>>2 夢幻アルレシャ

君が歩み寄るのを、変わらぬ微笑みで見守っている。

静かに、穏やかに、佇んだまま、ナイフを腹に受ける。
柄までも、埋め込むことは叶うだろう。

「あ゛ッ……」

呻き聲。それは君に力を与えるだろうか。
衝動を。暴力。それは生への欲求への裏返し。


「はっ……ミラージュ……。それだけでいいのかい？」

ナイフ一本。動きに支障はない。深い傷は血を失わせ死に至るであろうが、これだけではまだまだ時間がある。ならば。



埋め込まれたナイフを握り、引き抜く。
出血が酷くなるが、構いやしない。……残り時間が丁度良くなるくらいのものだ。

君の幻想が処刑室を塗り替える。

「――アルレシャ。宴は終わった。これは夢幻だ。」

凍傷を齎すような金属めいた声。君の見せたいものを見続けて来たコレは、初めてその幻想を否定する。


、の中、コレは平然と佇み、赤く濡れたナイフを君の腹へと向けた。

>>7　幻想アルレシャ

ナイフはすり抜け、君の腕に捕まれる。
獲物は簡単に奪えるだろう。明け渡したかのように。
何せ君は今のだ。

「あはっ！……君がそこに在るかどうかは、。」

腰に巻いて下げていた鎖が解けて広がる。床に水平に、二重、三重に君を取り巻こうと。
夢幻アルレシャを捕えようと。

足払いを受ければ君は手を離すだろう。床へ落ちる勢いを利用して受け身から転がるように君との距離をとり、追撃を遮るように鎖を間に置く。飛びこめば絡めとられるだろう。

>>19　　白昼夢アルレシャ

一度距離を取り、君の意識が外れたなら一度姿勢を整える。
腹の深い傷から失われる血。肢体の先の方が冷えていく心地。


混戦では邪魔になるだろうと鎖を手元に戻し、大ぶりのナイフを二本。
素早く目の良い君をために、取り回しのいい武器による接近戦　此方の距離を選ぶ。

ムルイジのが降り止むのを待つ間はあったろうか。無ければ多少の傷が増えたところで構うまい。
シェルタンへ叩きつけられようとするナイフの軌道に割り込み、白銀の刃を君の軍用ナイフに叩きつけ受け止めようとする。

>>28 >>29 蜃気楼アルレシャ

動く度に。
離れたナイフに刃を切り返して切り付けようとして、引き寄せられる槍を見る。
潜るようにそれを避け、一拍遅れた銀閃の間合いに君はもういなかったろう。

運ばれる酸素が足りぬ脳。ぐらりと視界が揺れる中、弾ける音を聴く。戦況を俯瞰する余裕など無い。ただその電気の音に反射的に君の隙を感じて、無理やりに体重を動かに再び君の方へ踏み込む。




｢｣

名を呼び、舞うように一閃、二閃。
もう鋭さは無いだろうが、お前のがこちらへ向けばそれでいい。



白い髪が視界に入るなら、それもまた処理すべき情報としてちらつくだろうか。

>>27
時を待つ狗を意識の端で捉えたなら、三閃、四閃。
畳み掛けながら視界を誘導する。

>>34 >>38 現実アルレシャ

白銀が閃く度にが濃くなる。
幾度目か、ぐらりと視界が揺れ、蜃気楼アルレシャはまたすり抜ける。




視界が暗む。これは知っている、死へ沈む気配。





テンガンの姿。その所業が齎すモノを、隙を知っている。取り乱し、荒れ狂う獣の姿。





楽園から引き堕とす蛇のように、鎖が伸びる。
さんざ痛めつけた腕に絡み、引き寄せたならその手首を捕らえ、叶うならばこの身で抱き込むように。

｢――捕まえた。｣

蜃気楼ミラージュを。

そのまま、崩れ落ちる。この身は、瞬間でも捉える鎖となれただろうか。お前に死を与える者のための。

｢おはよう？｣

ひょっこりと食堂に顔を出す。
何事も無く、断絶など無かったかのように、生の続きを。

パネトーネ^foodグレープフルーツジュース^drinkチョコレートパフェ^vilを流れるように注文。

｢まともな朝御飯だ……。｣

逆にびっくりしみじみしちゃうね。

｢そういえばさ。｣

デザートのチョコパフェつつきながら思い出す。

｢エリア閉鎖されたら、ピチねばどうしようか？看守で誰が欲しい人いる？｣

自室に置くという発想は皆無。
餌やり忘れるし。

>>a34 アルレシャ

｢すっかり看守長チョコ出なくなったよねぇ。
ペースを気にしてくれたのか。……大分片付いたのかな？｣

壁際を見渡してみる。どれくらい残ってたっけ？

>>63 アルレシャ

｢バーナード、くらい出してたよね？
あれ全部食べ切ったのはもう愛とか執着じゃなくてよね。
ムルイジがくらい？
スピカも自分が出した分、全部食べたのか……この場で為された一番のでは？｣

あと自分が出したのと……いつの間にか増えてた(クロノ)と……指折り数える。まだあったっけ？

>>60 シェルタン

｢多分ね、調理班に託すと、扱われると思うんだ。｣

別にそれでもいいけど。あわれピチねば｡

｢まぁ、どうしようにも行き先が無くなったら、シトゥラが引き取ってくれると思うんだよね。ムルイジも気に入ってたみたいだしさ。｣

>>66 アルレシャ

指さされても知らん振り。片付けに関与する気ゼロ。

｢まぁ、残ったらエルナトが引き取るんじゃない？｣