情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
![]() |
![]() | 【赤】 探偵 キエ……… …… … 「身勝手なもんだなァ…」 金烏の怒りを感じたキエが抱いた感想は呆れと煩わしさの2つである。 「自ら歩こうとしないのだから勾引かされた事に寧ろ感謝するべきだと思うがねェ。神は何時何処に行っても身勝手なものだ。 気に入らないなら大洪水でも起こしたまえよ」 キエは自身を否定する手立てが限りなく少ない事を知っている。であるから敵意を向けられても感じるのは呆れと煩わしさだけだった。 「嗚呼面倒くさい、僕らだって逆らえる立場ではないというのに。 なァ、リーパー君?」 キエは中庭での出来事を知らないが故に呑気な呼びかけをした。 (*0) 2021/10/22(Fri) 8:13:59 |
キエは、「おはよう」と告げた。 (a5) 2021/10/22(Fri) 11:41:18 |
![]() | 【人】 探偵 キエ>> ??? 貼り紙を貼って暫くして先日茶会が開かれた部屋にキエはいた。テーブルには矢張り2人分の茶会の用意がある。新たな紙とペンも置かれていた。 片方は空だが既にキエのカップにはコーヒーが注がれ、加えられたミルクにより其の黒を濁らせていた。 「はァ〜………」 キエは誰かの下で働くのが初めてであるから、ある種のやり難さが拭えていない。そもそも昔から怠惰を貪り気ままに在ったキエにとって館で課せられた役割は面倒なものだ。 数個の角砂糖を水面に落とすと甘ったるいコーヒーを口に含み、 ??? の着席を待った。 (8) 2021/10/22(Fri) 14:20:59 |
![]() | 【赤】 探偵 キエ「オレ“たち”ねェ…僕ァわざわざ殺す必要も無いし血など流していないよ。其処は一緒くたにしないでくれないか」 キエにとって殺人とは林檎を木の根から引き抜く事と同義である。人が死ぬ事を嫌だとは思わないが歓迎もしていない。 其れでもリーパーの凶行に口を出さないのは、此の館において其れが“神隠し”という自分達に与えられた役目に繋がるからだ。 「良いんじゃないか? 君の事だから放っておいても役目とか関係無くゾズマ君を殺してしまうだろう。 だったら今のうちに 行ってきなさい」キエは夜の気配を薄らと感じている。 (*4) 2021/10/22(Fri) 15:31:15 |
![]() | 【赤】 探偵 キエ「つまり僕に殺せと? 人間を?」 「…………」 キエは気が短くはないが長くもない。粗暴でもないが温和でもない。感情の起伏というものが乏しくもある。 しかし――…… 自分の在り方を変えようとしてくるならば其の限りではない。 (*6) 2021/10/22(Fri) 16:48:11 |
![]() |
![]() | 【赤】 探偵 キエ「殺したいなら君が殺しなさい。 利き手? 知った事か。其れが僕に何の関係があるんだい。 刺殺? 知った事か。君の在り方を押し付けるな」 キエは不確かな存在であるが故に生死の概念を持たない。だからこそ自分の在り方を自分で定めなければキエはキエでなくなってしまう。 「……… いいね? 」 (*8) 2021/10/22(Fri) 16:49:11 |
![]() | 【赤】 探偵 キエ「そりゃそうさ、言葉を知っているからね。 しかし其れは答えになってないなァ?」 キエは喜びを知っているし悲しみを知っている。 キエは愉悦を知っているし憤怒を知っている。 キエは感情を持たないが、喰らってきた数多の夢から確かに感情を知っている。 此れを知っているのは、只1人貴方だけだ。 「で、どうするの君。僕がやるなら相手は僕が決めるけれど」 (*11) 2021/10/22(Fri) 18:07:11 |
