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【人】 豊里[拍手が一段落すると、 今度はお捻りが投げられるようになった。 >>1:36>>1:40 真希奈も良い物を見せて貰った謝意を示したいと、 紙幣を一枚、色紙に包んで舞手目掛けて放った。 舞が終わると見物人たちは、わらわらと移動を始め、 人が少なくなってきた頃に、少し奥まった方へと進む。 此処なら邪魔にはならなさそうだと判断すると、 出店で購入した敷物を敷いた。>>1:34 後で食べようと購入しておいた塩焼そばに箸をつける。 柔らかい春キャベツに、桜海老が具材として入ったもので、 絞った檸檬の果汁が爽やかだ。 定番のソース焼きそばも良いけれど、此れはまた春らしい。 苺大福も、季節に合わせて中が桜餡に変わっており、 苺の甘酸っぱさが後口をすっきりとさせてくれる。] (1) 2022/04/13(Wed) 19:24:40 |
【人】 豊里[景観の良い外での食事が、料理をより美味しく感じさせた。 食べ終えて容器を片付けると、大きく伸びをする。] 長閑だなぁ。 [ぽかぽかとした陽気に、清々しい春風。 ごろりと横になって一睡したい気持ちにもなるが、 流石に行儀が悪いかと思い直す。 こういう場所で本を読んだりするのも、楽しそうだな。 工房に籠りがちの生活も、 少し改めようかという気にもなってくる。] (2) 2022/04/13(Wed) 19:26:16 |
【人】 豊里[現在、真希奈は実家近くに小さな工房を構えて、 オートマタ作りを生業にしている人形技師だ。 然し、いくら機械工学の基礎知識があるとはいえ、 すぐに人形技師として生計を立てられるほど甘くはない。 真希奈の仕事の殆どは故障した機械の修理で、 実質は修理工と名乗った方が正しいのかもしれない。 其れでも日夜、 オートマタについて勉強し研究している。 名匠迄とはいかずとも、好きなことが仕事だと 胸を張って云えるくらいになるのが当面の目標。 自分が作る物をオートマタであると見据えた理由は、 憎しみを生まず人に愛されるものだから というだけではなく、 この分野が多大に伸びしろを有しているからだ。] (3) 2022/04/13(Wed) 19:29:46 |
豊里は、メモを貼った。 (a1) 2022/04/13(Wed) 19:32:35 |
【人】 豊里[食事と休息を終えると、今度は薄墨神社の境内へ。 折角神社に来たのだし、まずはお参りをする。 お賽銭を入れて、脇の看板に書いてある参拝方法を 書かれたとおりに行った。] (どうか、多くの人が平和に生きられますように……) [世界中の人間がと云ってしまうと 流石に欲張り過ぎだろうか。 そんな風に思い、少しだけ控えめな主語に変える。 次は社務所に行って、自分と家族の分のお守りを買った。 父には無病息災を、母には家内安全を、 自分と弟には商売繁盛を。 そよ風が吹けば涼しく頬を掠めて、 厳かな空気を纏ったようで。 ざぁっと木の葉や花弁が擦れる音、 鳥の囀り。 心地良く耳を擽られながら進めば、 ご神木の千年枝垂桜が見えた。**] (9) 2022/04/13(Wed) 22:14:26 |
【人】 豊里[遠目に見れば、枝の色さえあまり見えない程に、 幾重にも花びらを重ねた花が浮かぶように連なっている。 余りにも見事な光景に、真希奈は言葉を失った。 その名の通り、樹齢は千年に至るのだろうか。 幽玄美、極まれり。手を伸ばし仰ぎ見る。 花 に 触 れ れ ば 忽 ち 、別 世 界 に で も 迷 い 込 み そ う だ 。 ] (25) 2022/04/14(Thu) 19:30:11 |
【人】 豊里 香 花 ふ 心 人 に ぞ る も は に 昔 さ 知 い ほ の と ら さ ひ は ず け る [人の心は移ろい変われども、美しきは褪せることなく。] (26) 2022/04/14(Thu) 19:36:50 |
【人】 豊里[憎しみを生まず、人に愛されるものを作りたい。 そう願いはしているけれど、それは容易い事ではない。 どんなものであれ、誰かにとって好ましいものは、 別の誰かにとって厭わしいものであることが儘ある。 銃だってそうだ。 その所為で負傷したり、命を落とす者がいる一方で、 守られ、命を救われた者もいる筈。 銃の本質は"殺傷する事"であると思うので、 きっと前者の方が多いのだろうけれど……。 "誰かに愛されるもの"と定義すると難しい。 対象が不確かで曖昧過ぎるからだ。 だから真希奈は、 まず"自分が愛するもの"を作ろうと思っている。 其れは独りよがりでしかないのかもしれないが、 確かに"自分"という、其れを愛する人間がいると云えるから。 同じく其れを、愛してくれる人が他にもいれば、万々歳だ。] (27) 2022/04/14(Thu) 19:39:45 |
【人】 豊里[私はきっと、名匠になることは出来ないだろう。 それでも構わない。称号も、称賛も必要ない。 そもそもそれらの賛辞は、 一握りの人間にのみ与えられるものだ。 そうでない者は悪である……という話ではない。] (28) 2022/04/14(Thu) 19:41:12 |
【人】 豊里[そろそろ、姫櫻の神楽が始まる頃だろうか。 神楽殿の方へと向かえば、 なんとか見るのに支障のない場所を確保できた。 見物客が犇めく中、期待に胸を躍らせていた。 旅籠の女将から、地元の女児たちが舞うのだと聞いて、 榛名にはそういった風習があるのかと、 自身の幼い頃を思い出す。 もしかしたら、あったのかもしれない。 でも真希奈自身はそういった催しに、 参加したことはなかった。] (44) 2022/04/14(Thu) 23:52:06 |
【人】 豊里[姫櫻の神楽は、お囃子から始まり、 可愛らしく着飾った小さな舞姫たちが登場する。 旅芸人……玄人の舞とはまた違うけれど、 何とも微笑ましく、自然と笑みが零れる。] (きっと、沢山練習したんだろうなぁ) [小さな体を精一杯動かして、着物を翻し、くるりと回る。 自分はやはり、世間を知らなすぎるのだろうな。 自嘲するように、小さく笑って、 此処へ来て良かったと改めて思った。 櫻を、祭を、職人街を見に、榛名へとやって来た。 然し、此処へ来た目的はそれだけではない。 知らずに大人になってしまった多くの事、 今からでも知っていきたい。そう思ったからだった。 姫櫻の神楽が終わると、 胸をいっぱいにして旅籠へと戻る。 明日は商業地区でお店を見て回って、 午後の便で榛名を後にする予定だ。**] (45) 2022/04/14(Thu) 23:55:17 |
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