【人】 XIX『太陽』 ヒナギク―― 現在/医務室 ―― [助かったのはこちらの方だというのに、 優しい言葉をかけてくれる>>2:400 カルクドラには感謝しかなかった。 うん、と短く応えて傍らで眠る人を見る。 プロセラは言葉にすることはないだけで、 何も感じていないわけじゃない。 カルクドラの言う通り、 心にくるものもあったのかもしれない。 そんな考えがさらりと出てくるところが、 カルクドラは大人だと思う。 自身よりも経験が豊富なのか、 生まれ持っての彼の性質なのか。] (74) 2022/12/18(Sun) 14:53:00 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[教典でなら、『教皇』は『死神』を殺したという。 そんな激しい一面をカルクドラも また、持っているのだろうか……? ……今話す姿からは、微塵も想像できなくて。 濁した言葉の先を聞くのが、怖かった。>>2:402 世界が、壊れていく。 カルクドラもそれを理解している。 彼は、この光景をどう感じているのだろう。] (75) 2022/12/18(Sun) 14:53:25 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[私が尋ねるよりも先に、彼が口にした。>>2:403 私が問いかけようとした言葉を。 優しく問いかける声に、眉尻を下げたまま笑った。] 私は……、壊れてほしくないと思ってるよ。 ……お仕事でね、色んな街に行ったの。 カルクドラは南の生まれだっけ? 長閑で、人が多くて、ゆったりとしたところ。 あそこで働く人たちが居ないと、 世界の食事情が滞るって政府の人が言ってたなぁ。 [ぽん、ぽん、といつしかせんせいが 私を寝かしつけてくれた真似をして。>>2:362 プロセラの胸元を緩く叩きながら、 南の地に訪れた時の柑橘系の香りを思い出した。] (76) 2022/12/18(Sun) 14:54:39 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[中継機で見た南の地には地割れが起こり始めていた。 いつかに足を運んだときとは全く違う風景に 成り代わっていたことに衝撃を受けた。 南だけじゃない、他の地域も。 変わり果てていく、このままでは。 美しい街並みが、どんどん壊れていく。 壊しているのは誰? 神様?『箱庭』のわたしたち? 止められるのは――……私達しか居ない。] (77) 2022/12/18(Sun) 14:55:44 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク……このままだと、この世界で暮らす、 何千何万という命が消えていくんでしょう? 私を育ててくれたおじいちゃんとおばあちゃんも。 私に仕事を与えてくれた政府の人も。 洋館での暮らしを手伝ってくれていた人たちも。 いやだよ。そんなの。 神様にお願いして、許してくれるなら。 ……私は、壊したくない。 壊れてほしくない。 (78) 2022/12/18(Sun) 14:56:11 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[寝息を立てるプロセラから視線を上げて、 問いかけたカルクドラを再び見つめる。] ……カルクドラは、違うの? [彼も違わないと、思っている。 否、そうであって欲しいと、乞うように。 彼を見つめるオレンジの瞳が、戸惑いに揺れた。*] (79) 2022/12/18(Sun) 14:56:23 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク―― 回想/ホールにて ―― [ホールに居る人たちに伝達を終えて、 チェレスタの元に戻れば、 端末を手にしている姿が見れただろうか。>>2:401 避難は出来たということを知って、 両手を胸についてほう……っと大きく安堵を漏らす。] 良かったぁ……。 このまま安全な場所に居てくれたらいいんだけど。 [チェレスタの一座の評には>>2:407 こんな時にも関わらず、 あはは、と声を上げて笑ってしまった。 さすがチェレスタを育ててくれた人たちだと思う。 彼女が一座の人たちと培ってきた関係性が垣間見える。 信頼は一日二日で成るものではない。 積み重ねた日々が生み出すもの。 言葉の端にそれを感じ取って、 彼女が大事にしているものを改めて実感する。] (80) 2022/12/18(Sun) 15:51:41 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[その為にも、今できることをと彼女の手も借りる。 エーリクを追いかけるというのには>>2:420、 少し目を丸くしたものだけれど。 先程の声は彼に向けてのものだったのだろう。>>2:398] ……だ、 [思わず、咄嗟に。 