氷肌玉骨を手に ナオアキは、メモを貼った。 (a3) 2022/06/13(Mon) 1:12:28 |
ナオアキは、会議室で猫ちゃんとお喋り。 (a4) 2022/06/13(Mon) 1:13:03 |
【人】 晨星落落 ヌイバリ目を閉じて、しばらく後のこと。 部屋に皆が戻ってきて、無事な人もいれば無事ではない人もいて。 それは分かっていても、どうにも目を開けることができなくて。 指先だけが熱くて、頭が急速に冷えていく。 まだ息をしている。けれど、それだけだ。 側から見れば眠っているように見えるだろう。 寝ずに待ってる、という言葉を嘘にしないためにも、意識だけは保っていた。 このまま指先から燃えていっちゃったりしないかな。 そんな馬鹿なことを、熱に浮かされた頭で考えていたところ。 ぶす、と遠慮なく腕に針が突き立てられた。 そのまま薬液が体内に注入されていく。 「痛ぁ!?」 思わず声が出た。 と同時に、体の自由が戻っていることにも気づいた。 あれあれ、おかしいな。殊勝に覚悟を決めていたはずなのに。 目を白黒させながら、数日ぶりに会う女性の姿を見て。 ああ、結木さんのことを信じてよかったな、とだけ、 最初に思ったのだった。 (3) 2022/06/13(Mon) 15:25:58 |
カナイは、いたい場所へ戻る為に。 (a5) 2022/06/14(Tue) 2:17:46 |
カナイは、針の路を歩く。 (a6) 2022/06/14(Tue) 2:21:33 |
フカワは、ますますいたくなる。貴方のせいだ。 (a7) 2022/06/14(Tue) 6:48:18 |
カナイは、いたいけれど、いたいだけではなくて、 (a8) 2022/06/14(Tue) 18:00:55 |
カナイは、晴の路を歩く。 (a9) 2022/06/14(Tue) 18:06:47 |
カナイは、いつかその中で、同罪とか、同族とか、責任とか。 (a10) 2022/06/14(Tue) 18:06:53 |
カナイは、それら建前が無くとも、同じ路を歩めたなら。 (a11) 2022/06/14(Tue) 18:06:59 |
カナイは、あなたを、あなた達の事を、正しく好きになれるのだと思う。 (a12) 2022/06/14(Tue) 18:07:06 |
【人】 棕櫚の主日 コゴマ――エマの助けを受け、暗澹たる状況は晴れ始めた。 今まで混乱のために見えなかったものも、少しずつ見え始め、 互いに向けられた不安も、ひとつひとつ解消されてきた。 自分たちで協力しあったなら、今度こそ欠けることなく外に出られそうだ。 >>3 伊縫 彼が治療を受けている様子を見て、ほっとしたように歩み寄る。 顔色はまだ悪いかもしれないが、今なら安心できるような、気がする。 以前にもこうして様子を確かめた気がする。その時には、今よりもずいぶんひどい状態だったが。 「……大丈夫か? だいぶん調子がよくなかったようだが。 エマの説明までは、聴こえていたか?」 (4) 2022/06/14(Tue) 18:13:13 |
【人】 海底撈月 ヌイバリ>>4 古後 しばらくはあちこち体を確かめたり、眉間に皺を寄せてなにごとやら考えていたようだ。 顔色はまだ万全とは言えないが、それでもあなたを見るとぱっと破顔した。 「愛施!おかえり! ん〜…………ちょっと熱っぽかったんだけど、薬打って貰ったら楽になったよ。気が抜けたのかなあ。 あ、ちゃんと説明は聞いてたからな!目閉じてただけで、寝てたわけじゃないからな!」 少し考え込むような、誤魔化すような物言いだった。 死の予感は実際のところすぐ間近までやってきていてものだから、あれは薬の副作用だったのだろうと青年は考えている。 去った危険については知らせない方がいいだろう、と判断して、自分から言い出した約束は決して破っていないと必死にアピールする。 「あれ、そういえば愛施はもう注射したのか?」 なんだか予防接種もう行った?とでも言うような、気軽〜な問いかけが飛んだ。 (5) 2022/06/14(Tue) 21:28:14 |
カナイは、決して強いとは言えない人の事が結構好きだった。 (a13) 2022/06/15(Wed) 21:08:29 |
カナイは、理由は言ったら怒られそうだから、言わないけど。 (a14) 2022/06/15(Wed) 21:08:36 |
