛がったりはけしてしない。

「サテ、この取締法が、多額の献金によって設立したことは知っているか?」

いつもなら、ぱちんと手でも打っていただろう。

「金で法律を作れるンだから、正義というのもなんだ、もしかしたらレシートが出たりするんじゃないか?
 是非見せてほしいものだ、帳簿付けは得意だ、任せてほしい」
(-154) 2023/09/18(Mon) 11:14:28

【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ


「それでいいそれでいい。
 ま、気ぃつけてもダメなのが女子供だが」

結局ダメなんだろうか。
適当極まる言葉とともにラップをぺりぺり、剥がしたはしからがぶり、とかじりついて。

「おう、気ぃつけろな。
 フィオにもよろしくいっとけ」

ぶんぶんと振る手が、その扉の向こうに消えていくまで見送った。



輝くものすべてが、黄金だとは限らないNon è tutto oro quello che luccica.

カウンターに腰を下ろして、溜息のように。

「痛い目見なくちゃ覚えないが、
 痛い目も見てほしくねえのが兄貴分ってもんだよなあ」

トシとると独り言が多くなっていけねえな、と。
クロスタータがゆっくり、だが大口で削り取りながらつぶやいた。
(-156) 2023/09/18(Mon) 11:21:47

【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ

引っこ抜くように持ち上げられたその腕に、
のけ反って体重をひっかけながらからからと笑う。
金の瞳が焔ならば、それは燻る堅炭だ。
黒く黒く歪まず濡れて、しかしぐらぐらと煮え滾るように熱を孕む。

「犯罪者を相手にぐだぐだ・・・・言うのがお前の流儀なんだな。
 どこで喧嘩を学んだんだ、ボクササイズ・ジムか?
 薄着の女がいないとアドレナリンも出せないか」

顎先を引き、ぎちぎちと襟が引き絞られて、
それでもなお余裕を湛えたような顔で。

「やれよ、ドさんぴん・・・・・
 マンマのポリッジをひっくり返すのとはワケが違うぞ、
 デスクワークで鍛えた筋力を見せてみろよ」

嘲笑わらう。
(-183) 2023/09/18(Mon) 15:17:20

【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ

 っ…  」

にやけたような面が、硬質なスチール机に叩きつけられる。
鈍い音をたてて振動が床を叩き、衝撃とうめき声が部屋を伝う。
あざやかな赤い雫が、ぽたぽたと音を追いかけるよう机に落ちた

「、 ぉー、痛え…っ、なんだ、一回でブルったのか、
 人間わりとジョウブだ、気にせずだなぁ〜…」

鼻血が絡んだごぽりという音。
机に頭を叩きつけられた男は、それでもなおなにかを言っていたが、
反射的に体が跳ねる以外に抵抗するそぶりはない。
その気になれば、幾度でも頭を打ち付けることができるだろう。

なに、死ぬことなんてそうそうない。
(-215) 2023/09/18(Mon) 20:44:02

【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ

/*こちらこそお世話になっております、ポップコーン殺人事件です!
ダニエラさんの姿を牢獄から見守っております。
(現在逮捕〜勾留ロール中なので状況が確定しておらず、あまり表に顔を出せなくてすみません)

見に来ていただけるの嬉しい!です!
特に注意点はありませんので、やりやすいようにしていただければ。
実は用意していたルートで連絡とかもできるようになっています。
(使用する場合は任意のジェラート屋さんなどにメッセージをお託しください)

荷物はあける場合はご連絡ください。中身をお伝えします。ダニエラさんのお手元にあるものなので、いつでもいいですよ!!!!!!!

こちらはのんびりしたものなので、
お時間あるときにゆったりとお付き合いいただけましたら嬉しいです。
なにとぞよろしくお願いします…!
(-227) 2023/09/18(Mon) 21:21:35

【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

あなたが留置場を尋ね、そこにいる者に声をかけたなら
「こちらです」…と、普段あまり使わない一角へと案内してくれるだろう。
絶対に使わないわけではない。
ただ、そこは人数が一定以上の時だとか、他の受刑者の近くに置いておくのを避ける場合だとか――
そういう場合に使われる場所のはずだ。

とにかく、アレッサンドロは、留置場の中にいた。
場末のホテルよりは清潔な狭い部屋、簡易なベッド。
そこにごろんと横たわる長身の男。
なんだか顔やらあちこちがぼこぼこに腫れてはいるが、元気そうなそいつは、
あなたが覗きに来た時にはぐうぐうと寝息をかいているだろう。
(-262) 2023/09/18(Mon) 23:57:04