![]() | 【赤】 探偵 キエ「では相手とやり方は僕の方で決めよう。只候補はあるが成功可否は判らないから其のつもりで。 何となくだけど彼は館の理から少し外れてる気がするんだ。 …まァ失敗したら館の主人のせいさ。もっと便利で強大な理を僕らに与えなかったのが悪い」 先程見せたキエの怒気はすっかり霧散し一滴も見当たらない。代わりに役目に関わらず自らの意思で殺人を計画するリーパーへの感心が隠れている。 キエは殺人を好ましく捉えないが、自ら考え決意し行動に移す者は好ましいと捉えるからだ。 「また何か在れば伝えるよ。互いに運が在ると良いねェ? ……いってらっしゃい、リーパー君」 キエは名前を呼ぶ。名前こそが存在を示す証拠であると考える。 … …… ……… (*13) 2021/10/22(Fri) 19:09:10 |
![]() | 【人】 探偵 キエ「…………… 物は言い様だねェ 」キエはソファで仰向けに寝転がりながら林檎を齧っていた。即興劇に一度意識が向いたが直ぐに興味を無くした。 誰かにとっての喜劇とは誰かにとっての悲劇で――逆もまた然り。事実も空想も視点を変えれば善悪などひっくり返ってしまう。 「同一人物でも判り合えないんだもの。そりゃあ争いが無くならない筈さァ。 誰かが笑う時必ず誰かが泣くというのに、人とは何時何処まで行っても身勝手なものだね。有り難い事だけれど」 林檎をまた一口齧れば劇の内容はもう忘れてしまった。 咀嚼音の中で、キエは玩具箱の奥底に押し込まれ忘れ去られた透明な子供の叫びを聞く。只聞くだけで何も思う事など無かった。 (26) 2021/10/23(Sat) 0:58:54 |
![]() | 【人】 探偵 キエ>> >>15 >>16??? 座ったまま視線を上げて目を細め、一度瞬きをすると満足気に頷いた。視線が交わっているかなどキエの知った事ではない。 「確かにそうだね。僕もつい先日同じ様な事をしたからよく判るよ。だが君は自身に悪意が在ると思うのだね。其処も僕と違う。 僕らは同じく理から片足はみ出した者同士じゃないかと思うのだけど、君は随分と……そう、枠に入りたがる様に見えてしまって」 声が僅かに上擦った。カップを持つ指は細く白い女のものだ。言葉の途中で性別が変わったらしい。 「僕は其処が僕の趣味を満たしてくれるんじゃないかって今期待してるんだ」 (27) 2021/10/23(Sat) 1:22:11 |
キエは、背中に叫ばれた言葉を思い出す。 (a31) 2021/10/23(Sat) 6:29:47 |
キエは、キエは気が短くはないが長くもない。粗暴でもないが温和でもない。感情の起伏というものが乏しくもある。 (a32) 2021/10/23(Sat) 6:31:22 |
キエは、しかし自分の在り方を変えようとしてくるならば其の限りではない。 (a33) 2021/10/23(Sat) 6:31:34 |
キエは、語る。 (a35) 2021/10/23(Sat) 8:18:05 |
キエは、騙る。 (a36) 2021/10/23(Sat) 8:19:19 |
探偵 キエは、メモを貼った。 ![]() (a37) 2021/10/23(Sat) 8:39:31 |
キエは、「人間はハッピーエンドが好きだろう?」 (a38) 2021/10/23(Sat) 15:03:29 |
キエは、怠惰だ。手間などかけたくないし完成を待つのが其の限度である。 (a39) 2021/10/23(Sat) 15:05:33 |
キエは、しかし口を開けているだけで食事ができるなら、有り難いと思う程度の損得勘定を持つ。 (a40) 2021/10/23(Sat) 15:05:48 |
キエは、だから片道切符の行き先を変えた。 (a41) 2021/10/23(Sat) 15:06:02 |
キエは、「僕へ辿り着く前に彼が消えちゃうかもしれないけれど」 (a42) 2021/10/23(Sat) 15:08:13 |