【人】 棕櫚の主日 コゴマ>>5 伊縫 「……熱っぽかった、ね。まあいい。詮索するのは生産的じゃないからな。 少なくともこれ以上不愉快ななにかに蝕まれるということは、無いらしい。 そんな便利なものをいくらも用意できるなら、騒動のほうも治まるだろう」 果たしてどんな手を使ってそんなものを手に入れたのか、わかったものではない。 そして、同時に彼女がどれほどの労力を賭してそれほどのことをやってのけたのかも。 脱出するまでの短い道をどのように切り抜けるか、必要なものをかき集めつつ。 疑わしいような、恨めしささえあるような目で貴方の顔をじっとにらみつける。 もしくは観察しているのかもしれないが、愛嬌のない表情からは知れるものもない。 「僕はまだだ。退去する前にやるべきことがあるかもしれない。 撤収する前にはどうにかするから、気にしなくて良い」 エマにはきちんと治すつもりであることを説明した上で、今は固辞しておいたらしい。 記憶に関わる力は、これから外で生きていく者には必要となることもあるだろう。 それが誰で、どんなふうにか、なんてのは交友が狭かったぶんわからない話だ。 (6) 2022/06/16(Thu) 0:16:50 |
【人】 棕櫚の主日 コゴマ>> 叶 「……ああ、そうか」 言葉をかわしながらに、思い出したように手を手で打つ。 それから、破損しないようにハンカチにくるんだままにしてあった余剰の薬剤を、 貴方のほうへと押し付けるように寄越した。 手はさっと引き上げられ、返却は許されないらしい。 「僕は誰がこれを必要としているやら、皆目検討もつきませんので。 "約束"をした貴方が、どうするのかは決めてくださいね」 そう言い残し、撤収準備に立ち返る。 それが、掌の上の希望が誰に向けられるべきであるかは。 自分よりも貴方のほうが、知っているはずだと、わかっているのだ。 (7) 2022/06/16(Thu) 0:19:29 |
【人】 晴の再路 カナイ>>7 古後 「あの時、……僕達の事を 助けてくれて、ありがとうございました。」 少し以前の事。会議室のやや手前、廊下での一件。 そこでの出来事は、 少なくとも自分達にとっては些細なものではなくて。 あの時、確かに自分は多少なりあなたに恐怖を抱いていて。 それを知らずとはいえど、 そして、あなたにとってはそれが当然の事だったとしても。 寄る辺など何処にも無いと思っていた自分達の事を、 あなたは確かにその身を挺して助けてくれたのだ。 その事は、確かに皆が行き着く先を変えたのだと思う。 「それから…今もまた、こうして助けてくれて」 年甲斐も無い、助けられてばかりだな、と思う。 とはいえ事実今の自分にできる事が何かと言えば、 あなたのその行いを、その言葉を裏切らない事が最上だろう。 「ありがとうございます。 あなたが、皆が無事で、本当によかった」 手渡された希望は、届けられるべき先へ。 だからあなたに返すのは、この言葉だけ。 (9) 2022/06/16(Thu) 1:40:25 |
【置】 晴の再路 カナイ──この先は、自分だけで。 話を終えた後、預かったものを二つ持って、資料室を出た。 その用途を委ねられた注射器と、今ここには持ち主の居ない、 ロックされたファイルばかりのタブレット端末。 ふと、こんなに心細いものだったかな、なんて思った。 安全な場所を離れ、一人で行動するなんて この数日の間で何度もしてきた事なのに。 とはいえそれも当然の事で、そもそもの話。 これまで自分が形振り構わずあちこち出歩く事ができたのは ただあの力の殺傷力に頼り切っていただけなのだから。 人気は無く、人以外のものは遠く。 実際はもう自分達以外に動くものは少ないようだけれど、用心深く慎重に。 気配を感じ取るなんて事ももうできないから、頼りになるものは五感だけ。 資料室を後にして、随分静かになった廊下をやはり恐る恐る歩いて、 一回、二回、角を曲がって、…… 三回目の角を曲がっても、 今そこにあるのは幾度か見た事のある扉だけ。 (L0) 2022/06/16(Thu) 3:37:50 公開: 2022/06/16(Thu) 3:40:00 |