【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ

ご」
「っ、」
「っ、……っく が」


ぶふ、と、蛙が咳をするような濁った音が響く。
アレッサンドロが息のようなもの吐くたびに、ぽたぽたと赤い飛沫がテーブルか床かを汚した。
ぐらん、とその首が大きく傾いで、どうやら脳にまで震動がいってふらりと目線が回転する。
──だがそれを、あなたも見ることはないだろう。
四肢から中途半端に力が抜け脱力しかけた体は重く、
それでも放り投げるならば土嚢か砂袋と同じようなもの。

ごづん、と。
柔らかくも鈍い音を響かせて、

「っ、
……っげほ、……げほ
、…っ、」

男は背を打ち付け、せき込んだ。
何か言おうとするが声にならなかったらしく、
ぺ、と血の混じった唾を床に放るだけになる。

苦痛と衝撃に歪んだ眦が──それでもあなたを、見上げている。
逸らすことなく、じいと、まっすぐ。
(-268) 2023/09/19(Tue) 0:31:14

【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ


/*
こちらももうちょっと色々ダニエラさんとやっておきたかったのですが、
これはこれで……(過去にも多分ゆったりと交流してたんだろうなという感じではありますし)
機会をみて色々やっていければ嬉しいで〜す!

ジェラート屋さんはアレの仕込みが色々してあるので、実はまだ使えます…!
そのうちふっとメッセージがくるかもしれません。

荷物に関しては見ても見なくてもぜんぜん! だいじょうぶなのですが、開ける際はご一報いただければだいじょうぶです!
アレッサンドロとしては、ダニエラさんの手元にあることが大事なものですので。

業魔窓みえてます!ルチアーノこいつ…(後方保護者面)

そして状況ある程度確定しつつあるので、多分いつでも大丈夫です!
最期までよろしくお願いしますね。
(-289) 2023/09/19(Tue) 3:03:53

【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ

「ふーっ……」

がふ、と呼気に混じって吐き出された粘ついた血と涎が、襟元に滴りまだらに汚す。
ふん、と鼻をひとつ慣らすと、ぼたりとかたまりかけた血塊が腹のあたりにぼたりと落ちた。
広がっていく血のあとに、あらたな鮮血が重なり、広がっていく。


「………ぁー…」

「……」

何か呟いているようだが、がらがらとした血のあぶくに塗れて良く聞こえない。
馬乗りにされて引き起こされても、
あっという間にはれ上がった瞼に視界が圧迫されてもなお、
あなたから目を逸らすことはなかったが。
(-296) 2023/09/19(Tue) 4:42:31

【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

あなたを送り届けた職員は、何も言わずその場を辞していく。
何者かの意思が介在しているのかは分からないが、
少なくともあなたの邪魔をする気はないようだ。

「んぐ」

呻くような声。
見れば顔のあちこちは腫れあがっており、瞼が片方閉じ切っていない。
喧嘩と暴力を常に帯びていた以前ならばともかく、
ここ10年程のアレッサンドロが顔に張り付けるにはあまり見たことのない様相だろう。

「おう、旦那。
 警察署にこんなスイートルームがあるとは知らなかったよ。
 ガイドブックに乗っけた方がいい」

上体を起こしながら、ベッドの上にあぐらをかいて座る。
こちらの様子は、代わりはしない。
対面するものの声色が変わっても自分の態度を変えないのだから、
この男の性根が知れるというものだ。
(-297) 2023/09/19(Tue) 4:56:37

【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ

「……、ん、……」


ぴちゃぴちゃと、滲む愛液をかき回す音がする。
肉と肉が触れ合い重なり合って、体温と鼓動が交じり合う。
浅く優しく、推し引きするよう前後していた指で、
奥底に、奥に、その刺激をさらにかきたてていく。
充血し熱を持っていく女の体を、ぎゅう、と一度強く抱きしめて。

「、フィオ」


触れられる感触に、息が弾む。
口づけの合間に意味を持たない言葉が挟まり、口づけがそれをまた塞ぐ。
手さぐりだけでお互いの性器に、体のあちこちを探り合ううち、
ベッドに敷かれたシーツがひだが重なるように乱れていく。
そこに、女の体をまた深く組み敷いて。

「……」


──言葉は少ない。
覆いかぶさって、自分の体であなたの両足を押し開いて、
体重を深くかけながら、奥へ、奥へと沈むように。
さらりと、耳元の髪を、かきあげる感触がして──


ふと、あー、と熱のこもる声がして。

アレゴムねえわ」

──言葉がようやく出てきたかと思ったら、片手落ちの報告だった。
(-300) 2023/09/19(Tue) 5:53:13

【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ

「はははは、そうだな、人を食い物にするのがマフィアだろ。
 その辺は昔から……」
「いや、ガキのころは"女はなるべく殴らない"くらいしかしてなかった。
 あれだな、まあ、トシくったからだな」