口から零れそうになった言葉を飲み込む。 『審判』が『月』に近づくこと。 教典での彼らの関係を知らないわけじゃない。 今まで彼女がエーリクに取っていた態度を見れば>>2:232、 彼女からも彼に歩み寄るというのは。 きっと彼女自身が、何か現状に 変化を与えようとしているからではないかと。] (81) 2022/12/18(Sun) 15:52:40 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[いつも私のおねだりを聞いているばかりの彼女が、 私にささやかなお願いごとを一つ。>>2:425 そのことに更に驚きを隠せなかった。 彼女が、人に頼るなんて思いもよらなかったから。 些細であれ、少しの変化。 それを私自身に託されたことが、この上なく 嬉しくて 。そんなお願い事をされて断れるはずもない。 彼女の右手を取って、ぎゅっと両手で包み込む。] 勇気を出して、チェレスタ。 あなたから湧き出たものを、信じて。 『大丈夫』 私はチェレスタをずっと見てる。 もし、不安になったら。 心のなかで私を呼んで。 ――遅れても絶対に駆けつけるから。 [そっと、両手を離して。笑いかける。] (82) 2022/12/18(Sun) 15:53:30 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[名残惜しむようにハグをして、 チェレスタの背中を押して手を振った。] いってらっしゃい、チェレスタ! [彼女の期待には応えられたかな? 大丈夫、 私はいつだってチェレスタの味方だよ。**] (84) 2022/12/18(Sun) 15:54:37 |
XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。 (a27) 2022/12/18(Sun) 16:01:09 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク―― 回想/せんせい ―― [せんせいは優しい人だった。 隣り合わせて本を読んでくれて、 私の読みにくい字を上手だと褒めてくれた。>>2:300 文字を書くにあたって、 最初に教わったのは『箱庭』の人たちの古き『役目』と、 それから、今の洋館に住む仲間たちの名前。 世界にずっと受け継がれている物語は、 小さな私ですら聞いたことがある童謡にもなっている。 せんせいは『正義』らしい。 どんな意味?とか、どんな人?とか、 せんせいを困らせる質問もしたかもしれない。 でも、最終的には。 『なんだかかっこいい!』と解らないながらも、 説明を聞いて満足気にしたかもしれない。] (162) 2022/12/18(Sun) 22:15:55 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[せんせいの生まれた場所を聞いて。 人には『ふるさと』があることを知った。 ならば、私のふるさとは南東の街になるのだろう。 せんせいが話す場所は、 チェレスタからも聞いたことがない海の上の街。 私の生まれた場所とは、何もかもが違って、 どれもこれも未知のもののように思えた。 教わった文字すら違う形をしていて、 文字にも言語があるのだと、その時に覚えた。 せんせいが見せてくれる挿絵と照らし合わせて、 一つ一つを吸収していく。 教わったばかりの文字を、先生がくれたノートに 書き出しながら、先生に尋ねる。] 『せんせいは、ふるさとが好き?』 [聞いてみたのは、いつか私も。 せんせいから教わった場所を この目で見てみたくなったから。] (163) 2022/12/18(Sun) 22:16:49 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[枕に残った赤い染みの話は、 せんせい本人には出来なかった。>>2:305 朝一番にノートと筆記具を抱えて、 眠った先生のベッドに飛び込んだ時に見えた赤。 見ちゃいけないものを見てしまった気がして。 その場では、気づいていないふりをした。] (165) 2022/12/18(Sun) 22:18:36 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[その代わりに。 勉強会の後にこっそりと。 いつも証持ちで賑わうお店に立ち寄って。 その時、既に成人を迎えていたフォルスの、 袖を引っ張る少女の姿があったかもしれない。] 『せんせいは、いたいのがまんしてる』 [どこの怪我とも知れない。 見間違いかもしれない、小さな子供の言葉を。 『力』はどう受け取っただろうか。*] (166) 2022/12/18(Sun) 22:19:59 |
XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。 (a38) 2022/12/18(Sun) 22:27:14 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[カルクドラの話を聞いている傍らで。 ベッドへ視線を戻せば、瞬くプロセラの瞳が見えた。] ……あ、プロセラ。起きた? 起き上がれる? 起きるならゆっくりとね。 [彼が身体を起こそうとするなら、手伝いもした。 ベッドサイドの差水を彼に手渡して。 唇を湿らせたなら、ゆっくりと事情を話しただろう。] (213) 2022/12/18(Sun) 23:25:38 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[そうして、急かすでもなく。 ゆっくりとした口調で、彼に問いかける。] ……プロセラは、会いに行きたい人は居る? [期限は、刻一刻と、迫っている。*] (214) 2022/12/18(Sun) 23:26:53 |
XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。 (a47) 2022/12/18(Sun) 23:48:12 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク―― 医務室/カルクドラと ―― [こうしてカルクドラと二人きりで話すのは、 改めて考えれば、久しぶりかもしれない。 私が出会った頃のカルクドラは、 既に祈祷室の主であったし、 年齢の割に落ち着いて見えていた。 故郷のことを話す彼は穏やかに笑う。>>189 カルクドラは家族と仲がいいのだろうか。 五年共に洋館で過ごしたとして、 聞いたことがなかったことを思い出す。] そっか、教会で……。 だから、カルクドラも祈りを捧げてるんだね。 [南の端にある小さな小部屋に彼はいる。 時に人を招き入れて、時には一人で。 まるで神の使いのように人々に手を差し伸べている。] (414) 2022/12/19(Mon) 22:14:37 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[そんな姿ばかりを見てきていたから、 彼が荒れていた時期があることなど想像もつかない。 こうして話している今も。 命の尊さを、荒れていく土地土地を嘆いている。>>192 そのことに共感を得られたと思って、 密かに安堵の息を漏らした。 先程少し話したユグは、 崩壊も辞さない雰囲気だったから。 同じように考える人が居るんじゃないかって。 不安だけが先行ばかりしていたから。] 良かっ……、 [そう、口に出そうとして。 返ってきた答えに、言葉が浮いた。 仕方がないというのなら。 理屈がわかるというのなら、それは。] (415) 2022/12/19(Mon) 22:15:30 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[だが、その先に続くものがあったから。 彼の声に耳を再度傾けた。 真っ直ぐに向けられる視線にオレンジの瞳を絡めて。 彼の声を聴く。>>197] うん、……うん。 [世界を置いていくことは出来ないという彼に。 そっと息をつく。 予想はしていたけれど、少し緊張してしまって。 それでも、想像通りの答えが返ってきて、 自身の胸を抑え、撫で下ろす。] (416) 2022/12/19(Mon) 22:16:08 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[ゆっくりと叩かれる肩の先には、 やっぱり柔和な笑みを浮かべるカルクドラ。] ……そう、だよね。 私も、こんな状態の世界を置いて 箱庭へなんて行けない。 壊れないように、守りたいよ。 [彼の言葉に後押しされるように、 うん、ともう一度頷いて、顔を上げる。] (417) 2022/12/19(Mon) 22:16:26 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク (418) 2022/12/19(Mon) 22:16:46 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[やがて、プロセラが目を覚ます頃。 医務室を後にしようとするカルクドラに、 私からももう一度、お礼を告げただろう。] こちらこそ! お話聞いてくれてありがとうカルクドラ! [少し懸念が晴れたせいで気持ちは軽い。 世界がもし、まだ続くなら。 その時は、祈祷室に足を運んで。 彼の故郷の話を、聞いてみようか――。*] (419) 2022/12/19(Mon) 22:17:31 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[プロセラの行く宛を聞いたはずなのに。 彼から戻ってきた答えは、 私に対しての問いかけだった。>>420 首を振る様子を見てとれば、 一応返事はしてくれているみたい。 