【置】 晴の再路 カナイ「職員仮眠室」のプレートが掛かったその扉を開けて、 いつかこの場所を後にした時同様、静かに電気を点けた。 あの時からどれだけ時間が経っているんだろう、 なんてふと過った詮無い考えは答えがあるはずもなくて。 神様なんて居ないと思っている。 少なくとも、子供心に思い浮かべるような都合の良いものは。 もしもそんなものが居るのだとしたら、 どうしてもっと早く、他の形で助けてくれなかったんだ。 そうはならなかったから至った今を否定したくはないけれど、 弱い自分は、きっとそう思ってしまうのも事実だろうから。 神様なんて、居ない方が良いと思っている。 けれども居ない事を証明できはしないから、 自分以外の誰かが居ると思う事を否定するわけじゃない。 自分にとっては、居ない方が良いものというだけだ。 もしもそんなものが居たとしたならば、 起きた悲劇を"それ"のせいにしてしまえるものだから。 (L1) 2022/06/16(Thu) 3:39:00 公開: 2022/06/16(Thu) 3:40:00 |
【人】 海底撈月 ヌイバリ>>6 古後 「話が分かって助かる〜。 はあ、あれ便利だったんだけどな……」 ふるり、と身を震わせてから青年は不思議そうな表情を作った。 自らの『想い』を『意思』のままに制御下に置いていた分、全ての主導権を一気に失ってしまったかのような感覚になる。 例えばそれは、恐怖であったり。 じっとこちらを睨むあなたと目を合わせ、へにゃりと笑う。 ここにいるのは怖い。怖かった。でも今は何だか大丈夫だと思えた。 無理矢理に誤魔化すのではなく、自然とそう思えた。 あなたがそこにいるからだ。 「……あんまり、無理しちゃだめだぞ? 出るまでの話とはいえさ、使うのも辛いだろうし。 注射怖かったら手握っててやるから言えよな…… 」あなたの能力に救われた人間はここにいる。 忘れることで救われる人間だってきっといる。 そのためにあなたが身を削ることだけは、釘を刺しておかねばと思った。 (10) 2022/06/16(Thu) 11:09:52 |
カナイは、晴の路を歩く。 (a15) 2022/06/16(Thu) 19:38:16 |
カナイは、日向から暗い夜へ、その光を届けに行く為に。 (a16) 2022/06/16(Thu) 19:38:30 |
マユミは、その固まった微笑みの口から、血を流しています。 (a17) 2022/06/16(Thu) 21:43:09 |
マユミは、目を開いて、大きな血の塊を吐き出しました。 (a18) 2022/06/16(Thu) 21:47:07 |
カナイは、だからただ、あなたに祈るだけ。 (a19) 2022/06/16(Thu) 23:52:55 |
カナイは、後悔している事が無いとは言えない人間だ。 (a20) 2022/06/16(Thu) 23:53:37 |
カナイは、けれど、今にして思えば、後悔ばかりでもなくて。 (a21) 2022/06/16(Thu) 23:53:45 |
カナイは、何より今は、しなかった事で後悔をしたくはなくて。 (a22) 2022/06/16(Thu) 23:54:59 |
マユミは、咳がやっと落ち着きました。 (a23) 2022/06/17(Fri) 0:42:47 |
マユミは、深呼吸を二回、三回。 (a24) 2022/06/17(Fri) 0:42:56 |
マユミは、ぼやけた視界が、はっきりとしてきます。そして、 (a25) 2022/06/17(Fri) 0:43:10 |
マユミは、あなたをみつけました。 (a26) 2022/06/17(Fri) 0:43:19 |
マユミは、ぼろぼろと涙をこぼして、飛び込みます。 (a27) 2022/06/17(Fri) 0:43:27 |
カナイは、きっと良い事ばかりではないけど、それでいい。 (a28) 2022/06/17(Fri) 4:47:28 |
カナイは、今ここにある安堵もまた、現実なのだから。 (a29) 2022/06/17(Fri) 4:47:36 |