謙遜か照れているのか、あるいは自虐か。
なんともくだらない発言をぼそぼそ。
それでも──おそらくは、根っこの部分では、この男は自らを否定はしていない。
だから顔を伏せることはなく、直ぐに前を見ているのだ。

「ならいいさ。自分を裏切るのも自分を信じるのも、
 結局は自分にしかできねえ」

そうして赤みの差した頬を見ているのかいないのか、
からから、揶揄ってねえよお、なんて笑い。


愛とは旅路であり、目的地というわけじゃない。L'amore è un viaggio non una destinazione.
 ハハ」
「あれこれ悩むとわからなくなるが、
 悩みもせずに本物だとは信じがたいわ」


墓地に敷かれたコンクリートの通路を踏みながら、
悪党はあなたに、あるいは自分にそう言った。

(1/2)
(-307) 2023/09/19(Tue) 6:47:08

【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ

「──っと。
 つっても、結構近くにあるんだよな。
 "A"だから」

墓地に踏み込み、―─話しているうちすぐに、アレッサンドロは足を止めた。
アルファベット順に、機械的に並べられた人名を辿ればその墓標は見えてくる。


【 Alison Waterstonアリソン・ウォータストン 】



花束の一輪もない、恐らくは無縁の墓。
きっと彼も訪れたことのない、誰かが眠る場所だった。
(2/2)
(-308) 2023/09/19(Tue) 6:50:08

【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

「転んで顔をぶつけてね」

チャオ、なんて掌を見せながら、おどけて言う。
それはいつだったかのはるか昔、
珍しく喧嘩に負けた時のアレッサンドロが悔し紛れに発していた言葉だ。
だがその時とはまるで違い、まったくもってどうでもよさそう・・・・・・・・な態度は剥がれない。

「旦那、今怪しげなことしないほうがいいぜ。
 俺と話しただけでしょっぴかれたやつがいるらしいじゃねえか?
 トシなんだから、大人しくチェスでもしてな」

ごろり、と再び横になり。

「こんな悪ふざけ・・・・、すぐに終るさ」

からからと口元が笑う。
(-338) 2023/09/19(Tue) 10:17:45

【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ

胸倉を引き寄せられ、舌が顔を這いなぞる。
けだもの・・・・のような男のふるまいに、
アレッサンドロは僅かに顔を顰めた。
それでも噛みつくように歯をむきだして、
笑みの形に唇を引き絞る。

「マフィアの味でも覚えたか、犬ころ。
 そのまま猟犬に格上げされるなら、
 都合がよかったんだが」


零れた血、乱れた呼吸、ぎりぎりと締めあげられた血管が、
その顔を白く赤く染めていく。
か細く震える声はただ、

「お前はダメだ。
 ヤク中みてえに扱いづらいし、
 プラン・・・の邪魔になる」


──それでもなお、自分の都合ばかり言うのだから、
  根っからだ。

あなたの暴力をどれほど受けても、アレッサンドロは待っている。
引き金が引かれたあと、その銃弾に文句をつけるやつはいない。
(-402) 2023/09/19(Tue) 16:46:03

【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ

/*
りょうかいです!
ご無理なさらず!
(-414) 2023/09/19(Tue) 17:59:46

【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

「やっぱ旦那も、そう・・考えるよな」

苛立ちも目の奥の熱も。
背中合わせに燃える炎を、
その輻射だけで感じて、笑う。

「大丈夫さ、旦那」

ごろん、と再び転がって、上体が僅かにそちらを向いた。
黒い瞳は、燻る堅炭。
その爆ぜる火の粉を黒い眼鏡の奥に隠して、
くろぐろととぐろを巻き燃え盛る。

「もう残っちゃいない・・・・・・・からよ」

──確信したような口ぶりは、いかなる故か。
再びごろん、と頭が落ちて、その瞳も口元も良くは見えなくなってしまう。

「旦那はまぁ、どうにかするだろけどさ。
 俺もせいで警官サンとか、若ぇのがブチ込まれたら、まあそれは申し訳ないなー。
 それは嫌だな、うん」

売られたかどうかについては言及ナシだったので、あんまり気にしてないのかもしれない。
(-417) 2023/09/19(Tue) 18:24:43

【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ


「がー……」

…いびきだ。そいつは、ベッドの上で腕を枕にねころんでいた。
見れば顔のあちこちは腫れあがっており、瞼が片方閉じ切っていない。
ここ10年程のアレッサンドロには、似つかわしくはない…
けれどなにより、彼らしいよそおい。

