…………


やっぱりらいちゃんは今日も大変そうね……

か、かーえろっと

うむ、見せたこともないはずだったが、上手な頭蓋だ
愛しのライチには画家の才能があるのだろう

なあ愛するパパンよ>>91
なぜこのページは黒く塗りつぶした後に白粉で文字を書いてあるんだ？

　え？　なんでそんなに過剰装飾でお祝いしているのかって？　それはですね、桃太郎が無事に生まれるかもこの世界においてはお祈りゲーだからです。普通にいますからね、桃から生まれない桃太郎(8敗)
　そして、はい、悪くないタイムです。川からお爺さんお婆さん宅に直行した桃太郎ニキには流石に負けますが、特に変なロスもなく、むしろ順調に進んでますね。
　先にお婆さんニキが桃を割って桃太郎ネキと出会ったことで、原作における家で桃をどうするか二人が悩む時間を丸ごとカットできますから、むしろいいペースと言えるでしょう。
　

[ かえろ、と言ったもののはなには帰る場所なんてとくにありません。
はなはぶらぶら気ままに歩きます。
そういえば、お腹が空いてきたなあなんて考えながら　]

……ん？

[ なにやら小さな音が聞こえ、耳が揺れます。>>79
たすけて、と聞こえたような？

どおしたの〜？

小さな穴の中に問いかけてみます　]

　
────ももこ。

桃から産まれた桃色の娘だから、桃娘と書いてももこ。
とりあえず、今はそう呼ぼうかね。>>93

もし後から良いものを思いついたら付け直せば良いさ。

[ そっと赤子を抱き上げ、よしよしとあやしました。]

元気で珠のような子だ。
さて、婆が育てるか里子に出すか、どうしたものか。
　

　
ああそうそう、家のことを忘れていた。

[ 赤子を片手で抱き直し、もう片方の手でクルクルと渦を描いて周りの木々や石や土や何やかんやを寄せ集めて形を整え、小綺麗な山小屋をひとつ創り出しました。]

夜は冷えるから赤子には堪えるだろうよ。
今日は婆のお家へ帰ろうね。
　

[暗くて狭い穴の底から上を見上げながら、まめ太郎はしばらく誰かの返事を待つことにしました。

しばらく待つと、何かが通り過ぎる音>>84がしたり、>>93なにかの鳴き声が聞こえてきたり、謎の大きな声>>96が聞こえてきたりしました。しかし、まめ太郎の必死の叫びをきくものはいませんでした。

まめ太郎はがっかりしてすっかり自信をなくしてしまいました]

[どおしたの〜？>>97

そんな時、
空からそんな声が聞こえてきたのです。
ぱっと再び上を見上げると、誰かが穴を覗き込んでいるではありませんか！]


わんわん！
あ、あの！あのあの！
穴におっこちちゃったんです！出られなくて！
たすけていただけないでしょうか！

[まめ太郎は見下ろしてくる影に必死に手を振りました]

わん……？
あなたはいぬさんなの？

[同じ動物同士、というのは
気を許す一つの理由にもなり得るのです。>>101
はなは地面にぺたんと寝っ転がると
つかまって、と穴の中へ手を伸ばします。

可愛い声のこの子を助けてあげないといけません　]