【人】 棕櫚の主日 コゴマ>>8 >>9 叶 例えばあの時貴方達が敵であることをわかっていなくとも、 今ならわかっているか、と言われたら。 この不安定な力をそこまで意識的に扱えたのだ、なんて確証もないまま、 そうに違いなかったろうと、確信めいて思うことはできなかった。 そして、古後愛施は小さな疑念を過ぎ去った後まで持ち出す人間ではない。 自分以外の人間に、さほど価値を見出していないが故に。 「些事でも助けになったのなら何よりですよ。 僕は自分の周りのことしか、わかりませんので」 貴方の感謝の念の重さに比べれば、返した言葉のなんと軽いことだったろう。 背中越し、或いは横顔から放たれた"どういたしまして"がどれほど価値の在ることやら。 兎角、この出来事を超えて変わった様子のあった貴方に比べたら、 この青年ときたら、最初に偉そうにしていた様子から大きな変わりもなく。 それでも、返る言葉を受け取る腕は、変わらずそこに、あるだけだ。 (11) 2022/06/17(Fri) 4:53:32 |
【人】 棕櫚の主日 コゴマ>>10 伊縫 「結局のところここから離れるまで安心できるわけでもない。 僕は戦うための力というわけでもないけど……まあ、保険だ」 例えばひとたび使うだけで追手を振り払えるようなものだったなら、 もう少しだけ渋る理由もあったかもしれないし、或いは危険視されてしまって、 今よりも早くエマから駄目押しの注射が振る舞われていたかもしれない。 誰かを斃すに向かずとも、何が出来るわけでもない、とは思っていないようだった。 「……何が怖かったら手を握っててやる、だ。 注射が怖いから躊躇しているとでも思っているのか?」 長い前髪の向こうで眉間に皺を寄せて、渋い顔。 貴方の忠告を侮られたとでも思ったのかもしれない。 作業の手を止めて、伸ばした人差し指で額をつついてやろうとしたかもしれない。 けれども少なくとも。貴方の言葉に思うところは、あったのだろう。 まとまった荷物を脇に置いて、貴方の隣に座り込む。 「――でも、そうだな。 ここから出ていくまでの道中が恐ろしいなら。 僕が、お前の手を握っていてやるさ」 手を、差し伸べて。 (12) 2022/06/17(Fri) 5:14:49 |
カナイは、自分のそれは、どこまでも一方的な感謝だったのだと思う。 (a30) 2022/06/17(Fri) 5:48:45 |
カナイは、だからあなたが言葉を受けて、それに言葉を返してくれた事。 (a31) 2022/06/17(Fri) 5:48:56 |
カナイは、その重さや価値の如何を問わず、ただその事だけで十分だった。 (a32) 2022/06/17(Fri) 5:49:05 |
【人】 海底撈月 ヌイバリ>>12 古後 「うんうん、こんな場所のことすっかりさっぱり忘れたい〜!って人もいると思うしな。 ……あとはまあ、出る前に怪我とかする人も、いるかもだし……」 いない方がいいのは間違いないが、途端に不吉な想像が湧き上がる。 見知った顔が苦しむ顔も、血に塗れた姿も、もう見たくないものだ。 腕を組んで深く頷いた。 「あ〜、今のは言葉の綾ってやつでぇ〜…… あてて、ごめん、ごめんって!注射する前にはちゃんと消毒しろよ!」 いつぞやのように、眉間に皺を寄せるあなたの顔を見て。 仕返しのようにつつかれた額を抑えて、青年はやっぱり笑った。 膝を抱えるように座ったまま、頭も膝に乗せるようにして丸くなる。 そうしてそのまま、差し伸べられたあなたの手を見て。 何やらむにゃむにゃと言葉にならない声を発してから、意を決したように口を開いた。 (13) 2022/06/17(Fri) 13:12:35 |
ヌイバリは、差し伸べられた手をとった。 (a33) 2022/06/17(Fri) 13:18:26 |
ヌイバリは、ずっとずっと、怖くて仕方なかったけれど。 (a34) 2022/06/17(Fri) 13:18:43 |
ヌイバリは、一人ではないので。 (a35) 2022/06/17(Fri) 13:19:40 |
ヌイバリは、やっぱり、あなたに会えてよかった。 (a36) 2022/06/17(Fri) 13:26:12 |
【人】 篝屋に来た カジヤマ「ぎっ……ぐァッ……! いっでェ……!! マジきっっつい…」 焼けただれている背中と、傷ついた身体を起こす。 目を開けて、声を聞いた。ああ、本当に聞きたかった声達だ。 二日程眠っていた身体は不思議と大きな傷口だけを閉ざす形で再生した。 想像よりはひどくない、明らかに緩和している症状と怪我。 あり得ない治癒力と、まだ鈍く身体に残る痛みに思わず笑ってしまった。 これが、はじめての"治りかけている"という感覚だった。 「―― あは」 部屋で心配をされながら、笑って受け答えて内面を隠す。 今は叫んでいる暇はない。 また生き残ってしまった。 まだみていないからだ、あの日焦がれた炎を。 死んでもみたかった、この傷を与えたあの美しい光景を見ていないからだ。 これは、生きていたかったからじゃない。 醜い執着のせいだと、いつか、ぶちまけようかとは思っている。 「めっっちゃ、遅くなった。皆ただいま〜」 (14) 2022/06/17(Fri) 20:44:27 |