とりあえずは、生きているようだ。
今の様相は、動物園でひっくりかえるパンダのようだけど。
(-426) 2023/09/19(Tue) 18:58:32

【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ

「んが」

がたん、と音がして、暢気に組んでいた両足がびくんと解ける。


「……」

しばらく、沈黙。
むくりと上体が起き上がり、

「あー……。
 ダニエラ。何してんだ」

起き抜けの一言としては、自然だったけれど。
拘留されたカポ・レジームらしからぬ態度と言葉で、
かりかりと頭をかいた。
(-443) 2023/09/19(Tue) 20:36:20

【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ

獣のように笑うあなたの顔を、言葉を、
なんだか眩しそう・・・・に見やる。
あるいは、腫れた瞼に塞がれつつある視界が狭苦しくて、
そうなったのかもしれないが。

だがそれも、真面目ぶった笑みの中にすう、と消える。

「企んでいるっつうか、
 まぁ、ほぼ終わったっつうか」

だけどなあ、と眉を顰める。
もうちょいかな、なんて首をひねり。


「──ああ、そーうだ、アリソン。
 アリソン・カンパネッロ。
 取締法、あいつのおかげでできたんだろ。
 感謝の言葉のひとつくらい、言ってみたらどうだ」

ぱ、と。またわざとらしい笑みを――随分不格好だったが――浮かべて、
目の前のあなたに提案・・した。
(-445) 2023/09/19(Tue) 20:40:21

【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ

「俺もそのつもりだったんだがね、なってみるとこれが…
 もう若くはないなあ、といつも思うが」
「マフィアは悪党だが、見習うこと自体はいいことさ。
 ──マ、反面教師にしておくのが一番だけど」

うむう、と唸るように頭をかく仕草も、
あなたを諭すんだかマフィアを腐すんだかわからない言葉も、
男が行えばとても自然で――きっとそういう顔を身につけるために、
彼の人生があったのだろう。
そしてその横顔は、そうした言葉を素直に言えるあなたを
眩し・・そうにちらりと見て。

「神に愛があるのなら、
 本物の愛を、
 人生をかけるにたるものを祝福なさるはずだ。
 ──教会できくそれが、Amoreのことでいいならね」

男の顔がふい、とあがる。
その顔は共同墓地を囲む柵と木々の向こう、
教会の鐘楼を見上げていた。


「いいや、そうだな。
 同じ愛なんかなくて、
 そいつにとって最も大事なことは、
 そいつにしかわからない」


(1/2)
(-446) 2023/09/19(Tue) 20:48:59

【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ

あなたの動揺には、気が付いていただろう。
それでもあなたが"アリソン"に祈りをささげる間、
彼はずっと、カンパネッロを見上げていた。

(2/2)
(-447) 2023/09/19(Tue) 20:49:50
黒眼鏡は、それのことばかり考えている。
(c10) 2023/09/19(Tue) 20:50:46

【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ

「そう、まぁ、お前の、いうとおり」

いてえな、と顔をしかめながら、
ハハ、と笑って。


「──、須らく
 悪人は裁かれる・・・・・・・
 べき、」
づ。
「っ、だ」


ぐん、と勢いをつけて、揺らしてぶつけていた頭が
床に叩きつけられる・・・・・・・
それは優し気に慈悲めいて苛んでいたあなたの手によるものではなく、
アレッサンドロが自ら、文字通り叩きわるほどの勢いで
後頭部を床に打ち付けた音で。


「……」


あまりの勢いに一度跳ね、
ごとん
と音がして横転・・する。
壊れたマネキンのように首が傾いて、
すぐにじわりと床に血溜まりが広がっていく。

──それと、同時。

(1/2)
(-465) 2023/09/19(Tue) 21:42:31

【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ


「イレネオ巡査長!」


ばん、と扉が開け放たれる。

扉の向こうには、警棒を構えた警官が二名。

「何をしている、やりすぎだ!」
「…この部屋の取り調べの様子は、
 記録・・されてるんだぞ!


──取り調べの可視化法。
この国でも採用されているそれは、
本来は一切の例外はない。
特にマフィアに関わるものは、全てが記録され保存される。

だが、取締法の影響下ではそれすらも無視される。
そういう時のために、録画録音が行えない専用の部屋が用意されている――
はず、だったのだが。

(2/2)
(-466) 2023/09/19(Tue) 21:43:12

【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ

「おう、そうか。
 危ない橋だぞ」

見られたらどうすんだよ、なんて言葉は言うまでもないが。
掌に顎を乗せて、溜息のような息を漏らす。
──牢獄の中でも、カウンターの中とまったく同じ。
実際はあなたが着たこと、そこにいること、
それそのものが嬉しいのに。