おそらく、"居ない"という回答だろう。] ……そう? ……って、 ああっ! 私、アリスの飲み物取りに来たんだった! [プロセラの言葉に階下まで降りてきた理由を思い出す。 あのまま一人にはしておけないし、 戻るつもりで来たけれど。 会いたいと、言うならば。 一人の慕う桃色を思い浮かべた。] (428) 2022/12/19(Mon) 22:59:20 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[チェレスタの答えは聞いていない。 別れ際に少し不安そうな顔を 珍しく見せては居たけれど。>>2:425 そういう意味では心配ではある。 でも、おそらく彼女の答えなら想像はつく。 一座のことを思っていた彼女>>2:407。 それに共に過ごしてきた時間が、肯定する。 『大丈夫』 それが、私と彼女をつなげる言葉。] (430) 2022/12/19(Mon) 22:59:50 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[ 大丈夫、まだ、これが最後じゃない。 彼女と話す時間は、これからも沢山あるはずだから。 私は 私と、彼女を 信じてる。 ] (431) 2022/12/19(Mon) 23:00:41 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[ゆっくりと瞬いて、にっと口角を上げる。 誰かに教わった笑顔の作り方は、 もう自分のものになったかな。] じゃあ、ちょっとだけ。 アリスのところに行ってくるね。 そうしたら、ここに戻ってくる! それまで待っててね、プロセラ! [立ち上がって、去り際にぎゅっと、 また彼の手を両手で握りしめる。 これはパワーを送るというか、なんというか。 もう自身の癖のようなものになっている。] (432) 2022/12/19(Mon) 23:01:04 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[手を振って医務室を後にして。 浮かべた微笑みを消した。 ひとつだけ気にかかったことがある。 『へいきだから』という時のプロセラは、 人を近づけさせない為に言う場合が多い。 気の所為ならいいけれど。 いいけれどね。 やっぱり、ちょっと心配だから。 食堂へ向かう足を早めて、急いで戻ろうと思った。*] (433) 2022/12/19(Mon) 23:01:26 |
XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。 (a90) 2022/12/19(Mon) 23:03:01 |
XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。 (a91) 2022/12/19(Mon) 23:03:55 |
XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。 (a92) 2022/12/19(Mon) 23:06:37 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク―― *** ―― [それから急いで食堂に行って、アリスの部屋に戻って。 彼女が起きていたら、 また寝かしつけるように彼女の背を撫でて。 彼女の隣に寝転がって、 一緒に眠ったりもしたかもしれない。 彼女の考えを聞いたりもしただろう。 結局、アリスはその時答えを出せなかったかもしれない。 それでもいいと思った。 彼女が納得のいく答えを出してほしかったから。 でも、もし叶うなら。 小さな彼女にも一緒に世界を見て欲しいと願った。 それは、口には出さないまま心だけに秘めて。 彼女が再び眠りに就くまでとりとめのない話をした。] (462) 2022/12/19(Mon) 23:45:07 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[アリスが眠った後。 プロセラの姿を探しに医務室に戻っただろう。 彼が、医務室に居なければ中庭を。 其処にも居なければ、部屋を、洋館を。 チェレスタはどうしているだろう。 考えは纏まっただろうか。 一方的に信頼は置いているけれど、 彼女がもし迷っているのならば。 端末を取り出して、彼女の宛名を探す。 打ち出すメッセージは一文だけ。] 『チェレスタはもう決めた?』 [箱庭に行くことを。世界の存続を。 彼女自身の答えを。 返事はあっただろうか。 なくても良かった。 明日また会えるって確信めいたものがあるから。 その時聞けばいい、ただそれだけ。] (463) 2022/12/19(Mon) 23:45:42 |
[|<] [<<] [<] [1] [2] [>] [>>] [>|]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新