【人】 篝屋に来た カジヤマ「さとみん、あんがと。」 付き添ってくれた後輩にお礼を言う。 まったく、無理矢理付き合わせてしまった。 歯医者に生きたくない子供のように。 「今皆の現状は……どうなってる系?」 冷や汗をかきながら、状況を確かめた。 特効薬……? が見つかったらしい。 そして、それぞれに手配されたと。 ――この薬を研究したい、まっさきに思いついたのはそれだ。 これさえ大量に作ることが出来れば、 己の怪我も誰かの怪我も簡単に治すことに繋がる。 病は気からというが、全く本当にどうして。 こんな曖昧な定義だからこそ、人は救われるのだ。 できるだけ頼み、薬を斡旋して貰う。 少なくとも自分の分と誰かに与える分は用意できた。 残り、ここで命を落としてしまったのは――…… (15) 2022/06/17(Fri) 20:54:43 |
氷肌玉骨を手に ナオアキは、メモを貼った。 (a37) 2022/06/18(Sat) 2:40:11 |
カナイは、望みは叶い、日は巡り、夜を越えて、また朝が来る。 (a39) 2022/06/18(Sat) 5:44:37 |
カナイは、いつか日が沈むまで、いつか月が昇るまで。 (a40) 2022/06/18(Sat) 5:44:46 |
カナイは、ただ日向を目指して、晴の路を歩く。 (a41) 2022/06/18(Sat) 5:44:52 |
カナイは、人がいつかは行き着く西方は、けれど今は未だ遠くの彼方に。 (a42) 2022/06/18(Sat) 5:45:48 |
マユミは、願いは届き、日は巡り、夜を越えて、また朝が来る。 (a43) 2022/06/18(Sat) 11:26:28 |
マユミは、いつか日が沈むまで、いつか月が昇るまで。 (a44) 2022/06/18(Sat) 11:27:41 |
マユミは、矢のように走るのではなく、人のように歩く。 (a45) 2022/06/18(Sat) 11:29:38 |
マユミは、いつか日が沈む時、いつか月が昇る時も―― (a46) 2022/06/18(Sat) 11:30:38 |
マユミは、あなたを、隣で照らしていたいのです。 (a47) 2022/06/18(Sat) 11:31:38 |
マユミは、いつか月が沈むまで、いつか日が昇るまで。 (a48) 2022/06/18(Sat) 11:32:11 |
【置】 暗夜行路 ヌイバリ>>叶 それは、叶の端末に届いたひとつのメッセージ。 いつの間にやら届いたそれを、あなたはそれを読んだかもしれないし、読まなかったかもしれない。 『はばかりさんへ …やっぱり今は叶さんて呼んだ方がいいのかな、 わかんないや。ごめんね。 高校の時、姉ちゃんの周りちょろちょろしてた俺の事、覚えてるかなあ? 俺もようやく思い出したくらいだから、 覚えてなくても当然なんだけど… 直接顔を合わせたら怖がらせちゃいそうだから、 こういう形にしました。 助けてくれてありがとう。 皆を守ってくれてありがとう。 こんなことでお礼を言われるの、嫌かもしれないけど。 辛い思いもたくさんして、悩んで、 これから、たくさん大変なことがあるかもしれないけど。 どうか少しでも怖いことが起こらないように、 平和に過ごせるよう願ってます。 いつかお礼ができるように、 今住んでる住所と連絡先書いておきます。 思い出したくないな、って時は消しちゃってください。 (漢字、覚えてなくてごめんね…) 』 (L2) 2022/06/18(Sat) 19:01:39 公開: 2022/06/18(Sat) 19:10:00 |
ナオアキは、聞こえなくなった声について考えてしまった。 (a49) 2022/06/18(Sat) 19:46:11 |
ナオアキは、死ななければならない。 (a50) 2022/06/18(Sat) 19:46:20 |