「んで。
 様子はどうよ。
 いつも通りだろ?」

へらりと笑う頬に、あざがぼこぼこと広がっていなければ、まあ。
(-475) 2023/09/19(Tue) 22:12:42

【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ

「ならいいが。
 この後のことを考えるとなあ」

困ったように頬をかく。そうするといてえ、と当然の悲鳴をあげて、びくんと顔をそらす。
牢の中のアレッサンドロはなんだか気が抜けたようで──
いや、気のせいではなく、彼は何かに安堵し、満足していた。

場所と境遇とのギャップが、その違和感を不気味に縁取るかのようだ。
そんなことにも構わず、男はあなたの軽口に肩をすくめる。


「子供のころはずっとこんな感じだった。
 成長すると色男になったわけだが」

だらしなくかいたあぐらの上で、気怠そうに足を組み直す。

「そういうお前も、なんだかしんどそうだな。
 仕事が辛いか?」

からから。笑い声は、牢獄のなかにばかりこだました。
(-501) 2023/09/19(Tue) 23:31:07

【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ

爪と指の跡が、充血したような赤く小さなあざが、
からだのあちこちに残っている。
交わりの痕跡を互いの体に刻みながら、体液を混ぜ合い重ねようと…した格好のまま、止めて。

「わり」

額がごつん、とぶつかって、眉間に皺を寄せながらへら、と笑う。
肌を重ねるようになってからも、
「しない場合のデメリットが…」だのなんだのといって、
避妊具なしでは決してあなたを抱こうとしなかった。

回されていた腕から器用に体を抜いて、身を離す――かと思えば、
秘部を晒し開かれた腿にするりと両手を回して、抑え込む。
そのまま、寝技でもかけるような小器用さで女の下半身を抱え込むと、

「今日はこっちで」

──ぐちゅり、と。
蜜のように溢れだした体液を、舌先がすくう。
さぐりあてる必要もないほど触れてきたそこをぐりぐりと舌がなぞっていって、
やがてぷっくりと膨らんだ陰核をつんと突くと、
秘部全体を刺激するように顔をうずめた。
(-521) 2023/09/20(Wed) 1:50:21

【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ

「んが……」

…たまに聞く、静かなのにうるさいアレッサンドロのいびきだ。
のんきなことに、男はベッドの上で腕を枕にねころんでいた。
いつも来ている柄シャツではなく、貸し出されたらしい無地のスウェット姿。
顔のあちこちは打撲か何かで腫れあがっており、瞼が片方閉じ切っていない。
ここ10年程のアレッサンドロには、似つかわしくはない…
けれどなにより、彼らしいよそおい。

とりあえずは、生きている。トドみたいなかっこうで大口を開けているが。
(-522) 2023/09/20(Wed) 1:53:15

【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ

「愛なんて短い単語で、人の気持ちが全部表せるとは俺あ思わない。
 人によって愛は違うし、
 人の中でも愛は違う」

びゅう、と風が吹く。三日月島の海から吹き抜ける、低く強い潮風だ。
それはばたばたとアレッサンドロの服の裾をはためかせ、
──けれど微動だにせず、彼は紡ぐ。

「俺にとっての愛はひとつで、
 ほかは全部愛じゃない。
 じゃないと、愛が翳る・・気がしたからだ」
「優先順位の一番上。
 俺が知る限り、それが一番の愛で、嘘がない」


神様はそれも知っているのか。知っているのなら。
…呟くような声は、風とその音で千々に紛れる。

その時、ちょうど。

(2/2)
(-524) 2023/09/20(Wed) 2:03:56

【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ

──ごーん…ごーん……



見上げていた鐘が、鳴り響く。時刻の境目になるだけの、機械的なそれ。

「鐘には特に。
 ただ、」

視線を下ろす。あなたを見下ろして――

「死者に捧げるものを、花と鐘しか知らなくてね」

   笑う。

「ずっと考えてた。アリソンに捧げる鐘Il campanello di Allisonは、何がいいだろうと」
「───共犯者のお嬢さん。
 付き合ってくれたついでに聞きたいが」

    笑って。

「死者には何を捧ぐべきだろう。
 俺にとっての答えだけが、まだわからん」


     ──主犯の男は、ただ寂し気に笑う。
     それはなにもかも、もはや失った男の笑みだった。
(-525) 2023/09/20(Wed) 2:05:05

【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ

ふ、と。朦朧と、水底に投じられたわら束のごとく乱れていく意識の中で、
喚く男の声を聴く。

まぁ、これでいいだろ。
しばらくは。



揺さぶられるたびに傷口から血液が零れて、ごぼりと音をたてて涎が落ちる。
警官たちはイレネオを確保しようと駆け寄り、
やがてアレッサンドロには救護班がすっ飛んでくるだろう。


