手を添えて、あなたの熱を秘部にあてがうと
　　ゆっくりと、腰を落としていく。


　　

　　暫く慣らすように腰は動かさずに
　　熱っぽく息を吐いて。
　　悪魔のような一言をあなたの耳元に囁く。

　　

　　何が、とは言わない。
　　ただ、あなたがしたことをなぞって。>>2:-11
　　なぞるだけじゃ飽き足らずに。


　　「先生は、こうするの、好きでしょう？
　　　好きって言うまで動いてあげませんよ。」


　　あなたにとっては耳障りにすら聞こえそうな
　　嗤い声をあげると、
　　顔を近づけたまま、あなたの返事を待った。*

　　

　　




　　

　

　　負け惜しみのような言葉を封じるための責め。
　　私の目を見れば、その意図を
　　あなたが察するのは容易い。





　　

　　そんな責めも永遠には続けられない。




　　

　　避妊具を外したい、そんな身勝手を
　　叶えてあげようとしてるのに、
　　私の言葉の意味をしっかり汲みとったらしい
　　あなたの言葉を封じるように
　　あなたのものを中へと押し込んで。


　　

　　私の囁きにどんな反応が返ってくるかなんて
　　予想していなかったけれど。




　　
　　力を込められて押し込まれる感触に
　　一瞬体を震わせて反応した後。

　　

　　馬鹿にしたように笑ってから。
　　あなたのものを抜かないまま
　　見下ろして、あなたに語りかける。




　　

　　　

　

　　

　　こんなことを言ったら
　　今すぐにでも抜きたいかもしれないけど
　　私が乗っている以上、それも出来ないはず。


　　　「あなたには明るい未来なんて
　　　　万に一つも来ないんですよ。
　　　　感染者と関係を持ちたい人なんて
　　　　この先現れるはずもないですし？



　　

　　嗤いながら憐憫の言葉を投げかけて。
　　あなたに絶望してもらおうと思って
　　吐いていた言葉だったけれど。
　　ふ、と真顔に戻り。

　　

　
　　あなたの上から動かないまま。
　　私はあなたに最低の言葉を吐き捨てると
　　満足そうに笑っていた。*

　　

　　

　　満足か、という言葉には応えず。

　　指先から伝わっただろうか、
　　この同情は嘘偽りのない本心だという事が。
　　　

　　

　

　　

　　

　　囁いた後、
　　私はあなたのお望み通り、腰を持ち上げる。
　　栓がなくなった中からは
　　白濁が流れ落ちて脚を汚した。

　　私はそのままあなたの上から離れて
　　ロープの傍に放ってあったカッターナイフを
　　持ってくると、あなたの手首の縄を切る。


　　

　　
　　渡した後、私はあなたのスマホを拾い上げて。
　　あなたの方へと差し出しながら。


　　　「通報でも何でも、ご自由に。

　　　　私がしたことはれっきとした犯罪だから。
　　　　この場の行為に限って言えば
　　　　あなたは不可抗力だったと言える。

　　　　でも、このスマホに保存されてる
　　　　動画を見られたら、
　　　　あなただってただじゃ済まない。」

　　

　　

　　

　　

　　拘束を解いた時点で何をされようとも
　　それに抵抗する気なんて微塵もなく。

　　

　　乱暴に捕まれても逃げようともしない。
　　押さえつけられても
　　静かにあなたの瞳を覗き。
　　ネクタイを手にするのを見て

　　



　　汚れた秘部が雄を受け入れると
　　収縮する中はあなたを悦ばせようと締め付けて。




　　

　　　　　

　　

　　　　　　　　　　

　　

　　乱暴な抽挿でも待ち望んだ刺激だったから
　　痛がることも嫌がることもしない。
　　ほら、と。
　　正解をもらった子供のように
　　ふ、とわらって。

　　

　　でも、私だって人間だ。
　　首を絞められれば息苦しさに悶えて
　　咄嗟にあなたの手を掴もうとして
　　縛られてることを改めて思い知る。
　　

　　　



　　

　　叶わないことを思いながら
　　さっき私が付けた執着の痕を目に映し。