ナオアキは、罪の意識はやっぱりないけれど、人が罪と呼ぶものを犯したとは認めている。 (a51) 2022/06/18(Sat) 19:46:25 |
ナオアキは、人に咎められる望みを叶えようとした。が、 (a52) 2022/06/18(Sat) 19:46:37 |
ナオアキは、ここでやり切れなかった。二度とこんな機会なんて訪れないと思っている。 (a53) 2022/06/18(Sat) 19:46:39 |
ナオアキは、後戻りをしない。手を伸ばすことをやめない。これは譲れないこと。だから、 (a54) 2022/06/18(Sat) 19:46:50 |
ナオアキは、思ってしまった。 (a55) 2022/06/18(Sat) 19:47:56 |
ナオアキは、死ななければならない。 (a56) 2022/06/18(Sat) 19:48:09 |
ナオアキは、会議室でお喋り。最期まで。 (a57) 2022/06/18(Sat) 19:48:33 |
ヌイバリは、皆と、自分を傷つけた人のことを、許せない。 (a58) 2022/06/18(Sat) 20:49:52 |
ヌイバリは、許せなくても、理解できなくても、褒められた喜びは忘れられない。 (a59) 2022/06/18(Sat) 20:51:35 |
ヌイバリは、時折うずく痣と一緒に、奈尾さんのことを思い出す。 (a60) 2022/06/18(Sat) 20:54:22 |
【人】 棕櫚の主日 コゴマ>>13 >>-38 伊縫 「結局僕は自分の力でどこまで出来るのか、試したわけでもないしな。 ……土壇場までも楽な航行になるかなんてのは、誰にもわからない」 エマに聞かれれば、そんなことはこちらが心配することではないのだと叱られそうだ。 けれども彼女であっても、或いは他の誰であっても。 素直に聞くようには出来ていないのだから、簡単には楽観視してしまえない。 溜息をついて、わざとらしくどこか迷惑がっているような態度を取って。 そのくせあらかた準備を終えて先を征くための用意ができたなら、 叶や深和、彼ら"背負った"人間が戻るまでの短い時間を、待つことにした。 そう長いことではなく、ここに居座るでもなくて。恐らくはちょっと休憩する程度。 身体を休める、なんてことにも満たないくらいの、ほんのちょっとの話。 指先に灯る熱が重ねられるにしろそうでないにしろ、青年はそこに居た。 (16) 2022/06/18(Sat) 20:54:48 |
コゴマは、神の愛とは何のためにあったのだろうと、考える。 (a61) 2022/06/18(Sat) 20:56:35 |
コゴマは、乗せられた掌が違ったなら、掛けられた期待の形が違ったなら、此処にはいなかったのだろう。 (a62) 2022/06/18(Sat) 20:57:16 |
コゴマは、私の全ての労苦と、父の家のすべてのことを忘れさせてくださった者の祝福に祈った。 (a63) 2022/06/18(Sat) 20:58:01 |
【置】 晴の再路 カナイ斯くして悪夢は覚め、けれどその記憶は消えはしない。 癒えた傷も、その傷痕は残り続けるように。 この数日間に起きた事の全ては、たとえいつか記憶は薄れても それはきっと、人の一生を構成する要素の一つとして 自身の一部となり、内に溶け、馴染んでいったのであって。 良くも悪くも、消えて無くなりはしないだろう。 (L3) 2022/06/18(Sat) 20:58:11 公開: 2022/06/18(Sat) 21:00:00 |
【置】 晴の再路 カナイだから、そう。 自分がこの場所でしてしまった事も。 自分がこの場所で誰かに貰ったものも。 自分もそうなっていたかもしれない、誰かの行く末も。 いつの間にか届いていたメッセージも。 何もかも、過ぎた事として、この場所に置いて行きたくはなくて。 だから忘れはしないだろう。向き合い続けるだろう。 いつか自分の一部として、記憶の内に溶けて行くその時まで。 きっと外は、朝日が昇る頃。 斯くして悪夢は覚め、けれど時折それを思い返す者が居る。 傍で歩む誰かと共に、現実という路を歩きながら。 (L4) 2022/06/18(Sat) 20:58:41 公開: 2022/06/18(Sat) 21:00:00 |
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