──ああ、にしても、あちこち痛え。


ここで死んでも良かった・・・・・・・・・・・のだが、生き延びてしまった男は、
──口許だけを、ふ、と、笑みの形にゆがめて。

(1/2)
(-526) 2023/09/20(Wed) 2:13:21

【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ

「──動画は取っておけ、少なくとも今は。
 必要があれば削除の指令が出るだろう」
「アレッサンドロ・ルカーニアは、予定通り――……増員用の区画へ」

「あそこですか? …普段使わない場所ですよ。
 どうしてそんな」

「知らんよ。
 …出資者からの要望らしいから、そこまでは」

「はあ。
 …アリソン・カンパネッロですか。どういうやつなんですかねえ」



扉の外で、警官たちが話している。
──逮捕前に、あるタブレットから送信された一通のメール。
それは警察内部に浸透し、一部の越権行為すら可能にする力を持っていた。

金と、伝手。

10年蓄えたアレッサンドロ・ルカーニアの弾丸が、
警察をも巻き込み、ノッテファミリーと三日月島の潮風を焼き焦がす。
──あなたがそれをどこまで知るかは、分からないけれど。
(2/2)
(-527) 2023/09/20(Wed) 2:14:27

【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

「わるいね、旦那」

立ち上がるあなたを、見送る。
──いつものように。

「うん?」

普段なら、引き止めることも追い求めることもない。
だが、あなたとの間に横たわる――実に二十五年の歳月が、
男の首を再び持ち上げた。

「なんだい、ヴィンセンツィオ。
 あんたらしくねえな」

腹筋の力だけで起き上がり、よ、っと床に降りる。
無造作な足取りでぺたぺたと、裸足のままで格子に近づき、

「言いたいことあんなら言えよな。
 昔っからそうで――いや、それならあんたらしいのか?

 …いややっぱ、らしくねえ」

自問するようで、結局答えは出ている。
がしゃん、と手をつき檻を揺らせば、
その隙間越しに黒い瞳があなたを見た。
(-528) 2023/09/20(Wed) 2:19:47

【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ

「おう、きたか」

男はベッドの上で、腕を枕にふてぶてしく寝転がっていた。
その顔はさんざんにはれ上がっていて、瞼は片方ろくに開いていないようだ。
それでも口許のつり上がった笑みはそのままで、
見下されているのに見下ろしているように錯覚する。

「おっと、それは女の名前か?
 悪いが俺は女子供は苦手でね。
 警察ならキチンと証拠を揃えてからきてもらおうか」

ははは、なんて声が檻の中にこだまする。
──実質認めているようなもので、きっとこれは挨拶だ。
あなたが何を聞くのかと、だらしなく組まれた脚の先がちょいと手招くようにして待っている。
(-529) 2023/09/20(Wed) 2:22:33

【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ

「そうか」

震える声を、その吐露を聞いて。

「ダニエラ。
 こっち来い」


男がまずしたことは、それにこたえるでも慰めるでもなかった。
答えよりも先に、格子のそばまで歩いていく。
ぺたぺたと、普段はいているサンダルよりも軽い裸足の音。
ベッドからひらりと飛び降りたその足取りは思ったよりもしっかりとしていて、
見た目ほど重傷ではないのかこの男が頑丈なのかは半々か。

「こっち」

そうして格子の傍まで来ると――
男は隙間からほんの僅か、手を伸ばした。
(-530) 2023/09/20(Wed) 2:25:58
黒眼鏡は、プランがあった。
(c11) 2023/09/20(Wed) 2:26:42

【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

骨が軋み、肉が弾ける。
ヴィンセンツィオとの間にあった物質的交流なんて
大体はそんなものだったから、指先に触れる感覚にぱちぱちと、
瞬きだけを返す。

「旦那?」

困ったように頬をかく、けれど。
その立ち去る背中が、革靴の後が、恐らくはあなたの選んだ道なのだろうと思えば、
もはや伸ばす手も問う言葉もない。

「はー……」

くるりとその体を反転させて、がしゃん、と格子に背を預けた。


「あんたともっかい、
 り合ってみたかったけどな」


──ぽつり、と呟いた言葉を聞く者は、牢獄の中には誰もいない。
鉄格子の隙間から広く細い廊下へと残響して、
いずこかへと消えていく。
(-552) 2023/09/20(Wed) 7:24:49

【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ

ぐち、ぐち、くちゅ。

唾液の音か、それとも愛液の高鳴りか。
水音をひたすらにかきたてて、
性欲の昂りはますます劈き、燻り続けている。
それでもただ奉仕し、注ぎ込むように
自らの口吻でそこを啄み、舌を潜り込ませることだけ。