キエは、「誰かに横取りされるかもしれないけれど」 (a43) 2021/10/23(Sat) 15:08:26 |
キエは、「まァ其の時は仕方がないね」 (a44) 2021/10/23(Sat) 15:08:37 |
キエは、怠惰だ。自ら追う程何かを求めない。代わりは幾らでも在るのだから。 (a45) 2021/10/23(Sat) 15:09:06 |
![]() | 【人】 悪食 キエ>>51 >>52 ユピテル 「君って案外世間知らずじゃないよねェ。契約前に内容の開示を求めてきたの此処では君が初めてだよ。そして予め言っておくんだが以前伝えた通り君は“基準を満たしていない”から君の持ち物では対価にならない」 現時点でキエはユピテルをそう思っている。キエは賢者と取引をしない。彼らは キエの望む品を持ち得ないからだ 。そしてキエの好む人種というものは傍目に見ても非常に判り易い。 さらにキエは地中の奥深くに眠る謎を掘り起こす程飢えてもいない。 「 愁傷 、苦悩 、寂寥 、憎悪 、絶望 ………此の辺り?僕ァ食が細いから“後一滴で溢れる程に濃い感情”しか食べないよ」 キエは『悩み多き者』が『必死に隠そうと足掻く』『毎秒付き纏う希死念慮』の方が好みだ。 (56) 2021/10/23(Sat) 15:58:02 |
![]() | 【人】 悪食 キエ>> ??? >>53 >>54 「 其れを早く言ってくれ!! 」とっくに忘れていた筈の歓喜がとうとう弾けた。 性を食い物にする事を辞めた時に諦めた筈のご馳走が、 食べられる筈が無いと思っていた初物が、今、今、目の前に在る! 「嗚呼勿論だとも! 眠らなくたって、眠れなくたって、此処でなら! 僕は君に素敵な夢を………夜の長さなんて忘れる程の夢を見せてあげる!!」 キエは感情の変化に乏しい。しかし其れは本来の在り方から外れてしまったが故の本能と気質の不和から来るものだ。 されどたった今初めてキエは本能と気質が合致するご馳走を見つけた。 勢い良く立ち上がると其の儘 ??? へ抱き着いた。椅子の倒れる音がしたし温度は感じないがそんな事はどうでもいい。…キエが何かを欲し手を伸ばすなど此れが初めてであった。 「さァ、目を閉じて。大丈夫だよ、夢は恐ろしいものではないから。きっと君も気に入るよ。全身全霊をかけて僕が誘ってあげる。怖くない。対価なんて求めない。だから安心して?」 胎の底が怒りではなく喜びで煮えている。其の熱気に触れるかどうかはナニカ次第。 普段の難解な言い回しは何処にも無い。獲物を眼前にした捕食者が無防備に ??? へ腕を回していた。 (58) 2021/10/23(Sat) 16:43:18 |
![]() | 【赤】 悪食 キエ「君に許されなくたって僕が僕を許すんだから其れで良いんだよ。人間は本当に身勝手だなァ…君達の都合に僕を付き合わせないでほしいね」 キエは胎の底から聞こえる声を聞き流していた。其れは自分が得意とする夢の世界にいるからこその余裕であり慢心でもあった。 “人格を喰らうのは僕も初めてでねェ。 咀嚼に時間がかかってしまうだろうがそこは許してほしいな” 此の言葉に嘘偽りなくキエが胎に人格を収めたのは初めての事である。意思を持つ食べ物など初めて口にしたが故に胎の中から抗われた事も初めてだ。 だからこそ、此の展開をちっとも考えていなかった。 未だ“ゲイザー”に此処まで意思が残っているだなんて思っていなかった。 「 ぅえッ キエは初めて吐き気を催す。 (*21) 2021/10/23(Sat) 17:34:38 |
キエは、初めて吐き気を催した。 (a50) 2021/10/23(Sat) 17:35:32 |