「……ん、……ぅ、……」


寄せてはただ返す波のように、
一定のリズムを崩さない鼓動のように、
同じ場所を執拗に責め苛む。
掌はときたま腿をかりかりと刺激するように弄い、
溢れる体液はぽたぽたと肌を伝い落ちていくけれど、

「……っ、……っは、……ん、……」


くちゅ、と唇が吸い付く音。
黒く、けれど燃えるように硬くそこにある瞳は、
口淫を続けながらもあなたの瞳をじいとみている。
あなたの様子を窺うように、
あなたの快楽を探るように。


やがてあなたが達するまで、ときたま体位を変えながらも
腕は離れず、それは続く。
(-553) 2023/09/20(Wed) 7:32:53

【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ


黒眼鏡の眠りは浅いほうだ。
あなたと共に眠りに落ちたとしても、
気が付くと起きていることが多かった。
──そしてただあなたにぎゅっとしがみついて、何かに耐えるように眠るとき。
彼は、夢を見ていたのだろう。
多分、今日もそんな夢を見ている――

そういう時は決まって、起きたらしかめつらになって、
「夢見た」「忘れた」だのとぐだぐだ言っていたが。


「…アリソン?」



あなたの声にぴくり、と肩が震える。
ぼうと寝ぼけるような声で、
アレッサンドロはゆっくりと上体を起こした。



「……フィオじゃねえか。
 お前どうした、こんな場所に、大丈夫か?」

驚いたように声が弾んで、がばっと身を起こす。
(-554) 2023/09/20(Wed) 7:37:52

【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ


「ん」

くしゃり、と、前髪に手が触れる。
寄ってきたあなたの頭を、
格子を抜けた指先で弄うようにくしゃくしゃ、
どうやら撫でているつもりのようだ。

「わりい、苦労かけた。
 メッセージくらい残すべきかと思ったんだが、
 忙しくてな」

すまん、と何度か繰り返して。
口の端に浮かんだ優し気な笑みを指を伝い届けるかのように。


「…一応、例の店からはまだ俺のところに情報がくるようにしてある。
 少し時間はかかるが、もし報告したいことがあればあそこを使え」

どうやって情報がくるのだろうか。

「それと、次だが――……」

そこで、アレッサンドロは、
なんだか悩むように言葉を止めて。



「お前、どうしたい?」
(-556) 2023/09/20(Wed) 7:44:20

【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ


「だめかあ。
 じゃあ謝るのはやめておこう、代わりに、なんか欲しいものをやるから。
 それで許してくれるといいが」

即物的だ。
女性に対するできた態度とは思いにくい。
それでもあなたが望むなら、その望むままにするだろうとは
なんとなく、悟ることができるだろう。


「──そうさなあ。
 まぁこんな悪法、そう持たんさ。
 すぐにどうにかなる」

あの署長も長くはなさそうだ、なんて笑い。


未来・・の話だよ。
 お前にはちゃんと、未来があるんだから」

くしゃり。
指先が髪先を僅かに撫でて、離れた。
(-563) 2023/09/20(Wed) 9:03:59

【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ


「転んでぶつけたのさ」

へらり、と笑う。

「ああ、あいつ。
 お前ね、しつけ・・・はちゃんとしろよな。
 どうにかなるならよかったが、
 邪魔だから除かざるを得なかった」

ベッドの上であぐらを組んで、頬杖をつく。
その様子からは、どこか余裕のようなものすら感じられた。

「関係って話だとまあ…」

自分の頬をつんつん、とついて。

「被害者と加害者かな?」

嘲笑わらった。
(-567) 2023/09/20(Wed) 9:18:55

【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ

「そおか」

うん、と頷く。あなたの泣き言を、肯定する。

「分かった。なあに、すぐできるさ。
 真っ先にお前に飲ませてやるよ」


狭間には、格子がひとつ。
何にもないようにふるまい、
目も指も届くけれど、
それは越えられない隔たり。

けれどまるで最初からこうだったかのように、
アレッサンドロは意に介さない。


「そりゃあ、お前」

だから、そんな顔で。

「あぶねえことしないで生きて欲しいな。
 やらせてる俺が言えた事じゃないから言わないが」

言っている。
言えないことだが、きっと言わずにはいられないから。
(-606) 2023/09/20(Wed) 16:59:48

【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ

「過去〜……?」

真面目に考えるようなそぶり。
すぐにぱん、と指を叩いて。

「教会で喧嘩売られたぞ。礼拝の最中にうるさくすんなって言っとけ」

おとついくらい、なんて付け足し。──壁にもたれるように腕を組んだ。


「イヤ本当に、俺はしらねえのよ。まぁあっちは俺のこと知ってただろうけどな。
 お前は理由があるはず・・というが、そいつはほんとにあるもんなのか?」

指を一本、立てて振り。
 
「いいトシの大人なんだから言わねえことは言わねえ理由があるか、
 もしくはそんなもんねえ・・・・・・・んだよ。
 あるとして、本人以外になーーんの意味もないもので、
 そういうことに何もかんも全部身を投じる阿呆ってだけかもしれん。

 どちらにしろ、理由を欲しがってるのはお前・・だろ?
 ここまで来れるんなら、本人に聞けよ。

 俺が知るか、ばーか・・・・・・・・・ってことだよ」

一息に言ってから、に、と笑って。

「──だがま、若いモンだし、マフィアには無関係なやつだ。
 終わったらさっさとシャバに戻って、マトモに人生送ってほしいと思ってるよ。
 個人的・・・には」
(-608) 2023/09/20(Wed) 17:21:41

【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ

「オ、さすが。
 ならなおさら、マフィアの言う事なんか聞いちゃいかんと思わんか。
 お得意さんだから言ってるんだぜこれは」

へらへらと笑う。
施設から貸し出されたらしいスウェットの上下はだらしなく、
休日に寝転ぶおっさんそのものだ。

「いやまぁ、俺ぁ一応カポだから。
 あいつからすりゃあ悪党の元締めだろ。
 そこは別におかしなこと言ってねえと思うぜ。
 心配かけてやんなよ」

…本人がいうことでもない。
自分の事を棚どころか天井裏にまで上げながら、
あぐらをかいたからだをゆらゆら揺らして。

「そりゃお前、マフィアのカポ・レジームアレッサンドロです!
 マフィア捕まえるために金出します!
 ……なんていったって受けてくれねえからだよ」

聞かれたことに、そう答えた。
(-615) 2023/09/20(Wed) 17:48:44

【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ

「ああ、そうだな。
 その通り、裏切ったワケ。

 よくよく理由を知りたがるやつだなあ。
 答えはさっきいったじゃねえか。
 俺が阿呆・・だって話さ」

ごろん。
ついには腕を枕には、もう一度寝っ転がる。

「なンでそんなこと気にするのやら。
 あのワンちゃんのことでもない、マフィアの同士討ちの話だろ?
 素直に仕事が楽でいいなあっつって喜ぶわけにゃいかんのかね」
(-620) 2023/09/20(Wed) 18:22:45

【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ

「それで許してもらえるンなら、安いもんさ」

なんとも気軽にいうものだ。
だけどこの気軽さで、どんな高価なものでもぽんと渡してくるのをあなたは知っている。


「あーあー、生意気に育っちまって…
 誰に似たんだか。
 周囲が悪いな、こりゃ」

やっぱマフィアはダメだ!
なんて言っているが、それこそ本当にどの口が言うのだろうか。

「おまえ得意なんだから、オトコの前ではちゃんとそういうの隠せよ。
 ツラは良いんだし、賢いし、その気になれば一発だろ。な」

格子の中から、どうしてこんなに自信を持って説教じみたことができるのだろうか?
さっぱり自覚していないのか、
あるいは屋根の上まで棚上げしながら嘯いて。

「それはー………」

危ないことは。

「………しないとは約束できんから、
 努力目標ということにはならんか?」

変なところで正直だ。
(-623) 2023/09/20(Wed) 18:34:05

【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ

「おいおい、こんな強引にしょっぴいといて、
 裁判だけはまじめに行われるとでも?

 俺はこんな悪法で逮捕して、取り調べ中に暴力までふるっておきながら、謝罪も反省もない警察に大変不信感を持ち憤っている。
 マフィアにも人権はあるんだぜ? 弁護士を通してほしいね」

だいいち、と指を立てて。

「それ以前にな、取締法に金を出すことは俺の逮捕に関係ない・・・・・・・・・だろうが。
 あれはただの匿名の寄付で、それを使ったのはおまえらんとこのトップだろ。
 ランドセルを寄付する覆面レスラーは犯罪者か?
 俺は薬物の取引で逮捕されたはずで、そこは係争すべき点ではないだろう」

違うか?と寝転んだまま顎を引き、黒い瞳だけがそちらを覗く。
そうしてわざとらしくひとつ、息をついた。

「そうだな。ご期待に添えず悪いね。
 実は俺、聖人君子ではないしトイレにも行くんだ」

ひらひら、手の代わりに足を振る。
なんとも態度が悪い。規定に照らし合わせれば、指導の名目で殴っても良さそうだ。
(-628) 2023/09/20(Wed) 18:55:20