![]() | 【赤】 悪食 キエキエは嘘吐きであるし数え切れない程の嘘を吐いてきたが幾つか本当の事がある。其の内ひとつが食の細さだ。 大食らいでないからこそ此の在り方に馴染んでいる。 性でもなく感情でもない力が胎で溢れれば直ぐに許容量の限界は訪れてしまう。 「ちょ、 ちょっと 待って! 「待って、本当に待って………此の儘だと 全部出る 此の小さな箱庭で禍根を全て零してしまえば結果は目に見えている。此れまで散々見せて来た高圧的な態度は今や見る影もない。 (*22) 2021/10/23(Sat) 17:36:44 |
キエは、嘘吐きであるし数え切れない程の嘘を吐いてきた。 (a51) 2021/10/23(Sat) 17:38:50 |
キエは、しかし幾つか真実も言っている。 (a52) 2021/10/23(Sat) 17:39:37 |
キエは、昔から食が細い。其れは本当だった。 (a53) 2021/10/23(Sat) 17:40:04 |
![]() | 【赤】 悪食 キエ胎の底から1匹の鰐が浮かび上がると其の背中はゲイザーの足場になった。 「はいはい、出してあげるから大人しくしてなさい。…で、何処に出るの君」 鰐が発する声はキエのものだ。此の鰐が“キエ”だと夢を見ているゲイザーならば判るだろう。 鰐はゲイザーを乗せてゆっくりと感情と記憶の沼を泳いでいく。 ………そう、沼だ。ゲイザーは人格であるから直ぐに混ざらなかったというだけで、本来胎の中は泥濘のように混ざっている。此処から特定の何かを掬い上げる事など砂浜から一粒の砂を探し当てる事に等しい。 何処かから赤ん坊の泣き声が聞こえる。 「君達が勝手に持ち込んだ魔力とやらを使わせて貰うからね。君も出られるんなら文句無いだろ?」 キエの行動は酷くあっさりとしていた。此処から出る為の試練も無ければ課題も無いが其れが“キエ”だからだ。 (*24) 2021/10/23(Sat) 18:48:39 |
![]() | 【人】 悪食 キエ>> ??? >>64 >>65 女の柔らかい肩が、腕が、胸が、腹が、腿が、冷えていく。錯覚はまだ止まない。 「……此れでも口説いてるんだけど?可愛い子猫ちゃんが誘ってると言うのに冷たいねェ。 君さえ決めてくれればきっとできるのに…残念だ、とても」 真っ白な指先で頬 があるかもしれない 場所を撫でると抱き締める力を強めた。実際にできるかどうかなど知らないしそうであれば良いと願っているだけだ。熱で潤む瞳を歪ませ口から冷たい吐息を漏らす。キエは寒くても死ぬ事が無いからこそ何の危機感も持たず其の儘笑っている。 「嗚呼、夢を見ないMr.ホワイト。僕は君が夢を見ないからこそ此の想いを思い出した。ずるいなァ、口惜しいなァ…目の前に在るのに食べられないなんて。 きっと人は此れを夢物語のようだと言うのかな 」キエは此の想いもいつか飽きて忘れてしまう。夢を見ない ??? の事は覚えていても、感情の起伏が少ないからきっと此の歓喜を忘れてしまう。??? が期待していないからこそ此の想いは直ぐ冷える。音の眠るような静けさの中、目を閉じて目蓋越しに何かを見たと思う。 「もう少しこうしていても? 多分僕、君から離れたら冷たいのを失くしちゃう気がするから」 自分の理を持つキエは誰かに支配された事など無かったから其の時間を強請る。 そんな時間を過ごすのか、それとも直ぐに身体を離してしまうのかは ??? 次第だ。 (66) 2021/10/23(Sat) 19:55:11 |
![]() | 【赤】 悪食 キエ「…ん、見えた」 目的地を意識に捉えると迷う事なく速度を上げた。 キエは人を導かないし救いもしないし愛していない。されど人を大切にせざるを得ない曖昧模糊な存在だ。 人によってキエは善にも悪にも成ってしまうし、キエ自身も自ら其の在り方を選んだ。其れはキエの嫌う面倒が多く在る筈なのに選んだ道だ。 赤ん坊の泣き声が遠くなっていく。 「相も変わらずおかしな事を言うねェ君は」 (*27) 2021/10/23(Sat) 20:10:25 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新